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【保存版】おすすめCMSをシーン別に紹介!無料から人気のCMSまで分かりやすく比較

【保存版】おすすめCMSをシーン別に紹介!無料から人気のCMSまで分かりやすく比較

Webサイトを制作する際、CMS(コンテンツ管理システム)の選定は、成功への重要な鍵を握るプロセスです。WordPressやWix、HubSpotといった有名なものから、無料で導入できるオープンソース型、さらには高機能な商用CMSまで、選択肢は非常に多岐にわたります。しかし、豊富な選択肢の中から、自社に最適なCMSを見つけ出すのは容易ではありません。

そこで本記事では、CMS選びに迷っている方に向けて、シーン別におすすめのCMSをご紹介します。初期導入費用やセキュリティー、UIの使いやすさ、マーケティング機能など、さまざまな視点からCMSを比較し、それぞれの強みを解説。さらに、どのCMSがどのようなケースに適しているのかも具体的にお伝えします。

ぜひ本記事を参考にして、自社にぴったりのCMSを見つけてください。

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは

CMS(Content Management System、コンテンツ・マネジメント・システム)とは、Webサイトのコンテンツを効率的に管理・運用するためのシステムです。記事、画像、動画などのコンテンツを一元管理し、簡単に作成、編集、公開、削除が可能です。このため、専門的なプログラミングの知識がなくても、直感的な操作でWebサイトを運営できます。

ここからは、CMSの定義と基本状況、利用状況を見ていきましょう。

CMSの定義と基本状況

CMSは、Webサイトのコンテンツを管理するためのシステムです。CMSには以下の主要な機能があります。

  • コンテンツの作成・編集機能:直感的なインターフェースを使って、テキスト、画像、動画などのコンテンツを簡単に作成・編集
  • コンテンツの保存・管理機能 :作成されたコンテンツを一元的に保存し、必要に応じて迅速にアクセス・管理が可能
  • コンテンツの公開・削除機能:指定された日時に自動で公開したり、不要になったコンテンツを削除
  • ユーザー管理機能:複数のユーザーが異なる権限でコンテンツを管理できるため、組織全体での効率的な運用が可能
  • デザイン管理機能:テンプレートを使用して、デザインの一貫性を保ちながらサイト全体を管理

また、CMSにはいくつかの種類があります。無料で使えてカスタマイズ性の高いオープンソースCMS、毎月の月額料金こそかかりますが運用コストが発生しないクラウド型CMSといった具合です。CMSはその種類ごとに特性が異なり、Webサイトの規模や目的に応じて最適な選択をしなければいけません。

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CMSの利用状況

W3Techsの調査によると、2024年8月時点で世界中のWebサイトの69.4%がCMSを利用していると判明しています。この調査からも、現代のWebサイト運営においてCMSの導入が重要だといえます。それでは、なぜCMSを導入する企業が多いのでしょうか。

その理由の一つは、Webサイトの頻繁な更新が重要視されているからです。

株式会社サイト・パブリスの調査によれば、Webサイト制作担当者の95.4%が「こまめなサイト更新は重要」と答えています。CMSを導入することで、専門的な知識がなくてもコンテンツの更新が容易に行えます。これにより、サイトの鮮度を保ち、ユーザーエンゲージメントを高められるのです。

現代の顧客は、製品情報の更新、お役立ちコンテンツ、プレスリリースなど、多様な情報をWeb上で収集します。もしCMSが導入されていなければ、これらの更新作業は非常に手間がかかり、サイト運営が滞る可能性があります。

CMSはこうした課題を解決し、効率的かつ効果的なWebサイト運営を可能にするツールとして、多くの企業に採用されています。

CMSのシェア状況

それでは、どのCMSが多くの企業に利用されているのでしょうか。先にご紹介したW3Techsの調査によれば、2024年8月時点での世界の主なCMSのシェア状況は以下の通りです。

W3Techsの調査|2024年8月時点での世界の主なCMSのシェア状況

出典:W3Techs

  • WordPress:62.6%
  • Shopify:6.5%
  • Wix:4.2%
  • Squarespace:3.1%
  • Joomla:2.4%
  • Drupal:1.3%
  • Adobe Systems:1.3%

やはり圧倒的なシェアを誇っているのがWordPressです。62.6%という数字は、Webサイトの約3分の2がWordPressを使用していることを示しています。

また、注目したいのがShopifyの成長です。Shopifyは、Eコマースに特化したCMSとして急成長を遂げており、6.5%のシェアを占めています。これは、オンラインストアを迅速かつ効率的に構築できるため、中小企業や個人事業主を中心に広く利用されています。

さらに、簡単操作を重視するWixとSquarespaceの存在感、オープンソースCMSの中でも特に高度なカスタマイズが可能なJoomlaとDrupalも人気が高いようです。

CMSの選択は、ユーザーのニーズ、技術的スキル、予算に応じて異なるべきであり、この市場シェアのデータはそれぞれのCMSがどのような利用者に支持されているかを示しています。

シーン別おすすめするCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)

CMSを選択する際は、自社のニーズに適したものを選ぶ必要があります。しかし、市場には数多くのCMSがあるため、どれを選定すべきかわからないという方も多いでしょう。そこでここからは、よくあるシーン別におすすめのCMSをご紹介します。以下の順でご紹介しますので、興味のある部分を参考にしてください。

  1. 初期導入費用を抑えたい
  2. 導入ハードルの低さを重視したい
  3. セキュリティーを重視したい
  4. UIを重視したい
  5. 他システムとの連携を重視したい
  6. オウンドメディアを構築したい
  7. サポート体制を重視したい
  8. ユーザーコミュニティーを重視したい
  9. マーケティング機能を重視したい
  10. SEO機能を重視したい
  11. コマース機能を重視したい

