CMS(コンテンツ管理システム)は、ウェブサイトのコンテンツを作成・管理・編集するためのシステムです。W3Techsの調査によると、2024年6月時点で世界のウェブサイトの69.1%がCMSを利用しており、約7割がCMSを導入していることが分かっています。
CMSには無料で利用できるものも多く、活用することでコストをかけずにデザイン性や更新性に優れたウェブサイトを構築することが可能です。
ただし、無料のCMSにはさまざまな種類があり、サービスによってUI(ユーザーインターフェース)の使いやすさや日本語対応の有無、セキュリティーレベルなどが異なります。そのため、無料のCMSを選定する際には、各CMSの特徴や選定時のポイントを把握した上で、自社のウェブサイト構築の目的に沿ったものを選ぶことが重要です。
本記事では、無料CMSの種類や選定ポイントと、無料で使える8つのCMSの特徴や機能、無料CMS利用のメリット・デメリットについて解説します。
はじめに、CMSの基礎を確認しておきましょう。ここでは、一般的なCMSの概要と、CMSの2つの種類をご紹介します。
CMS(コンテンツ管理システム)とは、ウェブサイトの構築や運用に関する機能をそなえたシステムです。主な機能として、以下のようなものがあります。
【コンテンツ作成・編集機能】
【ユーザー管理機能】
【マーケティング機能】
【その他の機能】
CMSには、ドラッグ&ドロップやキーボード操作など直感的に操作できるものが多く、プログラミングの知識やウェブ構築の専門知識がない方でも、各種作業を進めることが可能です。
また、ホームページやECサイト、LP(ランディングページ)など、用途別のテンプレートが用意されており、汎用性にも優れています。
通常、CMSの利用時には有料プランを利用するか、ライセンス費用をベンダーに支払って運用する形式がとられますが、一部の機能を無料で利用できる無料プランを提供している場合や、ライセンス費用が無料の形式もあります。
CMSの例)Content Hub|HubSpot
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無料のCMSは、システムやサービスの提供方法により、「オープンソース型」と「クローズドソース型」の2種類に分類されます。
それぞれの特徴やメリット・デメリットを理解しておくことで、自社に適したCMSを選定しやすくなります。
【オープンソース型CMSとは】
オープンソース型のCMSは、ソースコードが一般に公開され、ユーザーが自由に利用・改良できるコンテンツ管理システムです。ソースコードとは、プログラムやソフトウェアの設計図であり、プログラミング言語で記述されたテキストファイルです。
オープンソース型CMSの特徴として、豊富なテンプレートやプラグインがあり、ライセンス費用を支払わなくても、ウェブサイトを容易に作成できることがあげられます。
オープンソース型CMSのメリット・デメリットは、次の通りです。
【メリット】
【デメリット】
オープンソース型の場合、CMS自体のライセンス費用や月額基本料はかかりません。ただし、レンタルサーバーやドメインを利用することで、毎月数千円のサーバー費用が発生します。
無料で利用できるプラグインやデザインテンプレートも多く、低コストで高品質なサイトを構築することが可能です。インターネット上でソースコードが公開されているため、デザイン変更や機能追加など自由にカスタマイズできます。
一方で、オープンソース型CMSはサイトを自由に作成できる反面、セキュリティー面での注意が必要です。外部からのサポートは期待できないため、インフラ環境の構築やセキュリティー対策を自社で行う必要があります。
セキュリティーの脆弱性が指摘される理由としては、以下があげられます。
手軽に始められるオープンソース型CMSは、利用者が多いことからパスワード管理が甘いサイトも見られ、攻撃者に見破られやすいことが懸念されます。さらに、多くのシェアを獲得しているCMSほど、悪意のある第三者にソースコードを解析されるリスクがあります。
また、プラグインが豊富なCMSの場合、CMS自体のセキュリティーが万全でも、プラグインの脆弱性を突かれることで情報漏洩などの被害に遭う可能性も考えられます。
