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Lovableは無料でどこまで使える?Freeプランの上限と有料化の判断基準

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まず無料で試して、良さそうなら稟議に上げる。多くの日本企業にとって、これは唯一現実的な進め方です。ところがLovableを無料で触り始めた担当者の多くが、3日目あたりで手が止まります。「本日のクレジットを使い切りました」と表示され、作りかけの画面がそこで凍るからです。

ここで判断が二極化します。「無料では話にならない」と結論して離脱するか、根拠のないまま「とりあえずPro」と稟議に書くか。どちらも損です。前者は評価しきれておらず、後者は必要な容量を説明できません。

この記事では、2026年9月時点の公式情報にもとづき、Freeプランで実際にどこまで到達できるのか、どこで止まるのか、そして有料化を判断すべきラインはどこかを、数字で整理します。

Freeプランには何が含まれているのか?

Freeプランは月額€0で、クレジットカードの登録なしに始められます。制限された体験版というより、機能面ではかなりの範囲が開いている一方、容量と組織向け機能が絞られている、という設計です。

公式の料金ページに記載されているFreeプランの内容は、無料付与クレジット、ワークスペース内で非公開のプロジェクト、人数無制限の共同編集者、lovable.appドメイン5個、Cloud(組み込みバックエンド)、そしてコミュニティサポートです。

ここで注目すべきは「人数無制限の共同編集者」です。試用の段階から複数人で同じプロジェクトを触れるため、一人で評価して報告するのではなく、業務担当者を巻き込んだ評価ができます。稟議の説得力という観点では、この点が最も有効に使えます。

クレジットはどのように配られ、どう消えていくのか?

Lovableの使用量はクレジットで管理されます。ここを理解しないまま触ると、なぜ止まったのかが分からないまま評価が終わります。

公式ドキュメントのクレジットと使用量によれば、クレジットが消費される用途は3種類あります。アプリを計画・生成・編集するためにメッセージを送るBuild usage、アプリのホスティングと組み込みバックエンドを動かすCloud usage、そして公開したアプリが実行時に呼び出すAI機能のAI gateway usageです。この3つを混同すると、「何も作っていないのに減っている」という誤解が生まれます。

付与量は次のとおりです。数字そのものより、リセットの単位と繰越の有無に注目してください。ここが試用計画の立て方を決めます。

項目 Free Pro / Business
日次ビルドクレジット 5/日(暦月あたり30が上限) 5/日(月上限なし)
月次Cloudクレジット 20 20
月次AIクレジット 4 4
月次プランクレジット なし 100〜(プランにより増減)
未使用分の繰越 なし 月次プランクレジットは繰越あり

Freeプランの実質的な制約は、日次の5ではなく「暦月あたり30」という上限のほうです。公式ドキュメントは、Freeワークスペースには1日5クレジットが付与され、暦月あたり最大30までと明記しています。つまり毎日5ずつ使えば6日目で月の枠を使い切り、その月はそれ以上付与されません。日次クレジットは毎日00:00 UTC(日本時間の午前9時)にリセットされ、繰り越されません。

この設計を知っていれば、試用の組み立て方が変わります。1日で一気に触るのではなく、6日分の枠を「何を検証するか」で割り当てるべきだからです。

無料で作れるもの・作れないものは何か?

機能面で見ると、Freeプランでも「動くアプリを作って共有する」ところまでは到達できます。組み込みバックエンドが使えるため、データベースを持つ業務アプリも試作できます。lovable.appのサブドメインで公開もできます。

作れないのは、本番運用に必要な体裁と統制です。料金ページによれば、コードの編集、独自ドメインの設定、Lovableバッジの削除、ユーザーロールと権限、メンバーごとのクレジット上限、メールサポート、デザインシステムはいずれもPro以上の機能です。SSO、ロールベースアクセス、セキュリティセンター、チームワークスペースはBusiness以上になります。

実務的な線引きはこうです。Freeで確認できるのは「この業務はLovableで形になるか」という実現可能性であり、確認できないのは「全社で安全に運用できるか」という統制面です。評価の目的をここで切り分けておくと、無駄な試行を避けられます。

クレジットが尽きるのは、どういうときか?