初期導入費用を抑えたい

初期導入費用を抑えたい場合は、ライセンス費用が発生しないオープンソース型のCMSがおすすめです。特に以下3つのCMSは、導入に大きな技術的要件は不要なため、コストを抑えながら導入できます。

  • WordPress
  • Joomla!
  • Concrete CMS

WordPress

WordPress

出典:WordPress

WordPressは、世界で最も広く利用されているオープンソースのCMS。無料で使える基本機能に加え、数多くのテーマやプラグインを組み合わせることで、手軽に低コストでWebサイトを構築できる点が大きな魅力です。

ただし、注意が必要な点もあります。

まず、特定の機能を追加したい場合、有料プラグインやテーマの購入が必要になることがあります。また、セキュリティ管理はユーザー自身の責任で行わなければならず、適切な対策を講じないと不正アクセスやデータ漏洩のリスクが高まります。さらに、WordPressを高度にカスタマイズしたい場合は、ある程度の技術力が求められることも忘れてはなりません。

しかし、WordPressは世界中で広く利用されているため、初心者でも安心して使い始められる豊富な情報やサポートコミュニティが存在します。これにより、導入や運用が比較的容易に行える点も、WordPressの大きなメリットです。

初心者から上級者まで、自分のニーズに合わせて柔軟に使えるこのプラットフォームは、まさにWebサイト構築の強力なツールと言えるでしょう。

Joomla! 

Joomla! 

出典:Joomla! 

Joomla!は、WordPressに次ぐ人気を誇るオープンソースのCMSで、特に高度なカスタマイズや複雑なサイト構造を求めるユーザーに適しています。

WordPressと似た部分もありますが、Joomla!はより複雑な機能を持つため、ある程度の技術的知識が必要とされることが多いです。そのため、Web開発に慣れた中級者以上のユーザーにとっては、柔軟性の高い強力なツールとなります。

Joomla!の特長のひとつに、多言語対応が標準で組み込まれている点があります。これにより、追加のプラグインを導入せずに、多言語サイトをスムーズに構築することが可能です。グローバル展開を計画している企業にとっては、効率的でコストを抑えたサイト運営が実現できるでしょう。

しかし、日本国内ではJoomla!の利用者が比較的少ないため、WordPressに比べて日本語での情報やサポートが限られているという課題もあります。そのため、Joomla!を選ぶ際は、英語での情報収集やサポートを活用する準備が必要かもしれません。

Joomla!は、特に技術力を活かして、より複雑なサイトを構築したいと考えるユーザーにとって、有力な選択肢となるでしょう。

Concrete CMS

Concrete CMS

出典:Concrete CMS

Concrete CMS(旧名:Concrete5)は、使いやすさと直感的な操作性に優れたオープンソースのCMSです。

ドラッグ&ドロップのインターフェースを採用しており、コーディングの知識がなくても、Webサイトのレイアウトやコンテンツの編集が簡単に行えるのが特徴です。このため、初心者でもすぐに操作に慣れ、効率的にサイトの管理ができる点が大きな魅力です。

さらに、Concrete CMSは権限設定や承認ワークフローを標準機能として備えており、複数の担当者がコンテンツを管理する企業に最適です。これにより、コンテンツの公開プロセスが一元管理でき、ミスや混乱を防ぐことが可能です。

また、これらの機能が標準で装備されているため、追加のプラグインやカスタマイズが不要で、導入時の手間やコストを抑えられます。

ただし、Concrete CMSは他のCMSと比べると、コミュニティがやや小規模であるため、日本語のサポートや情報が少ない点に注意が必要です。それでも、使いやすさと管理機能を重視する企業にとっては、十分に検討する価値のあるCMSと言えるでしょう。

特に、サイト運営を簡単に行いたい初心者から、中規模以上の企業まで幅広く利用されています。

導入ハードルの低さを重視したい

オープンソース型のCMSは無料で利用できる一方で、導入には技術的な知識が求められることが多いです。自社にエンジニアがいない場合や、技術的なサポートを重視したい場合は、容易に導入できるクラウド型CMSを検討するのが賢明です。

  • ShareWith
  • Wix
  • Jimdo

ShareWith

ShareWith

出典:Share With

ShareWithは、CMS、サーバー、そしてサポートが一体となった定額制のクラウドサービスで、国内の上場企業を中心に250社以上で利用されています。最安プランでも初期費用は75万円、月額費用は12万円と、一定のコストがかかるものの、その操作性と機能性は優れており、特にサポートの充実度には定評があります。

サポートデスクに問い合わせを行うと、迅速かつ丁寧な対応が受けられるため、運用中の課題を即座に解決できるでしょう。また、初期導入サービスには、サイト設計、デザイン提案、操作研修などが含まれており、技術的な知識がなくてもスムーズに導入から運用まで進めることができます。

これにより、導入ハードルが低く、初心者でも安心して利用できる点が、ShareWithの大きな魅力です。

Wix

Wix

出典:Wix

技術面だけでなく、コスト面でも導入ハードルが気になる場合は、Wixが最適な選択肢となります。

Wixはクラウド型CMSで、契約後すぐに利用を開始でき、最安プランは月額11ドル、上位のビジネスプランでも月額46ドルから利用可能です。これにより、初期費用を抑えながら、手軽にWebサイトを構築できるため、導入ハードルは極めて低いと言えるでしょう。

Wixは、ドラッグ&ドロップ形式のエディタを採用しており、プログラミングの知識がなくても直感的にWebサイトを作成できます。さらに、900種類以上の豊富なテンプレートや、AIを活用したサイト構築機能も備えており、初心者でも簡単に魅力的なサイトをデザインすることが可能です。

