単に自社サイトやブログといったオウンドメディアを持つだけでは、検索エンジンに表示されず、多くのユーザーにアプローチできません。
オウンドメディアの効果を最大化する秘訣はSEO対策にあります。
しかしSEO対策と一言に言っても、取り組むべき項目は多岐にわたり、良質なコンテンツ制作だけでは不十分です。
サイト構造、タグの設定、適切なキーワード選定、継続したコンテンツ発信、被リンク獲得などさまざまな側面で施策を講じなければいけません。
そこで本記事では、入門者の方に向けてオウンドメディアでSEO対策を効果的に行うために重要なポイント、役立つ便利ツールなどをわかりやすく解説します。ぜひ本記事でSEO対策の理解を深めてから、無駄のない効果的な施策を実践し、オウンドメディアの成功を目指してください。
まずは、オウンドメディアとSEOの基礎知識、最低限押さえておくべきSEO施策について見ていきましょう。
オウンドメディアとは、企業が所有・運営するメディアのことを指します。
一般的には、Webサイトやブログのことを指しますが、自社で発信内容をコントロールできるという意味ではSNSや企業パンフレットなどもオウンドメディアです。
オウンドメディアを理解するには、ペイドメディアとアーンドメディアとの違いを押さえるとわかりやすいです。
メディアタイプ |
定義 |
メリット |
デメリット |
例 |
---|---|---|---|---|
オウンドメディア |
企業や個人が自ら所有し、運営するメディア |
・完全なコントロールが可能 |
・構築と維持に時間とリソースがかかる |
自社サイト、ブログ、SNSアカウント |
ペイドメディア |
広告費を支払って運営するメディア |
・迅速な結果を期待できる |
コストが高く、一時的な効果に留まる可能性がある |
リスティング広告、ディスプレイ広告、ソーシャルメディア広告 |
アーンドメディア |
顧客や第三者が情報を共有・拡散することで得られるメディア |
・信頼性が高い |
・コントロールが難しい |
口コミ、レビュー、SNSシェア |
オウンドメディアの大きな特徴は、企業が直接コンテンツを管理し、顧客とのコミュニケーションをコントロールできる点です。つまり、自社が発信したい情報を自由に発信できるメディアとも言えます。
オウンドメディアの運営には時間とリソースが必要ですが、その成果は長期的に見て大きいです。たとえば、コンテンツが検索エンジンで上位表示されると、持続的な流入が期待できます。
また、顧客がオウンドメディアを信頼し、情報を定期的に受け取るようになることで、購買意欲の醸成にもつながるのです。
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・オウンドメディアとは?他メディアとの違いや種類、成功事例や立ち上げ時のポイントまでわかりやすく解説
SEO(検索エンジン最適化)とは、GoogleやYahoo!などの検索結果ページで自社サイトを上位表示するための施策を指します。下記画像の赤枠が検索ランキング1位のサイトであり、SEOではこの部分への露出を目指します。
日本においては、検索エンジン市場の約8割をGoogleが占めており、次いで多いのがYahoo!で10.3%、Bingの8.28%です。そのため、日本におけるSEO対策は事実上、Googleの検索アルゴリズムに最適化することを意味します。
出典:statcounter
Googleの検索エンジンは、ユーザーにとって最も関連性が高く、質の高いコンテンツを上位表示します。そのため、SEO対策では、検索エンジンのクローラー(ロボット)がコンテンツを正しく理解して評価できるようにするテクニカルな施策と、ユーザーにとって価値のあるコンテンツを提供するコンテンツ施策の両方が重要となります。
オウンドメディアのSEO対策は大きく分けて、外部対策と内部対策の2つに分類されます。
外部対策とは、他のWebサイトからのリンク(被リンク)獲得を主な目的とした施策です。GoogleはWebサイトの信頼性や権威性を評価する際に、被リンク数を重要な指標としています。
権威性の高いサイトからたくさんの被リンクを獲得できれば、Googleはそのサイトを信頼性が高いと判断し、上位に評価してくれます。ただし、被リンクは自社ではコントロールできないため、外部対策は難易度が高い施策です。
一方、内部対策は自社サイト内の最適化を目指すSEO施策で、「テクニカルSEO」と「コンテンツSEO」の2つに分かれます。
