CRM(顧客関係管理)は、顧客情報を収集・管理し、顧客との関係を良好に保つためのツールです。
HubSpotが発表した「日本の営業に関する意識・実態調査2025」によると、CRMを導入している企業の割合は37.2%と、年々ゆるやかに増加していることが明かされました。一方、米国企業に目を向けると、社員11人以上の企業におけるCRM導入率は91%にのぼるとされています。
日本では、大企業を中心に少しずつCRMの導入が進んでいるものの、米国と比較するとデジタルシフトが大きく遅れている状況です。
しかしこの事実は、「CRM導入」が日本では競合他社との差別化になりうることを示しています。市場で優位性を獲得する有効な一手として、CRMの活用を検討する意義はあるでしょう。
そこで本記事では、CRMの導入を検討している方に向けて、おすすめCRMツールを厳選してまとめました。CRM市場シェアや料金、利用者の口コミなどもあわせて紹介するため、自社にマッチしたCRMを探す際の参考にしてください。
CRMは、日本国内においても需要が拡大しているツールです。適切に活用することで、顧客満足度の向上や業務の効率化が実現し、売上の増大につながります。
以下では、CRMの基礎知識として、概要や具体的機能、国内外のCRM市場の状況などを紹介します。
出典:HubSpot
CRM(Customer Relationship Management)とは、企業と顧客との関係性を管理(マネジメント)する概念や手法、ツールのことです。日本語では「顧客関係管理」「顧客関係性マネジメント」などと訳されます。
CRMツールは、主に以下のような業務を効率化する役割を担います。
激化する市場競争のなかで、企業が成長を続けるためには顧客と「長期的な」関係性を構築することが重要です。CRMツールは、顧客との良好な関係を維持し、自社の商品・サービスの継続的な利用を促すことで、長期目線での収益拡大に貢献します。
多くのCRMツールに搭載されている一般的な機能には、以下のようなものがあります。
機能の詳細や、実現できることをそれぞれ見ていきましょう。
出典:HubSpot
CRMツールでは、主に以下のような顧客情報を管理できます。
CRMを導入すると、これまで別々のツールで管理していた顧客情報が一か所に集約されます。マーケティングや営業、サポートなどの部門をまたいで情報を共有でき、より多角的な視点での顧客分析が実現します。
出典:HubSpot
SFA(営業支援システム)分野をカバーしているCRMツールでは、以下のような案件・商談に関する情報を管理できます。
CRMに蓄積した案件・商談情報を分析することで、マネージャーは「失注原因を探る」「注力すべき案件を見定める」など、営業活動の最適化を図れます。営業部門の生産性向上を目指す場合は、商談管理機能を有したCRMツールを選択するのがよいでしょう。
出典:HubSpot
CRMのなかには、リード(見込み客)の情報を管理できるツールも存在します。たとえば以下のように、複数の条件をかけ合わせて特定の条件に合致するリードを抽出できるのです。
見込み客の行動から「自社への興味・関心の高さ」や「購買意欲」を判断し、それぞれの対象に最適なアプローチを行うことで、顧客育成が効率化します。リード管理機能を持つCRMツールを導入すると、マーケティング・営業部門の連携を強化できるでしょう。
出典:HubSpot
CRMツールに蓄積した情報から、あらゆる切り口で表やグラフを作成できる機能です。Excelを使用して手動で管理したり、専任の担当者に依頼したりしなくても、分析結果をすばやくレポート化できます。
作成した複数のレポートを統合できる「ダッシュボード機能」が搭載されているツールなら、必要なデータを社内のどこからでも迅速に確認できるでしょう。
出典:HubSpot
電話やメール、SNSなど、複数のチャネルから寄せられる問い合わせを一元管理できるCRMツールもあります。これにより、カスタマーサポート部門は迅速かつ高品質な顧客対応を実現可能です。
問い合わせ管理機能を有したCRMでは、問い合わせごとの対応状況や重要度、詳細内容などをリアルタイムに共有できます。複数人で問い合わせを管理している場合でも、対応の重複や抜け漏れを回避できるでしょう。
