近年、ビジネスの世界ではユーザーコミュニティーの重要性が高まっています。ユーザーコミュニティは、企業の商品・サービスを利用するユーザー同士が交流する場であり、企業にとってはユーザーロイヤリティを高めることでコアなファンを育てることが可能です。
中でも、デジタルマーケティングの分野では、LTV(顧客生涯価値)の向上を指標に置くケースが増えており、ユーザーやパートナーとの継続的な関係構築が求められています。
CRMプラットフォームのHubSpotを展開するHubSpot Japan株式会社でも「HubSpot コミュニティー」というユーザー同士の情報交換の場を提供しています。本記事では、HubSpotコミュニティーについて、そのメリットや参加方法、おすすめのコンテンツやプログラムを詳しく紹介します。
HubSpotを利用中の方は、ぜひコミュニティーへの参加を検討してみてください。
昨今ビジネスの世界では、企業と顧客、さらに顧客同士のつながりを持つことがますます重要になっています。
背景としては、インターネットの普及や人口減少に伴い、従来の新規顧客を獲得することに重きを置いたマーケティング手法に限界が生じていることが挙げられます。そこで、企業は既存顧客のロイヤリティを高めて、ファン化するためのユーザーコミュニティをつくることが重要です。
そうした中で、HubSpot Japan株式会社では、日本語版の「HubSpotコミュニティー」を開設し、HubSpotに関わるすべての人が、HubSpot製品の活用方法やビジネス成長に役立つ情報を共有するプラットフォームとして運営しています。
ここでは、HubSpotコミュニティーについて、さらに詳しく見ていきましょう。
HubSpotは、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス、コンテンツ管理など、ビジネスに必要なツールが一つのプラットフォームで利用できるサービスです。
HubSpotは、2005年に米国のHubSpot社により開発されましたが、創業以来HubSpot社では「インバウンドマーケティング」という概念を提唱し続けています。インバウンドマーケティングとは、顧客にとって価値のあるコンテンツを提供し続けることで、顧客を惹きつけ、継続的に信頼関係を構築するという手法です。
企業目線の営業メールや営業電話、広告といったアウトバウンド型では、顧客と信頼関係を築くどころか、むしろ顧客離れや不信感につながる可能性があります。一方、インバウンドマーケティングは、顧客を中心にしたビジネスの成長をサポートすることに重きを置く手法です。
これにより、企業は顧客との関係を深化させ、持続的なビジネスの成長を実現できます。HubSpot社では創業時から変わらない想いを持ち続け、HubSpotをアップデートし続けました。
そして、HubSpotは現在世界120カ国以上で184,000社を超える導入実績を誇り、世界シェアNo1.のマーケティングオートメーションツールとして、ビジネスの成長を支援しています。(2023年11月現在)
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画像参照:HubSpotコミュニティー
HubSpotコミュニティーとは、HubSpotのユーザーや販売パートナー、連携アプリ開発者など、HubSpotに関わるすべての人々が自由にHubSpotに関する情報を交換したり、相談したりするオンライン情報交換プラットフォームです。
具体的には、HubSpot製品の活用方法や、マーケティング、営業、カスタマーサービスといった日常業務に役立つ情報を共有し、ビジネスの成長をサポートすることを目的としています。英語版では2016年から開設されていますが、2020年からHubSpot Japanにより、日本語版のHubSpotコミュニティーが開設されました。
特徴としては、HubSpot製品に関することだけではなく、インバウンドマーケティングのノウハウや営業組織の運用に関する事例、業界特有の課題・悩みなど、さまざまなテーマに関して投稿できる点です。
ユーザーは、自身が抱える疑問や悩みを共有することで、他のユーザーからアドバイスやフィードバックを受け取ることが可能。また、HubSpotの最新情報やベストプラクティスも共有され、ユーザー同士の交流を通じて、ビジネスの成長をサポートする情報が得られます。
また、過去のトピックはサイト上にカテゴリ別に蓄積されるため、データベースとしても活用できます。その結果、ユーザーは早期の課題解決につながり、ビジネスの成長へとつなげることが可能です。
コロナ禍で企業のデジタル化が急速に進んだことで、リモートワーカーの増加や打ち合わせがオンライン主体になるなど、ビジネスシーンは大きく変化しました。移動時間の短縮や、いつでもオンライン上で繋がれるといったメリットがある一方、コロナ以前と比べて「人とのつながりが減った」という声も少なくありません。
HubSpotの調査によれば、リモートワーカーの40%が「同僚との対面での繋がりが足りない」と回答し、オフィスワーカーの49%が「モチベーションの維持とチームのつながりが最大の課題である」と回答しています。さらに、つながりの不足感は、社内だけでなく顧客との関係にも影響しています。
こうした状況を踏まえ、HubSpotでは自社の年次イベントである「INBOUND 22」において、「Crisis of Disconnection(断絶の危機)」をテーマに掲げました。