テクニカルSEOでは、検索エンジンに自社サイトを見つけてもらい、コンテンツを正確に理解してもらうための準備を行います。たとえ魅力的なコンテンツを作成しても、検索エンジンに理解されなければ検索結果に表示されません。つまり、テクニカルSEOは検索結果に表示されるための下準備と言えるでしょう。
コンテンツSEOは、ユーザーにとって価値の高いコンテンツを作成することがメインの目的です。これがSEO対策の根幹となります。ただコンテンツを作るだけでは不十分で、自社のユーザーが使用するであろうキーワードの選定、ユーザーニーズに基づいた企画立案、分析、内部リンクの最適化など、さまざまな取り組みが含まれます。
外部対策は、自社でコントロールすることが困難なため、まずは内部対策に注力しましょう。内部対策は、自社で直接管理できる施策であり、しっかりと実施することで、SEOの基盤を整えることができます。
内部対策で、検索エンジンに評価してもらえる基盤を整え、良質なコンテンツを継続的に発信することで、自然と被リンクも獲得できるでしょう。私たちがこれまで多くのプロジェクトのご支援をしてきた経験上、コンテンツ対策はできているものの、テクニカルSEOがおざなりになっているケースが多くありました。
テクニカルSEOに取り組まなければ、コンテンツが検索結果に表示されるまで時間がかかる、読み込み速度が遅いためユーザーがすぐに離脱するなどのデメリットが生じます。
コンテンツSEOだけではなく、テクニカルSEOにもしっかりと取り組み、質の高いコンテンツを多くのユーザーに届けられるようにしましょう。
コンテンツSEO対策の本質は、ユーザーの悩みや課題を解決するコンテンツ制作です。これを実現するために、ユーザーの悩みの特定や上位表示を狙うキーワードの選定、コンテンツの制作と整理を実施しなければいけません。ここからは、オウンドメディアにおけるコンテンツSEO施策を見ていきましょう。
オウンドメディアの成功において、ターゲットユーザーの明確化は欠かせません。そこで役に立つのがペルソナとカスタマージャーニーです。
ペルソナとは、自社の典型的なユーザーを具体化した架空の人物像です。年齢や職業などのデモグラフィック情報の他、悩みや購買要因などのサイコグラフィック情報まで詳しく設定します。特に、以下の情報はオウンドメディアのSEO対策では重要です。
ペルソナ作成で重要なポイントは、実在する顧客データをもとに制作することです。複数の既存顧客へのインタビュー、サイト上のユーザーデータ、営業や製品開発部門などのヒアリングをし、ペルソナ作成に有益な情報を集めましょう。
ペルソナを作成したら、ペルソナ行動をカスタマージャーニーへ落とし込みます。
カスタマージャーニーとは、ユーザーが問題を認識し、情報を収集し、解決策を見つけ、最終的に購入に至るまでの一連のプロセスを指します。顧客が抱える課題は各ステージで異なるため、オウンドメディアのコンテンツは、このカスタマージャーニーの各段階に対応しなければいけません。
たとえば、以下のようなカスタマージャーニーを作成します。
カスタマージャーニーの段階 |
説明 |
コンテンツの種類 |
具体例 |
---|---|---|---|
認知 |
ユーザーが自身の問題に気づく段階 |
教育的なコンテンツ |
「プロジェクト管理の重要性とは?」というブログ記事で、効率化の重要性と一般的な解決策について説明 |
情報収集 |
ユーザーが問題解決のための情報を探す段階 |
詳細なガイド、比較記事 |
「おすすめのプロジェクト管理ツール5選」という記事で、具体的なツールの機能やメリットを比較し、どのツールが適しているかを説明 |
比較検討 |
ユーザーが複数の解決策を比較検討する段階 |
製品のレビュー、ケーススタディ |
事例記事で、具体的な導入事例とその効果を紹介 |
購入 |
ユーザーが最終的に購入を決定する段階 |
購入手続き、よくある問い合わせ、導入までの流れ |
導入までの流れやサポート体制などの紹介 |
ペルソナとカスタマージャーニーを作成することで、顧客の課題や悩みを適切に理解したうえで、コンテンツSEOに取り組めるようになります。
SEO対策において、ターゲットキーワードの選定は極めて重要です。
ターゲットキーワードとは、ユーザーが検索エンジンに入力する語句やフレーズのことです。自社と関連性のあるキーワードだとしても、検索ニーズ、すなわち月に検索される回数が低ければ、上位表示できても集客は見込めません。
ただし、BtoB企業やニッチな商材を取り扱う場合、そもそもの検索語句が少ない傾向にあります。この場合は、「ロングテールキーワード」と呼ばれる検索ボリュームの少ないキーワードを中心に狙い、数多くのコンテンツで上位表示を達成し、トータルの流入数を増やす施策が有効です。
