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AIエージェント時代:「自ら動くAI」は営業・マーケの最強アシスタント

AIエージェント時代:「自ら動くAI」は営業・マーケの最強アシスタント
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AIエージェント時代:「自ら動くAI」は営業・マーケの最強アシスタント

「優秀な同僚」が、遠方への商談準備をわずか数分で完了させ、すぐに実行まで移してくれるとしたら?

今、AIは単なる「質問応答ツール」から、「自ら考えて行動する同僚」へと大転換期を迎えています。この変化は、営業担当者が商談に、マーケターが戦略立案に集中できる未来を現実のものにします。

本記事では、この「AIエージェント時代」に何が起きているのか、そして、貴社の会社の業務をわずか数週間で変えるための具体的な準備と心構えについて、わかりやすく解説します。

AIの大転換:「質問に答えるAI」から「自ら動くAI」へ

これまでのAIといえば、ChatGPTのように「質問したら答えてくれる」受動的な存在でした。しかし今、AIは「自ら考えて行動する」段階へと進化しています。

AIエージェントの定義

AIエージェントとは、特定の目標達成のために、外部ツールと連携しながら、人間の指示なしに一連のタスクを自律的に実行できるAIを指します。

営業シーンで実現するAIエージェントの働き

例えば、こんなシーンを想像してください。

営業の山田さん(東京勤務)が「来週、福岡で商談があるから準備して」とAIエージェントに伝えます。

すると、AIエージェントは、以下のすべてを、わずか2分で自律的に完了させます。

  • フライトと宿泊の選択肢を比較検討
  • 過去の出張履歴から好みを学習
  • 予算内で最適なプランを3つ提案
  • 承認を得たら即座に予約実行
  • カレンダーに自動登録

そのスピードと正確さは、まさに優秀なアシスタントの働きそのものです。 このように、人間に代わって一連のタスクを判断・実行できるのがAIエージェントの大きな特徴です。

短期間で実現する生産性向上事例

AIエージェントの導入は、特殊な大企業だけの話ではありません。

サポート業務の79%を代行したSimple Modern社の事例

アメリカの飲料容器ブランドSimple Modern社では、カスタマーサポートの79%をAIエージェントが担当するようになりました。結果、6人のチームで週80時間、なんとフルタイム2人分の時間が生まれ、その時間を「お客様との深い対話」に充てることができたそうです。

【ポイント】 設定から稼働まで、かかった期間はたった1週間でした。

また、経費精算システムのRamp社は、以前なら数ヶ月かけて開発していた承認フローを、AIエージェントを使ってわずか2時間で構築しました。

6週間で実現可能!AIエージェント導入のロードマップ

「でも、うちの会社で導入するには時間がかかりそう...」そう思われた方、導入は着実に進められます。 「6週間ブループリント」というフレームワークを用いた導入プランが確立されつつあります。

この6週間で、日常業務の30%程度を自動化できるケースが増えています。

  • 1〜2週間目: システム連携と業務の整理
  • 3〜4週間目: AIエージェントの「性格」づくりと初期設定
  • 5〜6週間目: 微調整と範囲拡大

HubSpotユーザーの大きなアドバンテージ

私たちがHubSpot×AI Agentを提唱している理由も、まさにここにあります。HubSpotは元々、マーケティングと営業の業務を一元化し、効率化するプラットフォームとして発展してきました。そこにAIエージェントの概念が加わることで、さらなる飛躍が期待できます。

すでにHubSpotをお使いの会社は、実は大きなアドバンテージをお持ちです。顧客データが整理され、業務フローが可視化されている環境は、AIエージェントにとって理想的な「職場」なのです。

HubSpot連携の強み

HubSpotは、自社開発のBreeze AIに加え、ChatGPTなどの外部AIサービスとの連携も柔軟に行える構造を持っています。特にWorkflow機能と連携しやすいため、CRMデータをトリガーにAIエージェントを起動させたり、AIエージェントの結果を自動でタスクとして割り振ったりといった柔軟な設定が可能です。これが、AIエージェントを現場で「動かす」ための決定的な強みとなります。

準備すべきは技術ではなく「心構え」

Salesforceが先日発表したAgentforce 360、GoogleのGemini Enterprise....、大手各社がこぞってAIエージェント基盤を発表しています。これは一時的なブームではなく、働く環境のスタンダードが変わる、大きな変化です。

ただし、ガートナー社も指摘するように、現在は選択肢が「増えすぎている」状態です。焦って飛びつく必要はありません。大切なのは、自社の業務のどこにAIエージェントを迎え入れるか、という戦略的な視点です。

AIエージェントがもたらす新しい価値

AIエージェントは「人を置き換える」のではなく「人間の可能性を高める」存在です。

  • 営業担当は見積書作成から解放され、お客様との関係構築に集中できます。
  • マーケティング担当は、データ集計ではなくクリエイティブな戦略立案に時間を使えます。

失敗しないための心構え

AIエージェントの導入で失敗する主な原因は、「目標が曖昧すぎること」です。AIに「売上を上げて」と指示するのではなく、「リードからの初回フォローアップメール作成とタスク割り当てを代行して」など、具体的な業務と明確な目標を与える心構えが、導入成功の鍵となります。

【まとめ】AIエージェントという「同僚」を迎える準備

AIエージェントの登場により、私たちは「単調な作業」から解放され、「人にしかできない創造的な業務」に集中できるようになります。

技術の進化は速いですが、その本質は「人がより人らしい仕事に集中できる環境づくり」にあります。

この大きな波を乗りこなすため、まずは現状把握から始めましょう。

  1. 日々の業務の棚卸し: 日々の業務の中で「これ、誰かに任せられたらいいのに」と思う作業をリストアップしてみてください。それが、AIエージェントが最初に担当すべき仕事かもしれません。
  2. データ環境の整備: 自社のデータやシステムが、AIとどう連携できるかを整理してみましょう。CRMやMAツール、社内のナレッジベースが孤立していないか、データが活用できる状態にあるかを確認するだけでも、大きな一歩になります。

完璧を目指す必要はありません。でも、少しずつ、自社のビジネスとAIの接点を探していく。その積み重ねが、1年後、2年後の大きな差になるのです。

AIエージェントという新しい「同僚」を迎える準備、一緒に始めていきませんか。

田村 慶

2005年に札幌で株式会社24-7をWeb制作会社として創業、2012年からHubSpotの販売を開始。2016年にAPAC初となるダイヤモンドパートナーに昇格し、翌年にはHubSpotパートナー・オブ・ザ・イヤー(アジア地区)を受賞。2018年に24-7社の代表取締役を退任し、新たに株式会社100を創業。2019年6月からHubSpot認定パートナーに登録し、HubSpotビジネスを再開。現在は、HubSpotダイヤモンドパートナーやHubSpotユーザーグループの主催者として、HubSpotパートナー複数社へのコンサルティングと実行支援、HubSpotの導入企業のビジネス促進を中心に『HubSpot好き』を増やすための活動をしています。 2020年:HubSpot ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞(APAC地区) 2021年:HubSpot パートナー・オブ・ザ・イヤー受賞(日本) 2023年:アジアで初めてHubSpot「Elite Partner(当時)」として認定

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