CMS(コンテンツ管理システム)は、プログラミングの知識がない方でも簡単にウェブサイトの構築やコンテンツの追加・更新・管理を行えるシステムです。W3Techsの調査データによると、2024年5月時点で、世界のウェブサイトの約7割がCMSを活用していることが明らかになっています。
CMS市場で圧倒的なシェアを持つ「WordPress」のほか、マーケティングオートメーション(MA)や顧客関係管理(CRM)と一つのプラットフォームで利用できる「Content Hub」のようなCMSもあり、マーケティング施策の効率化を図る点でも注目されています。
しかし、CMSの導入を検討している方の中には、「自社にとって、CMSはどのようなメリットがあるのだろうか?」「デメリットや活用する際の注意点は?」といった疑問を抱えている方も多いでしょう。
本記事では、CMSを導入するメリット・デメリットと、導入時のポイント、おすすめCMSについて解説します。
まずは、CMSの基礎を確認しておきましょう。ここでは、CMSの概要とCMSの普及が進んでいる理由を解説します。
また、CMSを比較する際に言及されることの多い「ワードプレス(WordPress)」との違いについても説明します。
CMSとは、「Contents Management System(コンテンツ・マネジメント・システム)」の略称です。ウェブサイトのコンテンツを構成するテキスト・画像や、「テンプレート」と呼ばれるデザイン・レイアウト情報などを、一元的に保存・管理するシステムを意味します。
ひと言で表すと、「ウェブサイトのコンテンツを簡単に更新・管理できる仕組み」と言えます。
CMSを導入していないウェブサイトの場合、ページごとにウェブページデータを作成し、それらを保存・管理する必要があります。一方で、CMSを導入しているウェブサイトでは、データベースに保存された個別の画像・テキスト・テンプレートなどの要素を組み合わせて、動的なウェブページを生成できます。
CMSを導入せずにウェブサイトを制作することも可能ですが、特に定期的な更新が必要なサイトでは運営が煩雑になります。特定の部分のみを更新する場合でも、関連する部分まで変更する必要があり、更新作業に手間がかかるためです。しかし、CMSを導入すれば、一カ所を変更するだけで関連する項目も自動的に更新されるため、ウェブサイトの更新を簡単に行うことが可能です。
CMSの例)Content Hub|HubSpot
W3Techsの調査によると、2024年5月現在、世界中のウェブサイトのうち、69.1%が何らかのCMSを利用していると示されています。
CMSの普及が進んでいる理由として、作業の効率化の必要性の高まりとシステムの改善があげられます。
CMSの原型は、インターネットが普及し始めた1990年代後半に初めて開発された、企業向けの「ウェブコンテンツ管理システム」であると言われています。
CMSが登場する前は、コンテンツを作成するには専用のエディターソフトウェアを使ってHTMLを編集する必要がありました。作成したHTMLをサーバーにアップロードすることで公開されるというプロセスであったため、CMSの運用には高度な技術知識が求められ、一般ユーザーにとっては利用が難しいものでした。
その後、2000年頃に作業の効率化とシステム改善のためにCMSが登場しました。当初は企業向けに開発されたCMSでしたが、個人ブログの流行に伴い、無料でブログを開設・運用できるCMSの利用が広まりました。
2010年頃には個人だけでなく企業もCMSを導入するようになり、多くの企業の公式サイトがCMSで構築されるようになりました。ブログだけでなく、一般のウェブサイト制作にもCMSが注目されるようになった時代です。
さらに2024年現在は、CMSはマーケティングツールとしての進化を遂げています。単なるコンテンツ管理システムとしての役割を超え、データ分析、パーソナライゼーション、マーケティングオートメーションなど、多機能なプラットフォームとして活用されるようになりつつあります。
ワードプレス(WordPress)は、CMSの種類の一つです。CMSとWordPressの違いは、CMSがWordPressを内包するものである点です。
WordPressは、2024年5月時点で世界のCMS市場の62.7%のシェアを獲得しており、もっとも人気のあるCMSといえます。また、日本国内に限ると支持率はさらに高く、CMS全体の82.6%を占めています。
CMSは大きく分けて、「オープンソース型(無料)」と「プロプライエタリ型(有料)」の2種類に分類でき、WordPressはオープンソース型に該当します。オープンソースとは、全世界にソースコードが公開され、誰でも利用可能な状態です。プロプライエタリはソースが公開されておらず独占的な状態であり、「パッケージ型」とも呼ばれます。
