ブログ
Blog

AI トレンド 2025:マーケターの66%が活用する現状と「実装の壁」を突破する戦略

AI トレンド 2025:マーケターの66%が活用する現状と「実装の壁」を突破する戦略
7:08

HUBSHOT_blog_main_ai_column_023

AI技術の進化が加速する中、多くのビジネスパーソンが「自社の活用レベルは妥当なのか」「具体的にどこから着手すべきか」という問いに直面しています。

本記事では、HubSpot社が世界1,500名以上のマーケターを対象に実施した最新調査「AI Trends for Marketers 2025」の結果を基に、マーケティングにおけるAI活用の実態を分析します。世界標準のデータから見えてきたのは、単なるツールの導入を超えた「組織的な実装」と「検索体験の変容」への対応という、次なるフェーズの課題です。

2025AITrendsforMarketers

1. データが示す「導入」と「実装」の大きな乖離

最新の調査結果から、現在のマーケティング現場におけるAI活用の構造的な課題が浮き彫りになりました。

  • 66%: すでに業務でAIを活用しているマーケターの割合
  • 98%: 2025年にAI投資を維持または増加予定の組織
  • 51%: AI活用に積極的な従業員の割合

ここで注目すべきは、組織としての投資意欲(98%)に対し、現場の積極性(51%)が約半分に留まっている点です。このギャップは、企業の期待値と現場の運用実態に大きな乖離があることを示唆しています。

2. AI活用を阻む「5つの壁」:技術より組織の課題

なぜ、現場の実装が進まないのでしょうか。調査では、導入を妨げる要因として以下の5項目が挙げられています。

ai_trends_report_001

興味深いのは、技術的な限界よりも、プライバシー対応や教育体制といった「組織的・運用的課題」が上位を占めていることです。AIを「安心して使える環境」の整備こそが、現在の最優先事項と言えます。

3. 実践者が明かす「AIとの共創」の実態

AIによる仕事の代替が懸念される一方で、先行しているマーケターはAIを多様な業務の「サポートツール」として活用しています。具体的な活用用途は以下の通りです。

ai_trends_report_002

特筆すべきは、コンテンツを丸ごとAIに任せているマーケターはわずか4%であり、残りの大多数は人間による修正や調整を加えている点です。AIは「自身の仕事の代替」ではなく「強力なサポート」として機能しています。

4. 自社の立ち位置を測る「AIマーケティング成熟度モデル」

レポートでは、組織のAI活用度を以下の5段階に分類しています。自社が現在どのフェーズにあるか、戦略的な現在地を確認してください。

段階1:実験期(EXPERIMENTING)

個人が試行錯誤している段階。公式な戦略やトレーニングは存在しない。
「うちにもChatGPT使っている人いるよね」という状態

段階2:採用期(ADOPTING)

特定のチームで承認済みツールを利用。基本的な成果追跡が始まる。
「チームごとに使い方が違うよね」という状態

段階3:統合期(INTEGRATING)

AI戦略が目標と連動。システム連携と全社的な教育が実施される。
「AIが日常業務に組み込まれている」という状態

段階4:進化期(ADVANCING)

AIが戦略の中核となり、ガバナンスが確立。競争優位性の源泉となる。
「AIが競争優位を生み出している」という状態

段階5:変革期(TRANSFORMING)

AIがインフラ化し、独自ソリューションを開発。ビジネスモデルそのものを変革する。
「AIがマーケティングの在り方を変えた」という状態

日本企業の多くは段階1〜2に位置していると推測されます。早期に「段階3(統合期)」への移行を設計することが、市場における差別化要因となります。

5. 投資対効果(ROI)の焦点は「時間」と「効率」

経営層が最も注視するROIについて、75%のマーケターが明確な効果を実感しています。主な測定指標は以下の通りです。

ai_trends_report_003

注目すべきは、売上直結型よりも「プロセスの改善」に指標が集中していることです。週単位での時間創出の積み重ねが、マーケターをより創造的な業務へとシフトさせる原動力となっています。

6. 圧倒的なシェアを誇るAIツールと「検索の変化」

マーケターが実際に現場で使用しているAIチャットツールのシェアは以下の通りです。ai_trends_report_004

ChatGPTの圧倒的なシェアは、先行者利益の大きさを物語っています。この「アドバンテージ」は、AIを使いこなすチームとそうでないチームの差にもそのまま当てはまります。今動き出すか、様子を見るかで、将来の競争力に大きな差が生まれるのです。

7. 影響力が大きくなる「AI検索」への5つの対応策

Z世代の31%がすでにAIでの情報検索をデフォルトにするなど、検索行動そのものが変容しています。これに対し、以下の5つの戦略が提案されています。

  1. LLMへの露出を意識する:高品質なコンテンツを維持し、AIが引用しやすい構造を整える。
  2. デジタルマーケター視点で考える:SEO単体ではなく、ブランド価値全体の設計として捉える。
  3. マルチチャネルでのプレゼンス構築:SNSやレビューなど、AIの学習ソースとなる場所での信頼構築。
  4. ブランド分析の実施:AI検索結果での自社の可視性を定期的に評価する。
  5. 「勝っている」コンテンツの研究:AIに引用されやすい回答形式や引用元の傾向を分析する。

まとめ

最新のレポートを踏まえ、私たちが今すぐ取り組むべきアクションを3つに絞りました。

  1. まず「成熟度」を確認する自社が5段階のどこにいるかを確認し、次の段階へ進むために必要なことを「1つだけ」特定してください。
  2. 「時間削減」を1つ試す会議の要約やメールの下書きなど、時間がかかっている定型業務からAI活用を始めてみてください。
  3. 「チームで共有する」仕組みを作る「学びを共有する文化」が成功の鍵です。月1回の共有会を設けるだけでも、組織全体の学習スピードは劇的に変わります。

AIは私たちの仕事を奪うものではありません。レポートでは、65%のマーケターが「AIのおかげでより創造的な部分に集中できるようになった」と回答しています。AIに任せられることは任せ、人間にしかできない「考える」「つながる」「共感する」という仕事に時間を使う。それが、これからのマーケターの在り方ではないでしょうか。

本記事の要約版ポッドキャストエピソードを、以下よりご視聴いただけます。

AI トレンド 2025:マーケターの66%が活用する現状と「実装の壁」を突破する戦略
  6
AI トレンド 2025:マーケターの66%が活用する現状と「実装の壁」を突破する戦略
💡HUBSHOT – 株式会社100
再生

田村 慶

2005年に札幌で株式会社24-7をWeb制作会社として創業、2012年からHubSpotの販売を開始。2016年にAPAC初となるダイヤモンドパートナーに昇格し、翌年にはHubSpotパートナー・オブ・ザ・イヤー(アジア地区)を受賞。2018年に24-7社の代表取締役を退任し、新たに株式会社100を創業。2019年6月からHubSpot認定パートナーに登録し、HubSpotビジネスを再開。現在は、HubSpotダイヤモンドパートナーやHubSpotユーザーグループの主催者として、HubSpotパートナー複数社へのコンサルティングと実行支援、HubSpotの導入企業のビジネス促進を中心に『HubSpot好き』を増やすための活動をしています。 2020年:HubSpot ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞(APAC地区) 2021年:HubSpot パートナー・オブ・ザ・イヤー受賞(日本) 2023年:アジアで初めてHubSpot「Elite Partner(当時)」として認定

We are HubSpot LOVERS

ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。

HubSpotのことならお任せください

お問い合わせフォーム