オープンソース型は広く普及しており、手軽に利用しやすい点やプラグインが豊富な点がメリットですが、それらがセキュリティー上のリスクとなることもある点は認識しておく必要があります。
クローズドソースCMSとは、ソースコードが公開されておらず、特定の企業や開発者によって管理されるCMSです。
このタイプのCMSは、通常、ライセンスを購入する必要があり、ユーザーがソースコードにアクセスしたり、自由にカスタマイズしたりすることはできません。
クローズドソース型CMSにも、メリット・デメリットがあります。
【メリット】
【デメリット】
アカウント情報を登録するだけで利用を開始できるため、技術的な知識が少ないユーザーでも手軽に導入できます。すぐに利用を開始できるため、プロジェクトの立ち上げが迅速に行える点はメリットといえます。
また、クローズドソース型CMSの場合、提供企業がセキュリティー管理やシステムのメンテナンス・アップデートなどを行うため、システム管理者の業務負担を軽減でき、リソースを他の重要な業務に集中させることが可能になります。
さらに、最新の機能やセキュリティー対策が自動的に適用されるため、常に最新の環境でウェブサイトを運用しやすいことも利点です。
一方で、無料プランや低価格プランでは、利用できる機能に制限があります。例えば、高度なアクセス解析やSNSとの連携、Eコマース(電子商取引)機能などは、有料プランでのみ利用可能な場合が多いです。そのため、サイトの成長に伴って機能拡張が必要になった場合には、追加費用が発生する可能性があることは考慮しなければなりません。
また、クローズドソース型CMSでは提供されているテンプレートやプラグインに依存することになるため、特定のデザインや機能を実装したい場合の自由度が制限されることがあります。自社独自の要件がある場合は、独自開発型やオンプレミスも検討した方が良いでしょう。
無料CMSを選ぶ際には、自社のウェブサイトの運用目的やニーズに最適なものを見極めることが重要です。
以下の5つのポイントを押さえることで、機能性や使いやすさ、セキュリティーなどを総合的に評価し、最適なCMSを選定しやすくなります。
多くのCMSには無料版と有料版があり、選定する際にはそれぞれの違いを理解しておくことが重要です。有料版が提供されているCMSの場合、より多くの機能やサポートが必要になった際に、スムーズに有料版へ移行できるかを確認する必要があります。
基本的に、無料版ではコンテンツ編集やユーザー管理など、ウェブサイト運営に必要な基本機能のみが提供されるケースが多いです。ウェブサイト運用が軌道に乗り、SNS連携やアクセス解析などのマーケティング関連機能が必要になった際には、有料プランへの移行が求められます。
また、セキュリティー対策も無料版と有料版で同じレベルは期待できません。情報漏えいのリスクが高まるため、別途自社でセキュリティーツールを導入する必要があります。
CMSを導入する前に、無料版では機能性やセキュリティーレベルが有料版に比べて劣る点を十分に理解し、移行のしやすさも考慮した上で選定しましょう。
理想とするウェブサイトを構築できる無料CMSを選ぶためには、必要な機能を提供しているかどうかも重要なポイントです。
ブログ・Eコマース・フォーラムなど特定の用途に特化した機能が求められる場合は、対応する機能を有するCMSを選択する必要があります。具体的には、ECサイトでは決済機能や商品登録機能が求められ、オウンドメディアではレコメンド機能やSNS連携が必要です。
この時、無料版だけでなく、有料版で提供される機能も事前に確認しておきましょう。機能の拡張性が高ければ、後で必要な機能が提供されていないという事態を避けることができます。
株式会社ウェブ企画パートナーズが実施した「中小企業のウェブサイトに使用されているCMSとその選定理由」の調査では、「CMSの導入においてもっとも重視した点は?」という質問に対し、1位は「コストパフォーマンス(21件)」、2位は「機能の充実度(19件)」でした。無料で利用できることに加えて、必要な機能がそろっているかどうかも、CMS選定の際の重要なポイントとなっています。