ただし、Wixには本格的なマーケティング機能が一部不足しているため、大規模なマーケティング活動を行う企業には不向きかもしれません。そのため、Wixは特にBtoCの小規模企業や個人事業主に最適です。これらのユーザーにとって、コストを抑えつつ、迅速かつ簡単にWebサイトを立ち上げられるWixは、優れた選択肢と言えるでしょう。

Jimdo

Jimdo

出典:Jimdo

Jimdoは、シンプルで使いやすいインターフェースが特徴のクラウド型CMSで、初心者向けのWebサイトビルダーとして人気を集めています。

ドラッグ&ドロップ方式のエディタを採用しており、プログラミングの知識がなくても直感的にページ編集が可能です。さらに、AIによるサイト作成支援機能も搭載されており、初心者でも簡単に魅力的なWebサイトを作成できます。また、日本語対応のサポートが用意されているため、日本国内のユーザーにとっても安心です。

ただし、Jimdoにはいくつかの制約があります。テンプレートのデザインやカスタマイズ性は、他のクラウド型CMSと比べると限定的で、オリジナル性を重視したいユーザーにはやや物足りないかもしれません。

また、Jimdoの月額料金は割安ですが、最上位プランでも高度なマーケティング機能が搭載されていないため、本格的なマーケティングを行いたい企業には不向きです。そのため、小規模企業や個人事業主に特に適したCMSと言えます。

企業がCMSを選定する際には、単に導入ハードルの低さだけでなく、必要とする機能性やUI、ビジネスの目的に合ったプラットフォームを選ぶことが重要です。Jimdoはシンプルでコストを抑えたWebサイト構築を求めるユーザーには最適ですが、より高度な機能やデザインの自由度を求める場合は、他の選択肢も検討するとよいでしょう。

セキュリティーを重視したい

CMSには数多くの顧客情報や自社の機密情報が保管されるため、大企業や金融業、製造業などにおいてはセキュリティーの高さは重要になるでしょう。ここからは、セキュリティーの高さに定評のあるCMSをご紹介します。

  • Drupal
  • Movable Type
  • Blue Monkey

Drupal

Drupal

出典:Drupal

Drupalは、高度なセキュリティ機能を備えたオープンソースのCMSで、特に政府機関や大企業など、機密性の高いWebサイトの構築に適しています。

細やかなユーザー権限設定が可能で、アクセス制御が容易な点が大きな特長です。加えて、定期的なセキュリティアップデートが提供されており、常に最新のセキュリティ対策が施されるため、安心して運用できます。また、大規模サイトにも対応できる高い拡張性を誇り、複雑な機能を持つWebサイトの構築にも適しています。

しかし、Drupalはその拡張性と機能性の高さゆえに、習得には時間がかかる場合があります。具体的には、カスタマイズやモジュールの導入に高度な技術力が求められるため、十分な開発リソースや専門知識を持つ企業に向いています。そのため、Drupalを選定する際は、技術力が十分にあるかどうかを検討することが重要です。

Drupalは、特にセキュリティや大規模サイトの運用を重視する企業にとって、有力な選択肢となります。セキュリティの厳格な管理が求められるプロジェクトや、複雑なWebサイト構築が必要な場合、Drupalの強力な機能が大いに役立つでしょう。

Movable Type

Movable Type

出典:six apart

Movable Typeは、国内5万サイト以上に導入されている実績を持つ商用CMSです。その強力なセキュリティ機能が評価されており、特にセキュリティを重視する企業に適しています。

具体的には、HTMLとMTのテンプレートタグを用いたWebサイト構築が可能で、専門知識がなくても高度なセキュリティ対策を実装できます。不正ログインに対するアカウントロック機能や、CMSと公開サイトのパスの分離、細かなアクセス権限設定など、豊富なセキュリティ機能が標準装備されています。

さらに、Movable Typeはコンテンツを静的HTMLファイルとして生成・表示するため、ページの読み込み速度が速い点も大きな特長です。これにより、ユーザーエクスペリエンスの向上やSEO対策にも貢献します。

また、コンテンツの更新が容易であるため、更新頻度が高いサイト運営にも適しています。

一方で、Movable Typeは商用CMSであり、オープンソースのCMSと比較するとコストがかかる点には注意が必要です。ただし、その費用は安定したセキュリティ機能やサポート体制により十分に補われるでしょう。

Movable Typeは、高いパフォーマンスと安全性を両立させたい企業には、特に適していると言えます。

Blue Monkey

Blue Monkey

出典:BlueMonkey

Blue Monkeyは、中小企業がホームページから効率的にリードを獲得することを目的に開発されたCMSです。

その使いやすさは、WordやPowerPointのような感覚で操作できる点にあり、これによりWebサイトの管理が非常にシンプルになります。

さらに、2,300社以上の導入事例をもとに、成功した制作パターンをフレームワーク化した「成功テンプレート」が用意されており、初心者でも効果的なWebサイトを構築できるようになっています。

Blue Monkeyは、SEO対策やアクセス解析といったリードジェネレーション機能に優れており、リード獲得を目的とする企業にとって強力なツールとなります。セキュリティ面でも、ネットワーク、アプリケーション、Webサーバーにおける多層防御が実装されており、定期的なバージョンアップが行われるため、専門的なセキュリティ知識がなくても安心して運用が可能です。

ただし、Blue Monkeyはリードジェネレーションには優れているものの、リードナーチャリング、つまり獲得したリードを育成して顧客に転換するための機能がやや不足している印象があります。