月30クレジットは、使い方次第で6日もつこともあれば2日で消えることもあります。差を生むのは作るものの大きさではなく、指示の出し方です。

もっとも多いのが、1つのメッセージに複数の変更を詰め込み、意図と違う結果が出て、それを直すためにまたメッセージを送るという往復です。公式ドキュメントによれば、実装を担うBuild modeは使用量ベースで、変更ファイル数やロジックの複雑さ、コード探索量によって消費が変動します。手戻りはそのまま消費増に直結します。

これを避ける手段が、実装前に計画を出させるPlan modeです。Plan modeはコードを書かずにプロジェクトを調べて確認質問を返し、編集可能な計画を提示するモードで、メッセージあたり1クレジット固定で動きます。30クレジットしかない環境では、「決める」工程を固定費のPlan modeに寄せ、合意できた計画だけをBuild modeに流すほうが、到達できる距離が明確に伸びます。

もうひとつの落とし穴が、プロンプトの粗さです。公式のプロンプト・ベストプラクティスは、変更してよい範囲と触ってはいけない範囲を明示するよう推奨しています。範囲を書かずに送ると、動いていた箇所まで書き換わり、その修正でさらにクレジットを使います。書き方の型はプロンプトライブラリ実践ガイドにまとまっています。

月20のCloudクレジットは、何に消えていくのか?

ビルドのクレジットばかりが注目されますが、公開後に効いてくるのはCloudのほうです。ここを見ずに「無料で運用できる」と判断すると、想定が外れます。

Cloud usageは、作ったアプリを動かし続けるための消費です。公式ドキュメントによれば、課金要因はデータベースサーバー(インスタンスの大きさ・稼働時間・トラフィック)、データベースの保存容量、ネットワーク(APIの応答、ダウンロード、アップロード、メディア)、ストレージ、バックエンドの処理、そしてリアルタイム更新のメッセージです。

つまり、利用者が増えるほど、そして扱うデータが増えるほど消費します。作った直後の静かな状態と、部門20名が毎日使う状態では消費が違うということです。Free・Pro・Businessのいずれも月20のCloudクレジットが付与されますが、この枠は繰り越されません。

評価段階でこれを見極める方法は単純です。試用の最終盤に数名で実際に使ってみて、その日のCloud消費を記録する。1日あたりの消費が分かれば、本番の利用者数から必要な容量を概算できます。稟議で「なぜこのプランか」と問われたとき、この実測値ほど強い根拠はありません。

残高がゼロになると、公開済みのアプリはどうなるのか?

公式ドキュメントによれば、残高がゼロになると、まずビルドが停止します。それだけではなく、公開済みアプリ内のAI機能が動作しなくなり、組み込みバックエンド(Cloud)に依存するアプリは一時停止することがあります。

データそのものは失われません。公式ドキュメントは、サービスが一時停止している間もデータベース・ストレージ・認証のデータは安全に保持されると明記しています。とはいえ、利用者から見ればアプリは止まっています。部門内で「試しに使ってみて」と配ったアプリが月の途中で止まると、評価そのものへの信頼が失われます。

したがって、Freeプランは「作って見せる」までに使い、「配って使ってもらう」段階に入る前に有料化する、という切り分けが安全です。

Proに切り替える判断ラインはどこか?

「なんとなく足りないから」では稟議は通りません。切り替えの根拠になるのは、次の4つの事象のいずれかが起きたときです。

第一に、月30クレジットを使い切ってもなお検証が終わらないとき。これは対象業務の規模が試用枠を超えているということであり、そのまま容量の議論に移れます。第二に、独自ドメインでの公開が必要になったとき。第三に、生成されたコードを直接編集する必要が出たとき。第四に、Lovableバッジを外して社外に出す必要が生じたときです。

逆に、これらのいずれにも該当しないうちは、Freeのまま6日サイクルで検証を続けるほうが合理的です。判断材料が揃う前に課金しても、稟議で聞かれる「なぜこのプランなのか」に答えられません。

価格は、2026年8月31日時点の公式料金ページでPro €25/月(税込表示)で月100クレジット、Business €50/月(税込表示)で月100クレジットと表示されています。両者の差は容量ではなく、SSO・ロールベースアクセス・セキュリティセンター・チームワークスペースといった組織統制の機能にあります。プラン一覧のドキュメントによれば、クレジット数を増やした上位ティアも用意されています。請求の仕組みそのものは2026年の課金体系の簡素化を経た現行版で、支払いに関する個別の疑問は請求FAQに整理されています。

法人利用でFreeプランを使い続けるべきでない理由は何か?

