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オウンドメディアのメリット、デメリット解説 成功させるポイントまでわかりやすく紹介

オウンドメディアのメリット、デメリット解説 成功させるポイントまでわかりやすく紹介

オウンドメディアは集客や認知拡大、ブランディングなどのさまざまな側面で効果が高いとされ、注目を集めています。成功事例も多くあり、月100万PVを達成するメディアも珍しくないことから、自社のマーケティング施策の一環として、オウンドメディアを導入したいと考える方もいらっしゃるでしょう。

しかし、無計画にオウンドメディアを運用しても成果にはつながりにくいため、メリットやデメリット、成功へ導くためのポイントを把握しておくことが重要です。

本記事では、オウンドメディアのメリット、デメリットについて解説し、成功させるポイントをデータや調査をもとにわかりやすくご紹介します

オウンドメディアとは何なのか?

まずは、オウンドメディアの定義を確認していきましょう。ここでは、オウンドメディアを含む「トリプルメディア」の説明と、ビジネス上の使われ方、ホームページではなくオウンドメディアが注目される理由について解説します。

オウンドメディアの定義

オウンドメディア(Owned Media)とは、企業が自ら保有し運営するメディアを意味します。オウンドメディアには、自社が編集権限を持つすべてのメディアが含まれるため、自社のウェブサイト、SNS、LP、Eブックなどはすべてオウンドメディアであるといえます。

■オウンドメディアの例:HubSpotブログ

HubSpot社オウンドメディア

引用:HubSpotブログ


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オウンドメディアとは?他メディアとの違いや種類、成功事例や立ち上げ時のポイントまでわかりやすく解説

トリプルメディアの中のオウンドメディア

オウンドメディアは、「トリプルメディア」の一つです。トリプルメディアとは、マーケティングチャネルを、次の3つに分類するフレームワークです。

  • ペイドメディア:広告やCMなど、費用を支払って出稿するメディア
  • アーンドメディア:SNSやブログなど、ユーザー主体で情報が拡散されるメディア
  • オウンドメディア:自社が発信するオリジナルなウェブマガジンやブログなど

オウンドメディアは、企業が自らコントロールできる領域が広いため、ペイドメディアやアーンドメディアの不足を補うことが可能です。3つのメディアを組み合わせることで、より高い効果を得ることができます。

トリプルメディアに加えて、シェアードメディアを組み合わせたものは「PESOモデル」と呼ばれます。シェアードメディアとは、製品やサービスの共有を促進するためのメディアであり、主にSNSの「シェア」機能を利用して情報を広める手法です。特徴として、拡散力の高さがあげられます。

ビジネスで使われる「オウンドメディア」の意味

オウンドメディアは、企業が自ら所有し管理できるメディアであるため、広義では、紙のパンフレットや広報誌などもオウンドメディアに含まれます。しかし、近年のビジネスシーンでは、デジタルメディアを指すことが多く、主にブログ型の情報サイトとして理解されています。

この記事でも、その前提に基づいてオウンドメディアの意味を説明していきます。

なぜホームページではなくオウンドメディアなのか?

企業が運用するデジタルメディアには、「ホームページ(コーポレートサイト)」もありますが、なぜオウンドメディアが注目されているのでしょうか。

ホームページは企業の概要や事業内容、製品・サービスの紹介、リリース情報などを掲載する役割を果たし、主に取引先や社内向けに情報を提供するものです。そのため、頻繁な更新は行われないことが一般的です。

一方、オウンドメディアではユーザーが求める、より専門性の高い内容や関連情報などを発信できます。情報提供の質と量を高めやすく、多様な情報を提供できます。

また、オウンドメディアは検索エンジン最適化(SEO)の観点からも重要です。良質なコンテンツを提供することで、検索結果での表示順位の改善も期待できます。

オウンドメディアのメリット

企業がオウンドメディアを運用することで、多くのメリットを享受できます。ここでは、オウンドメディアのメリットを7つご紹介します。

認知度の向上

通常、コーポレートサイトや製品サイトに掲載される情報は、すでに関心を持っている人向けのものであるため、潜在的なニーズを抱える新規ユーザーに対してリーチしにくいとされています。

一方でオウンドメディアの場合、コーポレートサイトでは提供が難しいような多彩なコンテンツを発信できます。そのためオウンドメディアは、製品やサービスを知らない「非認知層」に向けた認知拡大の施策にも活用できます。