検索ボリュームや競合難易度などを確認するためには、ツールの活用が欠かせません。キーワード調査ツールは多々ありますが、これからSEOに取り組む場合は、低価格かつ直感的に操作できるラッコキーワードがおすすめです。
出典:ラッコキーワード
無料プランでも関連キーワードや共起語などを取得できますが、月額440円からの有料プランに加入すれば、検索ボリュームや競合性、検索ボリュームの変化率など詳細な分析が行えます。
キーワードリサーチツールを活用することで、ターゲットキーワードの検索ボリューム、競合状況、関連キーワードなどのデータを取得し、上位表示を狙えるキーワードを特定できるでしょう。
Googleをはじめとした各検索エンジンは、ユーザーにとって有益な情報を提供することを最優先にしています。そのため、「ユーザーファースト」なコンテンツ作成がSEO対策の鍵です。
ユーザーファーストなコンテンツとは、正確で信頼性の高い情報を提供し、ユーザーのニーズや疑問に的確に答える質の高いコンテンツのことです。
Googleは、コンテンツの質を評価するために「E-E-A-T(Experience、Expertise、 Authoritativeness、 Trustworthiness)」を重視しています。これは、経験、専門性、権威性、信頼性を意味し、これらの要素を含むコンテンツが高く評価されます。
たとえば、「ニキビ 治し方」で検索した際に1位に表示される上位記事は、以下のポイントが評価されていると思います。
このように、信頼性の高いメディア/著者がユーザーの悩みを解決する記事を作成することで、上位表示される確立が高まります。
また、ユーザーの滞在時間や直帰率も評価の一部として考慮されるため、ユーザーがサイトに長く滞在し、他のページも閲覧するような工夫が必要です。タカミクリニックの記事は、ページ下部にニキビの種類や予防方法など、ニキビの治し方を知ったユーザーがさらに興味を持つであろう記事への内部リンクが設置されており、滞在時間や回遊率が高まる工夫がされています。
これからSEOに取り組む場合は、HubSpotが提唱する「トピッククラスター」を中心にコンテンツを整理するのがおすすめです。
出典:HubSpot
トピッククラスターとは、関連するコンテンツをグループ化し、中心となるピラーコンテンツとそれを補完するクラスターコンテンツで構成されるコンテンツ戦略のこと。
ピラーコンテンツは、特定のテーマに関する網羅的な情報を提供する長文の記事であり、クラスターコンテンツはそのテーマに関連する詳細な情報を提供する記事です。これらのコンテンツを内部リンクで結びつけることで、ユーザーが関連情報を簡単に見つけられるようになります。
たとえば、「Instagramマーケティング」をテーマにする場合、次のようなトピッククラスターが考えられます。
コンテンツタイプ |
タイトル |
内容 |
---|---|---|
ピラーコンテンツ |
Instagramマーケティングとは |
Instagramマーケティングの概要、主要な戦略、ツール、効果的な実践方法などを包括的に解説する長文の記事 |
クラスターコンテンツ1 |
Instagramのアルゴリズムの仕組み |
Instagramのアルゴリズムの基本概念と、投稿のリーチを最大化するための具体的な方法を解説 |
クラスターコンテンツ2 |
Instagram広告の種類と運用ポイント |
Instagram広告の種類、設定方法、効果的なターゲティング方法について詳しく説明 |
クラスターコンテンツ3 |
Instagramマーケティングの成功事例 |
Instagramマーケティングの成功事例を紹介し、その効果と実践方法を説明 |
クラスターコンテンツ4 |
Instagramストーリーズとは?エンゲージメント向上ポイント |
ストーリーズの基本機能と、それを活用してフォロワーとのエンゲージメントを高める方法を紹介 |
クラスターコンテンツ5 |
Instagramマーケティングでおすすめのツール5選 |
Instagramマーケティングで便利なツールを紹介 |
それでは、なぜトピッククラスター戦略が有効なのでしょうか。
まず、検索エンジンがサイトの構造を把握しやすくなります。関連コンテンツをリンクでつなぐことで、そのテーマに関する専門性が伝わりやすくなり、検索順位が上がる可能性があるのです。
さらに、検索エンジンはテーマ全体の専門知識や網羅性を評価するため、ピラーコンテンツとクラスターコンテンツが相互にリンクされていれば、サイト全体の評価も高まります。特定のキーワードだけでなく、関連するキーワードでも上位表示されやすくなるでしょう。