オープンソース型のCMSは、自由にカスタマイズでき、豊富なプラグイン(拡張機能)を利用できることから活用しやすい点が特徴です。
引用:WordPress
ウェブサイトの管理においてCMSを活用することで、多くのメリットを享受できます。ここでは、CMSを活用する8つのメリットを解説します。
CMSを活用する最大のメリットは、コンテンツの編集や更新を迅速に行えることです。
自社でサイト制作を行う場合、専門的な知識がなければサイトの構築は困難といえます。HTMLやCSSの習得には時間がかかり、覚えたての初心者にとっては作業の難易度が高く、満足できるサイトを作成するのは難しいでしょう。CMSを活用することで、知識や技術がない人でも簡単にページの作成や更新が可能になります。
また、社内にウェブ技術やHTML・CSSに詳しいスタッフがいない場合、更新の都度、制作会社を通してウェブサイトの更新を行わなければならず、迅速な対応が難しいケースもあります。
しかし、CMSであれば定型的なウェブページの更新や新規追加ができるため、思い立った時にいつでも情報公開が可能になり、最新情報の更新など、現代のビジネスシーンで求められる「迅速さ」においても効果的です。
CMSを活用することで、コンテンツ作成やデザイン編集、コンテンツ管理などの業務を複数のメンバーで分担して行えることもメリットの一つです。これにより、コンテンツ制作時の社内コラボレーションを効率化でき、ウェブ担当者が一人でコンテンツの作成から管理までを行う場合と比べて、負担やミスを軽減することができます。
例えば、履歴管理機能を利用することで、ウェブページを更新した際に「いつ」「誰が」「どのデータを」「どのように作業したのか」の履歴がシステム上に残るため、作業を行っていない従業員でも状況を把握することができます。必要に応じて、更新後のコンテンツを過去のバージョンに復元することも可能です。
また、CMS上で公開までの承認ワークフローを設定できるため、承認申請などの業務を効率化し、ミス防止や内部統制の強化が図れます。一般的なCMSでは、アカウントごとに各ページの編集・承認権限を割り当てることができ、承認ワークフローを簡略化できます。
さらに、公開予約機能のあるCMSであれば、ウェブページの公開・非公開のスケジュールを自由に設定できます。これにより、深夜や休日に更新作業を行う必要がなくなり、業務削減につながります。
ウェブコンテンツを作成する際には、通常HTMLやCSSなどのマークアップ言語・プログラミング言語の知識が必要です。
しかし、CMSを導入しているウェブサイトでは、CMSのインターフェース上でデータベースに保存されているテキストデータを編集するだけで、簡単にウェブサイトを更新できます。そのため、ブログ記事を書くように文字を入力するだけでウェブコンテンツを作成することが可能になります。
例えば、既存のテンプレートを使用することで、新しいページの追加も簡単です。テンプレートを指定し、必要な画像やテキストデータを登録するだけで、CMSが自動的にページを生成します。
さらに、ウェブブラウザ上で操作が完結するため、特別なソフトウェアをインストールする必要もありません。このような文字入力によるコンテンツ作成機能を、「WYSIWYG(ウィジウィグ/What You See Is What You Getの略)」と呼び、多くのCMSが採用しています。
従来のCMSは、主にウェブサイトの運用を効率化することが目的でしたが、昨今はデジタルマーケティングの中心的な役割を果たすものとして進化しています。
デジタルマーケティング関連の機能を搭載したCMSを選ぶことで、コンテンツの制作から配信までを一元管理できることもメリットといえます。これにより、SNS連携やSEO機能、コンテンツマーケティング機能などを統合でき、効果的なマーケティング戦略の展開にも役立ちます。
また、一部のCMSには、アクセス解析機能やユーザーのスコアリング機能も備わっており、ウェブサイトへの流入経路やコンバージョンに至る経路、重要なページのトラフィックなどを把握できます。顧客のセグメンテーション(細分化)も行うことができ、属性や興味に応じた個別対応が可能です。
高機能なCMSを導入することで、個々の顧客に合わせた最適なアプローチが可能になり、結果として顧客満足度の向上も期待できます。
CMSを利用するメリットとして、デザインの統一性や更新作業の効率化が実現できる点もあげられます。コンテンツの管理や、階層構造を持ったファイルを保管する「ディレクトリ」の構成の統一を容易に行えるため、メンテナンス性も向上します。