BtoB企業の場合、リード獲得後に顧客育成を行うためには、他のツールと連携するなどして補完する必要があるでしょう。

そのため、リードジェネレーションを強化したい中小企業にとって、Blue Monkeyは適したCMSですが、リードナーチャリングが重要なプロセスとなる企業では、他のツールやサービスと組み合わせて利用することが推奨されます。

UIを重視したい

CMSは現場の社員が使いこなせなければ、期待した成果は見込めません。複数の担当者がCMSを使う場合、UIが重要な決定要素となります。ここからは、UIに優れたCMSをご紹介します。

  • HubSpot Content Hub
  • Wix

HubSpot Content Hub

HubSpot Content Hub

出典:HubSpot

HubSpot Content Hubは、マーケティング機能を統合したクラウド型CMSで、直感的なドラッグ&ドロップ形式のエディタを採用しているため、プログラミング知識がなくても簡単にコンテンツの作成・管理が可能です。特にマーケターにとっては、操作がシンプルで、初めての方でもすぐに使いこなせる点が大きな魅力です。

HubSpotの製品はすべて自社開発で統一されており、製品間のUIが統一されているため、他のHubSpot製品を利用している企業にとっては、特にスムーズな導入が期待できます。

また、HubSpotはサポート体制が充実しており、運用中に生じる課題にも迅速に対応してもらえるため、安心して利用できます。

さらに、HubSpot CMS Hubは、CRMやマーケティングオートメーション(MA)ツールと円滑に連携できる点も大きな特長です。これにより、リードジェネレーションからナーチャリングまで一貫して行えるため、企業のマーケティング活動を大きく支援します。

HubSpot CMS Hubは、直感的な操作性と充実したサポート体制、そして強力な連携機能を備えたCMSとして、特にマーケティング活動に力を入れている企業にとって、最適な選択肢となるでしょう。

Wix

Wix は、前述の通り、初心者でも直感的に操作できるクラウド型CMSです。

ドラッグ&ドロップ方式のエディタを使って、簡単にデザイン性の高いWebサイトを作成できます。豊富なテンプレートとデザイン要素が揃っており、プログラミングの知識がなくても、プロフェッショナルな仕上がりのWebサイトを構築できるのがWixの大きな魅力です。

ただし、Wixはノーコードで手軽にWebサイトを作成できる反面、リードジェネレーションやナーチャリング機能といった高度なマーケティング機能がやや不足している点には注意が必要です。そのため、大規模なマーケティング活動を行う企業にはやや物足りないかもしれません。

一方で、Wixは手軽にECサイトを立ち上げたい小規模企業や、Webサイト構築のコストを抑えたい個人事業主にとっては最適な選択肢です。簡単に魅力的なサイトを作成できるため、特にWeb初心者にとって使いやすいツールとなっています。

他システムとの連携を重視したい

すでにSFAやメール配信ツールなどのツールを導入している場合、他システムとの連携を重視する必要があります。この場合、APIやプラグインの豊富なCMSが候補になります。ここでは、他システムとの連携に優れたツールをご紹介します。

  • WordPress
  • Drupal
  • HubSpot

WordPress

WordPressは、豊富なプラグインエコシステムを持ち、さまざまな外部サービスとの連携が可能です。たとえば、HubSpotやSalesforceとの連携プラグインを使用すれば、WordPressのフォームから収集したリードデータを自動的にCRMシステムへ転送できます。これにより、マーケティングとセールスの連携がスムーズになり、効率的な顧客管理が可能です。

また、WordPressはGoogle AnalyticsやGoogle Search Consoleといった分析ツールとも簡単に連携できます。専用のプラグインを使うことで、これらのツールとサイトを容易に結びつけ、トラフィックデータやSEOパフォーマンスの分析ができます。

このように、プラグインを活用することで、他システムとのリアルタイムなデータ連携や業務システムとの統合を容易に実現できます。そのため、WordPressは、さまざまな業務システムとの統合が求められる企業のWebサイトにも適した選択肢といえるでしょう。

Drupal

Drupalは、高い拡張性と柔軟性を誇るオープンソースCMSで、特に大規模で複雑なWebサイトの構築に適しています。豊富なモジュールやAPIを通じて、他のシステムやサービスとシームレスに連携できるため、企業の多様なニーズに応えることができます。

たとえば、DrupalのRESTful APIを利用すれば、他のアプリケーションやシステムとのデータ交換が簡単に行えます。これにより、CMSで管理されるコンテンツをモバイルアプリやIoTデバイスなど、さまざまなプラットフォームで活用できるのが大きな特長です。

さらに、DrupalはLDAPやSAMLといった認証プロトコルにも対応しており、企業の既存のユーザー管理システムと統合しやすいです。シングルサインオン(SSO)を導入することで、ユーザーの利便性を向上させつつ、セキュリティを強化することが可能です。

このように、Drupalは他システムとの連携を重視する企業にとって最適なCMSです。豊富なAPIやモジュール、認証プロトコルのサポートにより、さまざまなシステムとのスムーズなデータ交換や統合が実現します。その結果、企業の業務効率やユーザー体験の向上につながるでしょう。

HubSpot

HubSpot CMSの最大の特長は、HubSpotのCRM、マーケティングオートメーション、セールスツールと完全に統合されている点です。これにより、マーケティングからセールスまでのプロセスがシームレスにつながり、顧客とのコミュニケーションを一元管理できます。

たとえば、Webサイトで取得したリード情報を自動的にCRMに反映させ、その後のフォローアップをマーケティングオートメーションで自動化するなど、効率的な顧客対応が可能です。

さらに、HubSpotは豊富なエコシステムを誇り、アプリマーケットプレイスを通じてSlackやGoogleカレンダー、WordPress、Google Ads、Zoomなど、多くのビジネスツールと簡単に連携できます。この連携力の高さにより、さまざまなビジネスニーズに柔軟に対応できる点が、HubSpot CMSの大きな魅力です。

