ウェブサイトの構築や運用に役立つ「CMS(コンテンツ管理システム)」は、見込み客や顧客とウェブ上で接点をもち、市場での競争力を維持したい企業にとって欠かせないツールとなりつつあります。W3Techsの調査によると、世界中のウェブサイトの約70%が、何らかのCMSを使用していることが分かっています。
CMSはコンテンツを動的に更新する機能を備えているため、リアルタイムに関連情報やプロモーションを表示し続けることができ、効果的に訪問者の興味を引くことが可能です。
しかし、CMSにはさまざまな種類があり、それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なります。CMSを導入して成果を上げるためには、サービスの提供形式やユースケースに応じて、自社に合ったCMSを選ぶことが重要です。
本記事では、CMSの種類とそれぞれの特徴、選定する際のポイント、おすすめのCMSをご紹介します。「どのCMSを導入すれば良いのか」とお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
はじめに、CMSの基礎を確認しておきましょう。ここでは、CMSの概要と歴史、世界・国内でのCMSのシェア状況について解説します。
CMSは「Contents Management System(コンテンツマネジメントシステム)」の略称であり、ウェブサイトの構築や運用をサポートするシステムです。
HTMLやCSSといったマークアップ言語やプログラミング言語の知識がない方でも、ウェブページの追加や更新を簡単に行うことができ、ウェブサイト管理の効率化が可能です。特に、昨今ではコーディング不要の「ノーコード」や、コーディングの負担を軽減した「ローコード」といった開発手法を用いたCMSが多く登場しています。
つまり、CMSとは、専門的なプログラミング知識がなくても、簡単にウェブサイトのページを作成・更新・管理できるシステムであると言えます。
CMSを活用することで、以下のようなメリットを享受できます。
CMSの例)Content Hub|HubSpot
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1991年に「World Wide Web(WWW)」が誕生し、世界初のウェブサイトが公開されてから、CMSが発展するまでは、ウェブページのデータをパソコン内に保存し、更新のたびにアップロードする必要がありました。そのため、特定のパソコンからしか更新できず、複数人での管理が難しいという課題があったと言います。
その後、1995年に企業向けの「Webコンテンツ管理システム」として開発されたソリューションが登場したことが、CMSの誕生とされています。1998年には「PHP-Nuke」や「TeamSite」が登場し、CMSの原型が現れました。
2000年代初頭には、無料で利用できるオープンソース型のCMSが急速に発展し、機能も充実していきました。現在も人気を誇るCMSとしては、2001年に「Drupal」と「Movable Type」がリリースされ、2003年には「WordPress」が公開されています。
2005年頃になると、個人でブログを書くことが流行し、ウェブサイトを作ったことがない人でもブログを管理することが増えました。このブログの流行とともに、無料で使用できるオープンソースのCMSが数多く登場しました。
2010年代に入ると、コンテンツ作成とコーディングの各作業の連携が強化され、これにより、コンテンツを作成する人もプログラムを書く人も作業がしやすくなりました。
さらに、スマートフォンやインターネットに接続された機器、ウェアラブルデバイスなど、新しい種類のデバイスが浸透したことから、マルチデバイスへの対応が求められるようになりました。その結果、インターネットを通じてデータをやり取りするためのAPIが搭載された、複数のデバイスに対応できるハイブリッドなCMSが登場しています。
インターネットやウェブテクノロジーに関する調査を行うW3Techsのデータ(2024年5月17日時点)によると、世界のウェブサイトの69%が何らかのCMSを使用していることが明らかになっています。
上位5つのCMSは、以下の通りです。
1位:WordPress:43.3%
2位:Shopify:4.4%
3位:Wix:2.7%
4位:Squarespace:2.1%
5位:Joomla:1.7%
WordPressは、世界で圧倒的なシェアを誇るCMSとして知られています。
次に、日本語を使用しているサイトのうち、さまざまなコンテンツ管理システムを使用しているウェブサイトの割合について、上位10位を見てみましょう。