FORTUNE BUSINESS INSIGHTの調査で、2023年時点の世界のCRM市場規模は914億3000万米ドル(2025年現在の為替レートで約13兆7212億円)と評価されました。2032年までには2627億4000万米ドル(約39兆4224億円)に成長することが予測され、予測期間中の年平均成長率は「12.6%」を示します。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックを経て、企業は個人消費の減少や顧客ニーズの変化に直面しました。その結果、企業の持続的成長には既存顧客と良好な関係を構築することが不可欠であるとの考え方が強まり、CRMツールへの需要が高まったのです。
本調査では、今後もCRM市場が成長し続けると予想する根拠として、大きく以下の2点を挙げています。
それぞれの詳細とあわせて、CRM市場成長の特徴を紹介します。
市場の成長を促進する要因のひとつとして、生成AIの進化が挙げられます。生成AIを搭載したCRMツールでは、膨大な量のデータを分析し、顧客ニーズや売上をリアルタイムに予測可能です。
CRMが生成AIによって進化を続けることで、企業にとっての有用性がますます高まり、市場の成長を促進することが予想されています。
モバイルフレンドリーなマルチチャネルCRMの躍進が、CRM市場の成長を促進すると予想されています。
マルチチャネルCRMを活用すると、企業はメールやSNSなど、さまざまなチャネル間でシームレスな顧客コミュニケーションを実現できます。これにより、マーケティング・営業活動の効率化が加速することから、導入企業の増加が見込まれているのです。
このように、現状で多くのシェアを占めている地域や企業以外でも、今後CRM導入の流れが加速していくことが予想されています。日本も例外ではなく、ブランドを差別化して企業の成長を促進するうえで、顧客中心の戦略がますます重視されるでしょう。
国内外でCRM活用の重要性が高まっている背景として、主に3つのビジネス変化が関係しています。
成熟市場では、製品そのものの品質だけでは差別化を図ることが難しく、新規顧客の獲得にかかるコストは増大傾向にあります。実際に、新規顧客の獲得には既存顧客の維持と比較して5倍のコストがかかるといわれます(1:5の法則)。
現代のビジネスで売上向上を実現するためには、既存顧客のロイヤリティを高め、長期にわたる関係性を構築することが不可欠なのです。
そこで重要性が増したのが、顧客一人ひとりに対するきめ細やかなフォローを実現できるCRMです。顧客情報を綿密に管理し、フロントオフィス全体で共有する必要性が高まっていることから、CRMの需要は増加し続けています。
モノが充足し、世界のどこにいても類似製品を手に入れられる現代において、顧客は「所有」よりも「利活用・体験」に価値を見出す傾向が強まっています。
このような変化を背景として、各企業は製品・サービスの販売のあり方に変化を迫られています。顧客満足度を高め、他社との差別化を図るためには「顧客ごとに異なるニーズ」「時と場合によって変化するニーズ」に的確に応える必要があるのです。
顧客ニーズを詳細に分析し、一人ひとりに最適な価値を提供するうえで、CRMを活用したビジネス活動がニューノーマルになると考えられます。
労働人口の減少が進む現代では、業務の質を保ちながら工数を削減する必要性が増しています。CRMの活用は、限られたリソースで効率的に成果を上げるための重要な手段です。
顧客との関係性をすべて手作業で管理する場合、高品質な顧客体験を提供するためには膨大な手間がかかります。顧客数がごく少ない段階ではExcelや紙ベースで対応できる可能性があるものの、事業の拡大にともない限界点が来ます。
アナログな顧客管理の問題点は、工数の増大だけではありません。業務の属人化や情報漏えいなど、最悪の場合企業の存続にかかわる重大な問題が生じるおそれもあります。
顧客管理を効率化し、組織全体の生産性向上に貢献するCRMは、現代のビジネス環境で成功をおさめるための必須ツールとして浸透し始めています。
