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高いAIは必要?8モデルでマーケティング制作を比較

高いAIは必要?8モデルでマーケティング制作を比較 | HUBSHOT

新しいAIを選ぶとき、企業で使う場面に置き換えると、何を比較すればよいのでしょうか。ブログが書けるか、SNSへ展開できるか、告知画像までそろうか。マーケティング担当者なら、こうした仕事で判断したいはずです。

このコラムに向けて、まず8モデルで商談の集計やメモ整理を試しました。基本3課題では6モデルが全確認項目に一致。さらに、更新資料と予算・工数の条件を加えた24回答も、23回答が全項目に一致しました。この結果だけでは、普段の制作での使い分けを判断する材料が足りません。

そこで、同じ8モデルに、新機能の紹介資料からブログ、X投稿文、告知バナーを一式作る仕事を追加で依頼しました。初稿を受け取った後、料金と提供日を変える共通修正も行っています。

依頼したのは、新機能の紹介を4つの制作物へ展開する仕事

今回の依頼内容。架空のB2B製品資料からブログ・個人と会社のX・SVGバナーを制作し、料金と提供日の共通修正を反映する。投稿・公開は未実行。
今回の依頼内容。架空のB2B製品資料からブログ・個人と会社のX・SVGバナーを制作し、料金と提供日の共通修正を反映する。投稿・公開は未実行。

題材は、架空のB2Bサービス「テストCRMノート」です。営業メモから課題や決定事項を整理し、未確認事項を分け、担当者の確認後にCRM登録用の下書きとメール草案を作る、という紹介資料を渡しました。自動登録やメール送信、外部CRMとの直接接続は提供しない設定です。

納品物は900〜1100字のブログ、個人と会社のX投稿各1本、横長の告知バナーです。料金、提供日、案内先をすべてに入れ、資料にない導入実績や利用者の感想は補わないよう指定しました。実在の顧客情報は使っていません。

初稿の後には、月額19,800円を24,800円へ、提供開始日を11月16日から24日へ変更。ブログとバナーの見出しも、読者の困りごとと価値が伝わるよう見直してもらいました。制作の途中で条件が変わり、関連する原稿と画像を一緒に直す場面です。

今回のバナーは、文字と図形を配置するSVG形式です。写真やイラストを生成する専用モデルの比較とは分けています。APIへ直接依頼した検証で、ChatGPT・Claude・Geminiのアプリ操作や、実際の投稿・公開は行っていません。

記事とSNSは、条件が合うかと表現を分けて確認する

初稿を完成できたのはAstra、Sol、Opus、Flash、Terraの5モデルでした。ブログの字数、両Xの文字数換算、料金・日付など、事前に決めた形式上の確認項目は5モデルとも満たしています。

文章の違いは、実際の原稿を見ると分かります。Solの修正後のタイトルは「散らばる商談メモを、次の対応を考える下書きに」。Terraは「散らばる商談メモを整理し、次の対応を確認しやすく」でした。どちらも読者の場面から説明し、自動でCRMへ登録・送信する機能がないことも本文に残しています。

個人用と会社用のXも、単に同じ文章を2本にする指示にはしていません。Solの個人用は担当者からの案内、会社用は機能と提供条件を中心に構成され、会社用には「登録・送信は手動です」という制限も入りました。企業で使うなら、誰のアカウントから何を伝えるかまで依頼へ含めると、確認しやすくなります。

一方、Flashの会社Xには「CRM転記前の確認負担を軽減します」という言い切りがありました。資料には効果の実証データがありません。公開前には、機能が支援する範囲を示す表現へ直したい箇所です。本文末尾の「責任者の方は、…資料をご用意しております」も、誰が資料を用意するのかが合っていませんでした。必要な情報が入っていても、日本語と効果表現の編集は残ります。

ここで挙げた読みやすさは、今回の納品を見比べた編集上の評価です。モデル全般の文章力の順位ではありません。

バナーは、必要な文字があっても読めるとは限らない

SolとFlashの実際の修正版バナー。未編集の架空サンプル。Flashは料金条件の末尾が日付欄に隠れる。文字・図形の制作で、写真生成ではない。
SolとFlashの実際の修正版バナー。未編集の架空サンプル。Flashは料金条件の末尾が日付欄に隠れる。文字・図形の制作で、写真生成ではない。

