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Agent HubとBreeze Assistant(旧Copilot)の違いを整理

Agent HubとBreeze Assistant(旧Copilot)の違いを整理

「Agent HubとBreeze Copilotは何が違うのか」という問いは、HubSpotのAI機能が短期間で拡張された結果として自然に生じるものです。ただしこの問いには、答える前に確認すべき点があります。

この記事のポイント

  • まず用語の整理が必要です。現在の公式名称はBreeze Assistantで、「Breeze Copilot」は現行の公式ドキュメントには見当たりません。社内資料の表記も更新が必要です。
  • Breeze Assistantは「人が指示を出して即座に手伝ってもらう」対話型のアシスタント、Agent Hubのエージェントは「トリガーに応じて自律的に一連の処理を実行する」自動化基盤です。前者は全プランで利用可能、後者はProfessional以上とクレジットが必要です。
  • 両者は競合しません。日常的な文章生成・要約・データ抽出はBreeze Assistant、反復的な業務プロセスはAgent Hubのエージェント、という役割分担が実務的な整理です。

Breeze Assistantとは何か?

Breeze Assistantは、HubSpotに組み込まれた対話型のAIアシスタントです。公式ナレッジベースによれば、以下のような作業を担います。

  • コンテンツの生成・改善(ブログ、メール、提案資料など)
  • ミーティングの準備
  • データの要約、リストの抽出
  • 画像生成、見積書・商品の作成、ワークフローの構築

提供範囲と制限

公式ナレッジベースでは「All products and plans(すべての製品とプラン)」に対応と記載されており、無料版を含む全エディションで利用できます。ただし一部の機能には追加のサブスクリプションが必要である旨が注記されています。

コンテンツ生成の利用回数上限として、1分あたり30回・1日1,000回が示されています。

Agent Hubのエージェントとは何が違うのか?

Agent Hubは2026年7月23日にパブリックベータで公開された、AIエージェントの管理基盤です。公式ナレッジベースによれば、Intro(成果指標と有効化)、Agents(一覧・クローン・削除)、Context(ビジネス情報とKnowledge Vaults)の3タブで構成されます。

決定的な違い:起点が人かトリガーか

比較軸 Breeze Assistant Agent Hubのエージェント
起点 人が依頼する(対話型) トリガーまたはスケジュール(自律実行型)
処理の範囲 依頼された1つのタスク 複数ステップの一連の処理
継続性 その場で完結 ワークフローに組み込み継続稼働
対象エディション 全プラン(無料版含む) Professional / Enterprise+HubSpotクレジット
課金 アシスタント自体は追加費用なし 成果または実行に応じたクレジット消費
設定の必要性 ほぼ不要(対話するだけ) Instructions・Knowledge・Actions・Inputsの設計が必要
権限管理 スーパー管理者による利用許可 エージェント単位で4段階+Customのアクセス制御

この表の1行目が本質です。Breeze Assistantは「隣に座っている優秀な担当者」であり、依頼すれば手伝ってくれます。Agent Hubのエージェントは「業務プロセスに組み込まれた仕組み」であり、人が呼ばなくても動きます。

具体例で比較する

同じ「商談前の準備」という業務で比べます。

  Breeze Assistantを使う場合 カスタムエージェントを使う場合
操作 担当者が該当レコードを開き、「この企業の過去接点を要約して」と依頼する ミーティングの前日に自動起動し、ブリーフィングを生成してタスク通知する
依存 担当者が「依頼を忘れない」ことが前提 担当者の行動に依存しない
一貫性 依頼文が人によって異なるため出力も変動する Instructionsが固定されているため出力形式が安定する
準備コスト ほぼゼロ 設計・テストに数週間

組織全体で品質を安定させたいならエージェント、個人の生産性を今日から上げたいならBreeze Assistant——という選択になります。

Agent Hubの中身はどう構成されているのか?

「Agent Hub」という名称は基盤の名前であり、その中に複数の要素が含まれます。混同を避けるため整理します。

要素 内容
構築済みエージェント AEO(ベータ)、案件創出エージェント、顧客対応エージェント、データエージェント、取引推進(Deal progression)
Agent Builder ノーコードでカスタムエージェントを構築する機能
Agent Marketplace HubSpotの構築済みエージェントを導入する場。カスタムエージェントは掲載対象外
Knowledge Vaults エージェントが参照する知識の格納庫。ContextタブおよびAgent BuilderのKnowledge設定で管理
ワークフロー連携 エージェントとワークフローを同一キャンバスで接続

「Breeze」という名称との関係

HubSpotのAI機能群は「Breeze」というブランドで展開されてきました。Agent Hubは、そのうちエージェント関連機能を統合・再編した管理基盤です。公式プロダクトページでもAgent Hubとして製品ページが構成されています。

したがって現在の整理は次のようになります。日常的な対話支援はBreeze Assistant、エージェントの構築・運用・管理はAgent Hub、そしてエージェントの実行原資はHubSpotクレジットです。

どう使い分けるべきか?