ユーザーにとってもメリットは大きいです。トピックに関する情報を一か所で得られるため、他サイトへ移動したり、再検索したりする必要がなくなるのです。結果的に、SEOで重要なサイト内の回遊率や滞在時間が高まります。
質の高い記事を公開するだけでは、検索エンジンにコンテンツを見つけてもらえないため、多くのユーザーにアプローチできません。
そこで重要になるのがテクニカルSEO対策です。
テクニカルSEO対策を行えば、検索エンジンにコンテンツを適切に認識してもらえるようになります。テクニカルSEO施策は多岐にわたりますが、ここからは入門者の方でも取り組みやすい施策をご紹介します。
人間は画像を見て内容を理解できますが、検索エンジンのクローラーは画像の内容を直接理解することができません。そのため、altタグ(代替テキスト)を使用して、画像の内容をテキストで説明する必要があります。
たとえば、製品の写真に対して「赤いカジュアルシューズの写真」といった具体的な説明をaltタグに設定することで、検索エンジンはその画像が何を表しているのかを理解できます。これにより、画像検索の結果にも表示されやすくなり、サイトへのトラフィックが増加する可能性があります。
さらに、視覚障害を持つユーザーがスクリーンリーダーを使用する際にもaltタグが役立ち、アクセシビリティの向上にもつながります。
適切にタグを設定することで、クローラーとユーザーにとって分かりやすいWebページの構造となります。主なタグは以下の通りです。
【タイトルタグ】
タイトルは検索結果に表示されるため、ユーザーがクリックするかどうかを決定する重要な要素です。SEOで狙うキーワードはタイトルの序盤に含め、ページの内容を的確に反映しながら、クリックしたくなるタイトルを設定しましょう。
【見出しタグ】
コンテンツを階層構造で整理するタグです。H1タグはページの主題を示し、H2(大見出し)、H3タグ(中見出し)、H4タグ(小見出し)はその下位の内容を詳細に説明します。
【メタディスクリプション】
メタディスクリプションは検索結果のスニペットとして表示される部分で、ページの概要を示します。ここには、キーワードを自然に含めつつ、ユーザーがクリックしたくなるような魅力的な説明を記載します。
これらのタグを適切に設定することで、検索エンジンのクロール効率が向上し、ユーザーに対する情報提供も最適化されます。
XMLサイトマップは、Webサイト内の全ページをリスト化したファイルで、検索エンジンにサイトの構造を伝えるために使用されます。これにより、検索エンジンのクローラーが新しいページや更新されたページを迅速に発見し、容易にインデックスできるようになるのです。
手動または無料ツールでXMLサイトマップを作成する場合、Google Search Consoleなどのツールを使用してサイトマップを送信しなければいけません。また、定期的な更新も必要となるため、担当者の負担が増えるでしょう。
そこでおすすめしたいのがCMSです。多くのCMSはXMLサイトマップを自動で作成・送信するため、担当者の負担を減らしながら、クローラーの巡回率を高められます。
robots.txtファイルは、検索エンジンのクローラーに対して、どのページをクロールするか、またはしないかを指示するためのテキストファイルです。このファイルを使用することで、不要なページや機密情報が含まれるページを検索エンジンから除外できます。
たとえば、管理画面や開発中のページなど、一般ユーザーには見せたくないページをクロールしないように設定することで、クローラーの効率を高め、公開すべきコンテンツにリソースを集中させることが可能です。
パンくずリストとは、ユーザーと検索エンジンに対し、現在のページがサイト内のどの位置にあるかを示すナビゲーションです。通常、「ホーム > 製品情報 > カテゴリ > 商品名」といった形で表示されます。
出典:ニコン
そもそもパンくずリストの名前の由来は、童話「ヘンゼルとグレーテル」に登場するエピソードです。この童話では、ヘンゼルとグレーテルが森の中で迷わないように、自分たちが通った道にパンくずをまきました。
Webサイトのパンくずリストも、ユーザーが自分の位置を見失わないようにするための「道しるべ」として機能することから、この名前が付けられたのです。
パンくずリストはユーザーと検索エンジンの両方にとって有益なナビゲーションツールです。サイトの構造が複雑な場合やページ数が多い場合、たとえばECサイトやコーポレートサイトには特に効果的なため設置を検討するようにしましょう。