例えば、自社の会計ソフトの知名度が低い場合、企業やサービス名を検索キーワードとする集客は難しいでしょう。しかし、オウンドメディアで、経理や総務担当者が関心を持ちそうなコンテンツ(記事)や、課題解決に役立つ情報を発信することで、会社名やサービス名を広く知ってもらうきっかけを作ることが可能です。

質の高い見込み客(リード)の創出につながる

オウンドメディアは認知拡大につながるだけでなく、質の高い見込み客(リード)の創出も期待できます。これは、オウンドメディアに訪れたユーザーが複数のコンテンツを閲覧することで、知識を深めながら興味関心が高まり、顧客育成(リードナーチャリング)が進むためです。

オウンドメディアでは、自然な文脈でサービスや製品を紹介し、ユーザーのニーズに合った情報を提供することが可能です。結果として、十分な知識を持ち、かつ高い興味関心を持つユーザーが、質の高い見込み客へと転換される環境を構築できます。

ブランディングが期待できる

ブランディングとは、企業や組織が自社やブランドに対する共感や信頼を構築し、自社の価値を向上させ、他社との差異化を図るためのマーケティング戦略です。

ブランディングを強化するためには、発信内容に一貫性を持たせることが重要です。オウンドメディアでは企業の理念や商品の背景を明確に伝えられるなど、統一された企業イメージを築くことができるため、ブランディングに効果的といえます。

自社の資産となる

オウンドメディアで作成したコンテンツは、一度公開すれば自社の貴重な資産となります。公開された記事は、SEOやSNSで拡散されることで価値が高まり、また、記事は24時間365日閲覧できるため、常に情報発信が行われている状態を築くことが可能です。

従来のSNSやメールマガジンなどの発信は一時的で、古い情報ほど読まれなくなる傾向がありますが、オウンドメディアは記事がウェブ上に蓄積されていくため、新しい読者も過去の記事に容易にアクセスできます。

また、オウンドメディアに蓄積された記事は他のメディアに展開することもできます。具体的には、メールマガジンやウェビナーなどで有効活用できるでしょう。これらのコンテンツを、顧客開拓営業やイベントで配布し活用することで、成果が資産的に積み上がっていくメリットがあります。

ユーザーのファン化、ロイヤルティー化に貢献する

オウンドメディアの記事を読んだユーザーが魅力を感じると、そのユーザーは企業やオウンドメディアの支持者(ファン)になる可能性があります。ユーザーがファン化することで、製品やサービスの購買促進につながるほか、SNSなどのシェアを通じて企業の売上にも寄与するでしょう。

さらに、ユーザーが求めている情報を、オウンドメディアで継続的に提供することで、顧客との信頼関係が築かれ、将来的に再購入や再利用へつながる可能性も高まります。このような顧客との長期的な関係構築によって、顧客の生涯価値(LTV)の向上にもつながります。

ROIが高い

オウンドメディアを活用することで、集客費用を抑えつつ、売上と利益率を高めることができます。オウンドメディアのコンテンツ制作には費用がかかりますが、自然検索で上位表示されるようになることで、最終的にはROI(投資利益率)を高め、多くのユーザーにリーチできるようになるためです。

一方、リスティング広告などのウェブ広告は、インプレッションやクリックごとに費用が発生し、特定の期間のみしか掲載されないため、集客に伴う費用が増加しやすい傾向があります。

総務省の「令和5年版 情報通信白書」によると、2022年の世界の広告市場では、デジタル広告が3944億ドル(2024年4月現在の為替レートで約60兆8724億円)に達し、前年比で13.7%増加していることが分かっています。

2022年の世界の広告市場では、デジタル広告が3944億ドル(2024年4月現在の為替レートで約60兆8724億円)に達し、前年比で13.7%増加している

引用:総務省|令和5年版 情報通信白書|広告

また、総広告費に占めるデジタル広告の割合は55.3%にまで拡大すると予測されており、日本のデジタル広告市場の成長に伴い、広告費の高騰が懸念されています。

オウンドメディアを活用することで、売上を増やすだけでなく、ROIも高める効果が期待できます。例えば、商品を販売している場合、有料広告を利用するとCPA(顧客獲得単価)に応じて広告費がかかります。しかし、オウンドメディアでは、記事の公開に費用がかからないため、集客によって発生する費用が少なく、利益率を高めることができます。オウンドメディアは集客に伴う費用が比例的に増える仕組みではないため、集客が増えれば増えるほど、利益率が向上します。