HubSpotでは、顧客や従業員に6週間に渡ってヒアリングを実施した結果、コロナ禍でのデジタル化の進行とともに、企業の成長を阻む3つの断絶が存在すると結論づけています。
これらの断絶を解消するための答えとして、HubSpotでは、改めて「コミュニティー」の重要性を強調しています。とりわけ情報過多に陥っている昨今では、顧客にコンテンツを届けることは容易ではありません。したがって、顧客にパーソナライズされた情報を提供する必要があるのです。
コミュニティーを通じて顧客とのつながりを深化させ、顧客の課題を理解し、解決策を提供することが重要です。その実現に向けて、HubSpotでは「Connect dots(ドットのつながり) =コミュニティー」を提唱しました。
画像参照元:INBOUND22 HubSpotキーノート〜断絶の危機と顧客とつながる時代
これは、個々人をドットで表し、ドット同士をつなげることがコミュニティーであるという概念です。つまり、コミュニティーは必ずしも大きくある必要はなく、ドット(メンバー)同士がつながっていることが大切だといえます。
画像参照元:INBOUND22 HubSpotキーノート〜断絶の危機と顧客とつながる時代
HubSpotはこれまで、顧客の課題を解決するためのソフトウェアを提供し、顧客に役立つコンテンツも数多く公開しています。しかし、それだけでは十分ではなく、断絶されたドットをつなぐ「コミュニティー」こそが企業の成長を促進すると伝えています。
この考えは、HubSpotの新しいコミュニティー「HubSpot Connect.com」の発足につながりました。ネットワーク、アカデミー、マーケットプレイスを一つに統合したこのコミュニティーを通じて、多くの人とのつながりを実現し、共通の課題や目標に取り組むことができる環境が提供されています。
HubSpotコミュニティーは、HubSpotユーザー、パートナー、そして連携アプリ開発者が集まる情報交換の場です。このコミュニティーに参加することで、多くのメリットを享受できます。ここでは、具体的な5つのメリットを詳しく解説しますので、参考にしてください。
HubSpotコミュニティーは、様々な業界や背景を持つHubSpotユーザーが集まる場所です。ここでのネットワーキングを通じて、新しいビジネスのアイディアの創出やノウハウの蓄積、さらに新しいビジネスチャンスやパートナーシップの機会につなげることも期待できます。
また、同じ業界や課題を持つメンバーとの交流を深めることで、ディスカッションをしたり、課題解決のヒントやアドバイスを得たりすることも可能です。
HubSpotの利用中に生じる疑問や課題は、コミュニティー内での質問やディスカッションを通じて解決できます。
特に、複雑な設定やカスタマイズに関する疑問点は、経験豊富なユーザーやHubSpotのエキスパートからの具体的なアドバイスや実際の操作手順を学ぶことができます。
HubSpotコミュニティーでは数多くのHubSpotユーザーや販売パートナーが登録しています。それぞれが持つ情報共有やディスカッションを通じて、HubSpotの隠れた機能や使い方のコツ、さらには効果的なマーケティング戦略や自動化の設定方法など、実践的なTipsを得ることが可能です。
これにより、ユーザーはHubSpotの機能を最大限に活用でき、ビジネスの効率化や成果向上につなげることができます。
HubSpotコミュニティーは、ユーザーの声を直接HubSpot社に届ける重要なチャネルとなっています。製品の不具合や改善要望、新機能の提案など、ユーザーからのフィードバックはHubSpotの製品開発に大きく影響を与えています。
HubSpotコミュニティーに参加するユーザーは、HubSpotの機能やサービスに対して、直接フィードバックを提供し、改善のための意見を述べることが可能です。ユーザー自身がHubSpotの製品改善や進化に貢献する貴重な場となっています。HubSpotをより良くするために、あなたの声を届けてみてはいかがでしょうか。
HubSpotは、定期的に新機能の追加や既存機能のアップデートを行っています。コミュニティーを利用することで、これらの最新情報をいち早くキャッチし、新機能をいち早くビジネスに取り入れることができます。
また、HubSpotの公式イベントやセミナー情報もコミュニティー内で共有されるため、最新のマーケティングトレンドやノウハウを学ぶ機会も増えるでしょう。
HubSpotコミュニティーは、単に情報共有を行う場ではありません。様々なコンテンツやプログラムを通じて、HubSpotに関わるすべての人々の絆を深め、HubSpotの利用をより豊かにするためのサポートを行っています。
ここでは、数ある中で代表的なコンテンツとプログラムを紹介します。他にも様々なグループがありますので、目的や課題に応じて最適なものを選んでください。
出典:HubSpot
HubSpot User Group(HUG)は、HubSpotユーザーがリアルタイムで情報交換やネットワーキングを行うためのグループです。Japan HUGは、日本のHubSpotユーザー向けに特化したグループで、弊社、株式会社100(ハンドレッド)代表取締役の田村がリーダーを務めています。
日本独自のマーケティングの課題や成功事例などを共有する場として機能しており、Japan HUGに参加することで、MeetUpや各種勉強会への参加が可能です。是非みなさまのご参加をお待ちしております!
