LPを運用しているマーケティング担当者の方は、「LPO(ランディングページ最適化)」という言葉を耳にする機会も多いのではないでしょうか。
LPOは、コンバージョン率を向上させるうえで重要な取り組みのひとつです。基礎知識を理解して正しい手順で実行することで、LPの効果を最大化させることができます。
そこで本記事では、LPOの基本的な概念や実施のステップ、具体的な注力ポイントなどを解説します。LPOに活用できるおすすめツールもあわせて紹介するため、これからLPOの実施を検討している方はぜひ参考にしてください。
LPO(ランディングページ最適化)は、コンバージョン(CV)の創出やコンバージョン率(CVR)の向上に欠かせない取り組みです。以下では、LPOの基礎知識や重要性、類似した施策との違いなどを解説します。
LP(ラインディングページ)とは、訪問者を「問い合わせや商品購入などのアクションに誘導すること」に特化したページを指します。最終的な成果であるCVを得ることが、LPの目的です。
LPには、一般的なWebページにはない以下のような特徴があります。
また、LPには「リードジェネレーションLP」と「クリックスルーLP」の2種類があります。それぞれの特徴やゴール(CV)は以下のとおりです。
どちらの種類のLPも、見込み客を惹きつける訴求力の高い情報を掲載し、CVへと誘導する点は共通しています。ユーザーを優良顧客へと転換させるページ、それがLPであるといえるでしょう。
【関連記事】
・LP(ランディングページ)とは?目的、HPとの違い、作り方やおすすめ作成ツール解説!
LPO(Landing Page Optimization)とは、CVR向上を目指し、LPのコンテンツをユーザーのニーズにあわせて最適化することです。具体的には、ユーザーに好まれるページデザインやライティングを特定したり、ユーザーの求めている情報を行動履歴から把握したりして、LPの改善を図ることを指します。
LPにおいてCVを達成させるうえでは、「いかにユーザーの途中離脱を防ぐか」が重要です。どんなにWeb広告への出稿費用をかけてLPへの流入数を増やしても、ユーザーに最後まで読んでもらえなければCV数は増えません。
CVにつながりづらいLPの特徴としては、以下のようなものが挙げられます。
このような問題を解決し、ユーザーの離脱を防ぐ手段が「LPO」です。LPOによってユーザーのニーズを満たすLPへと改良を重ねることで、「フリートライアル」「資料請求」「購入」など、最終目標達成の確度が高まります。
なお、LPOを行ううえで最も重要視されるのは「ユーザーの反応」です。主観的な推測ではなく、客観的な事実に基づいてユーザーのニーズを把握することが求められるため、テストを用いた効果測定が必要不可欠となります。
LPは、他のサインアップフォームと比較して一番高いCVRを誇ります。LPの平均CVRは23%なのに対し、ゲーム化されたポップアップ(wheel for fortune)は10%、通常のポップアップは3%、サインアップボックスは2%です。
出典:EMAIL VENDOR SELECTION「20 Fresh Landing Page Statistics: The Stats to Know for 2024」を参考に作成
つまり、最も効率的にCVRを向上させる手段は「LPを最適化すること」だといえます。
また、LPは公開後に効果測定・改善を繰り返すことで初めて効力を発揮するため、「作って終わり」では十分な効果が見込めません。テストを用いてユーザーの反応を確かめつつ改良を重ねることで、徐々に離脱の少ないLPに近付いていくのです。
LPの完成を「スタートライン」としてLPOを繰り返すことが、CVの達成には必要不可欠となります。
SEO(Search Engine Optimization)とは、「検索エンジン最適化」のことです。検索ユーザーの意図を汲むことで、オーガニック検索においてWebサイトを上位表示させる手法を指します。「検索」をしたユーザーに自社ブランド、および製品・サービスを認知してもらううえで、SEO対策は欠かせません。
EFO(Entry Form Optimization)とは、「エントリーフォーム最適化」のことです。せっかく申込みや購買の意思があって入力フォームにたどり着いたユーザーも、入力すべき項目がわかりづらかったり、多すぎたりする場合は入力完了前に離脱してしまいます。これを防ぐため、入力フォームの使いやすさを向上させる施策がEFOです。
LPOとSEO、EFOの違いを一覧で示すと以下のようになります。