Sol、Terra、Astraの修正版は、600px幅で見た際も見出し・料金・日付を読める配置でした。Opusの初稿も同様です。Flashは初稿、修正版とも、料金欄の末尾にある「1チーム10名まで」の一部が、隣の日付欄に隠れていました。

SVGの中には必要な文字が入っているため、文字列の検査だけではこの問題に気づけません。原稿の料金を確認することと、画像の料金条件が最後まで見えることは、別の確認です。今回のFlashのバナーは、料金欄を広げるなどの配置修正が必要でした。見出しの「迅速に」という効果表現も、資料の根拠を確認して直したい部分です。比較図は、その違いが分かるように納品画像を直さず載せています。

ブログ、SNS、画像では、AIに依頼する仕事も、担当者が確認する方法も変わります。企業内でバナーを制作する場合は、実際に掲載する幅で表示してから公開する工程を含めます。

料金と提供日の変更は、4モデルで全媒体へ反映

共通修正まで完成稿を確認できたのは、Astra、Sol、Flash、Terraの4モデルでした。4モデルとも、ブログ、個人X、会社X、バナー内の文字を新料金と新日付へ更新し、旧情報は残っていません。ブログの字数、SNSの制約も維持しています。ただし、Flashのバナーの配置問題は残りました。

8モデルへの初稿と共通修正の完了状況、各段階のAPI費用試算。完成9納品は形式検査を通過。3モデル初稿未完了、Opus修正は応答・費用未取得。文章・画像の質は別途確認。
8モデルへの初稿と共通修正の完了状況、各段階のAPI費用試算。完成9納品は形式検査を通過。3モデル初稿未完了、Opus修正は応答・費用未取得。文章・画像の質は別途確認。

Argon、Fable、Sonnetは、今回の思考分を含む18,000トークンの出力上限で初稿が未完了となり、修正は依頼していません。Opusの修正は、360秒で応答を取得できず、納品と利用量を確認できませんでした。初稿の品質と、修正まで一式を受け取れたかを分けて記録しています。

これを、3モデルには文章制作の能力がない、Opusは修正が苦手だ、という結果にはしません。今回の推論設定、出力上限、一式をまとめて返す依頼で観測した未完了・未取得です。条件を変えて試し直すことはせず、未完了分も記録しました。

一式の費用と、直す必要のある箇所を合わせて見る

初稿と共通修正の2回分を足したAPI費用は、Flashが約0.0219ドル、Terraが約0.0350ドル、Solが約0.0686ドル、Astraが約1.0023ドルでした。今回の資料と回答量に対する試算で、請求明細との照合はしていません。

Flashはこの4モデルで最も低い試算でしたが、文章表現とバナーに手直ししたい箇所がありました。SolとTerraは、料金・日付・字数を守り、今回確認した修正版の画像にも表示欠けはありませんでした。Astraも一式を完成していますが、この仕事では、費用差に見合う文章・画像の優位は確認できませんでした。

Opusは修正分の使用量と費用が不明です。初稿だけで終わったモデルの費用と、2回完成したモデルの費用を、同じ一式の費用として比べていません。人が手直しする時間も測っていないため、これで企業の総コストまで決まるわけではありません。

8モデルの公式標準API単価。USD・100万トークン当たり。月額アプリ料金とは別。3分類は編集上の用途で各社共通の性能順位ではない。
8モデルの公式標準API単価。USD・100万トークン当たり。月額アプリ料金とは別。3分類は編集上の用途で各社共通の性能順位ではない。

API料金は、各アプリの月額料金とは別です。単価表の出力には内部の思考分も含まれます。Google、OpenAI、Anthropicの公式料金と、実際に返った使用量で試算しています。Googleの導入価格には期限があるため、利用時には条件を確認します。

企業へ取り入れるときは、担当する仕事を分けて考える

マーケティングなら、今回のように確定した紹介資料から記事・SNS・バナーを作る仕事が考えられます。機能、対象読者、できないこと、料金、日付、案内先をひとつの資料へまとめ、各媒体への展開と変更反映をAIへ依頼します。担当者は、未実証の効果が加わっていないか、原稿と画像の条件が一致するか、公開先で読めるかを確認します。

