
「HubSpotを導入したものの、集めたリードへのアプローチの優先順位付けに悩んでいる…」
「ウェビナーや展示会を開催しても、その後のフォローや効果測定まで手が回らない…」
そんなお悩みをお持ちのマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか。HubSpotには、日々の業務を効率化し、成果を最大化するための強力な機能が備わっています。しかし、その多機能さゆえに「どの機能をどう使えばいいかわからない」という声もよく耳にします。
今回は、そんなお悩みを解決するために、特に多くの担当者が課題を抱える「リードの優先順位付け」と「イベント管理」に焦点を当て、HubSpotをさらに使いこなすための2つの機能、「新リードスコアリング機能」と「マーケティングイベント機能」を分かりやすく解説します。
明日からすぐに実践できる便利な機能です。ぜひ、貴社のマーケティング活動を一段階引き上げるきっかけにお役立てください。
新リードスコアリング機能で営業を加速!
「どの見込み客に、いつ、誰がアプローチすべきか」を明確にすることは、マーケティングと営業の連携において非常に重要です。HubSpotの「リードスコアリング」は、そんなリードの優先順位付けを自動化し、営業活動を効率化するための強力な味方です。
このスコアリング機能が新しくなり、2025年8月31日に旧機能が廃止されました。
新機能で何ができるのか、そして旧機能のままの方は何をすべきかをしっかり押さえておきましょう。
HubSpotの「新リードスコアリング機能」とは?
一言でいうと、見込み客の「有望度」を自動で点数化する機能です。このスコアによって、営業チームは購買意欲の高いリードに集中してアプローチでき、成果につながる確率を高めることができます。新機能では、主に2種類のスコアを使い分けられるのが大きな特徴です。
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適合スコア: 企業の規模、役職、業種など、「どのような顧客層か」という属性情報(デモグラフィック情報)に基づいてスコアリングします。自社の理想的な顧客像にどれだけ近いかを判断するのに役立ちます。
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エンゲージメントスコア: Webサイトへの訪問、メールの開封、資料のダウンロードなど、「どのような行動をしたか」というアクションに基づいてスコアリングします。自社の製品やサービスへの関心の高さを測る指標となります。

これらを組み合わせた「複合スコア」を作成することも可能です。
※Sales Hubのみをご利用の場合、会社と取引に関するスコアリングを設定できます。Service Hubの場合は、ヘルススコアという別のスコアリング機能が追加されています。
旧機能から変更のあった注目の新機能
新機能では、従来のスコアリングより詳細な条件設定が可能になりました。
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スコアリング対象の変更: 旧機能ではコンタクト、会社、取引、チケットが対象でしたが、新機能はリードに特化し、コンタクト、会社、取引が対象となります。
※Service HubのProfessionalプラン以上を契約されている場合は健全性スコア(ヘルススコア)を設定できます。これは解約の兆候がある顧客を特定し、事前に対策を行うためのスコアになります。すでに顧客となった対象のエンゲージメントをスコアで計測したい場合は健全性スコアをご利用ください。
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しきい値プロパティー: スコアの点数に応じて「有望」「普通」「要育成」のようなラベルを自動で設定できます。例えば、「スコアが0〜49点なら[低]、50〜74点なら[中]」といった具合です。これにより、コンタクト一覧画面でリードの温度感を一目で直感的に把握できるようになります。

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高度な機能の追加: この他にも、カスタムイベントをスコアリング対象にできたり、時間の経過とともにスコアを減衰させたり(近日公開予定)と、より高度な分析が可能になります。
※関連付けラベルの利用/カスタムイベントスコアリング/減衰、最新性、頻度(近日公開予定)
増分スコアリング/スコアの履歴と分布/リスト除外/スコアをゼロにリセット など
【要チェック】新機能を使う前にすべき3つのステップ
旧機能から新機能への移行は自動では行われません。ご自身で新しく設定を構築する必要があります。以下の3ステップで対応を進めましょう。
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旧スコアプロパティーの設定を保存
まずは、現在利用しているスコアリングのルールをスクリーンショットやメモで保存しておきましょう。設定画面のプロパティー一覧で、フィールドタイプを「スコア」で絞り込むとすぐに見つかります。
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新リードスコアリング機能で設定
保存した設定を参考に、新しいリードスコアリング機能でスコアを再設定します。[マーケティング] > [リードスコアリング] から設定画面に移動し、「スコアを作成」から始めましょう。
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検証と反映
設定が完了したら、意図通りにスコアが付与されるかテストし、問題なければこれまで旧スコアを使っていたビューやワークフローの条件を、新しいスコアプロパティーに差し替えます。特にワークフローの編集は、一度停止してから慎重に行いましょう。
マーケティングイベント機能でROIを可視化
ウェビナーや展示会は、見込み客との重要な接点です。しかし、「申し込み者の管理が大変」「イベント後のフォローが煩雑」「結局、どのイベントが商談につながったのか分からない」といった課題はありませんか?
HubSpotの「マーケティングイベント」機能は、そんなイベント管理にまつわる業務をまとめて解決し、イベントの投資対効果(ROI)を明確にするための機能です。
「マーケティングイベント」機能で、できること
この機能は、ウェビナーや展示会などのイベント情報を管理するためのCRMオブジェクトです。活用することで、以下のような課題を解決できます。
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情報の一元管理: イベントの登録者や参加者の情報をHubSpot上で一元管理できます。
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エンゲージメントの追跡: Zoomなどの外部ツールと連携すれば、誰が登録し、誰が参加したのかがコンタクトの活動履歴に自動で記録されます。
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スムーズなフォローアップ: イベント参加状況に基づいたリストを簡単に作成でき、参加者への御礼メールや欠席者へのフォローアップメールを自動で配信できます。
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正確なROIの算出: イベントがどれだけ商談や収益に貢献したかを分析し、次回の企画に活かすことができます。(※Marketing Hub Enterpriseの機能)
マーケティングいべんとの具体的な活用例は?
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参加履歴に基づくセグメンテーション
例えば、「上級者向けウェビナーに3回以上参加したコンタクト」のリストを作成し、より専門的なサービスの案内や限定イベントへの招待を送ることができます。リードスコアリングの条件に「イベント参加回数」を加えるのも非常に有効です。
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イベントROIの算出
マーケティングイベントをHubSpotのキャンペーン機能と連携させることで、どのイベントが最も収益に貢献したかを可視化する「収益アトリビューションレポート」が利用できます。「どのイベントに注力すべきか」をデータに基づいて判断できるようになります。
さらに便利に!見逃せない最新アップデート
最近のアップデートで、この機能はさらに使いやすくなっています。
コンタクトの詳細ページで、その人が過去に参加したイベントの履歴(参加ステータスなど)を直接確認できるようになりました。営業担当者がアプローチする際の参考情報として役立ちます。
まだまだ発展途上の機能ではありますが、イベント管理に課題を感じている担当者の方にとっては、間違いなく業務効率化の助けとなるはずです。ぜひこの機会に触れてみてください。
【まとめ】小さな改善で、HubSpotを最強のパートナーに
今回は、HubSpotのマーケティング活動を一段階レベルアップさせるための2つの機能をご紹介しました。
HubSpotは「設定して終わり」のツールではありません。自社の課題に合わせて機能を使いこなし、継続的に改善を重ねることで、ビジネスを加速させる最強のパートナーとなります。
まずは今回ご紹介したテクニックの中から、一つでもご自身の業務に取り入れてみてください。その小さな一歩が、貴社のマーケティングと営業活動を大きく前進させるはずです。