CRM市場の最新動向を知ることで、自社にとって最適なツールを選定しやすくなります。以下では、どのようなツールが市場シェアを獲得しているのか、国内・国外に分けて見ていきましょう。
IDCの調査によると、国外ではエンタープライズ市場に強みを持つメガベンダーが、CRM市場全体の約40%のシェアを獲得しています。
一方で、近年導入企業数を急速に伸ばしているのは「Zendesk」「HubSpot」「Freshworks」などの新興ベンダーです。
新興ベンダー最大の特徴は「使いやすさ」を追求していることです。直感的に操作できるUIや過不足のない機能、柔軟なカスタマイズ性などの点で、中小企業を中心に支持されています。
日本のCRMツールシェアについて詳細情報はありませんが、IDCの調査結果にもとづいたSalesforceの発表では、国内CRMツール市場においてもSalesforceがトップを獲得したことを明かしています(2020年~2024年上半期)。
本調査によると、日本国内においてもCRM市場は安定した成長を続けており、2023年では前年比13.4%増、2497億8600万円を記録しています。成長の主な要因は、ビジネスモデル変革のためのシステム刷新が進んでいることや、顧客データ活用基盤の構築需要が高まっていることです。
市場にはさまざまなCRMツールが出回っていますが、ここでは導入実績が豊富なおすすめCRMを10製品に厳選しました。それぞれのツールの特徴や料金、口コミを紹介します。(2025年3月時点の情報)
出典:Salesforce
Salesforceは、ビジネスの目的に応じてさまざまな製品を組み合わせて活用できるプラットフォームの総称です。Salesforceの中核ツールとして、CRMやSFAの機能を搭載している「Sales Cloud」が挙げられます。
【Salesforce独自のAI「Einstein」搭載】
CRM分野のサポートのために開発された高度な予測AIと生成AIが、以下のような業務を自動で行います。
【他社製品を凌ぐ高度なカスタマイズ性】
ニーズにあわせてワークフローやプロセスを自由に調整し、企業独自のソリューションを構築できます。どのような業界にもマッチする柔軟性や、数千種類のアプリと連携できる拡張性がSalesforceならではの特徴です。
【向いている企業】
Salesforceは多機能ツールの代表格なので、導入企業の多くは専任人材を配置しています。社内にSalesforceに精通している人材がいることが、使いこなすうえでの必須事項です。
【従業員数1000人以上:マネージャー】
データを一か所に集約でき、他のアプリケーションとの互換性に優れています。要件に応じてダッシュボードを作成できる点も気に入っています。また、部下が取り組んでいる取引の可視性も維持できるようになります。(出典:G2)
【従業員数300~1000人:マーケティング部門社員】
私は営業出身・マーケの立場から、SFAのメリットは理解しているつもりですが、電話だけのサポートということもあり、営業に使用してもらうまでに至っていないのが現状です。
Salesforceはシステム的にも上級者向けなので、初めてという方には正直お薦めはしません。(出典:ITreview)
出典:HubSpot
HubSpotは、2006年に米国で誕生したクラウド型プラットフォームです。CRM機能を軸として、マーケティング・営業・カスタマーサポート向けのツールが統合されています。
「Hub」と呼ばれる複数の機能群が用意されているなかで、SFA/CRM領域をカバーする製品は「Sales Hub」です。
【CRMの基本機能が永久無料】
顧客管理に関連する基本的な機能が永久無料で提供されています。また、システムの立ち上げに時間がかかりにくく、導入コストも抑えられます。CRMの導入が初めての企業でも、リスクなく運用を開始できることがメリットです。
【直感的なインターフェース】
ユーザーフレンドリーで直感的な操作性がHubSpotの大きな魅力です。高機能ツールと比較して設定に時間を要しないため、導入の成果を短期間で感じられるでしょう。
【向いている企業】