1位:WordPress:82.6%
2位:Shopify:2.8%
3位:Adobe Systems:2.7%
4位:カラーミーショップ:1.9%
5位:ジンドゥー:1.7%
6位:ジャストシステム ホームページビルダー:1.7%
7位:ECキューブ:1.5%
8位:はてなブログ:1.0%
9位:メイクショップジャパン:1.0%
10位:スタジオ:0.5%
WordPressは日本ではさらにシェアが大きく、80%を超える使用率です。
CMSは、サービスの提供形式やシステムへの組み込み方法によって、次の4つの種類に分類できます。
ここでは、それぞれの特徴とメリット・デメリットと、具体的な製品名もご紹介します。
オープンソースCMSは、CMSのプログラム本体のソースコードが一般に公開されているCMSです。そのため、誰でも自由に使用・変更・配布できます。
オープンソースCMSは、高いカスタマイズ性と多機能性が特徴であり、以下のようなメリットがあります。
一方で、デメリットとして以下の点があげられます。
オープンソースCMSの代表的な製品は、以下の通りです。
オープンソース型CMSは、多くのウェブサイトに適しており、特に中小規模のウェブサイトやブログに広く利用されています。
オープンソースCMSの例)WordPress
引用:WordPress
プロプライエタリ CMSとは、ライセンス料を支払うことで、ベンダーが開発したCMSを利用できるサービス提供形態です。
この種類のCMSは、ソースコードが非公開となっており、「クラウド型」と「オンプレミス型」に区別されます。クラウド型とは、インターネットを通じてオンライン上のサーバーで提供されるサービスを利用する形態です。一方、オンプレミスは、主に自社のリソースを用いて自社システムを構築し運用する形態です。
ライセンス使用料は有料であり、基本的なCMS機能がパッケージとして提供され、必要に応じてオプションの拡張機能を利用できます。
プロプライエタリ CMSのメリットは、以下の通りです。
デメリットといえる側面として、次の点があげられます。
プロプライエタリ CMSの代表的な製品には、以下のようなものがあります。
プロプライエタリ CMSでは、ユースケースをベンダーのルールに従って定義する必要があります。カスタマイズ性はやや低いものの、保守運用サービスが提供され、セキュリティーや安定性が高いことが特徴です。
SaaS CMSとは、従来パッケージで提供されていたソフトウェアを、ウェブ上でサービスとして提供・利用できるようにしたCMSです。自社でサーバーを用意する必要がないため、手軽に利用できます。利用料金は、一般的には月額または年額制となっています。
SaaS CMSのメリットは、次の通りです。
デメリットとして、以下があげられます。
SaaS CMSの製品には、次のようなものがあります。
SaaS CMSの利用料金には、サポートサービスが含まれているケースが多いため、中小企業や個人ブランドが手軽に導入したい場合に適しています。ただし、複雑なサイトを持つ大企業にとっては、制約がある場合があります。
ヘッドレスCMSとは、従来のCMSのようにユーザーから見える部分(フロントエンド)のないCMSのことです。このタイプのCMSは、APIを使ってコンテンツを提供することを目的に設計されています。
ヘッドレスCMSを活用することで、一つのコンテンツをさまざまなデバイスに展開できるため、開発スピードを短縮できます。
ヘッドレスCMSのメリットは、次の通りです。
一方で、デメリットとして以下があげられます。
代表的なヘッドレスCMS製品には、以下があります。
ヘッドレスCMSは、複数のデジタルチャンネルにコンテンツを展開したい組織に適しています。ただし、フロントエンドを別途開発する手間がかかるため、人的なリソースやコストを多く割く必要があります。
CMSは、活用方法によっても区分できます。ここでは、ユースケースで分けたCMSの5つの種類について、それぞれの概要やユースケースと、代表的な製品名をご紹介します。
コンポーネント コンテンツ管理システム(CCMS)は、コンテンツを個々のページごとに編成するのではなく、段落・写真・単語などの要素(コンポーネント)に基づき管理するシステムです。
ユースケースとして、大規模な技術文書やマニュアルの作成・管理・配信が必要な企業や組織での活用があげられます。
CCMSを活用することで、必要な文書やコンテンツがどこに格納されているのかを細かく管理でき、必要なときに素早くアクセスすることが可能です。