クラウド型CMSの中でも特に高い連携力と拡張性を持つHubSpot CMSは、マーケティングとセールスを強力に結びつけ、ビジネスの成長をサポートするための強力なツールとなるでしょう。

オウンドメディアを構築したい

オウンドメディアとは、自社で所有・運営するメディアのことを指します。オウンドメディアを構築することで、自社の情報を直接顧客に届けることができ、ブランド認知度の向上やリードジェネレーションにつなげることができます。ここからは、オウンドメディアを楽に構築できる2つのCMSをご紹介します。

  • はてなCMS
  • note

はてなCMS

はてなCMS

出典:はてなCMS

はてなCMSは、信頼性の高い「はてな」が提供するオウンドメディア運営に特化したプラットフォームです。特徴的な機能として、次のようなものがあります。

  • 一貫した編集環境: はてなブログと同じ画面でコンテンツを編集できるため、使いやすさが際立っています。初心者でもスムーズに操作可能です。
  • AIコンテンツアシスト: AIによるサポート機能を活用して、コンテンツ作成の効率を高めることができます。
  • チーム編集機能: 複数人での編集が可能で、チームでのメディア運営に適しています。
  • 豊富なテーマ: 用途に合わせて選べるテーマが豊富に用意されており、メディアのデザインを簡単にカスタマイズできます。

さらにSaaS型CMSのため、保守運用の手間が不要で、はてなが最新のSEOセキュリティ対策や機能のアップデートを自動で行います。そのため、ユーザーはコンテンツ作成に専念できる点が大きなメリットです。

また、オウンドメディア運営が初めての方には、はてなによるサポートが心強い味方となります。はてなのサポートは、メディアの計画・設計からコンテンツ作成、さらにデータ分析までを一貫して支援してくれるため、安心して運営を進められるでしょう。

note

note

出典:note

noteは、個人からビジネスまでさまざまな用途で利用されているコンテンツプラットフォームです。法人向け高機能プラン「note pro」には、note上でWebサイトを簡単に作成・更新できるCMS機能が搭載されています。大きな特徴は以下6種類のテンプレートから用途に合ったオウンドメディアをnote上で簡単に作成できる点です。

  • 採用情報サイト
  • 採用情報サイト職種リストあり)
  • 企業メディアサイト
  • 企業メディアサイト(バナーあり)
  • 商品・プロダクト紹介サイト
  • サービス紹介サイト

また、AIサポートやアナリティクス機能、メンバー権限管理といった、企業向けに必要な機能も備わっており、効率的なコンテンツ管理が可能です。たとえば、AIサポートはコンテンツの作成や編集を効率化し、アナリティクス機能はWebサイトのパフォーマンスを把握して改善につなげられます。

ただし、note proにはカスタマイズ性に一定の制限があるため、独自のデザインや高度な機能を求める場合には、他のCMSの利用を検討する必要があるかもしれません。note proは、シンプルな構築と運用を重視する企業や個人にとって、迅速にオウンドメディアを立ち上げるための有力なツールとなりますが、特定のデザイン要件がある場合には注意が必要です。

サポート体制を重視したい

Webに詳しい人材が少ない場合、商用でサポート体制が充実したCMSがよいでしょう。商用CMSならば、提供企業側が課題解決に向けたサポートを提供してくれるためです。ここでは、特にサポート体制に強みがあるCMSをご紹介します。

  • おりこうブログ
  • HubSpot Content Hub

おりこうブログ

おりこうブログ

出典:おりこうブログ

おりこうブログは、Webに詳しくない企業を中心に2万社以上に導入されている国産CMSです。操作性に優れており、一般的なPCスキルがあれば、Webサイトの構築から運用までをスムーズに行えます。

特に評価されている点は、充実したサポート体制です。カスタマーセンターの応答率は98%以上で、Webサイトの編集方法から運営方針に至るまで、わかりやすいアドバイスを提供してくれます。

また、基本プランにはドメイン契約代行やWebサーバーの取得が含まれており、ITに詳しい人材がいなくても、初めてWebサイトを開設する中小企業にとって非常に使いやすい設計となっています。

HubSpot Content Hub

HubSpotは、その手厚いカスタマーサポートで高い評価を得ています。主なサポート内容は以下の通りです。

  • チャット、電話、メール対応: 迅速なサポートが求められる場面でも、即座に対応できる体制が整っています。
  • 豊富なドキュメントとチュートリアル: ユーザー自身で学び、解決できるリソースが充実しています。
  • HubSpotアカデミー: マーケティング、セールス、カスタマーサービス、さらにはHubSpotの使い方に特化した多彩なコースを提供し、ユーザーのスキル向上を支援します。
  • コミュニティフォーラム: 他のユーザーとの情報交換や問題解決ができる場として、活発に利用されています。

加えて、HubSpotは有料の導入支援サービスと、導入後も顧客の成功に伴走するカスタマーサクセスサポートも提供しています。有料サービスを利用することで、より質の高い支援を受けながら、効果的にCMSの運用を進めることが可能です。

ユーザーコミュニティーを重視したい

システムトラブルや設定、運用に関する疑問が発生した際に、迅速に対応策を見つけたい場合、ユーザーコミュニティが活発なCMSがおすすめです。ここからは、コミュニティが強いCMSをご紹介します。

  • WordPress
  • Drupal
  • Hubspot Content Hub

WordPress

WordCamp Tokyo

出典:WordCamp Tokyo

WordPressは、世界最大級のユーザーコミュニティを持つCMSで、豊富な情報やリソースが共有されています。公式フォーラムやSlackコミュニティなど、多様なチャンネルを通じて、ユーザー同士の交流が盛んに行われています。また、世界中で開催されている勉強会やカンファレンスに参加することで、最新の技術やベストプラクティスを学ぶことが可能です。