Salesforce Sales Cloudと比較して導入コストがかかりにくく、小規模~中小企業を中心に人気を集めています。
【従業員数50人以下:CEO】
ユーザーフレンドリーで、技術にあまり詳しくない人でも使いやすいと思います。レイアウトはすっきりしていて直感的で、操作を理解できない場合はサポート用のビデオなどが充実しています。普段使用している他のツールとシームレスに統合されている点もお気に入りです。(出典:G2)
【従業員数50人以下:営業部門社員】
海外製のサービスだからか、時々分かりにくい操作や言葉がある。また、ヘルプサイトを読んでも日本語がわかりにくく、大事な部分においては翻訳されておらず英文のままなことがある。使いこなすのには一定の知識と時間が必要になりそう。(出典:ITreview)
出典:Zoho
さまざまなビジネスアプリケーションを提供しているZohoの主力製品は、顧客管理や営業支援に役立つ「Zoho CRM」です。
【リーズナブルな月額費用】
Zoho CRMが選ばれる理由のひとつが、各社製品と比較した際のランニングコストの低さです。低価格でありながらも豊富な機能を利用できることから、小規模~中規模ビジネスを中心に支持されています。
【柔軟なカスタマイズ性】
ドラッグ&ドロップで、UI・レイアウトや表示項目などを簡単にカスタマイズできます。メンバーが「使いやすい」と感じるシステムを構築できることが特徴です。
【向いている企業】
無料ツールが提供されているため、自社へのマッチ度を確かめてから本格導入することもできます。
【従業員数50人以下:営業部門社員】
直感的なインターフェースで、CRMの経験があまりないユーザーに最適です。ビジネスのニーズに合わせて高度にカスタマイズできますが、技術力のないユーザーにとってはサポートや外部コンサルタントが必要なケースもあります。(出典:G2)
【従業員数50人以下:専門職】
海外発のサービスなので、デフォルトだと日本の商習慣と合わない。また、疑問点があるときにQ&Aを参考にしますが、専門知識がないと分かりづらい内容が多く苦労します。(出典:ITreview)
出典:b→dash
b→dashは、さまざまなデータを統合・活用し、マーケティング活動を効率化するツールです。
【マーケティングに必要な機能がオールインワンで揃う】
企業のニーズにあわせて、MAやCRM、CDP、Web接客、BI、CMSなどさまざまな機能をオールインワンで利用できます。顧客データや広告データ、購買データなど、マーケティングに必要なあらゆるデータを取得可能です。
【非エンジニアでもデータを扱える】
プログラミング技術がなくとも、取得したデータの加工や統合ができます。画面操作だけで、誰でも簡単にデータを扱える点において画期的なツールです。
【向いている企業】
SFA機能は搭載されていないため、マーケティングキャンペーンの自動化や、顧客データ収集・分析を目的とする企業におすすめです。
料金は公開されておらず、詳細は資料請求・問い合わせが必要です。
【従業員数300~1000人:開発部門社員】
メールやプッシュ通知等をはじめとした配信強化にあたり、開発リソースが限られている事がネックでした。b→dashを利用することで、開発リソースに左右されず短期間で多くの施策を打てるので、アイデアから実行〜改善までのサイクルを高速で回すことができるようになりました。(出典:ITreview)
【従業員数100~300人:一般社員】
主に、個人のお客様に向けたメール配信等には向いていると思います。Outlookだと思うように表示されない点が残念です。(出典:ITreview)
出典:Mazrica
株式会社マツリカは、2015年に設立されたソフトウェア開発・販売企業です。主力商品として、利用継続率平均98%のSFA/CRMツール「Mazrica Sales(旧Senses)」が挙げられます。
【現場の使いやすさを第一に設計】
企業データベースとの自動連携や、モバイルカメラによる名刺情報の自動取り込みなど、データ入力の手間を削減する機能が豊富です。営業担当者はツールの入力作業に追われることなく、コア業務に集中できます。
【営業担当者のスキルを可視化】