HubSpotコミュニティー内で定期的に開催される勉強会は、HubSpotの使い方や最新のマーケティングトレンドについて学ぶ絶好の機会です。実践的なノウハウやTipsを直接エキスパートから学ぶことができます。
レベルに合わせて様々な勉強会があるため、自身の運用スキルに応じて参加することをおすすめします。
コミュニティーリソースは、HubSpotの使い方やマーケティング戦略に関する資料、ガイド、チュートリアルなどの情報を提供するセクションです。
初心者から上級者まで、必要な情報を手に入れることができます。その他、HubSpotの最新情報や機能アップデートなどの情報をいち早く入手できますので、定期的にチェックしましょう。
コミュニティーチャンピオンプログラムは、HubSpotコミュニティーで特に豊富な知識を共有し、積極的に貢献しているメンバーを対象としたプログラムです。100のCEO田村も歴代チャンピオンとして名を連ねています。プログラムに参加するには要件をクリアする必要があり、HubSpotコミュニティーでの貢献度で審査がされます。
このプログラムのメンバーは、特別なバッジやフォーラムへのアクセス権、HubSpotの担当者との直接のやり取りなど、多くの特典を享受できます。チャンピオンになった田村は2023年に開催されたHubSpotイベントの『INBOUND』にて写真が飾られました。みなさまも目指してみてはいかがでしょうか。
リソースセンターは、HubSpotの使い方や最新の機能、マーケティング戦略に関する情報が集約されています。ユーザーは、リソースセンターを通じて必要な情報やガイドを簡単に検索や参照が可能です。
コミュニティーへの参加は、HubSpotの利用をより深めるための重要なステップです。ここでは、コミュニティーユーザーになるメリットと、ユーザーになる手順を画像付きで詳しく解説します。
HubSpotコミュニティーはユーザーアカウントを作成していなくても閲覧は可能ですが、ユーザーアカウントを作成することで次のようなメリットを得られます。
もちろん、HubSpotコミュニティーユーザーになる際に費用は不要です。HubSpotの無料ユーザーでも参加できますので、気軽に登録してみてください。
HubSpotコミュニティーユーザーになる際は、簡単なステップを踏むことで参加可能です。ここでは、実際にHubSpotコミュニティーユーザーになる手順を画像付きで解説します。
2. 言語の選択:英語版ページが開いた場合は、左上の言語切り替えボタンで日本語を選択します。
3. コミュニティーへの参加:右上の「コミュニティーに参加する」ボタンをクリックします。
4. HubSpotにログイン:Emailアドレスとパスワードを入力してHubSpotにログインします。HubSpotアカウントをお持ちでない場合は、ユーザー名などを登録する画面が表示されますので、表示された案内に従って登録を進めてください。
5. 完了:これでコミュニティーユーザーの作成は完了です。コミュニティー内を自由に閲覧し、情報交換を楽しんでください。
HubSpotコミュニティーは、単なる情報共有の場ではありません。HubSpotユーザーが相互に知識や経験を共有し、HubSpotの利用を最大限に活用するための実践的なサポートを提供するプラットフォームです。
コミュニティーに参加することで、ユーザーは最新の情報やヒントを得るだけでなく、他のユーザーとのネットワーキングや直接のフィードバックの提供など、多くのメリットを享受できるため、ぜひ積極的に参加していただくことをおすすめします。みなさまのご参加をお待ちしております!