個人の学習用途ならFreeで十分です。しかし、業務データに触れる法人利用でFreeを常用することには、容量とは別の問題があります。理由は3つあり、いずれも運用の工夫では解消できません。

入力したデータがモデル学習に使われる可能性がある

公式ドキュメントの学習データとプライバシーの管理によれば、2026年9月9日以降、FreeプランとProプランの顧客データはLovableのAIモデルの学習に利用される可能性があります。対象にはプロンプト、コード、ファイル、生成出力、利用データが含まれます。

利用者はアカウント設定の「AI model training」から「Use my Lovable content for model training」を無効にすることでオプトアウトできますが、これは個人が自分の設定として行うものです。組織として一律に担保したい場合、BusinessプランとEnterpriseプランのワークスペースデータは契約にもとづき既定で学習対象外である、という違いが決定的になります。情報システム部門の審査では、設定依存か契約担保かが問われます。根拠資料としてはプライバシーポリシーセキュリティページトラストセンターを併せて確認してください。

組織としての統制機能が一切ない

Freeプランには、ユーザーロールと権限、メンバーごとのクレジット上限、SSO、監査ログのいずれもありません。誰が何を作り、何を公開したかを組織として把握する手段がないということです。これは、いわゆる野良アプリを構造的に生みます。EnterpriseプランではSCIMによる自動プロビジョニング、監査ログ、公開権限の制限、放置アプリの自動退役といった統制が提供されます。

成果物を自社資産として扱いにくい

コードの編集はPro以上の機能です。Freeのままでは、生成された成果物に対して自社側で手を入れる経路が限られます。将来的に社内のエンジニアへ引き継ぐ、あるいは別環境へ移すことを想定するなら、評価の段階からPro以上で試すほうが現実に即しています。

無料の30クレジットを、どう使い切るのが最も情報量が多いか?

枠が限られている以上、行き当たりばったりで触ると何も分からないまま終わります。稟議に持ち込める材料を得ることを目的に、6日分を設計してください。

おすすめは、初日にPlan modeで対象業務の要件を詰め、2日目から4日目で実際に画面とデータベースを作り、5日目に権限まわりを確認し、6日目を予備に残す配分です。この進め方なら、実現可能性・想定工数・つまずいた箇所という3点セットが手元に残ります。

対象に選ぶべき業務は、紙やExcelで回っている部門内の作業で、扱うデータの機微性が低いものです。申請書の入力、点検記録、簡易な集計ダッシュボードなどが典型で、改善効果を工数で数値化しやすいという利点もあります。IPAが2026年7月に公表した国内企業のDX・AI活用動向でも、AI導入は広がる一方で価値創出への発展が課題とされており、小さくとも数値で語れる成果を先に作ることには意味があります。

Freeプランのメリットとデメリットは何か?

判断のために両面を並べます。無料であることの利点は明確ですが、無料であるがゆえの制約は、評価の設計を誤ると致命的になります。

観点 メリット デメリット・留意点
導入 カード登録不要ですぐ開始できる 暦月30クレジットの上限で6日程度で枠が尽きる
機能 組み込みバックエンドを含む試作が可能 コード編集・独自ドメインは非対応
共同作業 共同編集者は人数無制限 ロール・権限管理がない
公開 lovable.appドメインで共有できる バッジを外せず、残高ゼロでバックエンドが止まりうる
データ 停止中もデータは保持される 2026年9月9日以降、学習利用の対象になりうる(オプトアウト可)
サポート コミュニティを利用できる メールサポートはPro以上

この表で最も重要なのは、最下段からふたつ目の「データ」の行です。上の行は運用や課金で解決できますが、学習利用の既定値はプランの選択でしか変えられません。業務データを扱う評価を行うなら、ここを先に判断してください。

よくある質問(FAQ)

クレジットは日本時間の何時にリセットされますか?

