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HubSpotプロパティーとは?カスタムプロパティーの作成方法、注意点、計算プロパティーなどわかりやすく紹介

作成者: 渋谷 真生子|2024/06/06

HubSpotを活用してビジネスの成長を加速させていく上で、「HubSpotプロパティー」の理解と活用が欠かせません。HubSpotプロパティーを活用することで、顧客や見込み客のデータを整理し、マーケティング、セールス、サービス活動を最適化することが可能です。

本記事では、HubSpotプロパティーの基本から、カスタムプロパティーの作成方法、注意点、計算プロパティーに至るまで、わかりやすく紹介します。HubSpotをこれから始める方も、さらにHubSpotを有効活用したい方も、今回紹介する内容を通じてHubSpotのプロパティー管理の知識を深め、ビジネスの成果を最大化させましょう。

HubSpotプロパティーとは

プロパティー(property)とは、「属性」を示す言葉で、ビジネスにおける顧客や取引の詳細を管理するためのデータフィールドを指します。

特に、プロパティーは、CRM(顧客関係管理システム)やデータベースを活用する際に用いられるため、プロパティーを正しく理解することでそれらを適切に活用できます。ここでは、HubSpotプロパティーとはどのような役割を持つのか詳しく見ていきましょう。

HubSpotとは

HubSpot(ハブスポット)とは、インバウンドマーケティングを中心としたビジネス成長を支援するオールインワンのマーケティング、セールス、カスタマーサービスプラットフォームです。

ウェブサイトのトラフィック増加、リード獲得、顧客との関係構築など、ビジネスの各段階をサポートする機能を提供しています。HubSpotの強力なCRM機能により、顧客データを一元管理し、パーソナライズされたマーケティング戦略の実施が可能です。

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HubSpotプロパティーとは

HubSpotプロパティーは、顧客や見込み客に関する具体的な情報を保存するデータフィールドです。これらのプロパティーは、HubSpot内で顧客とのやり取りを追跡し、セグメント化し、パーソナライズされたコミュニケーションを行うための基盤となります。

主なプロパティーとしては、コンタクトプロパティー、会社プロパティー、取引プロパティーが挙げられます。

このように、HubSpotには規定のプロパティーが用意されていますが、運用する中で足りない項目については、会社のニーズに合わせて「カスタムプロパティー」として追加することも可能です。

HubSpotプロパティーとオブジェクト、レコードとの関係性

HubSpotプロパティーは「オブジェクト」と「レコード」に関連付けられています。オブジェクトとは、データを格納するデータベースのことです。HubSpotには、複数のデータベースがあり、顧客、取引、会社といった既定のカテゴリーごとに管理しています。

HubSpotのオブジェクトは、それに関連する情報を保持するためのプロパティーを保持しています。例えば、コンタクトオブジェクトには名前やメールアドレスなどのプロパティーが格納され、取引オブジェクトには、案件名や金額、受注確度といった取引プロパティーが格納されます。

そしてHubSpotのレコードは、HubSpotに登録された個々の顧客や、取引の詳細データのことです。プロパティーを通じて、これらのレコードに保存されたデータを管理し、分析することで、ビジネスの意思決定を支援し、顧客体験を向上させることができます。

したがって、HubSpotのオブジェクトとは、「HubSpotプロパティーを格納する箱のようなもの」で、HubSpotのレコードとは、「HubSpotプロパティーに登録された詳細情報」といえます。

また、各オブジェクトは、相互に関連付けて管理できます。例えば、1人のコンタクトに複数の会社を紐づける場合は、「関連付けラベル」を利用することで、関連付けることが可能です。

規定プロパティーとカスタムプロパティー

HubSpotでは、ユーザーがすぐに活用できるように、多くの規定プロパティーが用意されています。これらは一般的なビジネスプロセスや顧客管理に必要な情報をカバーしています。

しかし、自社のビジネス特性や運用の目的によっては、規定プロパティーだけでは不十分な場合もあります。そのような場合は、「カスタムプロパティー」を作成することで、独自のデータ管理ニーズに対応することが可能です。