引用:中小企業のWebサイトでよく使われているCMSの調査結果を発表 - ウェブ企画パートナーズ|PR TIMES
他のツールやアプリと連携可能な無料CMSを利用することで、分析や改善の作業効率の向上が期待できます。
例えば、CRM(顧客関係管理)ツールとの連携できるCMSであれば、顧客データの管理や顧客との関係構築の強化に役立ちます。具体的には、顧客の購買履歴やコンタクト履歴を統合し、個別にターゲットを設定したマーケティング施策を展開することが可能です。
他にも、MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用して新規顧客の獲得や見込み客の育成を支援し、さまざまなSNSと管理画面から効率的に連携できる機能もあります。
このような多機能な連携が可能なCMSを選ぶことで、マーケティング戦略の強化や、ユーザーエクスペリエンスの向上にも寄与します。
マーケティング機能の強化を図る場合や、自社オリジナルのデザインを採用する場合には、大規模なカスタマイズが必要となることがあります。
カスタマイズのしやすさは、企業のニーズに柔軟に対応できるかどうかに直結するため、テーマやプラグインの数のほか、有料版へ移行した場合の拡張性など、自社の要件に応じてカスタマイズが可能かどうかを確認しましょう。
例えば、テンプレートの編集が簡単であれば、専門知識がなくてもある程度のデザイン変更が可能です。また、API連携やサードパーティーのツールとの統合がスムーズに行えるかどうかも確認ポイントです。これにより、将来的な機能追加や、他のシステムとの連携の際の手間を大幅に削減できます。
さらに、カスタマイズが容易であると、ユーザーエクスペリエンスを向上させるための微調整も迅速に行うことができます。具体的には、ユーザーフィードバックに基づいてUI/UX(ユーザーインターフェイス/ユーザーエクスペリエンス)を改善したり、SEO対策のためにメタタグやスクリプトを細かく調整したりすることがあげられます。
CMSのカスタマイズ性の高さは、企業のウェブサイトの競争力の強化にもつながります。そのため、選定時にはカスタマイズにかかるコストやリソースも考慮し、自社の戦略に適したCMSを選ぶことが重要です。
無料CMSを選ぶ際には、操作性や機能の充実度に加え、サポート体制やコミュニティーが整備されているかを確認することもポイントです。
特に、オープンソース型のCMSは自身で設定やカスタマイズを行う必要があるため、サイト作成に不慣れなユーザーの場合、疑問や問題が発生しやすい傾向があります。スムーズに作業を進めるためにも、チャットやメールなどを通じたサポート体制が整っているかを確認しましょう。
また、無料版では基本的にコミュニティーベースのサポートに頼ることになるため、活発なコミュニティーが存在するかもチェックすべき項目です。問題が発生した際に活用できるコミュニティーフォーラムやドキュメント、チュートリアルなどが提供されていると、自助努力や解決の手助けとなるため安心です。
実際にどのCMSを利用すべきかお悩みの方向けに、無料で使える8つのCMSをご紹介します。それぞれのCMSの機能や特徴をまとめていますので、選定の際の参考にしてみてください。
なお、数値や機能の情報は、2024年6月時点の情報をもとに掲載しています。
引用:WordPress
米Automatticが提供するWordPressは、世界中でもっとも普及しているオープンソース型の無料CMSです。
w3techsの調査によると、WordPressは市場シェアで世界1位を誇り、全ウェブサイトの43.3%が同プラットフォームを利用しています。日本国内でのシェアも1位であり、82.8%のシェアを占めています。
WordPressの特徴として、ブログやコーポレートサイトをはじめ、ECサイト、商品・サービスサイト、ランディングページなど、多岐にわたる種類のウェブサイトやウェブページを簡単に作成できる点があげられます。
プロがデザインした豊富なテンプレートを使用し、ブロックエディタまたはテキストエディタでテキスト・写真・フォームなどを直感的に編集できます。
