概要
オムニチャネル・ウェイティングリストは、チームの対応能力が上限に達した場合に、チケットを自動的に保留して優先順位を付け、エージェントに空きが出次第、直ちに割り当てる機能です。本機能は現在パブリックベータとして提供されています。
ヘルプデスクでは、新しいチケットを「未割り当て」に送信する代わりに、専用の「待機リスト(Waitlist)」ビューに配置するようになりました。ここでは、優先度や担当者の空き状況に基づいて、チケットの並べ替え、監視、および自動割り当てが行われます。
重要な理由
現在、すべてのエージェントが忙しい状況では、新しいチケットが「未割り当て」に放置され、誰かがそれに気づいて手動で引き取るのを待つことがよくあります。
その結果、次のような問題が発生します。
- 初回対応までの時間が長くなる
- SLAの未達成
- 積極的に待機している顧客にとって不快な体験
CXマネージャーにとっての課題は、単に業務を割り当てることだけではなく、需要のピーク時においても対応体制と一貫性を維持することにあります。
オムニチャネル・ウェイティングリストでは、以下のことが可能です。
- 待っている顧客を見落とさないようにする
- エージェントの対応可能枠が空いたら、システムが自動的にチケットを割り当てるよう設定する
- 緊急度(SLAの期限など)に基づいて業務の優先順位をつける
- 手動による待ち行列の管理や、エージェントの業務への支障を軽減する
- 繁忙期においても一貫したサービスレベルを維持する
仕組み
チケットが作成された場合、またはカスタマーエージェントやボットから引き継がれた場合、ヘルプデスクは以下の対応を行います。
- チケットを「未割り当て」の代わりにウェイティングリストに追加する
- 優先順位に基づいてチケットを並べる(SLAの「初回応答までの時間」、次に「待機時間」の順)
- マッチする担当者に空きが出るまでチケットを保留にする
- 優先度が最も高いチケットを、該当するサポート担当者に自動的に割り当てる
- 割り当てられたチケットは、エージェントの「Assigned to Me(自分に割り当て)」およびこれらと同様のビューに表示される
ヘルプデスク・ワークスペースでの利用
ウェイティングリストの管理
「Waitlist(待機リスト)」という新しいビューが追加されました。すべてのエージェントがフル稼働状態でチケットを割り当てられなくなった際に、このビューへ動的にチケットが表示されるようになります。
待機リストの画面では、サービスによる割り当てを受けたユーザーは、以下の操作を行うことができます。
- 各チケットの待機時間およびSLAタイマーを参照する
- 空き状況が確認でき次第システムによって割り当てられるのを待機している、対象ユーザー・チーム・スキルを表示する
- 割り当て前にチケットを事前確認し、顧客のニーズを把握するとともに、必要に応じてチケットを他のチームに転送する
- 他の参加者に割り当てられたり、割り当てが解除されたりすると、待機中のチケットは自動的に繰り上げられる
- 注:電話やライブチャットを途中で切断した顧客は、待機リストから自動的に削除されます。
コールエージェントの通話終了処理時間
- 通話終了時、発信担当者の画面に新しい「通話終了処理」タイマーが表示されます。このタイマーにより、エージェントは対象エージェントのプールに戻される前に、メモの記入を完了する時間を確保できます。エージェントは、タイマーが切れる前に次の通話の準備が整っていれば、終了タイマーをキャンセルすることができます。
ウェイティングリストの設定(ヘルプデスク設定内)
ウェイティングリストの動作をカスタマイズするために、いくつかの設定オプションが用意されています。これらの設定は「ヘルプデスク設定」内にあります。
どのチケットを待機リストに入れるかを設定する
- チャネルタイプ(通話、メッセージ、メール/その他)や特定のチャネルごとに適格性を管理し、最も緊急性の高いチケットのみが待機リストに残るようにします。
- 容量制限の除外条件に準拠し、関連するチケットのみが含まれるようにします。
待機時間の動作を設定する
- チケットが待機リストに残れる期間を設定する
- 以下の項目について、それぞれ異なるタイムアウトを設定する
コールエージェントの通話終了処理時間の設定