【SEO】検索サイト内で上位表示させることで、ユーザーを自社サイトへ呼び込む
【LPO】ユーザーが求めている情報を提供し、離脱を防ぐ
【LPO】商材の価値を訴求し、資料請求や購買につなげる
【EFO】ユーザーの入力負荷を軽減し、離脱を防ぐ
【EFO】入力完了率を高め、CV達成につなげる
このように、それぞれの手法はCVの達成に向けて関連し合っています。違いをおさえ、課題に対して適切な取り組みを行うことが重要です。
LPにおいて目指すべきCVRはどれくらいなのでしょうか。
パフォーマンスの高いLPは最大27.4%のCVRを誇るというデータがあるものの、ほとんどの業界では2~6%程度に落ち着くことが一般的です。業界別のCVR平均値を確認してみましょう。
出典:WordStream「Google Ads Benchmarks for YOUR Industry」を参考に作成
上図は、検索エンジンで表示された広告やWebサイトからのCVRを示しています。同じ業界・業種のCVR平均値と比べることによって、自社のLP改善を検討する基準となるでしょう。
LPOの重要性は先に述べたとおりですが、ここではLPOを実施することで得られるメリットを改めて確認してみましょう。
LPOを施すことで、CVRを最大限に高めることができます。
LPOでは「ユーザーに刺さるのはどのようなLPか?」を特定する目的で、デザインやキャッチコピー、配置などを変えて何パターンものLPを作成したのちテストを行います。その結果として「成功パターン」が確立するため、確実に効果が出るページ(チャンピオンページ)を作り上げることができるのです。
このようなブラッシュアップによってユーザーニーズに合致したLPの作成が実現し、CVRが最大化します。LPOだけではなく、前述したSEOやEFOを合わせて意識すると、より効果を実感できるでしょう。
LPOでは、「ファーストビューは一目で魅力が伝わるか」「求めている情報をストレスなく取得できるか」などをユーザー視点で確認しつつ、デザインや配置、文章などの改善を図ります。その結果、訪問からCVまでのユーザー体験(UX)が向上するのです。
作成当初にベストだと踏んで設計したLPも、運用を行うなかでユーザーの反応を確認していくと、次々と改善ポイントが見えてきます。それを一つひとつクリアにしていくことが、「使いやすい」「わかりやすい」と感じてもらえるLPを実現する秘訣です。
LPの使い勝手は、ユーザーの離脱率や購買意欲に大きくかかわる要素です。LPOによってUX向上を実現できれば、CVRの向上はもちろん、ひいては企業のブランディングや顧客エンゲージメントを高めることにもつながるでしょう。
LPOによってCVRを向上させることで、CAC(Customer Aquisition Cost)を下げることができます。
CACは「顧客獲得単価」を意味する、顧客獲得に必要なコストを測るための指標です。CACにはマーケティング・営業活動にかかる宣伝広告費や人件費など、顧客を獲得するために費やしたすべての費用が含まれます。
たとえば、顧客の獲得に計100万円を費やしたケースを考えてみます。
集客したユーザーのうち、
このように、CVRが向上すれば、おのずとCACが下がり事業の収益性が高くなります。
もちろん、必ずしも「CVの達成=顧客獲得」となるわけではありません。しかし「資料請求」や「問い合わせ」などのCVでも、有望な見込み客が増えることは結果として顧客増につながるでしょう。
つまりLPOは、集客コストが増大している現代において、CACを低下させる強力な手段であるといえます。
LPOを実施するうえで、まずはユーザーがCVに至るまでの道のりを理解する必要があります。そこで役立つモデルが「コンバージョンピラミッド」です。
BuyerLegends.comのCEOおよび共同設立者であるブライアン&ジェフリー・アイゼンバーグ兄弟によって提唱されたこのピラミッドは、基本的なニーズ(ベースの階層)が満たされた場合のみ、次のレベルのニーズを検討できることを示しています。
つまり、LPがすべての階層レベルを満たした場合のみ、CVが実現されるのです。以下で各階層が示す内容を確認してみましょう。
LPOによってCVRを高めるためには、コンバージョンピラミッドのステップを順番に実行することが大切です。自社のLPの現状と照らし合わせつつ、一歩ずつ着実に階層を上げて強固なピラミッドを構築しましょう。
それでは早速LPOを実施する手順を確認していきましょう。ステップは、大きく次の3つに分けられます。