人材採用にも役立つ

オウンドメディアは、見込み客(リード)の創出だけでなく、採用活動にも活用できます。従来の採用サイトとは異なり、オウンドメディアを通じて自社や商品・サービスに関する情報を提供することで、企業の理念に共感した人や理解している人からの応募を集めやすくなります。

また、オウンドメディアを通じて、自社が求める人材や採用後の働き方を積極的に発信することで、採用ミスマッチを回避する効果が期待できるでしょう。適切なコンテンツを作成し、応募ページに誘導することで、自社に適した人材を獲得するための人材採用の施策を実施することも可能です。

オウンドメディアのデメリット

オウンドメディアを運用することで多くのメリットが期待できますが、一方でデメリットといえる側面もあります。これらのデメリットを理解し、対処することで、オウンドメディアの成果を高められるでしょう。

ここでは、オウンドメディアを運営する上で理解すべき、6つのデメリットについて解説します。

成果が目に見えるまでに時間がかかる

オウンドメディアには、効果が現れるまでに時間がかかるというデメリットがあります。質の高い記事を作成・公開するまでには時間がかかり、公開後も検索エンジンでの表示には一定の期間が必要です。

例えばGoogleの場合、記事が検索エンジンで閲覧可能になるまでに、以下のプロセスを経る必要があります。

Google検索の3つのステージの流れ

引用:Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について|Google 検索セントラル|Google for Developers

 

【検索結果に表示されるまでの3つのプロセス】

  • クローリング:検索エンジンのクローラーが情報を収集する
  • インデックス:収集した情報をデータベースに登録する
  • ランキング:データベースに登録された情報をもとに順位付けを行う

これらのプロセスには時間がかかるため、成果が現れるまでにはおよそ6カ月から1年程度の時間がかかるとされています。

このように、オウンドメディアは成果を得るまでに時間がかかる特性があるため、ペイドメディアのような即効性は期待できませんが、長期的な成果を見込むことができます。

競争率が高くなっている

近年、オウンドメディアの運用は急速に難易度が増しており、初心者が運営しても成功することはまれといわれています。

理由として、Googleなどの検索エンジンのアルゴリズム(検索やSEOに関するルールのこと)の変更があります。以前は、文字数やキーワードの比率、記事数などの単純な対策によって上位表示が可能でしたが、近年ではユーザーの行動が重視され、質の高い記事でなければ上位表示が難しくなっています。

さらに、同じコンテンツでも新しいドメインでは上位表示が難しいとされています。Googleは権威性も評価の要素としており、新規サイトが上位表示されるためには権威性を高める必要があります。

また、2010年代中盤以降、IT企業を中心にオウンドメディアが注目され、多くの企業がマーケティング目的で記事を作成しています。その結果、記事数が爆発的に増加して競争も激化したことで、上位表示が難しくなっています。

特に、競争率の高い分野やカテゴリーでオウンドメディアを運用する際には、ノウハウや実績のあるコンサルティング会社などへ相談することも検討すると良いでしょう。

運営コストが発生する

オウンドメディアは費用対効果の高い施策ではあるものの、運営には一定のコストが必要です。

まず、ウェブサイトのドメイン代やサーバー代がかかります。また、記事の作成から公開、定期的な分析・改善まで、さまざまなプロセスが発生するため、人件費なども発生します。さらに、分析のために有料のツールを使用する場合は別途費用が必要です。

オウンドメディアを継続的に運営するためには、これらのコストが発生することを事前に認識しておく必要があります。

オウンドメディアは売上に直接貢献するわけではなく、効果測定も難しいため、長期の戦略が求められます。コスト削減の対象になりやすい施策の一つでもあるため、社内での理解を固めてからスタートすることが重要です。

専門知識や人的リソースが必要

オウンドメディアの運営には、金銭的なコストだけでなく、専門知識や人的リソースも不可欠です。記事を作成して公開するだけで、SEO対策やマーケティングの知識がなければ、集客や成果の達成は困難といえます。

全研本社株式会社が実施した「オウンドメディアに関する調査」によると、オウンドメディアの運営停止の主な理由は、「自社の運営担当者が退職したため(運用するリソースが不足したため)」が54.3%でもっとも多く、次いで「SEO対策が効果的ではなかったため」が35.8%でした。専門知識や人的リソースが不足すると、オウンドメディアの運営停止につながりかねないため、十分な人材を確保する必要があります。