同一のウェブサイト内でページごとに異なるデザインが適用されると、訪問者にとって違和感を与える恐れがありますが、CMSを導入することで、同じテンプレートを使用してページを追加できるため、デザインの統一感を確保できます。
これにより、訪問者の利便性が向上するだけでなく、サイト管理担当者にとっても管理が容易になることも利点といえるでしょう。
CMSの導入は、中長期的な視点ではコスト削減にもつながります。一度導入し運用フローが確立されれば、更新作業を自社で行えるようになるため、外部への作業依頼を減らすことが可能です。
またCMSの導入により、ウェブサイト全体の構築が簡素化されるだけでなく、運用・運営も行いやすくなるため、維持管理にかかるコストも抑えられます。特に、WordPressのようなオープンソース型のCMSは、CMS自体の費用が無料であるため、コスト削減につながりやすいでしょう。
一部のCMSでは、検索エンジンの上位表示のための仕組みを採用しています。SEO(検索エンジン最適化)に対応したCMSを使用して記事を登録し公開することで、検索上位表示の可能性を高められることもメリットといえるでしょう。
SEOを強化する手法はさまざまありますが、例えば「サイト構造の整理」も一つの要素です。
Googleの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」では、「サイトの構築時や改装時には、論理的に整理することをおすすめします。検索エンジンやユーザーがページ間の関係を把握しやすくなるからです。」と示されています。関連するトピックを同じディレクトリにまとめることで、そのディレクトリ内のURLの変更頻度をより効果的に把握できると考えられています。
引用:検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド|Google
また、検索エンジンはページの更新日時が新しいコンテンツを上位表示する傾向があるため、CMSを使用して頻繁にウェブコンテンツを更新することもSEO効果を向上につながります。
CMSを導入するだけでSEO効果が即座に現れるということではないものの、適切に活用することで、中長期的にはSEOに良い影響が現れると考えられます。
ウェブサイト制作・管理にCMSを活用することで、マルチデバイスへの移行が容易にできます。マルチデバイスとは、異なる種類のデバイスに対応することです。
マルチデバイスに対応しているウェブサイトは、異なる画面サイズや解像度、操作方法に合わせて適切に表示されるため、ユーザーがどのようなデバイスを使用しても、快適に閲覧や操作ができます。
マルチデバイスに対応するためには、パソコン・スマートフォン・タブレットなど異なるデバイスで同じデザインが表示される「レスポンシブデザイン」を取り入れる必要があります。多くのCMSのテンプレートではレスポンシブデザインが採用されているため、CMSを活用してマルチデバイスに対応することで、訪問者に対する印象を一貫させることが可能になります。
これにより、ユーザーの利便性が向上し、より多くのユーザーがウェブサイトにアクセスしやすくなるでしょう。さらに、ユーザーが利用しやすいウェブサイトは、検索エンジンからの評価も高まるため、検索結果での表示順位が向上する可能性があります。
CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)にはメリットが多くありますが、デメリットといえる側面も存在します。デメリットとその対策を知っておくことで、導入する際の失敗を軽減しやすくなるはずです。
ここでは、CMSのデメリットと対策を3つご紹介します。
CMSは基本的にプログラミングなどの知識不要で利用できますが、より多様なデザインを取り入れるためには、専門的な知識が必要な場合もあります。
CMSでは、テンプレートと呼ばれるデザイン情報を使用してページを生成するため、一からレイアウトや配色などの要素を設計するには制限があります。デザインの自由度を高めるには、HTMLやCSSなどの専門知識が求められます。
デザインの自由度を高め、オリジナリティのあるデザインや自社独自の機能等を搭載するための対策として、カスタマイズ機能のあるCMSツールを選ぶことや、社内での対応が難しければ外注を検討することも一つの方法です。
CMSを導入しても、適切な運用体制やルールが確立されておらず更新が滞ると、成果につながりにくくなってしまいます。そのため、CMSを導入する際には、社内での運用体制やルールも含め、事前に十分に検討することが重要です。
例えば、BtoBの分野における運用体制やルールとして、以下のようなものがあげられます。