それぞれの手順におけるポイントを以下で解説します。
まず始めに、LPの問題点を把握して仮説を構築しましょう。
たとえば、「重要にもかかわらずユーザーに読まれていない情報」がある場合は、以下のような仮説が成り立ちます。
仮説を構築する際は、Google Analyticsやヒートマップ、インタビューなどを活用して、客観的な事実を収集することが大切です。
次に、構築した仮説を検証します。ここで用いられる代表的な手法は「A/Bテスト」です。
A/Bテストでは、特定の要素を変更した2種類のLPを作成し、ランダムに表示することでそれぞれの成果を比較します。たとえば、要素の「配置」が滞在時間や離脱率、CV数にどのような影響を与えるのかを検証したい場合は、「Aパターン:LPの上部」「Bパターン:LPの中央部」のようにLPを作成して比較します。
さまざまな要素でA/Bテストを行い、より成果につながりやすい「成功パターン」を導き出すことでLPを最適化しましょう。
ここでの注意点は、検証する要素は1回のA/Bテストにつき「1つ」にすることです。
複数の要素を同時にテストしてしまうと、どの要素が良い影響をもたらしたのかを特定できません。
たとえば、商品説明の配置変更と、CTAボタンの文言変更を同時に行った場合、CV数が向上したとしてもどちらの施策が有効だったのかを判断できないのです。
検証したい要素が複数ある場合は、その数だけA/Bテストを行うことが大切です。
テストの結果からLPのパフォーマンスを分析し、改善を行います。CVR向上を実現するうえでは、LPOを一度で終わらせることなく「新たな仮説の構築」→「検証」→「改善」を繰り返すことが大切です。
LPにおいて絶対的な正解は存在せず、自社の商材やブランドカラー、ターゲット層、ゴール設定などによって効果的なLPの定義は変わります。さらに、ユーザーのニーズは常に変化しているため、一度「成功パターン」を見つけてLPを改善できても、いつまでも効果が持続するとは限りません。
LPOを実行する際は、継続的にPDCAサイクルを回して自社にとっての「ベスト」を保つことを心がけましょう。改善を重ねるための仕組みづくりや、組織体制の構築が肝心です。
LPOを実施する際は、具体的にどのようなポイントに注力して進めるべきなのでしょうか。以下では、LPOに欠かせないチェックポイントを9つ紹介します。
LPからは、ユーザーがクリックして離脱する要素(ナビゲーションバーや不要なリンクなど)を極力排除することが大切です。
LPの目的(CV)に向けてユーザーを一直線に誘導するうえで、気が散る要素のないLPのほうが訴求力が高くなります。実際、不要な要素を最大限に排除したLPのCVRは10%増加する可能性が示唆されています。
離脱ポイントを排除する理由は、ユーザーの選択肢を絞り、決断を後押しするためです。複数の種類のCTAがある、他のページへ遷移できるリンクがあるなど、選択肢が多いとユーザーは迷ってしまいます。
訴求力の高いLPを作成するためには、ユーザーのアクションを1つの目的(CTAボタンのクリック)に集中させることが大切です。
LPOは、バリュープロポジションを意識して実施することが重要です。
バリュープロポジションとは、「ユーザーが求めていて、かつ競合他社が提供できない自社独自の価値」のことです。「ユーザーが自社の商材を購入する理由」とも言い換えられます。
マーケティング活動を行ううえでは、意思決定やアクションがどうしても自社側の視点に偏りがちになります。ユーザー視点を理解しないまま施策を実行していると、自社の訴求したいポイントとユーザーニーズの間に深刻なズレが生じてしまうのです。
そこで役立つフレームワークが「Value Proposition Canvas(バリュープロポジションキャンバス)」です。
キャンバスの右側ではユーザーのニーズを、左側では自社がユーザーに提供できる価値を描くことで、両者間の関係を可視化します。これにより、「自社が提供している価値はユーザーが求めているものなのか?」を検証することができます。
バリュープロポジションキャンバスで明らかになった「ユーザーにとって価値のある差別化要素」は、まさにLPで訴求すべきポイントです。LPOを実施する際は、以下のポイントに留意して取り組みましょう。
ユーザーの視点を十分に理解することで、LPで訴求すべきコアメッセージが定まります。
WebサイトにおけるCVRは、ページの表示スピードによって大きく変動します。
出典:PORTENT「Site Speed is (Still) Impacting Your Conversion Rate」を参考に作成