代表的な製品として、「Tridion Docs」や「IXIASOFT」などがあげられます。
エンタープライズ コンテンツ管理システム(ECM)は、大規模な組織や企業向けのCMSです。
具体的な用途として、組織内の文書や情報の効率的な管理、アクセス制御、ワークフローの自動化、コンプライアンスの確保などが想定されます。
ECMの中には、通常の文書・画像・動画・音声データに加えて、CADデータや医療画像データなどの専門的なフォーマットなどに対応しているタイプもあります。ほかにも、ECMは一般的に強固なセキュリティー対策が実装されていることも利点といえます。
ただし、ECMの導入と維持には高いコストがかかり、導入が複雑である点には注意が必要です。また、運用と管理の両面で技術的な知識が求められます。そのため、高度なカスタマイズ性と機能性を最大限に活用できる、大規模な組織や特定の複雑なニーズを持つ企業に適しています。
代表的なECM製品は、「SharePoint」「Documentum」「Alfresco」などです。
エンタープライズ コンテンツ管理システムの例)SharePoint|Microsoft
引用:Microsoft Office SharePoint Online | Microsoft 365
Web コンテンツ管理システム(WCMS)は、ウェブサイトの構築・管理・運営に特化し設計されたCMSです。
使用する目的が、ウェブページの作成・編集・公開や、コンテンツ管理、SEO対策、ユーザーエクスペリエンスの向上などに限定される場合に有用です。
WCMSを使用することで、プログラミングの専門知識がない場合であっても、ウェブページの作成・編集・公開を効率的に行うことが可能です。簡易的なウェブサイトであれば、エンジニアでなくても開発・運用できるため、人員や時間のリソースを節約できます。
一方で、WCMSは標準機能が制限されていることが多く、カスタマイズ性が低いことが懸念されます。自社の特定のニーズに対応するためには、追加のプログラミングや開発が必要となる場合があります。
WCMSの代表的な製品には、「WordPress」「Drupal」「Joomla!」などがあります。
デジタルアセット管理システム(DAM)とは、企業や組織が画像・動画・文書などのデジタル資産を効率的に管理するためのシステムです。
ユースケースとして、多様なデジタルコンテンツ(画像・動画・音声・文書など)の一元管理が必要な企業や組織での活用が考えられます。
DAMでは、デジタルデータに使用許諾情報を付与し、貸出や提供されたコンテンツの著作権や使用期限を管理することが可能です。大量のデジタル資産を一元保存し、簡単に検索・整理・共有できます。
また、使用期限が切れる前にアラートを出すことや、期限切れのコンテンツを使用禁止にする機能などもあるため、誤使用や不正利用を未然に防ぐことにも役立てられます。
ただし、DAMの導入コストや運用コストは高額になる場合が多く、また、新しいシステムの学習のためのトレーニングやサポートが必要となるため、追加のコストがかかるケースもあります。
代表的なDAM製品として、「Adobe Experience Manager」「Bynder」「Acquia DAM(Widen Collective)」「Canto」などがあります。
ドキュメント管理システム(DMS)は、ビジネス文書をデジタル形式で管理・保存・追跡するためのシステムです。
DMSの主な用途は、文書の作成・編集・共有や、バージョン管理、検索、アクセス制御、文書ワークフローの管理などです。文書の作成・管理・保管が必要な企業や組織でのユースケースが想定されます。
DMSを活用することで、クラウド上で文書を管理し、アップロード・処理・共有を自動化することが可能であり、リモートで文書にアクセス・編集することもできます。これにより、印刷やコピー、スキャンの手間が省け、資源とコストを節約できます。
一方で、オンライン上で文書を共有するため、セキュリティーリスクがある点には注意が必要です。ハッキングやデータ漏洩などの脅威にさらされる可能性があるため、セキュリティー対策の強化が求められます。
DMSの代表的な製品として、「Adobe Document Cloud」「Google Drive」などがあげられます。
多くの種類があるCMSの中から、自社に適したCMSを選定するためには、いくつか押さえておきたいポイントがあります。ここでは、CMSを選定する際の重要な3つのポイントを解説します。
CMSは特定の課題を解決するためのツールであるため、まずは何を解決したいのかを明確にすることが重要です。CMSを選定する際には、まず自社のゴールと現在の課題を明確にすることから始めましょう。