WordPressには2つの利用方法があり、それぞれ料金体系が異なります。「WordPress.org」はレンタルサーバーにソフトウェアをインストールして使用する無料のCMSであり、有料プランはありません。一方、「WordPress.com」はWordPressを用いたレンタルブログサービスで、3つの有料プラン(2024年6月時点で、年間6768円~4万2288円)が提供されています。
なお、WordPress.orgでも、「テーマ」や「プラグイン」には無料・有料のものがあります。WordPressのテーマとは、ウェブサイト全体のデザインテンプレートであり、プラグインは機能を追加・拡張するためのツールです。
また、無料・有料のプラグインを利用することで、機能拡張も可能です。2024年6月時点では、5万5000種類以上のプラグインが提供されています。例えば、SEO対策のための機能やマーケティング施策に役立つ機能、セキュリティーの強化を図れる機能などがあります。
WordPressではモバイルアプリも提供されており、iOSやAndroid端末から記事の公開やコメントへの返信などをスムーズに行うことも可能です。
レスポンシブデザインにも対応しており、モバイル端末での閲覧にも最適な表示を実現できます。
引用:Drupal
Drupalは、プログラマーのDries Buytaert(ドリス・バイタルト)氏によって開発された、完全無料で利用できるオープンソース型のCMSです。
小売業界・医療業界・教育業界など、多岐にわたる業界に対応しており、専門のセキュリティーチームが24時間365日体制で監視していることから、政府や金融機関などでも利用されています。
Drupalには有料版がないため、利用できる機能に特に制限はありません。初期費用はかかりませんが、導入の際には自社でサーバーとドメインを用意する必要があり、そのための料金がランニングコストとしてかかります。
例として、農業食品省(DAFWA)という、西オーストラリア州の農業食品ビジネスを支援するために利用されているサイトにて、Drupalが採用されています。
同CMSはまた、100カ国以上の言語に対応し、グローバルなビジネス展開にも強みがあります。自動言語翻訳機能も搭載しており、世界規模での情報発信を目指す企業におすすめです。
Drupalは、多言語対応や使いやすい操作感、高いセキュリティーレベルといった面で、ユーザーに対して高水準のパフォーマンスを提供している無料CMSであるといえます。
引用:Joomla!
Joomla!は、無料で利用可能なオープンソース型のCMSです。記事作成・メールフォーム作成・ユーザ管理機能・ポータルサイト運営機能などの基本機能が標準でそなわっています。
デフォルトで英語や中国語などの多言語に対応しており、自動的にサイトマップを生成する機能や、ページごとの閲覧数を表示できる機能も提供されています。
また、「エクステンション」と呼ばれる拡張機能を利用することで、SNS機能やメルマガ発行機能、ショッピングカート機能などを簡単に追加することが可能です。スマートフォンやタブレットにも自動的に対応するため、専用のページを作成する手間も省けます。
ライセンス費用は無料で、有料プランはありません。エクステンションは無料・有料版が約3000種類ずつあり、より高機能なものは有料で提供されています。
Joomla!は高機能なウェブサイトを容易に構築できることから、規模の大きいビジネスサイトや公共サイトに適しています。また、多言語対応の機能により、海外市場をターゲットにしたサイトの構築・運用にもおすすめです。
引用:microCMS
microCMSは、株式会社microCMSが提供する日本製のヘッドレスCMSです。ヘッドレスCMSとは、フロントエンド(ビューア)がない、バックエンド専用のCMSです。
主に、コンテンツリポジトリとして機能します。コンテンツリポジトリは、デジタルライブラリのようなもので、特定のアプリケーションに依存せずにコンテンツへアクセスできる仕組みによって、コンテンツの保存・変更・取得・検索・データ管理が可能なデジタルコンテンツのデータベースです。