Breeze Assistantが向いている業務

  • 1回限りの文章作成・要約(提案書の一部、社内向け報告)
  • その場で必要になった調査・リスト抽出
  • ワークフローの構築そのものの支援
  • 個人の作業効率化。全社ルールを必要としない範囲

Agent Hubのエージェントが向いている業務

  • 毎日・毎週・毎案件で必ず発生する反復処理
  • 担当者によって品質がばらついてはいけない処理(顧客への回答、ハンドオフ資料)
  • 人が起動を忘れると成果が落ちる処理(フォローアップ、更新候補の検知)
  • 複数ステップを連結する必要がある処理(調査→判定→ルーティング→通知)

判断のための3つの質問

  1. 月に何回発生するか? 数回ならBreeze Assistantで足ります。数十回以上ならエージェント化の検討対象です。
  2. 品質のばらつきが問題になるか? 顧客に届く出力ならエージェント化して形式を固定すべきです。
  3. 人が忘れると困るか? 起動忘れが成果に直結するなら、トリガー実行にすべきです。

コストはどう違うのか?

Breeze Assistantはアシスタント自体に追加費用がかからず、全プランで利用できます。一方Agent HubのエージェントはHubSpotクレジットを消費します。

エージェント 課金単位 レート
顧客対応エージェント 解決済み会話1件 50クレジット(約0.50ドル)
案件創出エージェント 推奨リード1件 100クレジット(約1ドル)
データエージェント 回答1件 10クレジット(約0.10ドル)

これらは2026年4月に成果報酬型へ移行したレートです(1クレジット=約0.01ドル)。カスタムエージェントについては、Agent Builderのテスト実行はクレジットを消費せず、公開後の実行についてはRun historyから推定消費量を確認できます。最新レートはHubSpot製品・サービスカタログで確認してください。

重要な注意点として、クレジットプールは他のBreeze・AI機能と共有されます。エージェント専用に確保されているわけではないため、部門横断の配分方針が必要になります。

移行・併用の実務的な進め方は?

ステップ1:現在の利用実態を棚卸しする

誰が、どの業務で、どのAI機能を使っているかを把握します。「Breeze Assistantで毎朝同じ依頼をしている」業務が見つかれば、それがエージェント化の最有力候補です。反復されている依頼は、そのままInstructionsの下書きになります。

ステップ2:表記を更新する

「Breeze Copilot」「Operations Hub」といった旧称が残っている社内文書、マニュアル、ナレッジベース記事を洗い出し、更新します。顧客対応エージェントのナレッジソースに含まれるコンテンツは特に優先度が高くなります。

ステップ3:役割分担をルール化する

「顧客に届く出力はエージェント経由に統一する」「社内向けの一時的な作業はBreeze Assistantで各自行う」といった方針を文書化します。ルールがないと、同じ業務を人によって違う手段で行う状態が続き、品質管理ができません。

メリットとデメリットを公正に評価すると?

観点 Breeze Assistant Agent Hubのエージェント
導入のしやすさ ◎ 全プランで即利用可能、設定不要 △ 設計・テストに数週間
出力の一貫性 △ 依頼文次第で変動する ◎ Instructions固定で安定
コスト ◎ 追加費用なし(一部機能は要追加契約) △ クレジット消費。対象を絞る設計が必要
自律性 × 人が依頼しないと動かない ◎ トリガー・スケジュールで自動実行
統制 △ 利用実態の把握が難しい ◎ 権限4段階+Custom、月間実行上限、実行履歴
適した規模 個人・小チームの効率化 部門・全社の業務プロセス

よくある質問(FAQ)

Agent HubとBreeze Assistantは、どちらかを選ぶものですか?

いいえ、併用するものです。Breeze Assistantは人が依頼して即座に手伝ってもらう対話型、Agent Hubのエージェントはトリガーに応じて自律実行する自動化基盤で、役割が異なります。前者は全プランに含まれ、後者はProfessional以上とクレジットが必要です。

両者を分ける最も簡単な基準は何ですか?

