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INBOUND 2023 新しい視点・今後のトレンド

作成者: Yuko Tonozaki|2023/09/15

出典:INBOUND 2023

HubSpot社が主催するインバウンドマーケティングの一大イベント「INBOUND 2023」が、9月7日から9日までアメリカ・ボストンで開催されました。

このカンファレンスでは、HubSpotのアップデート情報などに注目しがちですが、ビジネスリーダーや著名人、著書のある人々などが、自らの経験や視点をシェアし、参加者に新しい洞察やインスピレーションを提供してくれるようなセッションもあります。本記事では100を超えるセッションや基調講演、コミュニティの中からその一部をご紹介します。

注目のセッション

※リンク先のページは英語です。
※各セッションの内容はINBOUND公式サイトを翻訳したものです。

How to Curate a Vibrant, Remote-first Culture at Scale

活気に満ちたリモートファーストの文化を大規模にキュレーションする方法

ジェン・スペンサー:SmartBug Media 最高経営責任者(CEO)
SmartBug Mediaは、インバウンドマーケティングエージェンシーの1つです。彼らはHubSpotのソリューションパートナーとしても知られており、インテリジェントなインバウンドマーケティング、デジタル戦略、デザイン、PR、およびセールスイネーブルメントサービスを提供しています。100%完全なリモートワークの労働力で、活気に満ちた、受賞歴のあるカルチャーを持つことは可能ですか?簡単な答えは「はい」ですが、企業リーダーシップと成功の鍵として、スペンサーは以下を挙げています。

1. 企業の成功文化とコアバリューの確立
企業のリーダーとしての役割は、助けを必要とする人々の成功要因を理解し、成功を促進する文化を築くことです。この文化は企業独特であり、強固であれば生産性や成功を向上させます。ここで重要なのは、コアバリューが明確かつ観察可能であることです。

2. 働き手の基本的ニーズとウェルビーイングの尊重
マズローの欲求階層理論を通じて、人々の基本的なニーズの理解は必須です。また、全員が同じリズムで働くわけではないため、働き手のウェルビーイングや睡眠の重要性を尊重・サポートする姿勢が求められます。

3. 柔軟で効果的な働き方の推進
近年のリモートワークの台頭に対応し、成果を最優先しつつ柔軟な勤務体制を採用することが大切です。Smartbugでは、この新しい働き方に合わせてリモートワーク環境の整備やビデオコミュニケーションの推奨などの施策を行っています。

4. 透明性を持ったコミュニケーションと取り組み
コミュニケーションは、従業員がプレッシャーを感じず安全に行える環境を提供することが必要です。Smartbugの取り組み、例えば進捗の共有や教育、効果的なミーティングの方法など、はこの透明性と安心感の実現を目指しています。

5. 公平性を重視した昇進と企業文化の再定義
過去の昇進制度から公平性を基盤としたシステムへのシフトは、企業文化の再定義の一部です。社員が自分らしさを発揮し、社員同士の絆を深める活動やイベントの実施は、すべてのステークホルダーに最高の経験を提供することを目的としています。

コロナ終焉を迎える今、リモートワークから出社勤務に戻りつつあります。私たちは過去の経験を活かし、今一度柔軟性を保った働き方を検討し、コミュニケーションと企業文化を見直す時ではないでしょうか。株式会社100では、このスペンサーが提言する上記5つのすべてを取り入れています。

Latest Social Media Trends From the “Beyoncé of Marketing”

「マーケティング界のビヨンセ」が語る最新のソーシャルメディアトレンド

ジュナエ・ブラウン:ブラウンド 2 パーフェクション エージェンシー 最高経営責任者(CEO)
ジュエナ・ブラウン は、ニューヨーク州ハーレム出身のマーケティングおよびイベント計画のプロです。「マーケティングのビヨンセ」と呼ばれる彼女は、人々と音楽を結びつけることに常に情熱を持っていました。最近では Forbes、AdWeek、AfroTech、Morning Brew などの主要なメディアで取り上げられています。

このセッションは、ジュエナ・ブラウンとホストのアリ・マーレー(Go-to-Millions の創設者であり、Sharma Brands の成長担当副社長)とダニエル・マーレー(SnackNation、Oracle、ChowNow、ServiceTitan、Clearbit などの企業でのマーケティング業務を務める)による、The Marketing Millennials ポッドキャスト (トップ 20 マーケティング ポッドキャスト) のライブ録音でした。ジュナエは、ブランドがマーケティング戦略で導入すべき最新のソーシャル メディア戦術、ソーシャル メディアでテストするアイデアについての洞察を共有し、今日実行できる実用的なソーシャル メディアのヒントを提供してくれました。

1.ソーシャルメディアとコンテンツ制作: ソーシャルメディアの現在のトレンドと、AIがコンテンツ制作でどのような役割を果たしているかについての議論があります。しかし、AIによるコンテンツと人間の創造性との間のバランスを取ることが重要であり、読者や視聴者はその違いを感じ取ることができます。よって、クリエイティビティの感じられるコンテンツを提供すべきだと語っています。