ここでは、規定プロパティーとカスタムプロパティーについて、さらに詳しく見ていきましょう。

規定プロパティーとは

規定プロパティーとは、HubSpotが提供している規定プロパティーは、顧客の基本情報(名前、メールアドレス、会社名など)から、取引のステージ、顧客とのコミュニケーション履歴に至るまで、ビジネス運用に必要なさまざまな情報が含まれています。

これらの規定プロパティーは、HubSpotを初めて使用する際に、迅速に顧客データの管理を開始できるように設計されています。したがって、多くの場合は規定プロパティーだけでビジネスの基本的なニーズを満たすことが可能です。

カスタムプロパティーとは

ビジネスが成長し、より複雑なデータ管理や分析が必要になるにつれて、規定プロパティーだけでは対応しきれない場合もあるでしょう。HubSpotでは、このような独自のニーズに応えるために、カスタムプロパティーを作成する機能を提供しています。

カスタムプロパティーを使用することで、特定のマーケティングキャンペーンの成果測定、顧客の特定の行動や好みの追跡、独自のビジネスプロセスに合わせた顧客情報の管理など、ビジネスに特化したデータ管理が可能です。

これにより、よりパーソナライズされたマーケティング戦略の実施や、効率的なセールスプロセスの構築、顧客満足度の向上に直結します。

カスタムプロパティーの特徴

HubSpotのカスタムプロパティーは、HubSpotでの詳細なデータ管理とカスタマイズの柔軟性を大幅に高めることが可能です。ただし、カスタムプロパティーを利用するには注意点も存在します。

カスタムプロパティーを正しく活用するには、その特徴を正しく理解することが大切です。特におさえておくべきポイントは次の3点が挙げられます。

  • 作成できるカスタムプロパティーに制限がある
  • 計算プロパティーはProfessional以上で利用可能
  • カスタムプロパティーを追加できないオブジェクトがある

続いて、それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。

作成できるカスタムプロパティーに制限がある

HubSpotのカスタムプロパティーは、利用しているプランに応じて作成できる数に制限があります。無料版では最大で10件のカスタムプロパティーを作成でき、Starter、Professional、Enterpriseプランでは最大1000件まで作成可能です。

そのため、カスタムプロパティーを作成する際には、まずは無料版で手順などを確認した上で、基本的に有料プランの契約が必要になります。

計算プロパティーはProfessional以上で利用可能

HubSpotの計算プロパティーとは、カスタムプロパティの一種で、HubSpot内に存在するプロパティ値同士の演算を行うことができるというものです。計算プロパティーを使用することで、関連するレコードのプロパティーにおいて、最小値・最大値・件数・合計・平均を自動計算できます。

例えば、計算プロパティーを活用することで、顧客が過去に購入した商品の合計金額や、特定の期間内に発生したリードの平均スコアなど、複雑なデータ分析を自動で行えるようになります。これにより、より高度な顧客セグメンテーションやパーソナライズされたマーケティング戦略の策定が可能です。

一方、計算プロパティーを活用するには、Professionalプラン以上の契約が必要になりますので注意しましょう。

カスタムプロパティーを追加できないオブジェクトがある

HubSpotでは、ほとんどのオブジェクトに対してカスタムプロパティーを追加することが可能ですが、例外も存在します。

特に、見積もりオブジェクトにはカスタムプロパティーを追加することができません。見積もりオブジェクトは、販売プロセスにおいて顧客に提供する見積もりの詳細を管理するために使用されますが、このオブジェクトはカスタムプロパティーの追加に対応していないため、見積もりに関連するカスタマイズが必要な場合は、他の方法を検討する必要があります。

このように、状況によってはカスタムプロパティーとして追加できない可能性もあるため、後から「想定と違った」とならないように注意しましょう。

カスタムプロパティーの作成方法

HubSpotでは、自社のビジネスニーズに合わせて、独自のカスタムプロパティーを作成することが可能です。

作成方法は直感的な操作で対応でき、ユーザーが必要とする特定のデータを効率的に管理できるように設計されています。ここでは、カスタムプロパティーの作成方法を手順に沿って見ていきましょう。

1.プロパティーを追加したいオブジェクトを選択する

HubSpotアカウントにログインし、右上の設定アイコン(歯車マーク)をクリックします。左側に設定メニューが表示されますので、その中から「プロパティー」を選択しましょう。