従来のCMSは、入稿システムを担当するバックエンドと、画面表示を担当するフロントエンドの両方を備えていますが、ヘッドレスCMSにはこのフロントエンドがありません。そのため、マルチデバイス対応が可能で、一つのコンテンツをさまざまなデバイスに展開できます。これにより、開発スピードが短縮されるなどのメリットがありますが、フロントエンドを別途開発する手間がかかるというデメリットもあります。
同CMSでは、無料版のほか、4つの有料プランが用意されています。無料版では、利用できるメンバーとAPI(ソフトウェアやプログラムを連携させる仕組み)の数に制限があります。
microCMSは、高度なセキュリティー対策をそなえたAPIベースのヘッドレスCMSであり、大手企業や金融機関でも利用されています。セキュリティー対策として、データの暗号化や2要素認証、暗号化通信など、15種類におよぶ厳重なセキュリティー対策を採用しています。
また、同CMSはテンプレートやプラグインによる制限がないため、自由度の高いデザインを実現しやすい点も魅力です。またWordPressなど他のCMSと比較すると、ウェブサイトのデザインを柔軟に設計することが可能です。
さらに、インフラ管理にかかるコストを抑えられる点もmicroCMSの大きな特徴です。CMSやプラグインのバージョンアップや仕様変更によるメンテナンスが不要なため、運用コストを削減できます。
ただし、フロントエンドが存在しないため、microCMSを使うには一定のエンジニアリングスキルが求められます。APIの利用方法やシステム開発に関する知識が必要であり、エンジニア以外のユーザーにとっては学習コストが高い場合があります。
microCMSは高い自由度と低コストの運用が可能ですが、利用者には一定の技術的な理解とスキルが求められる点には注意が必要です。
引用:Content Hub
Content Hubは、HubSpotが提供するクラウド型のCMSです。マーケティングソフトウェアとして提供されているため、ウェブサイト構築だけでなく、包括的なマーケティング戦略の実行に役立ちます。
専門知識がなくても、テンプレートを活用して簡単にウェブサイトを作成し、ページを編集できます。また、AIを活用したブログ記事の自動生成や管理のほか、SEO機能も利用できます。
Content Hubには、無料版の他に3つの有料プランがあり、作成できるブログ記事や執筆者、タグ設定の数などに違いがあります。また、高度なSEOの推奨やレポートダッシュボードの利用範囲も異なります。ビジネスの成長に合わせて拡張できるため、中小企業から大企業まで幅広いニーズに対応できます。
さらに、Content Hubは、HubSpotの CRM機能との統合により、顧客データを活用したパーソナライズされたマーケティング施策や営業戦略にも役立てられます。具体的には、ウェブサイト上の訪問者データをリアルタイムで収集し、リードの追跡やセグメンテーションを行うことが可能です。これにより、適切なタイミングで適切なコンテンツを提供し、リードの育成(リードジェネレーション)を促進できます。
また、Content Hubでウェブサイトの構築・運用を行うことで、一貫したブランドメッセージの発信が可能になります。ウェブサイト・ブログ・メールキャンペーンなど、あらゆるチャネルで統一されたブランドメッセージを配信することで、ブランド認知を高め、顧客との信頼構築につながるでしょう。
同CMSは、スケーラビリティの面でも優れています。無料・有料プランが用意されているため、ビジネスの成長に合わせて拡張でき、中小企業から大企業まで幅広いニーズに対応できます。拡張機能を利用することで、さらなるカスタマイズも可能です。
引用:Wix.com
Wix.comは、イスラエルの企業Wixが提供するクラウド型の無料CMSです。世界中で2億5000万人のユーザーに選ばれており、W3techsによると、世界第3位のシェアとなっています。
直感的な操作が可能な使いやすいインターフェースをそなえ、ドラッグ&ドロップ機能で簡単にウェブサイトを作成できます。テンプレートは900以上あり、ビジネスサイトから個人ブログまで対応可能です。
