概要
開発者がUIを一切使用せずに、プログラムによってHubSpot Data Studioへのデータの作成、管理、取り込みを行える公開APIがパブリックベータとして提供されました。ファイルのアップロードによる「FILE」と、APIを通じて構造化データを直接送信する「JSON」の2種類のデータソースがサポートされており、すべての操作は標準のOAuthを介して利用可能です。
本アップデートの対象は、Smart CRM ProfessionalおよびData Hub Professionalです。
アップデートの内容 開発者がUIを一切使用せずに、プログラムによってHubSpot Data Studioへのデータの作成、管理、取り込みを行える公開APIです。以下の2種類のデータソースがサポートされています。
FILE :CSV、XLS、XLSX、またはTSVファイルをアップロードしてデータソースを作成しますJSON :スキーマを定義し、APIを通じて構造化データを直接送信します。継続的な更新には、増分型のdata-push エンドポイントを利用しますすべての操作は、標準のOAuthを介して利用可能です。
APIドキュメントはこちら から参照できます。
APIの全機能一覧 POST /data-source :FILEデータソース(CSV/XLS/XLSX/TSV)を作成する取得:データソースを取得する PUT :データソースを完全に置き換えるDELETE :データソースを削除するPOST /data-source :JSONデータソースを作成するPOST /{id}/data-push :JSONデータソースに行をプッシュするPATCH :データソースの名前を変更する重要な理由 このAPIを利用することで、CRMオブジェクトを固定する必要なく、表形式のデータをHubSpotのData Studioに取り込むための、より柔軟で開発者に優しい方法が可能になります。
CRMインポートAPIには厳しい要件があります。データはCRMオブジェクトにマッピングされる必要があり、増分更新の方法は用意されていません。CRMレコードではなく、生データやカスタムデータをプッシュしたい開発者にとっては、適切な選択肢がないままとなっています。
データソース取り込みAPIは、スキーマに依存しません。データは、HubSpotのどのオブジェクトタイプにも紐付ける必要はありません。開発者はスキーマを定義し、ファイルのアップロードまたはJSONを介してデータを取り込むと、そのデータはData Studioに即座に反映され、データセットやレポートの作成、およびセグメント、ワークフロー、リスト全体での活用が可能になります。
データプッシュ用エンドポイント(data-push )を利用すると、毎回ファイルのアップロードを管理する必要なく、定期的なデータ更新(パートナーのエンリッチメントフィード、運用スナップショット、エージェントが生成した出力など)を軽量かつ継続的に取り込むことができます。
仕組み・使い方 FILEデータソースの作成 CSV、XLS、XLSX、またはTSVファイルを、スキーマ定義(列名とデータ型)とともに、マルチパートPOSTとしてアップロードします。取り込みは非同期で行われるため、GETリクエストでポーリングし、lastIngestionStatus: SUCCESSFUL を確認してください。PUTリクエストを実行すると、データセット全体を新しいファイルに置き換えられます。
リクエスト例:
POST /data-studio/data-source/2026-09-beta(Content-Type: multipart/form-data)で、file: sample-data.csv とともに、request: { "datasourceName": "Sample Data", "datasourceType": "FILE", "config": { "file": { "headerRowIndex": 1, "columns": [ { "name": "email", "type": "STRING" }, { "name": "revenue", "type": "DECIMAL" } ] } } } を送信します。
JSONデータソースの作成 リクエスト本文にスキーマ(列名と型)を指定してください。ファイルは不要です。作成時に最初の行を含めるか、スキーマのみを作成して後でデータを投入するかを選択できます。必要に応じて、重複排除のためにレコードID フィールドを設定してください。取り込みは非同期で行われるため、追加のデータをプッシュする前に、GETリクエストでポーリングし、lastIngestionStatus がSUCCESSFUL であることを確認してください。
リクエスト例:
POST /data-studio/data-source/2026-09-beta に、{ "datasourceName": "Customer Snapshot", "datasourceType": "JSON", "config": { "json": { "columns": [ { "name": "email", "type": "STRING" }, { "name": "customer_id", "type": "INTEGER" }, { "name": "spend", "type": "DECIMAL" } ], "recordId": "customer_id" } } } を送信します。
行を段階的にプッシュする(JSONのみ) JSONデータソースが有効化されたら、データセット全体を置き換えることなく、新しい行を追加できます。
リクエスト例:
POST /data-studio/data-source/2026-09-beta/{datasourceId}/data-push に、{ "data": [ { "email": "alice@example.com", "customer_id": 1, "spend": 450.00 }, { "email": "bob@example.com", "customer_id": 2, "spend": 125.00 } ] } を送信します。
対象 Smart CRM Professional、Data Hub Professional
リリース状況 本アップデートはパブリックベータとして提供されています。
対象
Core Seats Professional Hub、Data Hub Professional
株式会社100の視点
活用シーン
CRMオブジェクト(コンタクトや取引などHubSpotで扱う顧客・商談データの単位)に紐付けなくても、CSVやJSON形式の生データをHubSpot Data Studio(データ分析・レポート機能)に取り込める点が特徴です。パートナー企業から届くエンリッチメントデータや、基幹システムから出力される売上スナップショットなど、CRMインポートAPIでは扱いにくかった表形式データの取り込みに向いています。
JSONデータソースのdata-pushエンドポイントを使えば、ファイルの再アップロードなしに増分更新ができるため、日次・週次でデータを追加していくような運用でも開発負荷を抑えられそうです。
取り込んだデータはセグメントやワークフロー、リストにも活用できるため、マーケティングオートメーションと外部データを組み合わせた施策を検討しているお客さまには参考になる機能です。
気になる点
UIを使わないAPI経由の操作が前提であるため、開発リソースを持たないお客さまには扱いにくく、実装・保守は情報システム部門やベンダーとの連携が必要になりそうです。
対象がSmart CRM ProfessionalおよびData Hub Professional以上に限定されており、すべてのお客さまがすぐに使えるわけではありません。
取り込みが非同期処理であり、lastIngestionStatusのポーリングが必要な設計のため、リアルタイム性を求める用途にはやや不向きと見られます。エラー時のリトライ設計やステータス監視の仕組みは別途検討が必要そうです。
パブリックベータ提供のため、エンドポイント仕様やAPIバージョン(現状2026-09-beta表記)が正式リリース時に変更される可能性がある点は留意が必要です。
今後への期待
現時点ではFILEとJSONの2種類のみの対応ですが、今後は他の外部システムとの直接連携やより多様なデータ型への対応が広がることが期待されます。
承認フローや稟議プロセスと連動したデータ更新の記録・監査ログ機能が強化されれば、社内の管理部門とも情報共有しやすくなると考えられます。
正式リリース時には、エラーハンドリングや取り込み状況の可視化がUI上でも確認できるようになると、開発者以外の担当者も運用に関わりやすくなるのではないでしょうか。
※ この記事はHubSpot製品の最新情報ページをもとに作成しています。最新の情報はHubSpot製品の最新情報 でご確認ください。