オウンドメディアのSEO対策を効果的に進めるためには、適切なツールを活用することが重要です。
Google AnalyticsやGoogle Search Consoleは、多くの企業が利用している基本的なツールですが、それ以外にもさまざまなツールがあります。
ここでは、オウンドメディアのSEO対策に役立つおすすめのツールを紹介します。
出典:ahrefs
ahrefsは、世界で60万人以上が利用するオールインワンのSEOツールであり、被リンク分析に強みを持っています。
被リンク分析では、被リンクを設置しているサイトを確認し、価値の高い被リンクの特定が可能です。また、競合他社のリンク戦略を分析することで、新たなリンク構築の機会を見つけることができます。
その他にも、検索ボリュームや競合度などを確認できるキーワードリサーチ、競合調査、ランキング調査などの機能があります。最安プランでも月額約2万円と少し高価なため、SEOで徐々に成果が出始め、本格的に被リンク獲得や上位表示を目指す段階に入った際に検討するとよいでしょう。
出典:ラッコキーワード
すでに軽くご紹介しましたが、ラッコキーワードはSEO入門者に最適なツールです。
無料プランでも関連キーワードや上位サイトの見出し抽出などを利用できます。しかし、本格的にSEOに取り組む場合は、月額440円からの有料プランへの加入がおすすめです。
有料プランになることで、キーワードボリューム調査やさらに詳細な関連キーワードの取得などが可能になります。
ラッコキーワードを導入すれば、自社で勝ち目のあるキーワードを特定し、そのキーワードに対する競合の見出しや関連検索ワード、疑問をリストアップし、検索意図を正確に反映した構成案の制作を行えます。
ユーザーインターフェースもわかりやすいため、初めてのSEOツールに最適です。
出典:SemRush
SemRushは、SEO、広告分析、競合分析に対応したツールです。全世界で1,000万人以上が利用しています。SEOに関する主な機能は以下の通りです。
SemRushの強みは競合分析にあります。たとえば、自社と競合サイトを比較分析することで、競合が上位表示できていながらも、自社が取り組んでいないキーワードを発見できます。
詳細な競合分析で、上位表示を狙えるキーワード選定を行えます。ユーザーインターフェースもわかりやすいため、初心者の方でも使いこなせるでしょう。
ScreamingFrogのSEO Spiderは、Webサイトのクローリングツールであり、サイトのテクニカルSEOを分析するために使用されます。
このツールは、サイト内のリンク、画像、CSS、スクリプトなどをクロールし、テクニカルSEOの改善点を特定するためのものです。たとえば、重複したメタディスクリプションやタイトル、404エラー、内部リンクの不足などを検出します。
本ツールを使用することで、サイトの技術的な問題を迅速に発見し、修正することが可能になります。無料版でも基本的な機能は利用できるため、テクニカルSEO対策で重宝するでしょう。
出典:SE Ranking
SE Rankingは、ランキング調査、キーワードリサーチ、競合分析、サイト監査、被リンク分析などの機能を提供するオールインワンSEOツールです。
本ツールの強みは、バランスの取れた機能性でしょう。被リンク分析や競合分析などに特化するのではなく、効果的なSEO対策に必要な機能が網羅されています。
また、オールインワンSEOツールは高価な傾向にありますが、SE Rankingは月額44ドルから利用できるため、導入ハードルも低いです。安価で高機能なツールであり、高いコストパフォーマンスに期待できます。
Answer the Publicは、特定のキーワードに対する関連語句や質問を視覚的に表示するユニークなツールです。本ツールは、ユーザーの検索意図を深く理解し、そのニーズに応えるコンテンツを作成するのに役立ちます。
たとえば、「プロジェクト管理」というキーワードを入力すると、「プロジェクト管理 何を」「プロジェクト管理 なぜ」など、ユーザーが検索する具体的な質問が表示されます。
これらの質問に対する回答を丁寧にコンテンツに盛り込むことで、ユーザーの疑問を的確に解決できるコンテンツが作れます。ユーザーの関心事に合わせてコンテンツを作成できるため、より満足度の高い価値あるコンテンツを提供できるのです。