日本語コミュニティも充実しており、初心者でも必要な情報を簡単に収集できる環境が整っています。これにより、WordPressユーザーは常に最新の情報を手に入れ、効果的なサイト運営をサポートされています。

ただし、コミュニティの規模が大きいため、質問に対する回答を得るまでに時間がかかる場合がある点には注意が必要です。また、豊富な情報がある反面、情報の取捨選択が求められる場合もあります。

このように、WordPressの強力なコミュニティは、ユーザーが学び続けるための大きな支えとなりますが、利用する際にはコミュニティ内での効率的な情報収集の方法も心得ておくと良いでしょう。

Drupal

DrupalCon

出典:DrupalCon

Drupalは、WordPressと同様に、大規模で活発なユーザーコミュニティを持つオープンソースのCMSです。公式フォーラムでは、多くのユーザーが集まり、技術的な議論が盛んに行われています。特に、Drupalのコミュニティは高度な開発スキルを持つユーザーが多く、技術的な議論やサポートが充実している点が特徴です。

また、DrupalConと呼ばれるユーザーカンファレンスが世界各地で定期的に開催されており、ユーザー同士が直接交流し、最新の技術情報を共有する場として機能しています。これにより、コミュニティメンバーは常に最新の技術トレンドをキャッチし、サイトの高度なカスタマイズや開発を進めることが可能です。

一方で、Drupalのコミュニティは技術的な内容に特化しているため、初心者には少しハードルが高いかもしれません。しかし、高度な技術サポートを求める開発者にとっては非常に価値のあるリソースです。

Drupalのコミュニティは、深い技術知識を持つユーザーにとって強力なサポートネットワークとなり、複雑なWebプロジェクトの成功を支える重要な要素となっています。

HubSpot Content Hub

HubSpotコミュニティ

HubSpotコミュニティは、HubSpotユーザーが情報交換や問題解決を行うためのオンラインフォーラムです。ここでは、HubSpotの各製品に関するディスカッションボードが設けられており、ユーザーは興味のあるトピックについて自由に議論できます。

このコミュニティの特長は、HubSpotの従業員や公式パートナーも積極的に参加している点です。これにより、ユーザーは他のユーザーからのアドバイスだけでなく、公式な回答を得ることができ、信頼性の高い情報を得られる場として機能しています。

さらに、HubSpotコミュニティは、ユーザー同士の交流だけでなく、HubSpotとユーザーとの直接的なコミュニケーションの場としても重要な役割を果たしています。たとえば、製品に関する質問やフィードバックを通じて、ユーザーが製品の改善に影響を与えることも可能です。

このように、HubSpotコミュニティは、ユーザーが疑問を解決し、最新情報をキャッチアップするための強力なリソースであり、HubSpot製品の活用を最大限に引き出すための重要なサポートシステムとなっています。

マーケティング機能を重視したい

Webサイトを起点に、新規リードや商談獲得数を増やしたい場合はマーケティング機能に強みを持つCMSを選びましょう。ここでは、マーケティング機能が豊富なCMSをご紹介します。

  • HubSpot Content Hub
  • Adobe Experience Manager

HubSpot Content Hub

HubSpot CMSの最大の強みは、HubSpotのCRM、マーケティングオートメーション、セールスツールと完全に統合されている点です。これにより、オウンドメディアで収集したリードデータを自動的にCRMに取り込み、リードナーチャリングやセールスフォローアップに活用できます。この統合によって、オウンドメディアからの見込み客を効果的に獲得し、育成することが可能です。

さらに、HubSpot CMSには高度なマーケティング機能が標準で備わっています。A/Bテストを活用して、異なるバージョンのコンテンツやランディングページを比較し、最も効果的なものを選定することが可能です。

スマートコンテンツ機能では、閲覧者の属性や行動に基づいたパーソナライズされたコンテンツを表示し、ユーザー体験を向上させられます。また、リードスコアリングにより、リードの関心度や購入意欲を数値化し、セールスの優先順位を付けることが可能です。

HubSpot CMSは、充実した分析機能も備えており、マーケティング活動の効果をデータに基づいて評価し、PDCAサイクルを効果的に回すことができます。これにより、マーケティング効果を最大化し、ビジネスの成長をサポートします。

Adobe Experience Manager

Adobe Experience Manager

出典:Adobe

Adobe Experience Manager(AEM)は、アドビ社のデジタルエクスペリエンスプラットフォームの中心的なCMSで、大企業向けに設計されています。

AEMは、MAツールMarketoとの連携により、リード情報を自動的に結びつけ、顧客理解を深めることが可能です。また、デジタルアセット管理(DAM)機能により、画像、動画、ドキュメントなどのアセットを一元的に管理することで、コンテンツ作成や更新作業の効率が大幅に向上し、ブランドコンテンツの一貫性を保てます。

AEMは高度な分析機能も備えており、ユーザー行動やコンテンツのパフォーマンスを詳細に追跡・分析することが可能。これにより、マーケティングキャンペーンの効果を最大化し、ターゲットオーディエンスに対してよりパーソナライズされたエクスペリエンスを提供可能です。

HubSpotなどの他のマーケティングプラットフォームと比較すると、AEMはより詳細かつカスタマイズ可能な分析を提供し、特に複雑なカスタマージャーニーを持つ大規模なエンタープライズにとって強力なツールとなります。

さらに、AEMは多言語対応やマルチチャネル配信機能も備えており、グローバル展開を目指す企業にとって理想的な選択肢です。ただし、その高度な機能と柔軟性に伴い、導入や運用には相応のコストと技術力が求められる点には注意が必要です。