具体的には、CMSの管理者を任命し、コンテンツの作成・編集・承認・公開などの責任を明確に示すと良いでしょう。定期的な更新スケジュールを立て、必要な更新が滞らないようにすることも大切です。
また、データのバックアップを定期的に行い、データの損失を防ぐためのセキュリティー対策を強化するための体制も整備する必要があります。さらに、企業や組織として、法的な規制や業界の標準に準拠するためのルールやポリシーを策定し、コンプライアンスの遵守に努めましょう。
これらの運用体制やルールを確立することで、CMSの効果的な運用につながり、コンテンツの更新がスムーズに、かつ安定して行えるようになります。
CMSを導入する際のデメリットの3つ目は、セキュリティーリスクを考慮しなければならない点です。多くの企業がCMSを利用し、ウェブサイトには機密情報や顧客情報などが含まれることから、CMSはサイバー攻撃の標的とされる可能性が懸念されます。
CMSを悪用した攻撃も増加しており、重要な情報を保有するウェブサイトは特にセキュリティー対策を強化する必要があります。
特にオープンソース型のCMSは、ベンダーがセキュリティー対策を行うパッケージ型とは異なり、利用者自身がセキュリティー対策を強化する必要があります。セキュリティー性の高いCMSツールを導入し、自社のセキュリティーポリシーに合致するかどうかを検討することが重要です。
CMSを導入する際には、いくつかの重要なポイントを考慮する必要があります。ここでは、CMS導入におけるポイントとその理由、具体例について詳しく説明します。
CMSを導入する際には、まずは運用するサイトの目的を明確にすることが重要です。サイトが目指すゴールやコンテンツの方向性を明確にすることで、最適なCMSを選定することができます。
どのようなウェブサイトを構築しようとしているか、情報の更新頻度やデバイスへの対応など、ウェブサイトの作成・運用・更新における重要なポイントをまとめてみましょう。
例えば、CMSは運用するサイトの目的に応じて、以下のような種類に分類できます。
特に、オウンドメディアのような情報発信型サイトを目指す場合には、情報の鮮度や更新頻度が重要であるため、更新性の高いCMSが適しています。
CMSには、オープンソース型やプロプライエタリ(パッケージ)型のほか、定額制のサービスをクラウド上で提供する「SaaS型」や、ユーザーから見える部分(フロントエンド)を提供しない「ヘッドレス型」などさまざまな種類があります。
そのため、CMSを選ぶ際には、各CMSの特徴やメリット・デメリット、費用などを事前に詳細に調査・理解した上で選定することがポイントです。
例えば、ブログ運営や小規模なウェブサイトには、オープンソース型のCMSが適しているかもしれません。一方で、大規模な企業サイトやECサイトの運営には、プロプライエタリ型やSaaS型のCMSがより適している場合があります。
また、必要な機能を洗い出すことも重要です。SEOやSNS連携機能、マルチデバイス対応(レスポンシブデザイン)、マーケティングオートメーション機能など、目的に応じて必要な機能をリストアップし、CMSに標準で備わっているか、またはプラグインで拡張可能かを確認しましょう。
運用コスト面では、オープンソース型のCMSは初期費用が低く抑えられる反面、カスタマイズやメンテナンスにかかるコストが発生する可能性があります。一方、SaaS型のCMSは月額費用が発生しますが、保守やアップデートの手間がかからないことが期待されるため、長期的なコストを見積もり、判断することをおすすめします。
CMSを導入する際には、適切な社内運用体制を確立することが重要です。自社のスキルセットや導入目的に応じて、必要なタスクや責任を明確に洗い出し、社内・社外のステークホルダーを含めた運用体制を検討する必要があります。
運用体制を整えるためには、明確な作業工程やルールの策定を行うと良いでしょう。運用方法を明確にすることで、担当者を適切に割り当てて作業を分担し、効率的にサイトを運営することができます。
社内運用体制は、CMSの導入を終えてからではなく、選定前の段階から検討を始めましょう。事前に運用体制を検討することで、自社のニーズやスキルセットに適したシステムを選定することができます。これにより、後から「思っていたものと違う」となる事態を防ぐことができます。
また、大幅な修正や追加作業が必要になるリスクを減らせるため、導入コストや運用開始までの時間も節約できます。
CMSは、導入しただけで目的達成というわけではありません。ユーザーを惹きつける良質なコンテンツを公開し続けることで、CMSを最大限に活用することができます。