営業では、共有が許可された商談メモから、合意事項と未確認事項を分け、次の確認メールとCRM登録案を作る使い方があります。発言を正式な約束へ変えていないか、誰がいつ対応するかを担当者が確認してから登録・送信します。今回、実際のCRM画面の操作や顧客への連絡は試していません。

カスタマーサポートでは、問い合わせだけでなく、最新版のFAQと対応方針、担当部署へ引き継ぐ基準も渡します。AIには根拠付きの返信案と不足情報の整理を依頼し、返金・補償などの判断は権限を持つ担当者へ回す形です。これは今回の実験から考えた応用例で、モデル別の性能を確かめた結果ではありません。

企業内での比較なら、「文章が書けたか」に加え、「次の担当者が確認して使える一式になったか」を見ると、確認すべき箇所が具体的になります。今回も、原稿の文字数、SNSの制約、バナーの視認性、条件変更の反映を分けて見ています。

結論は、日常の主力を決め、違いが出た制作物だけ使い分ける

今回のCRM課題とマーケティング制作を合わせて見ると、日常業務の初期候補としてはSolを挙げられます。基本課題と追加した3組のCRM課題で全確認項目に一致し、今回のブログ・SNS・バナーも、初稿から共通修正まで完成しました。費用を抑えて文章とバナーの下書きを作る用途なら、今回の制作を完了したTerraも候補です。ただし、前のCRM選定課題では1組で同一企業2件を選ぶ条件違反があり、最終判断の検査は残ります。

Flashは低い費用で文章と画像を一式作れましたが、今回の原稿には効果表現と日本語、画像には配置の手直しが必要でした。記事やSNSの下書きとして試すことと、バナーも含めてそのまま公開することを、同じ判断にはしません。より高いモデルを選べば一式が必ず完成する、という結果でもありませんでした。

そのため、毎回8モデルを比較する必要はありません。繰り返す仕事は、必要な品質を満たす主力モデルへまとめる。文章の表現や画像など、具体的な不足が確認できた制作物だけ、別のモデルや専用ツールを試す。今回の範囲では、この選び方が妥当だと考えます。

今回の検証条件

2026年10月27日、8モデルの公式APIで、同じ架空の紹介資料と依頼を使用しました。初稿8要求のうち5要求が完了し、その5モデルへ同じ修正を依頼。修正は4要求が完了し、合計13要求・完成9納品です。検索・コード実行などのツールや、完成するまでの作り直しは使っていません。資料、確認項目、採点方法は出力取得前に固定しました。

推論設定はArgon・Astra・Fable・Sonnetがhigh、Flash・Sol・Opus・Terraがmediumです。同じ設定名でも、各社の計算量は同じではありません。出力上限は思考分を含め18,000トークン、並列は最大4要求。修正は初稿の結果がそろってから、各モデル自身の初稿と共通修正を渡しています。

機械で確認したのは形式・字数・共通情報・旧情報の残存などです。機能の説明、日本語、表示した画像は別に確認しました。単一の架空製品と修正1回の結果で、再現性、総合順位、実売上や編集時間への効果は示していません。アプリ操作、実際のCRM登録・メール送信・SNS投稿・公開、写真やイラストの生成も比較していません。

田村 慶

2005年に札幌で株式会社24-7をWeb制作会社として創業、2012年からHubSpotの販売を開始。2016年にAPAC初となるダイヤモンドパートナーに昇格し、翌年にはHubSpotパートナー・オブ・ザ・イヤー(アジア地区)を受賞。2018年に24-7社の代表取締役を退任し、新たに株式会社100を創業。2019年6月からHubSpot認定パートナーに登録し、HubSpotビジネスを再開。現在は、HubSpotエリートパートナーやHubSpotユーザーグループの主催者として、HubSpotパートナー複数社へのコンサルティングと実行支援、HubSpotの導入企業のビジネス促進を中心に『HubSpot好き』を増やすための活動をしています。 2020年:HubSpot ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞(APAC地区) 2021年:HubSpot パートナー・オブ・ザ・イヤー受賞(日本) 2023年:アジアで初めてHubSpot「Elite Partner(当時)」として認定

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