いくつかの質問に答えるだけで、ウェブサイトの構築から公開までの一連の作業をAIが行うため、ウェブページ作成に関する知識がない方でも手軽に利用できます。
Wixには、無料プランに加えて4つの有料プランがあります。有料プランでは、独自ドメインの設定、広告の非表示、EC機能の追加やサイト内決済などが可能です。
また、Wixの公式ブログでは、14ステップでの使い方を詳細に解説しており、初心者でもプロフェッショナルなウェブサイトの構築に挑戦できます。
完成したウェブサイトには、ECサイトや予約機能など、さまざまな機能を追加できるため、幅広いニーズにも対応できます。また、スマートフォン用ページもワンクリックで作成でき、SNS投稿やFacebook広告などと連携し、広告費を節約しつつ効果的な情報発信が可能です。
引用:EC-CUBE
株式会社イーシーキューブが提供するEC-CUBEは、ECサイトの構築に特化した、日本製の無料オープンソース型CMSです。
ショッピングカートや会員管理、商品管理など、ECサイト運営に必要な機能が豊富にそなわっており、350種類以上のプラグインを活用し、自社のニーズに合わせたオリジナルなECサイトを作成することが可能です。導入店舗数は推定3万5000店あり、多くの企業に利用されています。
EC-CUBEにはオープンソース版とクラウド版があり、それぞれ費用が異なります。オープンソース版は無料でインストールでき、基本的な機能も無料で利用可能です。クラウド版には「Liteプラン」と「Standardプラン」があり、それぞれ初期費用と月額費用が設定されています。
EC-CUBEを活用することで、迅速にECサイトの運用を開始し、必要に応じて売上分析や予約機能などの追加を行うことができます。また、デザインテンプレートのカスタマイズも可能で、商品の世界観やブランドイメージに合わせた個性的なサイトを実現できます。
同CMSはセキュリティー対策をも重視しており、クレジットカードの不正利用を防止するために、リクエスト数やログイン回数などの制限が設けられています。他にも、外部のセキュリティー会社と提携し、多層的な脆弱性診断も行っています。
引用:Jimdo
Jimdo(ジンドゥー)は、AIがウェブサイト作成を支援する、初心者向けのクラウド型CMSです。世界中で3200万以上のユーザーが利用しており、グローバルシェアは18位となっています。
日本での協業パートナーとしてKDDIウェブコミュニケーションズがサポートを行っており、日本語での利用が可能です。
Jimdoの料金は、「AI ビルダープラン」では無料版の他に2つの有料版があり、主な違いは広告の表示、独自ドメインの利用、ショップで取り扱える商品の数です。「クリエイタープラン」では、無料版以外に4つの有料プランがあり、サーバー容量やSEO機能に違いがあります。
AIビルダープランでは、登録時に設問に答えるだけで、AIが数分で最適なホームページを作成します。プログラミングやデザインの知識がない方でも、簡単にウェブサイトを作成・運用できるため、スピーディーにサイトを立ち上げたい方に最適です。
独Jimdo GmbHによって運営されている同CMSでは、海外風のデザインテンプレートが豊富に用意されています。これにより、ブランドイメージに沿ったサイトデザインが可能です。また、有料プランにアップグレードすることで、SEO対策に特化した機能やサポートを利用できるようになります。
無料CMSを利用する際には、メリット・デメリットの両方の側面を理解した上で活用することが重要です。ここでは、メリット・デメリットをそれぞれ確認していきましょう。
まずは、無料CMSを利用する場合のメリットから解説します。
無料CMSの場合、初期費用をかけずにスモールスタートすることが可能です。オープンソース型CMSではライセンス費用が不要であり、クラウド型CMSもサーバーやネットワーク機器の購入が不要です。
これにより、固定費用を低く抑えることができ、運営コストを大幅に削減できます。