続いて、「オブジェクトを選択」のドロップダウンメニューから、プロパティーを追加したいオブジェクト(例:コンタクトプロパティー、会社プロパティーなど)を選択します。

プロパティーを追加するオブジェクトを選択したら、「プロパティーを作成」をクリックしましょう。

2. 追加するプロパティー情報を入力する

続いて、プロパティーの基本情報を入力します。ここでは、オブジェクトタイプ、プロパティーが属するグループ、プロパティーのラベル(表示名)、内部名、およびプロパティーに関する説明を設定します。

これらの情報は、登録したプロパティーを識別したり、管理したりするために重要ですので、正しく設定しましょう。

3. フィールドタイプを選択する

プロパティーの基本情報を設定した後、フィールドタイプを選択します。HubSpotでは以下のフィールドタイプが提供されています。

フィールドタイプは、プロパティーが保存するデータの種類に基づいて選択されます。これにより、データの整合性を保ちながら、ビジネスの要件に合わせたデータ管理が可能になります。

設定後の編集も可能ですが、設定したフィールドタイプがHubSpot内で使用されている場合は、変更することができないため注意しましょう。

このように、カスタムプロパティーを作成することで、特定のビジネスニーズに合わせてデータ管理を実現することが可能です。効果的にカスタムプロパティーを設計し、HubSpotの機能を最大限に活用しましょう。

HubSpot 計算プロパティーとは

HubSpotの計算プロパティー機能を使用すると、複数の数値プロパティーの値を組み合わせたり、関連レコードのプロパティー値から自動的に演算したりすることができます。

HubSpot 計算プロパティーを活用することで、関連レコードのプロパティー値、2つのプロパティー値の間の時間、または独自のカスタム式に基づいて設定することが可能です。ここでは、計算プロパティーの詳細や利用ケースについて詳しく見ていきましょう。

HubSpot 計算プロパティーとは

HubSpotの計算プロパティーは、カスタムプロパティの1つで、複雑なデータ分析を自動化し、より洞察に富んだレポート作成が可能になります。これにより、ユーザーは手動でのデータ処理を減らし、効率的にビジネスの意思決定を行うことが可能です。

計算プロパティーは、最小値、最大値、カウント、合計、平均、間の時間、切り下げのみ、切り上げのみ、四捨五入、カスタム式など、さまざまなタイプの計算をサポートしています。HubSpot計算プロパティーを使うには、Professionalプラン以上の契約が必要ですが、うまく活用することで、より効率的にプロパティーを管理できるようになります。

<計算プロパティの一覧>

参照:計算プロパティーを作成する|HubSpot

HubSpot計算プロパティーの利用ケース

HubSpot計算プロパティーは、多岐にわたるユースケースに対応しています。例えば、次のような使い方が挙げられます。

  • コンタクトに関連付けられている取引の平均金額を計算する
  • 新規顧客獲得のコストをカスタム式に基づいて計算する
  • 前回の商談からの経過時間を計算して表示する
  • 粗利益を自動計算してHubSpot内で表示する

このように、ビジネスのニーズに合わせた多様な計算が可能です。これらの計算プロパティーを活用することで、ビジネスのパフォーマンスをリアルタイムで把握し、より戦略的な意思決定を行うことができます。

HubSpotプロパティーのグループ分け

HubSpotを活用し続けると、次第にプロパティーの数が増えることがよくあります。特に有料プランを使用している場合、最大1000件までプロパティーを作成できるため、プロパティーの数が増えすぎることで、管理が煩雑・複雑化するという問題が生じます。

このような状況を効果的に管理するために、HubSpotではプロパティーのグループ分け機能を提供しています。ここでは、HubSpotプロパティーのグループ分けについて詳しく見ていきましょう。

プロパティーの数が増える問題点

プロパティーの数が増えると、必要なプロパティーを見つけにくくなったり、似たようなプロパティーが重複して作成されたりする可能性があります。これにより、データの整合性が損なわれたり、マーケティングやセールスの効率が低下したりするリスクもあるため、適切に管理することが重要です。

