HubSpot Smart CRMのアップデート、CRMの単体製品化について解説します。
これまで、他の製品に組み込まれていたSmart CRMが、単体製品として利用可能になりました。これにより、機能拡張の柔軟性が大きく向上しました。その概要と、各プランでの具体的な活用メリットについてご紹介します。
従来、Smart CRMはMarketing HubやSales Hubといったメイン製品の一部としてのみ提供されていました。2025年9月に、Starter、Professional、Enterpriseの3つのプランで単体提供が開始されました。(価格は2025年9月時点の情報です)
| プラン名 | 最低料金 (1シート/月額) | 追加コアシート料金 (1シート/月額) |
代表的な機能 |
|---|---|---|---|
| Starter | 2,400円〜 | 2,400円〜 | コンタクト管理、Eメール追跡・通知、ミーティング設定、ウェブチャットなど |
| Professional | 6,000円〜 | 6,000円〜 | 計算プロパティー、カスタムレポート、CRMインターフェース設定など |
| Enterprise | 9,000円〜 | 9,000円〜 | カスタムオブジェクト、カスタムイベント、チームの階層化、サンドボックス環境など |
これにより、必要なCRM機能のみ導入することが可能になり、高額な他のHub製品を購入することなくCRM機能のみが使用できるようになった点は、コスト最適化の観点から非常に大きな意味を持ちます。
「Smart CRM Professional」を導入すると、「計算プロパティー」と「カスタムレポート」という2つの強力な機能が利用可能になります。
データを自動で計算し、業務に即した新たな指標を独自に作成できる機能です。演算子や関数を活用することで、標準プロパティーでは実現不可能な指標管理が可能になります。
※演算子(+、-、*、/等)や関数(if、time_between等)を活用
【構築できる独自プロパティーの例】
カスタムレポートStarterプランの標準レポートが持つ制約から解放され、カスタムプロパティーを活用した独自レポートの作成や、複数データソースを組み合わせた高度な分析が実現します。
さらに、以下のCRM操作性を向上させる機能も追加されます。
ただし、Smart CRMの単体プランにワークフロー機能は含まれていません。自動化を実現するには、引き続きMarketing HubやSales Hubといった製品のProfessional以上が必要になる点にご注意ください。
Smart CRM Enterpriseで利用可能となる、強力な機能をご紹介します。
これまで各HubのEnterpriseでしか利用できなかった機能が、より手頃な価格で導入可能になります。オブジェクトライブラリーでは対応しきれない、自社独自のビジネスモデルに完全に適合したデータ構造を構築できます。
Webサイトやアプリ内での独自イベントを定義・追跡し、そのデータをHubSpot全体で活用できます。これにより、顧客行動の深い理解と、より精緻なマーケティング施策の実現を支援します。
また、大規模組織や複数部門での利用に役立つ組織管理機能も充実します。
これらの機能により、大規模組織や複数部門でHubSpotを利用している企業にとって、チームの生産性向上とデータ品質の維持を両立させ、ROIの大幅な改善が期待できます。
※既にHubSpotをご利用中の方が、カスタムオブジェクトなどの機能をご利用いただく場合
Marketing・SalesなどのProfessionalプランをご契約中の場合は、上記のカスタムオブジェクトなどの機能をご利用いただくには、ご契約中のHubをEnterpriseプランへアップグレードする必要があります。
HubSpot Smart CRMの単体提供は、特にこれからCRMの導入や HubSpotの利用を検討されている方にとって、大きな選択肢となります。
まずは、CRMを試してみたいという方であっても、カスタムプロパティーやカスタムレポートといった高度な機能を活用できるSmart CRM Professionalのプランを検討してみるのも良いでしょう。企業の成長に合わせて柔軟に拡張できる点が、この単体提供の最大の強みです。