蓄積された案件情報や活動情報から、各営業担当者の強み・弱みをレーダーチャートで可視化します。営業部門の組織力強化にも役立つツールです。
【向いている企業】
複雑なカスタマイズ不要で運用を開始でき、無料サポートも充実しているため、以下のような企業におすすめです。
【従業員数100~300人:ツール導入決定者】
トップページ、メニューがシンプルで見やすく、それぞれのメニューでも直感的に操作できるのでITリテラシーが低い私でも簡単に使うことができます。また、わからないことはチャットで聞けばすぐに回答もらえて助かってます。(出典:ITreview)
【従業員数300~1000人:IT管理者】
入力項目の追加に関しては自由度高く行えるが、デフォルト項目に関しては変更・削除・入力必須の解除ができない。そのため特殊な業態だとデフォルトの項目にそぐわないことがあり、運用方法でカバーする必要がある。(出典:ITreview)
出典:Oracle
米Oracle社は、ビジネス用途に特化したソフトウェア開発・販売企業です。Oracleのフラッグシップ製品はデータベース管理ソフトウェアですが、SFA/CRM領域のツール「Oracle Sales Cloud」にも定評があります。
【商談のホワイト・スペースを可視化】
メンバーが着手していない商談を可視化できる「ホワイト・スペース分析」機能が特徴です。「どの商品が」「誰に売れているor売れていない」という状況が一目でわかり、提案すべき商品の推奨もしてくれます。
【戦略立案や目標管理の効率化】
顧客単位での分析はもちろんのこと、組織横断的な分析・予測ができることがOracle Sales Cloudならではの特徴です。マネジメントに役立つ情報を即時に得られることから、組織の目標達成確度が高まります。
【向いている企業】
一般的に多機能といわれるSalesforceや、後に紹介するDynamics365などと比較すると機能は少なめです。営業部門の業務効率化に特化したツールをお探しの方におすすめします。
料金は公開されておらず、詳細は資料請求・問い合わせが必要です。
【従業員数300~1000人:CIO】
営業マンの抱えている案件を可視化してマネージャーが適切に指示・管理するために使用。特にホワイトスペース分析はそのまま使用出来るレベルで便利。
後発として思い切って安くするなどして欲しかったが、あまり競争力があるような差別化がされている訳でないのは改善して欲しい。(出典:ITreview)
出典:Microsoft
Office製品が有名な米Microsoftですが、世界的に見るとCRM領域でも多くのシェアを獲得しています。CRMとERPを統合したプラットフォーム「Dynamics 365」の機能群のなかで、SFA/CRM分野をカバーするのは「Dynamics 365 Sales」です。
【企業のあらゆる業務データをシームレスに統合】
モジュール(機能群)を追加することで、企業のすべての業務データがシームレスに統合されます。営業やマーケティングはもちろん、財務や製造など、全社的にリアルタイムな情報共有が可能になり、部門間の連携が強化されます。
【高精度なAI活用】
Dynamics 365は、Microsoft AzureやPower BIといった強力なデータ分析・クラウド基盤と密接に統合されています。そのため、一般的なAI搭載型CRMと比較してAI機能が非常に高精度なことが特徴です。
【向いている企業】
大規模チームの複雑な業務プロセスを管理するための高度な機能が搭載されており、エンタープライズ企業向けの製品だといえます。
【従業員数1000人以上:営業部門社員】
パッケージ化された比較的安価なCRMでは痒い所に手が届かないと感じている検討者にはおすすめだと思います。ただし、開発者がいない会社では最初だけでもベンダーにサポートしてもらいながら導入することをおすすめします。(出典:ITreview)
【従業員数1000人以上:マーケティング部門社員】
一見するとシンプルなデザインで操作が簡単そうに見えますが、実際にはボタンが他のボタンの中に隠れているだけで、UI/UXは複雑です。(出典:G2)
出典:GENIEE