2.真実性の重要性: オーセンティックなマーケティングは、ブランドのアイデンティティに忠実であると同時に、オーディエンスのニーズを理解することを意味します。これには一貫性、信頼性、意味のあるエンゲージメントが求められ、移り変わりの早いトレンドを追い求めるよりも重要です。

3.コンテンツの質と制作: 短い形式のコンテンツが増えている一方、コンテンツの背後にある質と意図は非常に重要です。彼らは、コンテンツが教育、エンターテインメント、情報を通じて価値を提供すべきだと信じています。

4.お気に入りのソーシャルプラットフォーム: LinkedInやTwitterが、そのオーガニックなリーチと会話的な性質のために好まれるプラットフォームとして挙げられています。しかし、最適なプラットフォームはブランドとそのオーディエンスに基づいて変わります。何かに絞り込むのではなく、オーディエンスが望むプラットフォームに対応していくべきです。

5.コンテンツの未来: 短い形式のビデオコンテンツの人気にもかかわらず、長い形式の書かれたコンテンツにもまだ需要があります。質は当然ですが、ブランドは常に意味のある関連性のあるコンテンツをオーディエンスに提供することを目指すべきです。

今後のソーシャルマーケティングは、真実性と誠実性を重視し、ブランドのアイデンティティに忠実に、ターゲットオーディエンスのニーズを理解したコンテンツ提供が求められます。短い形式が流行している中でも、背後にあるコンテンツの質と意図は不可欠です。

業界を問わず、教育、エンターテインメント、情報提供を通じて価値を伝えることが重要です。AIの利用も増加していますが、その使用は慎重にバランスを取りながら、人間の創造性を忘れずに活用すべきです。そして、ブランドやオーディエンスに合わせて最適なソーシャルメディアプラットフォームを選択し、質の高い関連性のあるコンテンツを提供することが今後の方針として考えられます。

ジュナエはBtoCのマーケターですが、BtoBにおいても最終的には個人の意思決定があります。企業や組織は、その中の個人、特に意思決定者や影響者によって動かされるものです。そのため、BtoBのマーケティングやコミュニケーションも、組織や企業としてのニーズや課題を理解し対応する一方で、個人の感情や期待、信念を無視することはできません。全ては、「人と人」の関係性が核心にあり、個人の感情や信頼を築くことが成功の鍵となるのでしょう。

 

$1M Pitch Competition With HubSpot for Startups and Ventures

HubSpot によるスタートアップとベンチャー向けの 100 万ドルのピッチ コンペティション


こちらは、HubSpotが主催するピッチコンテストで、大学生を含む6つのスタートアップが登場し、2分間のプレゼンを行いました。審査員(上記6名)は講評や質問を行い、500人の観客がそれを見守る中で、最終的には100万ドルの投資が決定されました。投資ラウンドシリーズA(すでに一定数のユーザー顧客がいるプロトタイプの事業や製品・サービスをプロダクトローンチさせようとするスタートアップ企業が追加開発や販路開拓のためにエクイティファイナンスを実施する段階)までのスタートアップを支援するプログラムで、割引やソフトウェアへのアクセスが提供されます。審査員にはバックステージ・キャピタルのアーレン・ハミルトンや、ピラーVCのジェネラル・パートナーのサラ・ホッジスなどが名を連ねました。

審査を突破し、見事100万ドルを手にしたのは、、、、、、何と、2名!!
tavus社のクイン・ファブレットとdoola社のアルジュン・マハデヴァンでした。登壇した企業のサービスから推測して、今後のテクノロジーを牽引していくトレンドとして、複数のキーテーマが浮かび上がってきます。

まず、動画とパーソナライゼーションの統合により、よりエンゲージメントの高いコンテンツ提供が求められています。動画の普及は、特にマーケティングやコミュニケーションの領域でのキーとなるでしょう。また、ビジネスのグローバル化は止まることなく進行中であり、それに伴い異国の法制度や規制に対応するための法的支援が必要とされる時代となっています。これは、企業が新しい市場に参入する際の障壁を低減する要因ともなり得ます。消費者とのコミュニケーション手段として、リアルタイムのコミュニケーションツールの重要性も増しています。これにより、消費者との直接的な関係構築や、迅速な問題解決が可能となります。

最後に、HubSpotでも今回のアップデートに多分に組み込まれていたAIとヒューマンタッチの融合は、現代のカスタマーサービスにおいて必要不可欠な要素となっており、これにより、効率性と品質が両立されるサポートが実現されています。これらのトレンドは、今後のテクノロジーの方向性を示すものとして注目されるでしょう。

INBOUND 2023では、上記以外にもリース・ウィザースプーンの講演やネットワーキングミートアップなど幅広いセッションが用意されていました。ライブストリート配信のものは今からでもYouTubeより視聴可能です。これらのコンテンツから、私たちもインスピレーション得て、自社の製品やサービスのアップデートや改善に取り入れていけるのではないでしょうか。

 

INBOUND 2023アジェンダ

https://www.inbound.com/agenda

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