一方、多数のプロパティーを効率的に管理するためには、より多くの時間と労力が必要になるため、管理コストが増加しやすくなります。したがって、プロパティーの数が増えても管理コストを掛けずに、適切に管理し続けることが大切であり、その鍵を握るのがプロパティーもグループ分けです。

プロパティーのグループとは

CRMでデータの品質を維持するためには、プロパティーの適切な管理が欠かせません。プロパティーのグループは、類似のプロパティーをまとめて整理するための機能です。ユーザーはプロパティーをカテゴリー別に分類することで、管理しやすくなります。

また、プロパティーグループは、オブジェクト内の互いに類似するプロパティーをグループ化するためのラベルとして機能し、プロパティー設定内でのみ使用されます。

規定のプロパティーグループもありますが、カスタムグループを作成することも可能です。例えば、「連絡先情報」や「取引詳細」など、特定の目的に合わせてプロパティーをグループ化できます。

プロパティーグループの作成方法

プロパティーグループを作成するには、まずはHubSpotアカウントの設定(歯車マーク)をクリックします。

次に、左側に表示されたメニューの一覧から「プロパティー」をクリックします。その後、「オブジェクトを選択」ドロップダウンメニューから対象のオブジェクトを選択します。

続いて、「グループ」タブをクリックすると、オブジェクト内のグループ一覧が表示されます。新しいグループを作成するには、「グループを作成」をクリックしてください。任意のグループ名をつけて、保存をクリックすれば作成完了です。

 

 

既存のグループを編集するには、対象のグループを選択します。編集が完了したら、同様に保存をクリックして完了です。これにより、プロパティーを効果的に整理し、管理の効率を向上させることが可能になります。

HubSpotプロパティーについて学べるHubSpot Academy

出典:HubSpot

プロパティー管理は、情報を整理し、企業のマーケティング、営業、カスタマーサービスの活動についてコミュニケーションを取り、レポートを作成し、過去の背景情報を活用するための戦略です。

しかし、具体的にどのように活用すれば良いか、具体的なイメージを掴みきれていない方も多いでしょう。そのような方に向けて、HubSpot Academyでは、「HubSpotでのプロパティー管理」という無料レッスンを提供しています。

このレッスンでは、HubSpotにおけるプロパティー管理の重要性や管理方法について学ぶことができます。

  1. プロパティー管理が企業にとって重要な理由(1分)
  2. HubSpotでプロパティーを管理する方法(3分)
  3. HubSpotでカスタムプロパティーを作成する方法(3分)
  4. HubSpotのコンタクトレコードの「概要」セクションでプロパティーをカスタマイズする方法(2分)
  5. HubSpotでレコードの作成中にプロパティーをカスタマイズする方法(2分)

動画は合計で10分ほどの長さなので、HubSpotプロパティーを初めて活用される方はぜひご覧いただくことをおすすめします。

このレッスンを通じて、HubSpotのプロパティー管理の仕組みと、HubSpotでプロパティー管理をどのように効果的に行えるかについて詳しく学ぶことができます。

この他にも、HubSpot Academyではさまざまなレッスン動画が公開されています。HubSpot Academyのアカウントは誰でも簡単に作成でき、すべての学習コンテンツを無料で視聴可能です。

また、HubSpotソフトウェアの無料ツールも利用できます。HubSpot Academyの認定資格は世界的に認められており、スキルの確かな証明となります。現職のキャリア形成や将来の転職にも役立つため、ぜひこの機会にレッスンを受講してみてください。

まとめ

本記事では、HubSpotプロパティーの基本概念からカスタムプロパティーの作成、計算プロパティーの利用、そしてプロパティーのグループ分けに至るまで詳しく解説しました。CRMの成果を最大限に発揮させるには、プロパティーの活用が欠かせません。

HubSpotプロパティーを活用することで、顧客データの整理と活用が格段に向上し、マーケティングやセールスの効率が高まるでしょう。

HubSpotプロパティーの設定や活用方法に迷った場合は、HubSpot Academyの無料レッスンや、株式会社100(ハンドレッド)が提供している「HubSpot大百科」を活用いただくことで、プロパティー管理のスキルをさらに深めることができます。効果的なプロパティー管理は、データを活用してビジネスの成果を最大化する鍵となりますので、ぜひ積極的に活用してみてください。