HubSpot社が主催するインバウンドマーケティングの一大イベント「INBOUND 2023」が、9月7日から9日までアメリカ・ボストンで開催されました。
このカンファレンスでは、HubSpotのアップデート情報などに注目しがちですが、ビジネスリーダーや著名人、著書のある人々などが、自らの経験や視点をシェアし、参加者に新しい洞察やインスピレーションを提供してくれるようなセッションもあります。本記事では100を超えるセッションや基調講演、コミュニティの中からその一部をご紹介します。
※リンク先のページは英語です。
※各セッションの内容はINBOUND公式サイトを翻訳したものです。
ジェン・スペンサー:SmartBug Media 最高経営責任者(CEO)
SmartBug Mediaは、インバウンドマーケティングエージェンシーの1つです。彼らはHubSpotのソリューションパートナーとしても知られており、インテリジェントなインバウンドマーケティング、デジタル戦略、デザイン、PR、およびセールスイネーブルメントサービスを提供しています。100%完全なリモートワークの労働力で、活気に満ちた、受賞歴のあるカルチャーを持つことは可能ですか?簡単な答えは「はい」ですが、企業リーダーシップと成功の鍵として、スペンサーは以下を挙げています。
1. 企業の成功文化とコアバリューの確立
企業のリーダーとしての役割は、助けを必要とする人々の成功要因を理解し、成功を促進する文化を築くことです。この文化は企業独特であり、強固であれば生産性や成功を向上させます。ここで重要なのは、コアバリューが明確かつ観察可能であることです。
2. 働き手の基本的ニーズとウェルビーイングの尊重
マズローの欲求階層理論を通じて、人々の基本的なニーズの理解は必須です。また、全員が同じリズムで働くわけではないため、働き手のウェルビーイングや睡眠の重要性を尊重・サポートする姿勢が求められます。
3. 柔軟で効果的な働き方の推進
近年のリモートワークの台頭に対応し、成果を最優先しつつ柔軟な勤務体制を採用することが大切です。Smartbugでは、この新しい働き方に合わせてリモートワーク環境の整備やビデオコミュニケーションの推奨などの施策を行っています。
4. 透明性を持ったコミュニケーションと取り組み
コミュニケーションは、従業員がプレッシャーを感じず安全に行える環境を提供することが必要です。Smartbugの取り組み、例えば進捗の共有や教育、効果的なミーティングの方法など、はこの透明性と安心感の実現を目指しています。
5. 公平性を重視した昇進と企業文化の再定義
過去の昇進制度から公平性を基盤としたシステムへのシフトは、企業文化の再定義の一部です。社員が自分らしさを発揮し、社員同士の絆を深める活動やイベントの実施は、すべてのステークホルダーに最高の経験を提供することを目的としています。
コロナ終焉を迎える今、リモートワークから出社勤務に戻りつつあります。私たちは過去の経験を活かし、今一度柔軟性を保った働き方を検討し、コミュニケーションと企業文化を見直す時ではないでしょうか。株式会社100では、このスペンサーが提言する上記5つのすべてを取り入れています。
こちらは、HubSpotが主催するピッチコンテストで、大学生を含む6つのスタートアップが登場し、2分間のプレゼンを行いました。審査員(上記6名)は講評や質問を行い、500人の観客がそれを見守る中で、最終的には100万ドルの投資が決定されました。投資ラウンドシリーズA(すでに一定数のユーザー顧客がいるプロトタイプの事業や製品・サービスをプロダクトローンチさせようとするスタートアップ企業が追加開発や販路開拓のためにエクイティファイナンスを実施する段階)までのスタートアップを支援するプログラムで、割引やソフトウェアへのアクセスが提供されます。審査員にはバックステージ・キャピタルのアーレン・ハミルトンや、ピラーVCのジェネラル・パートナーのサラ・ホッジスなどが名を連ねました。
審査を突破し、見事100万ドルを手にしたのは、、、、、、何と、2名!!
tavus社のクイン・ファブレットとdoola社のアルジュン・マハデヴァンでした。登壇した企業のサービスから推測して、今後のテクノロジーを牽引していくトレンドとして、複数のキーテーマが浮かび上がってきます。
まず、動画とパーソナライゼーションの統合により、よりエンゲージメントの高いコンテンツ提供が求められています。動画の普及は、特にマーケティングやコミュニケーションの領域でのキーとなるでしょう。また、ビジネスのグローバル化は止まることなく進行中であり、それに伴い異国の法制度や規制に対応するための法的支援が必要とされる時代となっています。これは、企業が新しい市場に参入する際の障壁を低減する要因ともなり得ます。消費者とのコミュニケーション手段として、リアルタイムのコミュニケーションツールの重要性も増しています。これにより、消費者との直接的な関係構築や、迅速な問題解決が可能となります。
最後に、HubSpotでも今回のアップデートに多分に組み込まれていたAIとヒューマンタッチの融合は、現代のカスタマーサービスにおいて必要不可欠な要素となっており、これにより、効率性と品質が両立されるサポートが実現されています。これらのトレンドは、今後のテクノロジーの方向性を示すものとして注目されるでしょう。
INBOUND 2023では、上記以外にもリース・ウィザースプーンの講演やネットワーキングミートアップなど幅広いセッションが用意されていました。ライブストリート配信のものは今からでもYouTubeより視聴可能です。これらのコンテンツから、私たちもインスピレーション得て、自社の製品やサービスのアップデートや改善に取り入れていけるのではないでしょうか。
https://www.inbound.com/agenda