「起点が人か、トリガーか」です。人が呼んで初めて動くならBreeze Assistant、人が呼ばなくても動くべき処理ならエージェントです。

Breeze Assistantに利用制限はありますか?

公式ナレッジベースでは、コンテンツ生成について1分あたり30回・1日1,000回という上限が示されています。またアシスタント自体は追加費用なしで利用できますが、一部の機能には追加のサブスクリプションが必要と注記されています。

無料版でもAgent Hubは使えますか?

使えません。公式ナレッジベースでは、Marketing Hub / Sales Hub / Service Hub / Data Hub / Content Hub / Smart CRM のいずれかのProfessionalまたはEnterpriseとHubSpotクレジットが必要と記載されています。Breeze Assistantは無料版を含む全プランで利用可能です。

Breeze Assistantで作ったワークフローとエージェントは連携しますか?

Agent Hubではワークフローとエージェントを同一キャンバス上で接続できます。Breeze Assistantはワークフロー構築の支援も行えるため、「Assistantで骨格を作り、エージェントを組み込む」という進め方が可能です。

Breeze Assistantで毎日同じ依頼をしています。エージェント化すべきですか?

有力な候補です。反復されている依頼文は、そのままInstructionsの下書きになります。月に数十回以上発生し、出力形式を固定したい業務であれば、Agent Builderでのエージェント化を検討する価値があります。テスト実行はクレジットを消費しないため、試作のコストはかかりません。

「Breeze」というブランドはなくなったのですか?

HubSpotのAI機能群は引き続きBreezeというブランドで展開されており、Breeze Assistantもその一部です。Agent Hubは、そのうちエージェント関連機能を統合・再編した管理基盤として位置づけられています。

どちらから着手すべきですか?

Breeze Assistantは追加費用がかからないため、まず現場に開放して利用実態を観察するのが合理的です。そこで反復されている依頼が、エージェント化の優先候補になります。ゼロから「何を自動化すべきか」を考えるより、実際に発生している依頼を起点にしたほうが精度が高くなります。

社内での整理・展開を支援してもらえますか?

可能です。株式会社100の100 Agent Worksでは、業務棚卸しを起点に「何を・なぜ・どの順番で自動化するか」を決めてから設計・実装・テストへ進む順序を採用しています。AI機能の役割分担ルールの整備も支援範囲に含まれます。

まとめ:名称の整理が、運用整理の第一歩

AIアシスタントの名称はBreeze Assistantに統一され、エージェント機能はAgent Hubへ統合されました。この整理は単なる名称変更ではなく、HubSpotのAI機能が「対話型の支援」と「自律実行の自動化」に明確に分化したことを示しています。

組織としてやるべきことは3つです。旧称の表記を更新する。反復されている依頼を棚卸しする。顧客に届く出力はエージェント経由に統一するというルールを作る。この3点を押さえれば、機能が増えても混乱しません。

株式会社100は、世界上位1%・日本唯一のHubSpot認定エリートパートナーとして、400社以上のCRM導入を支援してきました。AI機能の役割整理から運用ルールの設計まで伴走します。


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本記事はHubSpot公式サイト・公式ナレッジベースの公開情報(2026年8月12日取得時点)に基づいて作成しています。現在の公式名称がBreeze Assistantであることは公式ナレッジベースで確認できますが、改称時期(INBOUND 2025)は第三者メディアの解説に基づく記載であり、HubSpot公式ドキュメント上では確認できていません。Agent Hubはパブリックベータであり、仕様・エディション要件・クレジットレートは変更される可能性があります。

田村 慶

2005年に札幌で株式会社24-7をWeb制作会社として創業、2012年からHubSpotの販売を開始。2016年にAPAC初となるダイヤモンドパートナーに昇格し、翌年にはHubSpotパートナー・オブ・ザ・イヤー(アジア地区)を受賞。2018年に24-7社の代表取締役を退任し、新たに株式会社100を創業。2019年6月からHubSpot認定パートナーに登録し、HubSpotビジネスを再開。現在は、HubSpotエリートパートナーやHubSpotユーザーグループの主催者として、HubSpotパートナー複数社へのコンサルティングと実行支援、HubSpotの導入企業のビジネス促進を中心に『HubSpot好き』を増やすための活動をしています。 2020年:HubSpot ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞(APAC地区) 2021年:HubSpot パートナー・オブ・ザ・イヤー受賞(日本) 2023年:アジアで初めてHubSpot「Elite Partner(当時)」として認定

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