さらに、各記事の分析や効果測定のためのツールの使い方や戦略の立案、検索エンジン上位表示や集客・成果の最適化などなど、さまざまな専門知識と経験が求められます。

社内に適切なスキルを持つ人材が不足している場合は、外部の専門家のアドバイスやサポートを受けることも検討しましょう。

質が低いコンテンツは負の遺産に

オウンドメディアのコンテンツは自社の資産にできるというメリットがある一方で、質の低い記事を継続的に公開すると逆効果になる恐れがある点は、デメリットといえるかもしれません。

オウンドメディアは企業のイメージを左右するメディアの一つであり、良くも悪くもその企業を代表するものです。

興味深い記事や有益な情報であれば、ユーザーはその企業やオウンドメディアに対して良いイメージをもつ可能性がありますが、分かりにくい内容や過度な宣伝、一方的な主張のみを行うサイトの場合、ユーザーは嫌悪感を抱く可能性があります。

そのため、企業側からの一方的な情報を押し付けるサイトではなく、ユーザーの満足度向上につながるサイトを目指すことが重要です。コンテンツの量よりも質を重視し、無闇にコンテンツを量産することは避けるべきでしょう。

また、質の低いコンテンツは企業の信頼を損なうだけでなく、成果を上げることも難しくなります。失った信頼を回復するには多大な努力と時間が必要であるため、常に高品質でユーザーに価値を提供することを意識して取り組むことが大切です。

継続的なコミットメントが必要

オウンドメディアの運用では、質の高いコンテンツを定期的に更新することが求められることから、継続的なコミットメントが不可欠です。これは、ユーザーは常に新しい情報や価値を求めており、定期的な更新がなければ興味を失ってしまう可能性があるためです。

しかし、全研本社株式会社の調査によると、実際には運営停止中のオウンドメディアのうち、開始から半年以内に更新が停止されたメディアが65.5%にのぼることが明らかになっています。

また、競争が激化する中で、コンテンツの質やユーザー体験の向上も求められています。そのため、単に長期的に取り組めば良いというわけではなく、ユーザーにとって有益なコンテンツとなるよう、質の改善と情報更新が必要です。

具体的な例としては、定期的なコンテンツカレンダーの作成や、編集・校正プロセスの確立、分析ツールの活用などがあげられます。また、運用チーム内での定期的なトレーニングや勉強会の開催、外部の専門家との協力などもおすすめです。

これらに取り組むことで、オウンドメディアの品質向上と持続的な成果を実現するための基盤を築くことができます。

オウンドメディアを成功させるポイント

オウンドメディアを成功させるためには、いくつかのポイントを押さえて取り組むことが重要です。ここでは、7つのポイントをご紹介します。

目的を明確にして、ゴールを定める

オウンドメディアの立ち上げ時には、メディアの目的とターゲットを定めることが不可欠です。なぜなら、目的やターゲットによって、発信すべきコンテンツや数値目標が変化するためです。

メディアの目的としては、リード獲得、商品やサービスの認知度向上、利用者の増加や売上向上、企業ブランディングの強化、採用活動の促進などがあげられます。

目的は、経営課題に直結した内容にすると効果的です。例えば、経営課題が「収益性の向上」であれば、オウンドメディアの目的として「リードの獲得」を設定することが適切でしょう。

これらの目的を明確にすることで、どのようなコンテンツを発信すべきかを明確にできます。オウンドメディアは企業の価値やメッセージを伝え、顧客との関係性を深めるための有効なツールであることを念頭に置きながら、課題解決のための役割を明確にしましょう。

ペルソナを設定する

次に重要なのは、ターゲットとなるペルソナを設定することです。ペルソナとは、理想の顧客像やターゲット層を具体的に設定した人物像です。

例えば、BtoB企業のオウンドメディアのペルソナの場合、業種や役職、課題などを考慮し、BtoCでは年代や性別、興味関心などを具体的に設定すると良いでしょう。

ペルソナを設定することで、その人たちが何を求めているのか、どのような情報に興味を持っているのかを把握しやすくなります。これにより、より効果的なコンテンツ企画やチャネルの選定、配信が可能になります。

カスタマージャーニーからコンテンツを企画する

HubSpotブログ記事「カスタマージャーニーとは?基本的な意味&具体的な施策を解説」

引用:カスタマージャーニーとは|?HubSpot

 