例えば、ウェブサイトを構築したいのか、トラフィックやリードを増やしたいのか、あるいはランディングページを作成して顧客獲得を目指したいのかによって、最適なCMSが異なります。
単にウェブサイトを作成したい場合は、操作が簡単でデザインやコンテンツの管理が容易な「Web コンテンツ管理システム(WCMS)」などのCMSが適しているでしょう。一方で、トラフィックやリード獲得を目指すのであれば、SEO対策やLP、フォーム編集機能が充実している「プロプライエタリ CMS」などのCMSを選ぶ必要があります。
また、将来的な拡張性を考慮することも大切です。小規模からスタートし、徐々にページ数を増やして規模を拡大する可能性がある場合は、「エンタープライズ コンテンツ管理システム(ECM)」のような、大規模サイトにも対応できる種類のCMSも検討すると良いでしょう。
自社の課題を特定し、解決するために必要な機能が十分に搭載されているCMSを選定することが重要です。
CMSを選定する際には、導入時だけでなく運用についても考慮することが求められます。運用に必要な手間やコスト、現在の体制で十分なのか、それとも体制変更が必要なのかといった点まで検討しましょう。
実際に、オウンドメディアを運営するためにCMSを導入したものの、実際の運用コストやリソースが不足していたり、十分なコンテンツがなかったりと、運用まで考慮されていないケースも多く見られます。
特に、社内での技術的な専門知識が不足している場合は、初心者でも使いやすいCMSやサポートサービスが充実しているCMSを選ぶことが重要です。テキストや画像のアップロードや更新が容易に行え、リンクの追加やウェブページの削除が容易なシステムを選ぶと良いでしょう。
CMSを選定する際には、運用する人材が使いこなせるかどうかも重要なポイントです。どれほど多機能であっても、使いこなせない機能ばかり搭載されたCMSでは、結局活用しきれず費用が無駄になってしまいます。将来的に使うかもしれないという期待よりも、現状の目的を達成するために必要な機能を重視することが大切です。
また、日々運用に携わる人材のスキルやリテラシーに適したCMSを選定することも不可欠です。選定したCMSが、運用するチームや組織のニーズに適合しているかどうかを確認するためには、実際の操作やトレーニングを行うと良いでしょう。
さらに、CMSの使いやすさや機能性の評価には、ユーザーテストやデモを実施し、運用する人材が本当に必要とする機能が提供されているかを確認することもおすすめです。CMSの選定・導入後には、費用対効果を定期的に評価し、必要に応じて調整を行いましょう。
活用する目的が明確な場合、その目的に応じた特徴をもつCMSを選ぶことで成果につながりやすくなります。ここでは、次の3つのケース別の、CMSの選定ポイントをご紹介します。
CMSはウェブサイトの土台となるツールです。ウェブサイトが完成した後で、別のCMSに切り替えることは容易ではないため、事前に初期費用と継続的な運用費用を確認しておくことが重要です。
CMS導入時の初期費用として、ライセンス費用やサーバー・ドメインの利用料、設定・カスタマイズにかかる費用、操作の学習費用などが想定されます。
これらの初期費用を抑えたい場合には、WordPressのような「オープンソース CMS」がおすすめです。CMSの使用料がかからず、最低限のサーバー・ドメインの利用料のみで開設できます。
ほかにも、スモールスタートできる安価なCMSも増えています。ビジネスの規模やニーズに応じて、必要な機能や容量を拡張できます。
ただし、長期的な運用を視野に入れる場合は、初期費用だけでなく、月額または年額の使用料金やサーバー費用、保守・サポート費用など継続的などの運用費用も考慮する必要があります。
費用対効果を検討し、長期的な視点でCMS導入によるコストと、期待できるリターン(例:リード獲得など)を比較評価した上でCMSを選定することが重要です。
引用:HubSpot
WordPressをはじめとする一般的なCMSは、さまざまな種類のウェブサイトに対応できる反面、高度なマーケティング施策への対応は難しい傾向があります。
CMS自体にマーケティングや顧客管理機能が搭載されていない場合、マーケティングオートメーション(MA)や顧客管理システム(CRM)の機能を別々の有償ツール、もしくは連携が可能なツールで補足しなければなりません。これでは、ツール間のデータの連携などが複雑になり、管理が煩雑化する上に、費用も高騰してしまいます。