ユーザーの連絡先情報を入手することをゴールとした場合、ページ表示スピードが1秒のページにおける平均CVRは39%です。これが2秒になると34%、3秒になると29%に低下し、6秒で最低値になります。
ページの読み込みに5秒以上かかった場合は、1秒で読み込むページの約半分までCVRが低下するのです。そのため、LPOを行う際はページの表示スピードが少なくとも4秒以下になるよう対策が必要になります。
LPの表示速度を分析するうえでは、Googleが提供している「PageSpeed Insights」が役立ちます。
URLを入力するだけで、Webページの読み込み速度がスコアで表示されます。パソコンとモバイル両方のデバイスに対応しており、一度の分析でそれぞれの結果を確認可能です。
なお、ページの表示スピードはSEOの観点からも重要です。Googleは、検索順位に影響する「ページエクスペリエンス」を測定する指標に、ページの読み込み速度が含まれていることを明らかにしています。
PageSpeed Insightsは無料で利用できるため、まずはLPの現状把握に活用してみましょう。
CTA(Call To Action)は、ユーザーに特定のアクションを促すこと、または「資料請求」「申込み」「購入」など、具体的な行動へ誘導するために設置されたボタンやテキストのことを指します。
出典:HubSpot
LPには1種類のCTAを複数箇所に設置することが一般的で、色やデザインに決まりはありません。CTAの文言によってCV数は変動するため、ターゲット層や訴求したい内容にあわせて最適な表現を用いることが大切です。
CTAの文言を改善する際は、以下のポイントを抑えることで効果が高まります。
伝えたい情報を盛り込みすぎるあまり「何を一番訴求したいのか」がユーザーに伝わらなくなってしまっては本末転倒です。CTAに盛り込む情報量は、一目見て瞬時に意味を理解できる文字数に収めましょう。
いきなりアクションを起こすことに躊躇するユーザーもいるため、心理的なハードルを下げる文言を付け加えることを心がけましょう。ユーザーのベネフィットを同時に伝えることで、アクションを促しやすくする効果があります。
ユーザーが取るべきアクションを明確にするため、CTAの文言には動詞を用いましょう。「どのような行動を起こしてほしいのか」をしっかり明記することがポイントです。
なお、ある調査では、「送信」という単語を含むCTAはCVRを3%低下させる可能性を示唆しています。CTAに盛り込む文言は、1単語ずつ慎重に選択する必要があるでしょう。
LPに画像を挿入することで、自社のブランドや商材のイメージをより明確に伝えることができます。文字では伝わりづらいニュアンスを伝えることや、感情を揺さぶる訴求も可能になるでしょう。
また、LPに動画を活用すると、より多くの情報量を直感的にユーザーへ伝達できます。動画はテキストと比較して5,000倍の情報量を伝えることができるため、LPの訴求力アップに有効です。
実際、動画はテキストのみのコンテンツと比較して2倍記憶に残ることが、米国立訓練研究所が発表した「ラーニングピラミッド」によって示されています。
出典:Tales of the Undead…Learning Theories: The Learning Pyramidを参考に作成
これを裏付けるデータとして「関連性の高い動画をLPに埋め込むとCVRが86%増加する」という調査もあるため、画像や動画を積極的に活用しない手はありません。
総務省の通信利用動向調査によると、インターネットを利用する際にスマートフォンを用いる人の割合は68.3%、パソコンを用いる人の割合は50.4%であることがわかっています。
7割近くのユーザーがスマートフォンでLPを閲覧することを鑑みると、モバイル非対応のLPでは当然ながらCVRが低下するでしょう。モバイル端末でも快適性を維持できる設計を目指すうえでは、以下のような施策が有効です。
モバイル端末への対応は、LPの「当たり前品質」として認識する必要があります。
メインメッセージやCTAなど、重要な部分はAbove the foldに配置しましょう。Above the foldとは、ユーザーがページに訪れた際、スクロール不要で閲覧できる画面領域のことです。「ファーストビュー」と表現されることもあります。
ユーザーがLPを訪問したとき、画面全体に目を通すことはあっても、それ以上読み込むためにスクロールダウンすることは稀です。特に、モバイル端末で閲覧している場合はそれが顕著に表れます。