公式ドキュメントでは00:00 UTCと記載されています。日本時間では午前9時にあたります。前日の未使用分は繰り越されないため、夜に少しだけ触って残す使い方は無駄になります。

月の途中でFreeからProに切り替えると、使い切ったクレジットは戻りますか?

Freeの日次付与とプラン契約による月次クレジットは別枠です。契約後は月次プランクレジットが付与されますが、消費済みのFree枠が復活するわけではありません。詳細は契約時に請求画面と公式FAQでご確認ください。

複数人で同じアカウントを共有して、クレジットを節約できますか?

Freeプランでも共同編集者は人数無制限なので、アカウントを共有する必要はありません。むしろ共有アカウント運用は、誰が何を変更したかを追えなくなるため、法人利用では避けてください。

試用中に作ったアプリは、有料化後もそのまま使えますか?

プロジェクトは引き継がれます。ただし独自ドメインやバッジ削除など、Pro以上の機能を前提とした設定は契約後に改めて行う必要があります。

無料のまま社内の数名に配って様子を見たいのですが、問題ありますか?

短期間であれば可能ですが、月の途中で残高がゼロになるとバックエンドに依存する機能が止まる可能性があります。利用者に「試験運用中で停止しうる」ことを事前に伝えるか、配布の段階で有料化してください。

クレジットの消費量を事前に見積もる方法はありますか?

正確な事前見積もりは困難です。実装は使用量ベースで、変更範囲やコード探索量に依存するためです。現実的な方法は、Plan modeで計画を確定させてから実装に入り、消費の実績を数回分記録して自社の平均値を持つことです。

学習利用のオプトアウトは、過去にさかのぼって適用されますか?

公式ドキュメントによれば、オプトアウトは以降のデータに適用され、すでに学習済みのモデルから遡って削除されるものではないと説明されています。業務データを扱う予定があるなら、触り始める前に設定を確認してください。

まとめ:Freeは「実現可能性の検証」まで、運用配布の前に有料化する

LovableのFreeプランは、1日5クレジット・暦月30クレジットという枠のなかで、組み込みバックエンドを含む実物を作り、共有するところまで到達できます。機能の下限ではなく、容量と組織統制が絞られた設計だと理解すると、評価の組み立て方が定まります。

境界は明確です。実現可能性と想定工数を確かめるまではFreeで足ります。独自ドメイン、コード編集、部門への配布、そして業務データの取り扱いが視野に入った時点で、Pro以上が必要になります。とくに2026年9月9日以降の学習利用の扱いは、Free・Proと Business・Enterpriseで前提が異なるため、情報システム部門への説明を要する組織では早い段階で判断してください。

日本円での請求書払いや年間契約を含む法人契約のご相談、プラン選定の妥当性の確認は、株式会社100のLovable公式パートナーページで受け付けています。Lovableそのものの全体像はLovableとは?できること・料金・使い方を日本公式パートナーが徹底解説をご覧ください。

田村 慶

2005年に札幌で株式会社24-7をWeb制作会社として創業、2012年からHubSpotの販売を開始。2016年にAPAC初となるダイヤモンドパートナーに昇格し、翌年にはHubSpotパートナー・オブ・ザ・イヤー(アジア地区)を受賞。2018年に24-7社の代表取締役を退任し、新たに株式会社100を創業。2019年6月からHubSpot認定パートナーに登録し、HubSpotビジネスを再開。現在は、HubSpotエリートパートナーやHubSpotユーザーグループの主催者として、HubSpotパートナー複数社へのコンサルティングと実行支援、HubSpotの導入企業のビジネス促進を中心に『HubSpot好き』を増やすための活動をしています。 2020年:HubSpot ルーキー・オブ・ザ・イヤー受賞(APAC地区) 2021年:HubSpot パートナー・オブ・ザ・イヤー受賞(日本) 2023年:アジアで初めてHubSpot「Elite Partner(当時)」として認定

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