先にご紹介したSEOツールのほか、CMSを導入することで、より簡単にSEO対策を行えるようになります。ここでは、CMSの基礎知識やSEO機能、WordPressのSEO機能プラグインを見ていきましょう。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)は、Webサイトを効率的に管理・運営するためのシステムです。
従来、Webサイトの更新や管理にはHTMLやCSSなどの専門的な知識が必要でしたが、CMSを使用することで、技術的な知識がなくても直感的な操作でコンテンツの追加・編集が可能になります。
また、現代のCMSは単なる更新機能だけでなく、さらなる付加価値を提供しているのが特徴です。たとえば、政府機関が使用するほど高いセキュリティが特徴のDrupal、CRM(顧客管理システム)と連携しWebマーケティングに強みを持つHubSpotなど。
つまりCMSを導入することで、Webサイト運営が格段に効率化されるだけでなく、セキュリティ強化やマーケティング施策の実行など、ビジネス支援機能も手に入れられるのです。
SEOが現代のマーケティングに必須な施策ということもあり、多くのCMSは標準でSEO機能を搭載しています。CMSの主なSEO機能は以下の通りです。
このようにCMSを活用することで、コーディングの知識がなくてもSEO対策ができるようになります。CMSの選択次第では、SEOに関する専門知識がなくても、効率よくサイトの検索エンジン順位を上げられます。
WordPressは、世界中で最も利用されているオープンソースのCMSであり、その多機能性と柔軟性から広く支持されています。
WordPressにはSEO対策を支援するためのプラグインが豊富に用意されており、これらを活用することで効果的なSEO対策を行えます。以下は、代表的なSEOプラグインです。
【All in One SEO Pack】
All in One SEO Packは、WordPressのSEOプラグインの中でも特に人気の高いプラグインです。このプラグインは、タイトルタグやメタディスクリプションの自動生成、XMLサイトマップの作成、内部リンク設置の自動化、見出し分析など多岐にわたる機能を提供します。初心者でも使いやすく、インストール後の設定も簡単です。
【Yoast SEO】
Yoast SEOは、コンテンツの最適化に強みを持つプラグインです。
本プラグインはリアルタイムでコンテンツのSEO評価を表示し、キーワードの使用頻度や内部リンクの追加、読みやすさの評価などの改善点を提案します。そのため、SEOに基づいたコンテンツ制作を容易に行えます。
また、XMLサイトマップの生成、メタデータの管理、パンくずリストの管理などの基本的なテクニカルSEO機能も備えています。
【Rank Math】
Rank Mathは、初めてAIを活用したSEOプラグインです。高精度のAIがSEOフレンドリーなコンテンツを作成するため、コンテンツ制作にかかるリソースを大幅に軽減できます。
また、ランキング調査、Google Search Consoleとの連携、SEO分析と改善の提案、リッチスニペットのサポートなど、多彩な機能を提供します。インターフェースが使いやすく、設定も簡単に行えるため、初心者にも適しています。
WordPressそのものは無料で利用できますが、追加のSEOプラグインには費用が発生する場合があります。
プラグインの選定に際しては、自社のニーズに合ったものを選び、コストと効果をしっかりと比較検討することが重要です。
ここでは、SEO対策機能が充実しているおすすめのCMSを紹介します。これらのCMSを利用することで、SEO対策を効率的に進め、検索エンジンでの上位表示を目指すことができます。
出典:Wix
Wixは、ドラッグ&ドロップの直感的な操作でWebサイトを簡単に作成できるCMSで、特に初心者にとって使いやすいプラットフォームとして高い人気を誇ります。
Wixで作成されたサイトは、検索エンジン向けの基礎構造がしっかりと整えられているため、インデックスされる時間が短縮されるのです。さらに、WixはテクニカルSEOに優れており、画像ファイルの自動圧縮やXMLサイトマップの自動作成・更新、メタタグの自動生成など、SEO効果を高めるための機能が豊富に備わっています。
特筆すべきは、業種やキーワードに基づいた独自のSEOチェックリストを提供している点です。このチェックリストは、SEO対策の改善点を具体的な改善案とともにステップ形式で説明してくれるため、効率的にSEO対策を進めることができます。
HubSpotのContent Hubは、CRM(顧客関係管理)やマーケティング機能を備えたCMSです。Webサイトの構築から運用、さらには集客からリード創出まで一貫して行えます。