GENIEEとは、株式会社ジーニーがクラウド上で提供するビジネスツール群の総称です。以下では、GENIEEの中核ツールであるGENIEE SFA/CRM(旧ちきゅう)を紹介します。
【「GPT-4」を利用したAIアシスタント】
GENIEE SFA/CRMに搭載されているAIアシスタントは「GPT-4」を標準採用しています。個人でChatGPTを利用する場合と比較すると、約3分の1の価格でAIの恩恵を受けられます。
【営業担当者の業務効率化に強み】
地図上で商談履歴を更新できる機能や、各営業担当者が保有する案件をカード形式で一覧化する機能が搭載されています。SFA要素が強いツールなので、特に営業部門の業務効率化に最適です。
【向いている企業】
「誰でも使える」ことに重点を置いて不必要な機能を省いているため、複雑な機能を必要としない企業に適しています。
【従業員数100~300人:CIO】
もともとはSelsforceをつかっていて、まずは日本製でないので直感的にどこをさわればよいかわかりにくかった。GENIEEは日本製でそのあたりが日本人向きでわかりやすかった。トータル費用はSalesforceのときの1/3となりました。(出典:ITreview)
【従業員数50人以下:IT管理者】
アウトバウンドの新規営業のように多くのアプローチを行う必要がある場合、履歴の登録がスムーズではなく利用しにくいと感じています。(出典:ITreview)
出典:SoftBrain
ソフトブレーン株式会社は、国内のSFA/CRM黎明期を支えた企業です。代表的な製品として、SFA/CRMツールの「eセールスマネージャー」が挙げられます。
【営業に必要なすべての情報を一括管理】
顧客や案件の情報はもちろん、日報・名刺・予実・人脈管理など営業活動に関するすべての情報を1つのツールで一括管理できます。複数のシステムを行き来する必要がなくなり、重要な業務にリソースを集中できるでしょう。
【攻めるべき顧客を明確化できるターゲティング】
各営業担当者の行動量を顧客ランク別にグラフ化することで、戦略どおりに部下が活動しているかどうかが可視化されます。マネージャーは、ターゲティングにもとづいた適切な指示出しができるようになります。
【向いている企業】
日本の商習慣にぴったり合うツールをお探しの大手企業に最適です。
【従業員数1000人以上:営業部門社員】
一つの企業に対して複数の商材毎に管理が出来るので、営業を進めていく上で、業界ごとや企業ごとの傾向値が出せる点は非常に良く、営業活動における指標もたてやすくなった(出典:ITreview)
【従業員数300~1000人:マーケティング部門社員】
過去のコールや商談履歴など、営業に必要な要素は網羅されており使いやすいと感じる。ただとにかく動作が重く使っていてストレスを感じてしまう。競合製品と比べてその点でいくとかなり難点。(出典:ITreview)
出典:kintone
kintoneは、100種類以上のアプリを自由に組み合わせて独自のプラットフォームを構築できる、サイボウズ株式会社のクラウドサービスです。顧客・案件管理や問い合わせ管理、日報・報告書作成など、さまざまな用途で使用できます。
【ノーコードで独自のシステムを構築可能】
プログラミングの知識がなくても、簡単な設定のみで業務システムを構築できます。必要な項目はドラッグ&ドロップで設置できるため、企業オリジナルのCRMを作成可能です。
【あらゆる業種や部門にマッチ】
業種や部門を問わず、必要な数だけ業務アプリを作成できることがkintoneの大きな特徴です。営業やマーケティング、総務など、特定の業務に応じたアプリが多数用意されており、実装したい機能が増えたときに都度対応できます。
【向いている企業】
業務に必要なアプリをスピーディに構築できることが特徴なので、高度で複雑なCRMを求めている企業には向かない可能性があります。
【従業員数50人以下、マネージャー】
レポートやダッシュボードの作成は難しい場合があります。そのための機能が追加されていれば良いのですが、結局のところkintoneはデータベースです。(出典:G2)
【従業員数50人以下、一般社員】