ただし、無料で利用できるというメリットがある半面、リスクも存在します。無料CMSでは、カスタマイズ性やサポートの質が制限される場合があり、セキュリティー面でも専門的な対策が不足していることがあります。ウェブサイト運営者は定期的なセキュリティー対策やアップデートの確認を怠らないようにする必要があります。
コスト面と、セキュリティーやメンテナンスの面のバランスを検討した上で利用しましょう。
ウェブサイトを無料で作成できるCMSは便利ですが、いくつかのデメリットも考慮すべきです。ここでは、無料CMSを利用する際のデメリットと対策について詳しく説明します。
無料CMSを利用する際の懸念点の一つが、適切なサポート体制の不足です。多くの無料CMSでは、サポートが限定されているか、有料版と比較して質が低い傾向があります。
例えば、メールサポートのみであったり、対応に時間がかかったりといったことがあげられます。そのため、利用者が直面する問題に対して即座に十分なサポートを提供することが難しい場合があります。
対策として、公式フォーラムやコミュニティーでの情報共有や、相互支援を活用すると良いでしょう。他の利用者の経験や知識を参考にすることで、問題解決に役立ちます。
また、ドキュメンテーションの活用も一つの方法です。ベンダーから提供されているドキュメントやヘルプを活用し、自己解決を試みると良いでしょう。
さらに、重要な問題や緊急の場合にそなえて、有料のサポートオプションを検討することもおすすめします。これにより、迅速かつ専門的な支援を受けることができます。
一般的に、無料CMSでは利用可能な機能に制限が設けられています。特に、高度なカスタマイズや追加機能を必要とする場合、無料版では十分な機能を得ることが難しいことがあり、ビジネスの成長や拡張を制限する要因となる恐れがあります。
無料CMSは個人で小規模サイトを構築する場合や、試しに利用する場合には最適ですが、本格的なビジネス利用を考える場合は、有料プランの検討も視野に入れた方が良いでしょう。
事前に自社のウェブサイトで必要な機能やカスタマイズの範囲を明確にし、無料CMSで提供されているかを確認しておくことが重要です。不足している場合は、他のCMSを検討する必要があります。
また、多くのCMSでは、コミュニティーや開発者によって作成された多様なプラグインが提供されているため、それらを活用し、基本機能を拡張することも一つの方法です。
無料CMSのデメリットとして、セキュリティー対策が不十分であることもあげられます。セキュリティーの脆弱性を突かれることで、ウェブサイトが攻撃されるリスクが高まります。
特に、CMSのベンダーによって定期的なアップデートが行われていない場合や、セキュリティー機能が制限されている場合には注意が必要です。
対策として、定期的なアップデートの確認と実施が求められます。提供されているセキュリティー更新やパッチを定期的に適用することで、既知の脆弱性が修正され、ウェブサイトのセキュリティーの強化を図れます。
また、提供されるセキュリティー設定やオプションを確認し、必要に応じて追加のセキュリティー対策を導入することも大切です。例えば、多要素認証やIP制限などを活用し、アクセス制御を強化するといった方法です。
他にも、万が一に攻撃やデータ損失が発生した場合でも迅速に復旧できるよう、ウェブサイトの重要なデータやコンテンツは定期的にバックアップすることをおすすめします。
無料CMSを活用することで、コストをかけずに迅速にウェブサイトの作成・運用をスタートできます。
無料CMSはサービスの提供方式によって、「オープンソース型」と「クローズドソース型」に分けられます。オープンソース型CMSはライセンス費用や月額料金が不要であり、クローズドソース型CMSはメンテナンスやアップデートをベンダーに委託できる利点があります。
無料CMSはテンプレートや拡張機能が豊富な一方で、セキュリティーやメンテナンスについては自社で対応する必要があり、高度なデザインや機能を搭載するためには専門的な知識や技術が必要です。
そのため、組織内に十分な専門知識がない場合、便利さと安全性を両立させたウェブサイトを構築するためには、外部の専門家を活用することもおすすめです。
無料CMSの特性やメリット・デメリットを理解した上で、自社にとって最適なCMSを選定・導入しましょう。