まずHubSpotの優れている点は、直感的な操作ができることです。上記画像の通り、左側で必要な要素を選び、ドラッグ&ドロップ操作でページを自由にカスタマイズできます。
HubSpotには無料と有料プランがあり、無料プランでは主に下記機能の利用が可能です。
さらに、基本的な顧客関係管理やMarketing HubのEメール、フォーム設置、ウェブチャットなどの機能も利用できます。
有料プランに加入すると、さらに高度な機能が提供されます。
たとえば自社サイトのURLを入力するだけで、HubSpotのクローラーがWebサイト全体をスキャンし、40項目以上の項目に基づいてテクニカルSEOの改善ポイントを示す機能。
また、トピッククラスターを効率よく作成できるのは魅力的です。上記画像の通り、ピラーページで狙うキーワードを入力すれば、クラスターコンテンツのキーワード候補とその検索ボリュームが表示されます。SEO入門者の方でも効率よくコンテンツ戦略の立案を行えるでしょう。
その他、詳細なSEO分析やスケジュール管理など豊富な機能が搭載されています。Content Hubを導入すれば、Webサイトの構築からSEO対策、さらにはSEOで獲得した見込み客を商談までへと効率よく導けるようになるのです。
出典:シックス・アパート
シックス・アパートが提供する「Movable Type」は、国内5万サイト以上の導入実績がある商用パッケージ型のCMSです。小規模サイトから大企業、政府機関まで、さまざまな規模や用途のWebサイトで利用されています。
Movable Typeの大きな特長は、コンテンツを体系的に構造化して保存できる点にあります。これによりコンテンツの編集や再利用が容易になるだけでなく、検索エンジンがサイトの情報を適切に把握しやすくなります。結果として、自サイトが検索結果で上位に表示されやすくなるのです。
さらにMovable Typeは、APIを介してWebサイトだけでなく、アプリやデジタルサイネージなどのデジタルチャネルにもコンテンツを配信できます。ユーザーに合わせた最適なチャネルで情報を届けられるため、効果的なマーケティングが可能です。
加えて、静的ページの生成機能を備えているため、トラフィックが増えてもサーバーへの負荷が軽減されます。アクセス集中時のパフォーマンス低下を防げるのが大きなメリットです。
このようにMovable Typeは、検索エンジン最適化、マルチチャネル配信、セキュリティ面でも高い機能を備えており、さまざまな要件を満たすCMSと言えるでしょう。
出典:はてなブログ
はてなブログは、オウンドメディア運営に特化したCMSで、初心者でも簡単に使えるのが大きな特長です。操作画面が直感的なため、マニュアルなしでコンテンツの作成や更新が可能。CMSを初めて使う方でも、スムーズに運用を始められるでしょう。
また、はてなブログでは高品質なサポート体制が用意されているのも大きな魅力です。
サイト構築からコンテンツ制作まで、幅広い支援を受けられます。自社で企画は立てつつ、実際の執筆作業をはてなブログに依頼するなど、柔軟なスタイルが可能です。自社のリソースを効率的に活用しながら、質の高いコンテンツを安定供給できるのです。
初心者でも簡単に運用でき、SEO対策機能も充実、さらにコンテンツ制作もサポートしてくれる、こうした点がはてなブログの大きな強みと言えるでしょう。
オウンドメディアのSEO対策は、大きく分けて「外部SEO」「テクニカルSEO」「コンテンツSEO」の3つに分類できます。
外部SEOとは、他サイトからの被リンク獲得を目指す施策です。しかし、被リンク獲得は自社でコントロールできないため、外部SEOは難易度が高くなります。一方のテクニカルSEOとコンテンツSEOは、自社サイト内の最適化を行う対策です。
初めはテクニカルSEOとコンテンツSEOから着手し、地道にこの2つの対策を継続していくことをおすすめします。コンテンツの質が高まり、サイトが検索エンジンフレンドリーになれば、自然と被リンク獲得も進むでしょう。
SEO対策を効率的に実施するには、SEOに強いCMSの導入が有効な選択肢です。CMSさえ適切に設定されていれば、SEOの専門知識がなくてもテクニカルSEOとコンテンツSEOに取り組めます。
まずはオウンドメディアの基盤作りから着手し、継続的な対策を心がけましょう。そうすれば、着実にオウンドメディアの価値向上につながるはずです。
渋谷 真生子
株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。