場所を選ばずに入力や参照が出来るので、出先の営業や販売の結果などを入力したり、現在の状況を調べたりするような使い方が向いていると思います。ある程度の規模となると利用料も高く、複雑な仕組みは向いていないので、小規模で単純な入力、参照システムが向いていると思います。(出典:ITreview)
上記で挙げた10種類の製品の、料金・主要機能を一覧でまとめました。
月額費用は、1,000円台から9,000円台まで幅があります。機能の追加にオプション料金が必要になることもあるため、実際の運用時にかかる費用は個別に見積もり依頼が必要です。
機能面においては、外国産ツールが比較的オールラウンダー、国産ツールはSFAやMA要素が強い製品が多く見られます。自社にとって必要な機能が搭載されているツールのなかから、費用対効果を検証して最適な製品を選定しましょう。
CRMは、導入しただけで自動的に生産性が向上するものではありません。日々の業務で収集した情報を蓄積し、適切に活用する基盤を整えることで初めて効果を発揮します。
以下では、CRM導入の際に注意すべきポイントをまとめました。CRMの効果を最大化するためにも、ぜひ最後までご覧ください。
まずはCRMを導入する目的を明確にし、期待する成果を定義しておくことが重要です。これにより、CRMの活用の仕方や蓄積すべきデータがはっきりします。
実際の現場では、CRMの導入そのものが目的となってしまっているケースも少なくありません。導入自体が目的化すると「CRMを導入するだけで問題が解決する」という誤った認識が生まれるおそれがあります。
CRMツールの導入はあくまで「手段」であり、組織が抱える問題を解決するためには明確なゴールや戦略が必要です。「どんな課題を解決して」「なにを達成したいのか」を言語化し、社内で共有することを徹底しましょう。
導入プロジェクトだけが先行してしまうと、現場からの反感が生まれたり、ツールが活用されなかったりするおそれがあります。「なぜCRMが必要なのか」「CRMはどのようなメリットを生み、業務がどのように変革するのか」など、社内で粘り強く啓蒙することが重要です。
CRMの必要性を十分に理解してもらうために、プロジェクトメンバーは各部署から選出しましょう。CRMを活用するすべての部門に旗振り役が生まれることで、ツールが組織全体に浸透しやすくなります。
経営層やマネージャー陣が、率先してツールを活用することも大切です。上層部が自らCRMを利用する姿勢を見せることで、現場担当者もツールの重要性を理解し、積極的に取り組む意識が高まります。
CRMは「導入して終わり」ではありません。運用を継続し、改善を重ねることが組織の課題解決には不可欠です。
現場にツールを使い続けてもらうためには、専任のCRM担当者を社内に設け、サポート体制を構築することが重要です。ベンダーが提供する導入サポートのみでは、対応にタイムラグが生じ、疑問を解決できないまま業務を進行せざるを得ないこともあります。
CRMに精通した人材を社内に配置すれば、各部署で生じる疑問やトラブルに即時対応できます。「導入したものの、結局現場が使いこなせなかった」というツールの形骸化を回避できるのです。
CRMの導入を成功させるコツは、PDCAを回して運用の改善を続けることです。以下のような施策を講じることで、定期的に運用の見直しを図ることができます。
各部署のフィードバックを積極的に取り入れ、小さな改善を繰り返すことで、自社にとって最適なCRM運用方法が確立するでしょう。
現代の成熟市場において企業が成長を続けるためには、「顧客起点」のビジネスへの変革が必要です。CRM導入によるデジタルシフトの重要性は、日本の中小企業においても例外なく高まっています。
まずは本記事で紹介した各CRMツールの特徴や機能を参考に、自社の課題解決に適したツールをピックアップしてみてください。そのうえで、ビジネス規模に応じたプランを選択し、社内の事前準備を進めましょう。
CRMの選定・導入はあくまでスタートラインに過ぎません。運用を通じて自社に最適な活用方法を模索し続けることが、効果を最大化させるポイントです。一つひとつのステップを着実に実行し、CRMを事業拡大に活かしましょう。