なお、Above the foldの位置は閲覧するデバイスによって変わりますが、「スクロールマップ」を活用することで最もよく見られている領域を特定できます。
Above the foldの改善は、ユーザーの離脱抑制に直結します。実際、ユーザーは最初の10秒でページに滞在するか否かを決めるというデータもあるのです。
CVRを高めるためには、「商材名」「メインメッセージ」「アイキャッチ画像」「CTA」などの重要な要素をユーザーが最初に目にする領域へ設置しましょう。
マーケティング活動においてよく利用される「希少性」の原理をLPに取り入れることで、CVRの向上が見込めます。
希少性の原理とは、手に入りづらいものは通常よりも魅力的に感じる心理的な現象のことです。「数が少ない」「今しか手に入らない」といった商材に、より価値を感じてしまう経験は誰しもあるでしょう。この原理を利用すると、より容易にユーザーのアクションを促せるようになります。
出典:TBC
上図は、「時間・期間」を用いて希少性を作り出している事例です。セール終了をカウントダウンすることで、ユーザーの早期決断を促しています。
「残りわずか」「期間限定」「今だけ」などの一言があるだけで、ユーザーは商材の価値を高く見積もる可能性が高くなります。特にAbove the foldにおけるメインメッセージやCTAには、希少性を高める文言を積極的に盛り込みましょう。
LPにSEO対策を施すメリットは、「広告以外の流入経路を確保できること」「確度の高い見込み客を集客できること」です。
たとえば「自社のブランド名 料金」などの検索キーワードでページが上位表示されれば、広告出稿費用をかけずとも継続的にユーザーの流入が見込めます。さらに、能動的に検索行動を行った結果としてLPにたどり着いたユーザーは、何となく広告をクリックしたユーザーよりも意欲が高い傾向があります。
SEO対策は、指名検索(ブランドや商材名を特定した検索)に対してはもちろん、業界に関連したキーワードに対しても幅広く行うことが有効です。たとえば、CRMベンダーの米HubSpot社の場合は「HubSpot 料金」というキーワードに加え、「CRM おすすめ」などでも上位表示を狙うことで、HubSpotを認知していない層にもアプローチができるようになります。
このような疑問を解決するうえでは、「Google Search Console」や「Ubersuggest」などのツールが役立ちます。対策すべきキーワードを特定し、LPの見出しや本文、画像の代替テキストなどに組み込みましょう。
LPOを実施する際は、効果の高いLPを作成している企業の事例を参考にするのが効果的です。以下では、LPがビジネスを加速させている事例を3社分紹介します。
出典:Revolut
Revolut(レボリュート)は、イギリスのデジタル銀行・海外送金サービスです。海外送金や手数料無料の通貨両替、外貨決済可能なデビットカードなどが利用できるため、グローバル化が進んだ現代において注目されているサービスといえます。
RevolutのLPは、ターゲットの年齢層によって使用する画像や文言を使い分けています。
たとえばイメージ画像は、年齢層によって資産に差があることを見越した使い分けがなされています。18~21歳には500ポンド、それ以上の年齢層にはより多くの金額といったように、ユーザーにとってリアリティのある画像を表示させているのです。
年齢層が異なれば、当然ながら刺さるメッセージも異なります。キャッチコピーや見出しにおいても、50歳から65歳のターゲットには「アプリの使いやすさ」を前面に訴求するなど、ユーザーの関心やニーズに合った情報を提供し、アプリの利用を促進しています。
2015年のサービス開始からすでに利用者3500万人を突破するというRevolutの成功には、戦略的なLP設計が関係していることが伺えます。
配信登録制のストリーミングサービスとして不動の地位を築いているNetflix。2023年の売上高は337億ドルと、創業以来の最高額を記録し、勢いはますます加速しています。
NetflixのLPは非常にシンプルで、ユーザーにとってのベネフィットが明確化されています。学ぶべきポイントは以下の3つです。
出典:Netflix
大きく入力項目の多いフォームを設置してしまうと、パソコンやモバイル端末の操作に自信のない人を離脱させてしまうおそれがあります。Netflixは、年齢やITリテラシーを問わずすべての人が利用しやすいよう、最初のステップを「メールアドレスの入力」のみに限定してユーザーのハードルを下げています。
出典:Netflix