効果的なコンテンツを制作するためには、ターゲットとなる顧客のカスタマージャーニーを理解し、その段階に応じたコンテンツを企画することが重要です。

カスタマージャーニーとは、商品やサービスの販売促進におけるターゲット像を設定し、その人の「行動・思考・感情」を分析し、「認知→検討→購入→利用」へ至るまでのシナリオを時系列で捉える考え方です。カスタマージャーニーを図化したものを、カスタマージャーニーマップと呼びます。

カスタマージャーニーからコンテンツを企画することで、顧客のニーズや課題が明確になり、適切なコンテンツ制作や導線設計が可能になります。顧客が最初にブランドと接触する段階から、購買やロイヤルティーの向上までを考慮したコンテンツ戦略を策定しましょう。これにより、顧客のニーズに合ったコンテンツを提供し、顧客の関心を引きつけることができます。

オウンドメディアの運営体制を構築

オウンドメディアの運営に必要な業務は多岐にわたり、専門的な取り組みが必要であるため、社内での運営体制を整えることが望ましいです。

具体的には、プロジェクトリーダーの他に、コンテンツ制作や校正、マーケティング、デザイン、効果検証を担当するメンバーが必要です。また、各担当者の役割や責任を明確にすることで、円滑な運営につながります。

しかし、初めから完璧な体制を整えるのは難しい場合もあるでしょう。その場合は、少人数で複数の役割を兼任し、徐々に実績を積み上げて体制を拡大していくことが現実的といえます。また、オウンドメディアの運営に慣れていない場合は、外部の専門家に相談することも有効です。

定量的な目標を設定する

オウンドメディアの成功を定量的に評価するためには、KGI(Key Goal Indicator)とKPI(Key Performance Indicator)の設定が不可欠です。

KGIとは、最終的な目標を具体的な数値で表したものであり、例えばリード獲得を目指す場合、「月に10件の問い合わせを獲得する」といった数値目標が想定されます。目的に応じてKGIは変わり、ブランディング強化を目的とする場合は、顧客満足度アンケートの数値なども重視されます。

KGIを達成するために設定される指標がKPIであり、具体的な行動指標を示すものです。例えば、問い合わせ数のKGIに対するKPIとして、「サービス紹介ページのトラフィック数」や「SEO記事の検索順位」などがあげられます。

これらの指標は定期的に見直し、経営課題の解決に貢献するかどうかを確認し、必要に応じて修正を行うことで成果につながりやすくなります。

長期的な視点で運用・改善を行う

オウンドメディアは、立ち上げ後すぐに成果が上がるわけではありません。リスティング広告などのインターネット広告とは異なり、オウンドメディアは中長期的な取り組みが必要です。

株式会社ベーシックの調査によると、5年以上の運営経験を持つオウンドメディアの担当者は全体の30%以上に上り、取り組みの長期化が求められていることが明らかになっています。特に、新しく立ち上げたオウンドメディアは、一般的にSEOの成果が実感されるまでに半年以上かかることが一般的です。

結果を得るまでには時間がかかることを経営陣にも理解してもらい、根気強く取り組むことが不可欠です。成果が出ないとすぐに諦めるのではなく、オウンドメディアの育成に集中する姿勢が必要です。

ノウハウのある専門家へ相談することも検討する

オウンドメディアの運用には、サイトのデザインやコーディングなどの開発スキルや、コンテンツ企画・制作スキル、市場分析や施策の立案といったマーケティングスキルまで、さまざまな専門知識が必要です。

そのため、自社だけで対応するのが難しい場合は、ノウハウや経験のある専門家やコンサルタントに相談することも検討すると良いでしょう。専門家のアドバイスやサポートを受けることで、効率的な運用や成果を高めることが期待できます。

また、業界のトレンドやベストプラクティスを把握するためにも、専門家の意見を取り入れることが重要です。これらの情報を把握することで、市場動向や競合状況に基づく適切な戦略を立てることができます。

例えば、同業他社が成功しているオウンドメディアの事例や、最新のデジタルマーケティングのトレンドを知ることで、自社のオウンドメディアの改善点や新たなアイデアを見つけることにつながるでしょう。

まとめ

オウンドメディアを運用することで、企業は認知度向上や質の高い見込み客(リード)の創出、ブランディング、広告費削減など多岐にわたるメリットが期待できます。

しかし、オウンドメディアの特性を十分に理解しないまま立ち上げてしまうと、成果につながりにくいほか、質の低いコンテンツによって自社の信頼を損なうリスクもあります。

オウンドメディアのメリットを最大限活かすためにも、特性やポイントを把握し、十分な準備をした上で取り組みましょう。

渋谷 真生子

株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。

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