定期的な更新は、訪問者にとって有益な情報を提供することにつながり、リピーターとして戻ってきてもらうことで、ブランドの認知度や信頼度の向上が期待できます。さらに、更新されたコンテンツは検索エンジンのクローラーによって定期的にクロールされるため、サイトのランキング向上にも寄与する可能性があります。
ユーザーのフィードバックやトレンドの変化に敏感に対応し、常に最新の情報を提供することで、サイトの信頼性や専門性を高めることにつながるでしょう。
CMSを選定する際には、各CMSの特性を理解し、自社の課題にあったものを選ぶことが重要です。ここでは、おすすめCMSを4つピックアップしてご紹介します。
各CMSの特徴や費用のほか、ソフトウェアやテクノロジー関連の製品やサービスのレビューサイトである「ITreview」や「G2.com」に掲載されている口コミもご紹介していますので、比較検討する際の参考にしてみてください。
HubSpotが提供する「Content Hub」は、クラウドベースのCMSです。ウェブサイト制作から運営に必要なCMS機能や、コンテンツの作成・更新・管理に必要な機能が集約されています。
従来のCMS機能に加えて、インバウンドマーケティング活動に活用できる機能が追加され、2024年4月に、名称が「CMS Hub」から「Content Hub」へと変更されました。
初心者でも扱いやすいインターフェースであるため、直感的な操作によってウェブページの編集が可能です。また、多数のプラグイン(モジュール)といったコンテンツ制作機能に加えて、SEOやレスポンシブデザインなどの機能も備わっています。
さらに、HubSpotが提供するマーケティングオートメーション(MA)機能や顧客関係管理(CRM)システムとの連携も可能です。これにより、マーケティングと営業部門のスムーズな連携を実現し、効果的かつ効率的に施策を実施することが可能になります。
【HubSpot Content Hubのポジティブな口コミ】
HubSpot Content Hubの利用により、ウェブサイト内のコンテンツ管理が効率化され、チーム内のコラボレーション品質が向上しました。リアルタイムな共有や連絡ミスの削減により、品質の一貫性が確保され、結果としてアウトプットの品質も向上しました。CMSだけでなく、コンテンツマーケティングチーム内のコラボレーションツールとしての価値も考慮することが重要です。(出典:ITreview) |
【HubSpot Content Hubのネガティブな口コミ】
CMSの価格がやや高いと感じます。市場にはWordPressのような低価格のCMSも多くあるため、最低限の機能で低価格のプランを提供して欲しいです。ただ、小規模な組織では導入メリットが感じにくいかもしれませんが、チームでの利用には適しています。CMSを使う場合、単なるツールとしてではなく、コンテンツマーケティングチーム内でのコラボレーションツールとしての利用価値も考慮した上で活用すると良いと思います。(出典:ITreview) |
2024年5月時点でのContent Hubの料金は、「無料プラン」「Starterプラン(月額1800円)」「Professionalプラン(月額5万4000円)」「Enterpriseプラン(月額18万円)」と、複数のプランがあります。CRMやMAと連携できることから、特にコンテンツマーケティングを強化したい企業におすすめです。
Movable Typeは、国内で5万以上のサイトで使用されているCMSです(2024年5月時点)。ブログ形式で簡単にサイトを構築できる機能が充実しており、わかりやすいページレイアウトのサイトを作成できます。
同CMSの「コンテンツタイプ機能」では、構造化されたデータを簡単に作成できます。また、「Data API」を利用することで、柔軟なコンテンツ運用が可能になります。Data APIとは、Movable Type上での、さまざまなプログラム言語からデータの取得や更新を可能にするAPIです。整理されたコンテンツデータの操作を簡素化できます。
また、日本語での問い合わせが可能であり、有料版にはテクニカルサポートが付属しているため、安心して利用できます。
【Movable typeのポジティブな口コミ】
有料版の利用料金は年間約10万円程度と手頃であり、オープンソースCMSには見られない使いやすいユーザーインターフェースが特徴です。生成されるコンテンツは静的HTMLファイルとして保存されるため、表示速度が速く、セキュリティー面でもWordPressより信頼性が高いです。(出典:ITreview) |
【Movable typeのネガティブな口コミ】