そのため、顧客データをマーケティングに活用したい場合は、CRM(顧客関係管理)システムやマーケティングツールとワンプラットフォームで管理できるシステムがおすすめです。
例えば、HubSpotがあげられます。HubSpotのCMS(Content Hub)は、単なるウェブサイトの構築ツールにとどまらず、マーケティング・セールス・カスタマーサービスを一体化した総合的なプラットフォームです。これにより、顧客データを包括的に管理し、さまざまなマーケティング活動に活用することができます。
また、顧客データをマーケティングに活用したい場合には、リアルタイムでの情報発信ができる「動的CMS」の利用が欠かせません。動的CMSとは、閲覧者がアクセスするたびにその場でHTMLを生成して表示する仕組みです。
閲覧者がアクセスするHTMLページを事前に準備しておくタイプのCMSである「静的CMS」とは異なり、動的CMSではユーザーの情報に基づきHTMLを生成し、ユーザーごとに異なる情報やコンテンツを表示できます。
HubSpotでは動的CMSにも対応しており、Content Hubの上位プランである「Professional」や「Enterprise」を選ぶことで、HubSpotのCRM機能と連携させ、動的ページを作成することが可能です。
企業の信頼性や顧客データを危険にさらさないためにも、CMSの選定においてセキュリティーを重視したい方も多いでしょう。セキュリティーを重視する場合は、静的CMSが適しています。
静的CMSは、事前に生成されたHTMLページを提供するシステムであり、ユーザーがウェブサイトにアクセスするたびに、事前に生成されたHTMLページがそのまま表示されます。完成したページを用意するだけのシンプルな仕組みであるため、脆弱性が低く、セキュリティーの脅威に対して比較的安全といえます。
一方で、動的CMSではページを構成する要素が分散しており、コンテンツを管理する仕組みが複雑化します。複雑化することでシステムの脆弱性が増し、セキュリティー上の脅威にさらされやすくなると考えられています。
静的CMSの代表的なサービスとしては、「Jekyll」「Hugo」「Gatsby」などがあります。
ここまでのCMSの種類ごとの特徴やメリット・デメリットをふまえ、おすすめCMSを6つご紹介します。各CMSの強みや、利用に向いている企業の特徴も説明していますので、自社の課題と照らし合わせながら、参考にしてみてください。
引用:WordPress
WordPressは、世界でもっとも利用されているCMSです。W3Techsの調査データによると、2022年4月の世界シェアは64.2%であり、日本では84.4%に達しています。
WordPressの特徴は、豊富なデザインのテンプレートである「テーマ」を利用できることです。無料・有料のテーマがあり、費用をかけずに高機能なウェブサイトを構築することが可能です。
また、無料から利用できる「プラグイン」と呼ばれる拡張機能も充実しており、ユーザー数の増加とともに機能改善が進んでいます。さらに、多数のWordPress利用者がいることから、開発者がWordPress向けのプラグインを開発し、ますます便利になるという好循環が生まれています。
WordPressにはコミュニティベースのサポートフォーラムもあるため、独学でも学習が可能であり、書籍を読みながらでも活用できます。
無料で利用できるWordPressは、特に初期費用を抑えたい企業や個人ビジネスに適しています。WordPressのプラグインやテーマを活用することで、独自のウェブサイトを容易に構築できます。
引用:Wix.com
Wixは、HTMLやCSSの知識がない場合でも、簡単なマウス操作やキーボード入力でホームページを作成できるCMSです。豊富なテンプレートの中から選ぶことで、デザイン性が高く魅力的なサイトを簡単に作成することができます。
2024年5月時点での世界シェアは3位、国内シェアは15位となっています。
Wixのメリットは、2024年5月時点で900種類以上のテンプレートが用意されており、多彩なデザインのサイトを作成できることです。また、アプリを使用することで、さまざまな機能を簡単に追加することも可能です。問題が発生した際には、電話でのサポートも受けられます。
Wixは技術的な知識がなくても簡単にホームページやブログなどを作成できるため、専門知識やエンジニアが不足している企業に適しています。
一方で、無料プランでは機能が制限されるため、独自の機能を搭載したい場合や、本格的なマーケティング施策を展開している場合には不十分なケースもあります。また、WixはSEOに関する機能が十分に整備されていないことから、検索エンジンでの上位表示が難しいことも懸念されます。