Netflixは、ページの下部に「よくある質問」をドロップダウンFAQとして設置し、ユーザーの不安や疑問を解消しています。ユーザーの離脱を防ぐことに加え、自社のバリュープロポジションを示すことにも貢献している領域です。
出典:Netflix
NetflixのLPは、わずか数秒で内容を理解できます。使用されている単語は200語未満で、各見出しに対する補足説明も1~2行に収めていることが特徴です。
LP作成サービスを提供するUnbounceの調査によると、単語数が350語以下のLPはCVRが高い傾向にあることが判明しており、Netflixの戦略が理にかなっていることがわかります。
Dropboxは、2008年にサービスの提供を開始し、2016年までに5億人以上のユーザーを獲得するという驚異的なスピードでの成長を遂げたクラウド型のストレージサービスです。
出典:Dropbox
DropboxのLPは、Above the foldがシンプルにまとめられていることが特徴です。CTA以外の要素は小さなスペースに主張なく配置されており、コントラストも相まってCTAの存在感が一層強調されています。
アイキャッチが「デモ動画」であることも注目すべきポイントで、多くの情報量(利便性)をユーザーへ瞬時に訴求することに成功しています。前述したとおり、関連性の高い埋め込み動画はCVRを向上させる効果があり、それをふまえた戦略といえるでしょう。
LPOにおける仮説構築や検証には、専用ツールが欠かせません。以下では、LPのアクセス解析やA/Bテスト、デザイン改善などに役立つおすすめツールを4つ紹介します。
出典:hotjar
hotjarは、ページ内でのユーザーの動きを可視化できるWebサイト分析ツールです。搭載されている主要な機能には、以下のようなものがあります。
これらの機能により、LPを訪れたユーザーの行動(どこを見て、どのように動いているのか)が可視化されます。結果としてLPの改善すべき箇所が明確になり、最適な施策を実行できるようになるのです。
hotjarの料金プランは以下のとおりです。
出典:DLPO
DLPOは、日本国内で豊富な導入実績をもつLPOツールです。LP以外にもオウンドメディアやECサイトなどにも対応しており、ABテストや多変量テストを用いてCVRの改善を実現します。
主な機能は以下のとおりです。
無料のサポートサービスをはじめ、実装マニュアルや活用事例の提供も行ってくれるため、国産のツールをしっかりとしたサポート体制のもとで活用したい方におすすめします。
出典:HubSpot
Marketing Hubは、世界的なCRMベンダーであるHubSpot社が提供するマーケティングソフトウェアで、無料でLPを作成できるツールが搭載されています。
LP作成ツールには、バリエーション豊富なデザインテンプレートが用意されています。ドラッグ&ドロップによる直感的な操作により、専門知識不要でハイクオリティなLPを作成可能です。
また、A/Bテスト機能では、同じURLで2つのバージョンのページをテストし、どちらがより良いパフォーマンスを示すかを確認できます。各バージョンのパフォーマンスを比較したうえで、優れているほうを公開中のバージョンとして設定し、それ以外のバージョンを下書きに戻すことが可能です。
LP作成ツールは無料で利用できますが、HubSpotのロゴ削除やCTAの作成、A/Bテストを実施するには有料プランが必要になります。
HubSpotはマーケティングや営業、カスタマーサポート組織に役立つさまざまなツールが無料で提供されているため、部門を横断した情報共有・施策実行を実現することができます。
出典:ミエルカ
ミエルカは、株式会社Faber Companyが提供するヒートマップツールです。以下の主要な機能は、すべて無料で利用できます。
ページの「どこがよく読まれているのか」「どこでユーザーが離脱したのか」「どこがクリックされたのか」などを見える化できるため、LP内の課題発掘や改善に役立ちます。
料金プランは以下のとおりです。
ミエルカはSEO対策用のツールも提供しているため、訪問者を増やす施策を同時に検討したい企業におすすめです。
LPOは、CVRの向上のみならず、CACを抑えることにも貢献します。現状の問題点を洗い出したうえで仮説を立て、検証・改善を繰り返し行うことが、効果を最大限に高める秘訣です。
LPOを効率化するツールにはさまざまな種類があるため、自社にマッチする製品を比較検討して選択しましょう。ぜひ本記事で紹介した内容を参考に、LPOを成功に導いていただけますと幸いです。