改善してほしいポイントは、再構築時にサーバーエラーが発生する可能性がある点です。ページ数が増えるにつれてエラーが発生しやすくなることから、主な原因は、再構築時にサーバーにかかる負荷が大きくなることだと考えられます。この問題を解決するためには、PCのスペックを向上させることが一つの方法ですが、ソフトウェア側での改善も必要です。(出典:ITreview) |
2024年5月時点でのMovable Typeの料金は、クラウド版で月額5000円から利用可能です。低価格から導入できるため、小規模サイトの構築や運用にも広く利用できます。
WordPressは、企業から個人ブロガーまで、幅広いユーザーに利用されているオープンソース型のCMSです。2024年5月時点では、世界のウェブサイトの62.7%がWordPressで構築されています。
特徴は、ライセンス費用がかからず利用できる点と、簡単な操作で記事の投稿や写真の追加、デザインの調整などができることです。
WordPressは本体に搭載された機能に加えて、数千個のプラグインを利用できるため、目的に応じて機能を拡張することもできます。
オープンソース型CMSの特徴として、開発元のサポートは受けられないものの、ユーザーが多いことからコミュニティフォーラムやインターネット上の情報が多数あるため、トラブルや疑問点を検索することで、答えやヒントを見つけることができます。
【WordPressのポジティブな口コミ】
WordPress.comの魅力は、使いやすいインターフェースです。操作が直感的であり、誰でも簡単に利用できます。ウィジェットを活用することでソーシャルメディアや他のプラットフォームとの連携が可能です。有料サブスクリプションを利用することで、より多くのテンプレートや機能へアクセスできるようになります。(出典:G2.com) |
【WordPressのネガティブな口コミ】
WordPress.comの不満点としてあげられるのは、セキュリティー上の懸念です。ウェブサイトは常にハッカーの標的となっており、機密情報を扱うプロジェクトにはあまり適していないかもしれません。また、WordPressを常に最新の状態に保つことが重要ですが、大量のデータを処理する場合は更新の作業が面倒かもしれません。(出典:G2.com) |
2024年5月時点でのWordPressの料金は、「WordPress.org」は無料であり、「WordPress.com」は月額564円~6343円ほどで利用できます。
引用:ShareWith|野村インベスター・リレーションズ株式会社
ShareWithは、保守メンテナンスや障害復旧対応、バージョンアップなど、手間のかかる運用業務をフルパッケージで提供するエンタープライズ向けのクラウドCMSです。企業サイトのさまざまなコンテンツを一つのテンプレートで構築・運用できるため、複数部門が関わるサイト運営に役立ちます。
サーバー監視は24時間365日行われ、障害が発生した場合でも迅速に対応可能です。また、大規模災害を想定したディザスタリカバリ(DR)プランも提供しており、BCP(事業継続計画)対策としても活用できます。
【ShareWithのポジティブな口コミ】
ShareWithを導入する前は、コンテンツ作成や更新をアウトソースしており、都度費用がかかり、委託会社とのやり取りも非効率でした。しかし、ShareWithを導入することでランニングコストが安価になった上に、感覚的な操作で自らコンテンツを作成・更新できるようになり、作業効率が大幅に向上しました。(出典:ITreview) |
【ShareWithのネガティブな口コミ】
自動連携機能を設定しているページを編集しても、テストサイトでの更新状況が確認できないことがあります。公開前にページの編集内容や添付資料の正確性を確認するために、すべてのページをテスト環境で確認できるようにしてほしいです。(出典:ITreview) |
2024年5月時点でのShareWithの料金は、初期費用が75万円から、月額費用が12万円からとなっています。
CMSの導入で得られるメリットは、ウェブサイトの構築・運営の簡略化や、業務効率の向上です。効率化によって、躊躇茎的なコスト削減につながるほか、節約されたリソースを良質なコンテンツの定期的な更新などに注力することで、成果の最大化も期待できます。
さらに、MAやCRMと連携できるCMSを利用することで、マーケティング戦略としても活用できます。
CMSを導入する際には、サイトの目的を明確にし、各CMSの特徴を理解した上で選定・活用することが重要です。また、良質なコンテンツを継続的に更新するためには、適切なサイト運営体制が欠かせません。CMSのメリットと運用のポイントを押さえ、効果的な運用を目指しましょう。
渋谷 真生子
株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。