AEMは特に、複雑なマーケティングニーズを持つ大規模企業にとって、最適なCMSソリューションと言えるでしょう。

SEO機能を重視したい

SEO機能に強いCMSを選定すれば、コンテンツの作成・更新だけではなく、内部SEO対策も効率的に実施できます。ここでは、SEO機能が豊富なCMSを見ていきましょう。

  • WordPress
  • HubSpot Content Hub

WordPress

WordPressは、SEOに最適化されたCMSとして広く知られています。

デフォルトでSEOフレンドリーな構造を持っているだけでなく、Yoast SEOやAll in One SEO Packなどの強力なSEOプラグインを活用することで、さらにSEO対策を強化できます。これらのプラグインを使えば、タイトルタグやメタディスクリプション、キーワードの最適化、XMLサイトマップの生成など、SEOに必要な設定を簡単に管理できます。

また、WordPressはサイトの読み込み速度が高速であり、モバイルフレンドリーなレスポンシブデザインも標準で対応しているため、検索エンジンから高く評価されやすいです。これにより、検索結果での上位表示が期待でき、より多くのトラフィックを獲得することが可能です。

ただし、SEO効果を最大限に引き出すためには、適切なプラグインの設定やサイト構造の最適化が求められるため、初心者には多少の学習が必要かもしれません。

それでも、WordPressは豊富なリソースとコミュニティサポートを活用することで、誰でも効果的なSEO対策を行える強力なCMSと言えるでしょう。

HubSpot Content Hub

HubSpotのContent Hubには、SEO対策に役立つさまざまな機能が豊富に搭載されています。主な機能として、以下が挙げられます。

  • AIによる文章・画像生成
  • CTA
  • SEOアドバイス
  • Google Search Consoleとの連携
  • SEO分析
  • 承認フロー

特に注目すべきは、トピッククラスターの作成・管理機能です。トピッククラスターは、1つの主要なトピック(ピラーページ)を中心に、それに関連するサブトピック(クラスターコンテンツ)を内部リンクでつなぐ手法です。

Content Hubでは、トピックを入力すると、自動的にサブトピック候補のキーワードが提示され、月間検索ボリュームや難易度も表示されます。これにより、SEOの初心者でも効果的なコンテンツ展開を簡単に計画・実行することができます。

このような機能により、HubSpot Content Hubは、SEO戦略の強化を目指す企業にとって非常に有力なツールとなります。

コマース機能を重視したい

ECサイトを運営する場合、商品管理や決済などのコマース機能が豊富なCMSを選定しなければいけません。ここでは、コマース機能に強みを持つCMSをご紹介します。

  • Shopify
  • EC-CUBE

Shopify

Shopify

出典:Shopify

Shopifyは、Eコマースに特化したクラウド型CMSで、初心者でも簡単にオンラインストアを開設できる点が魅力です。商品管理、在庫管理、注文管理、会員管理など、Eコマースに必要な機能を一通り網羅しており、オールインワンのソリューションを提供します。

Shopifyは、100以上の決済プロバイダーに対応しており、多通貨決済が可能なため、国際的な取引もスムーズに行えます。さらに、豊富なアプリエコシステムにより、機能の拡張が容易です。たとえば、マーケティング、SEO、在庫管理など、さまざまな分野のアプリを追加することで、ビジネスニーズに合わせてプラットフォームをカスタマイズできます。

ただし、Shopifyの利用には月額料金に加えてカード手数料もかかるため、特に販売規模が大きくなるとコストが高くなる可能性があります。また、デザインのカスタマイズには制限があるため、独自のブランドイメージを強調したい場合には工夫が必要です。

全体として、Shopifyは機能が豊富で使いやすいプラットフォームですが、コストやデザイン面での制約を考慮しつつ、最適な利用方法を検討することが重要です。

EC-CUBE

EC-CUBE

出典:EC-CUBE

EC-CUBEは、国産のオープンソースEコマースプラットフォームとして、多くのECサイトに導入されています。2006年のリリース以来、月商1,000万円以上のネットショップを中心に選ばれている理由は、その高い拡張性とカスタマイズ性にあります。

決済画面やマイページなど、サイトのすべての要素を自由にカスタマイズでき、豊富なテンプレートを利用して簡単にデザインを設定することも可能です。また、ビジネスの成長に応じて、豊富なプラグインを活用して機能を容易に拡張できます。

EC-CUBEのもう一つの強みは、その大規模なコミュニティです。登録パートナー企業は1,700社以上、開発コミュニティの登録者は8,000名以上にのぼります。この大規模なコミュニティにより、運営中の悩みや技術的な課題も迅速に解決できるサポート体制が整っています。

EC-CUBEは、特にカスタマイズ性を重視する企業にとって理想的なプラットフォームです。ビジネスの成長に合わせて機能を拡張しつつ、独自のオンラインショップを構築したい企業にとって、有力な選択肢となるでしょう。

CMS導入のポイント

最後にCMS導入の4つのポイントをご紹介します。

それぞれのCMSの特徴を理解した上で選定しましょう

CMSには、オープンソース、商用、SaaS、静的、動的など、様々な種類があります。それぞれのCMSには特徴、メリット、デメリットがあり、導入コストも異なるため、事前の調査が重要です。各CMSの主な特徴は以下の通りです。

【オープンソース】

  • 無料利用可能:ライセンス費用が不要で、誰でも自由に利用・改変が可能
  • コミュニティサポート:ユーザーコミュニティが活発で、多くのプラグインやテーマが共有されている
  • 柔軟なカスタマイズ:ソースコードが公開されているため、自由度の高いカスタマイズが可能
  • セキュリティとメンテナンス:セキュリティパッチやアップデートはコミュニティに依存するため、管理が必要
  • 自己ホスティング:基本的に自分でサーバーを用意し、インストールやメンテナンスを行う必要がある