- エージェントが次の通話に応答する前にメモを取る時間を確保できるよう、通話終了処理時間を設定可能です。
チャネルごとにカスタマイズされた待機メッセージ
- リアルタイムチャネル(ライブチャット、WhatsApp、通話)向けに待機メッセージを提供します。
- 顧客が通話で待機している間、保留音楽を流すことができます。
コールバック
コールバック機能により、着信した発信者は待ち行列から抜け出す選択肢が与えられ、本来の業務に戻る時間を確保できます。これにより、電話をかけた顧客は保留にされることなく、担当者が対応可能になった時点で問題の解決を図ることができるため、顧客満足度の向上につながります。
- 「設定」→「ヘルプデスク」の順に選択し、「待機リスト」をクリックします
- 「ウェイティングリストの設定」→「呼び出し」タブをクリックします
- 通話チャネルを選択し、設定で「コールバック」をオンにします
- 有効にしたら、顧客に「折り返し電話」のオプションを選択してもらうために、顧客に聞かせたいメッセージを設定します
ウェイティングリストに関するレポート
カスタムレポートビルダー
- 待機リストに入っていたチケットを追跡・絞り込む
- 待ち時間に関するレポートを作成する(チャネル、チーム、その他の属性別)
- 待機がパフォーマンスに与える影響の分析を開始する
補足事項
- 待機リストは、エージェントが最大収容人数に達した場合にのみ発動するため、待機リストの機能を最大限に活用するには、ユーザーが「チケット収容人数制限」を設定しておくことが不可欠です。
- 通話の容量は、デフォルトで1に設定されています。
- Service Hub ProfessionalおよびEnterpriseサブスクリプションで利用可能です。
対象
Service Hub Professional、Service Hub Enterprise
対象
Service Hub Professional/Enterprise
株式会社100の視点
活用シーン
問い合わせが集中する時間帯や繁忙期に、チケットが「未割り当て」のまま放置されるのを防ぎたいお客さまに向いている機能です。SLA(サービス品質保証における対応時間の約束)の初回応答期限や待機時間をもとに優先順位付けが行われるため、コールセンターやカスタマーサポート部門で対応品質のばらつきを抑えたい場合に活用できます。
- 電話・チャット・メールなどチャネルごとに待機リストへの適格条件やタイムアウトを分けて設定できるため、チャネルの性質に応じた運用が可能です。
- コールバック機能や通話終了処理時間の設定を組み合わせることで、電話対応が中心のお客さまでも顧客を保留にし続けずに済む運用を検討できます。
気になる点
- 機能を有効に活用するには「チケット収容人数制限」の事前設定が前提となっており、この設定を行っていない組織ではそもそも待機リストが発動しない点は注意が必要です。
- 通話の容量がデフォルトで1に設定されているとのことですが、これがどのような業務フローに影響するかは、実際に運用してみないと判断しづらい部分があります。
- Service Hub Professional/Enterprise限定の機能であり、Starterプランなどでは利用できません。また現時点ではパブリックベータのため、正式リリース時に設定項目や挙動が変わる可能性がある点は踏まえておく必要があります。
- 日本語での保留メッセージや通話終了処理のガイダンス表示がどこまで自然に対応できるかは、現時点では不明です。
今後への期待
- カスタムレポートビルダーでの待機時間分析が言及されていますが、SLA未達成の要因分析やエージェントごとの負荷傾向まで踏み込んだレポートテンプレートが標準で用意されると、CXマネージャーの振り返り業務がさらに効率化されると見られます。
- 優先順位付けのロジック(SLA・待機時間以外の軸、たとえば顧客の契約ランクなど)をカスタマイズできるようになると、部門ごとの運用方針との相性がより高まることが期待されます。
- 正式リリースに向けて、チケット収容人数制限の設定支援や初期セットアップのガイドが充実すると、導入時のハードルが下がるのではないかと見られます。
※ この記事はHubSpot製品の最新情報ページをもとに作成しています。最新の情報はHubSpot製品の最新情報でご確認ください。