引用:Content Hub
HubSpot製品の一つである「Content Hub」は、マーケティング強化に特化した月額定額制のCMSです。マーケティングからCRMとの連携、AIを活用したコンテンツ生成まで幅広い機能を提供しています。
基本機能として、ウェブサイトの構築・管理・デザインやSEO対策、コンテンツ作成・編集、セキュリティー対策などが含まれます。専門知識がなくても、直感的な操作でコーポレートサイトやブログ、ランディングページを構築・管理できます。
Content Hubの強みは、ウェブ解析機能やマーケティングツール、HubSpot CRMツールとの連携が可能であり、コンテンツのパーソナライズやキャンペーンの自動化など、マーケティング戦略の強化に役立つ点です。
そのため、マーケティング戦略を効果的に実行したい企業や、顧客データを活用したキャンペーン施策を展開したい企業に最適です。さらに、Content HubはAIを活用したコンテンツ生成も提供しており、CMSでコンテンツのパーソナライズや自動化を進めたい企業におすすめです。
Movable Typeは、米シックス・アパート株式会社が開発・提供しているSaaS型のCMSです。2024年5月時点での世界シェアは、16位となっています。
同CMSには、ブログ形式で手軽にサイト製作や管理ができる機能が備わっています。個人サイトなど小規模なものから、大規模な企業のコーポレートサイトまで幅広く対応でき、現在もアップデートや機能の改修が継続的に行われています。
Movable Typeの強みは、公式サポートを受けることができる点です。そのため、ウェブサイトを作るためのIT知識が不足している場合や、安心してシステムを運用したい場合におすすめです。
また、Movable Typeでは動的ページだけでなく、静的ページの作成が可能であり、柔軟なサイト構築を必要とする企業にも適しています。
Adobe Experience Managerは、Adobe社のマーケティングテクノロジーを集約した統合型プラットフォーム「Adobe Experience Cloud」の製品群の一部です。2024年5月時点での世界シェアは7位、国内シェアは3位となっています。
Adobe Experience Managerは、拡張性・カスタマイズ性・柔軟性を兼ね備えたヘッドレスCMSであり、Adobeの他のアプリケーションとも連携可能です。柔軟なカスタマイズ性により、多様なビジネスニーズに対応できるため、大規模なサイトやグローバル展開を行う企業に適しています。
また、AIを活用したコンテンツ作成機能を備えており、コンテンツのパーソナライズや最適化に重点を置く企業にもおすすめです。AIの機能を活用することで、効率的にターゲットに合ったコンテンツを提供できます。
引用:はてなブログMedia
はてなブログMediaは、ブログサービス「はてなブログ」の中の、法人向け・エンタープライズ向けのオウンドメディアに最適化されたSaaS CMSです。はてなブログは、2024年5月時点で国内8位のシェアを獲得しています。
はてなブログMediaの強みは、オウンドメディアの運用に必要な機能やサポートをトータルで受けられる点です。また、カスタマイズ可能なデザインテンプレートを活用することで、自社のブランディングに沿ったサイトを構築できます。また、サーバーの用意や管理も不要で、クラウド上での運用が可能です。さらに、「はてなブックマーク」へのネイティブ広告出稿にも対応しており、効果的なマーケティングを行えます。
はてなブログMediaは、その運用の容易さと使いやすさから、ブログ運用に専任のスタッフを配置する余裕がない企業におすすめです。はてなブックマークへのネイティブ広告出稿やトータルなサポートを受けながら、効果的なマーケティング活動を行いたい場合に活用することも一つの方法です。
CMSには多くの種類があり、それぞれ強みや適した活用方法が異なります。そのため、選定する際には、自社のビジネスニーズや課題に沿ったCMSを選ぶことが重要です。解決したい課題や、必要な機能を明確にしてから選定しましょう。
また、CMSの導入時のことだけでなく、運用まで考慮する必要があります。運用にかかるコストや時間を事前に見積もることと、運用に関わる人材がCMSを使いこなせるかどうかを確認することが重要です。
自社のビジネスニーズを踏まえ、慎重にCMSの選定を行い、適切なCMSを導入してビジネスの効率化や成果向上につなげましょう。
渋谷 真生子
株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。