【商用CMS】

  • 有料ライセンス:利用には購入またはサブスクリプション契約が必要
  • サポート体制:ベンダーからの公式サポートやトレーニングが提供される
  • 機能豊富:多くの機能やプラグインが標準搭載されており、カスタマイズ性が高い
  • セキュリティ:高いセキュリティ対策が施されていることが多い

【SaaS型CMS】

  • クラウドベース:インターネット経由で利用可能なクラウド型サービス
  • 手軽な運用:サーバー管理が不要で、常に最新バージョンを利用可能
  • コスト効率:初期費用が少なく、月額または年額課金で利用できる
  • スケーラビリティ:利用者数やトラフィックの増加に応じて柔軟に対応可能

【静的CMS】

  • 静的コンテンツ生成:HTMLファイルなどの静的ファイルを生成し、サーバーにアップロードする形式
  • 高速なパフォーマンス:ページ読み込み速度が速く、サーバー負荷が軽い
  • セキュリティリスク低:データベースを使用しないため、ハッキングリスクが低い
  • 制約あり:動的な機能や頻繁なコンテンツ更新には向かない

【動的CMS】

  • 動的コンテンツ生成:リクエスト時にデータベースから情報を取得し、ページを生成する形式
  • 柔軟なコンテンツ管理:ユーザーが簡単にコンテンツを更新・管理できる
  • カスタマイズ性:プラグインや拡張機能で機能を追加しやすい
  • パフォーマンス負荷:データベースを多用するため、トラフィック増加時にサーバー負荷が高くなる可能性がある

また、SEOやSNS連携機能が標準で備わっているCMSもあれば、プラグインを活用する必要があるものもあります。セキュリティ対策においても、CMSごとに大きな違いがあります。

シェアが高い、一番利用されているCMSが自社に最適とは限りません。必ず目的やゴールを明確にした上で、自社に適したCMSを選定するようにしましょう。

社内運用体制

CMSを導入する際には、自社のスキルセットと導入目的に対応する必要なタスクを洗い出した上で、社内外の運用体制を検討する必要があります。

社内運用の場合、コンテンツ制作・更新を担当するチーム、サーバー管理やセキュリティ対策を担当するチーム、デザインやフロントエンド開発を担当するチームなど、役割分担を明確にする必要があります。社内にCMSの運用ノウハウがない場合は、外部パートナーの活用も検討しましょう。

社外運用の場合、CMSの選定から導入、運用、保守まで一貫して委託できます。ただし、コンテンツ案の立案や更新は社内で行う必要があるため、社内の体制づくりも重要です。

このような運用体制の構築は、CMSの導入を終えてからではなく、必ずCMS選定の段階から検討を始めましょう。

重要なのは良質なコンテンツを定期的に更新し続けること

CMSの本質は、導入することではなく、そのツールを最大限に活用して、ユーザーを惹きつけるコンテンツを継続的に提供することです。

ユーザーの課題を解決し、関心を引き続けるコンテンツを定期的に発信することで、エンゲージメントを高め、サイトへの再訪を促すことができます。

WACUL社|情報ノウハウ提供型におけるコンテンツ本数と訪問数の関係

出典:WACUL株式会社

CMS導入の初期段階では、まずは月の公開コンテンツ本数をKPIとするのが有効です。WACUL株式会社の調査によれば、コンテンツが60本を超えたあたりから流入が増加し、100本を超えるとその流れが加速します。したがって、最初は質と量の両面でコンテンツを増やし、データを蓄積しながら流入の増加を図ることが肝要です。

この取り組みを成功させるためには、コンテンツ作成チームの編成が不可欠です。もし社内リソースが不足している場合は、外部の専門家やライターに依頼することで、質の高いコンテンツを安定的に供給できる体制を整えることをおすすめします。

値段だけでCMSを選定しない

CMSの選定において、値段は重要な要素ではありますが、それだけで判断すべきではありません。特に、オープンソースのCMSは無料で利用できるため、導入コストを抑えられる反面、運用面での負担が大きくなる場合があります。

たとえば、WordPress は初期費用を抑えて導入できるメリットがありますが、プラグインの選定、セキュリティ対策、バックアップなど、自社で対応しなければならない部分も多く存在します。これらの運用コストを考慮せずに、導入コストだけで判断すると、かえって高くつく可能性があるのです。

また、自社の要件に合わない安価なCMSを選定してしまうと、機能面での制限やカスタマイズの難しさから、業務の非効率化を招くこともあります。

CMSの選定では、値段だけでなく、自社の目的や要件、運用体制、セキュリティ対策、拡張性など、さまざまな観点から総合的に判断する必要があります。何を重視すべきか、社内で十分に話し合い、コンセンサスを得ることが重要です。

まとめ

CMSの選定では、コストを重視するあまり、自社ニーズに合わないCMSを選んでしまうと、結果的に運用や拡張性に問題が生じる可能性があります。

重要なのは、コストだけでなく、自社の要件に合致した機能やサポート体制を備えたCMSを選定することです。そのためには、まずCMSを導入して達成したい目標を明確にし、その目標に最適なツールを選ぶことが重要です。

自社に最適なCMSを選定した後は、そのツールを活用して、ユーザーにとって価値あるコンテンツを提供し続けることが成功の鍵です。目標達成のためには、CMSの導入を「始まり」と捉え、コンテンツ戦略を通じてユーザーエンゲージメントを高めることに注力しましょう。

渋谷 真生子

株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。

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