HubSpotのデータ分析は、既に備わっている強力な機能を使うことで効率化できます。
カスタムレポート作成の手間を最小限に抑え、データ活用の質を向上させるための鍵は、HubSpotに存在する既存の分析機能を最大限に活用することです。
本記事では、レポート作成に時間をかけたくない、忙しいマーケターやアナリスト向けに、日々のデータ確認を効率化し、カスタムレポートではカバーしきれない独自の分析を可能にする3つの強力な機能をご紹介します。これらの機能を活用し、HubSpot分析のポテンシャルを最大限に引き出しましょう。
HubSpotには様々なテンプレートがあり、カスタムレポートも作成できますが、多くの人にとってレポートの作成作業に時間は費やしたくないものです。この機能は、そんな忙しい人にとって非常に有益な機能となるでしょう。
【アクセス方法】
HubSpotアカウントにて、[コンテンツ]>[ウェブサイトページ]あるいは[ランディングページ]の順に進み、「分析」タブをクリックするだけで主要な指標を確認できます。
HubSpotでは、CRM(コンタクトや取引データ)と Marketing Hub(ウェブサイトやメールデータ)のデータはすべてシームレスにつながっています。そのため、Hubをまたいでデータを組み合わせた計算・分析が、後述する機能で可能になります。
| 指標名 | 内容・概要 |
|---|---|
| ページビューとCTA(旧)アクション | ウェブサイトページのパフォーマンス(表示回数と旧CTAアクション)の全体像 |
| 主要指標の概要 | 全てのウェブサイトページの表示回数や直帰率などの主要なパフォーマンス指標の概要 |
| 日別セッション数などの概要(時系列) | ウェブサイト訪問、新規コンタクト、顧客の日別合計セッション数、新規コンタクト数、新規顧客数の推移 |
| ソースを表示したセッションの指標 | 各トラフィックソース(参照元)ごとのセッションの直帰率、平均セッション時間、ページビュー数の計算値 |
| ページビュー数 | ウェブサイトのページビューの合計数 |
| デバイスタイプ別セッション | 異なるデバイスタイプ(PC, スマホなど)でウェブサイトページを表示している訪問者の割合 |
| アクティビティーフィードタイムライン | アクティビティーフィードに表示されるコンタクトアクティビティー(訪問者の行動)の概要 |
| 指標名 | 内容・概要 |
|---|---|
| ランディングページサマリー | 全てのランディングページのビュー数、CTAクリック率などの主要指標の概要 |
| ページビューからフォーム送信率(時系列) | ランディングページ訪問者のうち、フォームを送信した人の割合の推移 |
| CTA率(時系列) | ランディングページ訪問者のうち、旧CTAをクリックした人の割合の推移 |
| CTAビュー数 | 訪問者が表示した旧CTAの合計数 |
| CTAクリック数(時系列) | ランディングページ上の旧CTAのクリック数の推移 |
| ページビューから顧客転換率(時系列) | ランディングページ訪問者のうち、後に顧客になった人の割合の推移 |
| フォーム送信数(時系列) | ランディングページのフォーム送信の合計数の推移 |
【利用可能なエディション】 上記は、Marketing HubまたはContent HubのProfessional以上のエディションで利用できます。HubSpotのトラフィック分析を初めて行う方、または手軽に概要を把握したい方におすすめです。
この式エディターには、任意の整数を入力できるだけでなく、レポートで使用可能な任意の数値プロパティーで算術演算を実行することもできます。
式フィールドの最大の価値は、「レポート内で計算される独自の指標(KPI)を作成できる」点にあります。この計算はCRMのプロパティー(元データ)自体を変更するわけではないため、安全かつ柔軟に分析を行えます。
【利用可能なエディション】 複雑な関数を利用するには、Data Hub Enterprise(旧Operations Hub Enterprise)を契約している必要があります。
式フィールドでは、レポート内の数値プロパティーを使って計算ができます。以下のような活用方法があります。
式フィールドを使うことで、既存のプロパティーを組み合わせた独自の指標を作成でき、レポートをより実務に即したものにカスタマイズできます。レポートのデータに「意味」を与えたいマーケターやアナリストにとって必須の機能です。
テーブルに条件付き書式設定を適用できます。これにより、膨大なデータの中から重要な情報を瞬時に把握できるように、データを視覚的に強調表示できます。
【設定方法】
[チャート設定]をクリックして条件付き書式設定を有効にできます。
カラーパレットの選択: 10種類のカラーパレットの中から選択し、自動的なカラーグラデーションスケールをそのまま使用したり、独自のカスタムカラー選択を適用したりできます。
適用範囲の指定: 各列に対して書式設定が行えます。「適用先の列を選択」からカラーパレットをプロパティーに適用すると、「最小値」と「最大値」として選択した色に基づいて自動的にカラースケールが適用されます。
【解除方法】
適用した書式設定を削除したい場合は、同じく「適用先の列を選択」を選択して下の「条件付き書式設定を削除」をクリックしてください。
HubSpotのレポート機能は、「レポート作成の時間削減」と「データに基づいた意思決定の促進」という二つの側面から、マーケティング活動を強力に支援します。
「分析」タブで手軽に主要指標を確認し、「式フィールド」でビジネスに不可欠な独自のKPIを算出し、さらに「条件付き書式」でそのデータを瞬時に可視化する。これらを組み合わせることで、カスタムレポートを頻繁に作成する手間が大幅に削減されます。
今回ご紹介した3つの機能は、いずれもレポート作成の効率化とデータの可視化に役立つものです。まだ活用していない方はぜひ一度チェックしてみてください。