LP(ランディングページ)は、購入・申し込み・会員登録などの成果(コンバージョン/CV)を得ることを目的に、情報を1ページに集約したウェブページです。
主な目的は、訪問者をリード(見込み客)へと転換することであり、例えばeBookや無料トライアルなど、訪問者が興味を持つコンテンツと引き換えにコンタクト情報を取得します。企業は、得られた情報をもとに、ユーザーの購買意欲を高め、次の行動へと導くアプローチを行います。
顧客の関心に応じてLPを作成し、マーケティング戦略に取り入れることで、多くの有望なリードを営業チームに引き渡すことが可能になります。
Ascendが2020年に実施したデジタルマーケティング計画に関する調査では、デジタル戦略を最適化するための取り組みとして、54%の人が「生成されるセールスリード数の増加」を、49%が「顧客獲得数の増加」を最重要目標として挙げています。
引用:New Research: Digital Marketing Plans for 2020|Ascend2
LPはこうした目標を達成する手段であり、リードを創出し顧客数を増やすための重要なマーケティング戦略の一つといえます。
しかし、単にLPを作るだけでは効果につながりにくく、各要素が連携して初めて成果につながります。LPで成果を上げるためには、効果的な構成作りが欠かせません。
この記事では、効果的なランディングページの構成について、ファーストビュー・ボディ・クロージングの3つの要素に分けて詳しく解説し、成果を上げるためのポイントと、参考にすべきLPの事例もご紹介します。
まずは、LP(ランディングページ)の基礎を理解しておきましょう。ここでは、LPの定義と作成する必要性、一般的なLPの種類について解説します。
LP(ランディングページ)には、広義と狭義の2つの意味があります。
広義では、ユーザーが検索結果やウェブ広告、SNS・メルマガなどを通じて、「最初に訪れるページ」を指します。一方で、狭義のLPは、一つのCTA(コール・トゥ・アクション)を持つ独立したウェブページを意味します。
なお、本記事では後者の狭義の意味を対象として説明します。
LPの主な目的は、リードの獲得やコンバージョン(購入・申し込み・登録など)の達成です。必要な情報を、縦長の1ページのウェブページにまとめる形式が一般的です。
LPは多くの場合、ウェブ広告のリンク先として設定され、広告をクリックすると表示されるページとして利用されます。
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LPは訪問者に特定の行動を促すために必要です。
例えば、「商品購入」「サービス登録」「ニュースレターの購読」などが目的として挙げられます。一つのLPで、一つの目的に限定してしてされるため、効果測定や改善がしやすいことが特徴です。
通常、LPにアクセスするユーザーは、Google検索やデジタル広告、文章中心の記事LPなどを経由してたどり着きます。これらのユーザーは、商品に対してある程度の興味を持っているため、LPを最適化することで、高いコンバージョン率が期待できます。
また、LPは一般的に縦長のレイアウトになっており、伝えたい情報を順序よく伝えることが可能です。
LPの例)Hupro|株式会社ヒュープロ
必要な情報を順序立てて簡潔に提供することで、読者の購買意欲を高めることができます。
また、複数ページで構成される自社サイト内で商品を紹介した場合、ユーザーが目当ての商品を見つけて購入するまでに手間がかかります。しかし、LPは特定の商品に焦点を当てているため、ユーザーは目当ての商品、情報に迅速にアクセスしやすくなります。
そのため、特定の商品を紹介してコンバージョンを促進したい場合には、LPが適しているといえます。
さらに、Googleマイビジネスの名称に場所やキーワードを含めることで、ユーザーの目に留まりやすくなり、リードの創出が期待できます。
実際に、法務マーケティングを提供するniftyが、米国の50大都市圏にわたる5つの業界の上位ランキングのウェブサイトから収集したデータによると、通常の検索とGoogleマップの両方に対してLPのSEO対策を行うと、両方の検索結果に表示される可能性が48%へと高まることが示されています。
これらの理由から、LPを作成する必要性は高いといえます。
LPの種類は大きく分けて、オプトインLPとセールスLPの2つに区分できます。
セールスLPは、商品やサービスの注文や問い合わせなどのCV(コンバージョン)を獲得することに特化した縦長のページです。
セールスレターや通販カタログに似た構成を持ち、化粧品や健康食品、情報商材、ファッションアイテムなど、さまざまな商品の販売促進に使用されます。
セールスLPのイメージ)田毎屋
引用:旬の野菜セット定期便
一方でオプトインLPは、メールアドレスの取得やLINE登録など、顧客リストを取得するためのLPです。「オプトイン(opt in)」とは、ユーザーが情報を受け取ることや個人情報の利用に対して、「許可・承諾」の意思表示を行うことを意味します。
オプトインLPでは、商品やサービスに関心を持っているユーザーに対して、さらに詳細な情報を提供することを目的としています。
オプトインLPのイメージ)RaiseTech
引用:RaiseTech
LP(ランディングページ)のコンバージョン率を向上させるには、ユーザーがLPに訪れた目的や心理に沿った構成作りが重要です。
HubSpotの年次イベント「INBOUND 2019」で基調講演を行ったMarcus Sheridan氏によると、Eメールスパムや個人情報の利用に関する顧客の不安を解消する要素をLPに取り入れた結果、フォームのコンバージョン率が80%向上したという実験結果が得られたそうです。
ユーザー心理に沿った構成のLPを設計するためには、「ファーストビュー」「ボディ」「クロージング」の3つの主要な構成要素に分けて考えると理解しやすくなります。ここでは、それぞれのパートの目的や含まれる要素について解説します。
ファーストビューは、ユーザーがLPに訪れた際に最初に目にする部分であり、求めている情報がこのページにあると伝える役割を果たします。
ユーザーがページを読み続けるかどうかは、一般的には3秒で判断され、直帰率(1ページしか見ずに離脱する割合)は70%以上に達することもあるといわれています。
そのため、ファーストビューではサイトの目的や価値を明確に伝え、ユーザーが次のセクションへ進むよう誘導することが求められます。
具体的には、以下のような要素を組み込むと効果的です。
ファーストビューはLPのメッセージやコンセプトを伝える重要な役割も担っているため、ユーザーの目を引く短いキャッチコピーや印象に残るアイキャッチ画像を用いて、強調したい主要なポイントを簡潔に伝えることが重要です。
また、ファーストビューには、訪問者に即座に行動を促すためのCTA(Call To Action)ボタンを設置することも大切です。さらに、フォームを設けることで、ユーザーがすぐに申し込みや登録などの具体的なアクションを起こしやすくなります。ファーストビューでこれらの要素を効果的に組み合わせることで、コンバージョン率を高めることが期待できます。
ボディは、LPの中で示すオファーが、ユーザーにとってどのように役立つかを伝える重要なセクションです。このエリアでは、ファーストビューで示した魅力的なオファーを補強し、信頼を得るための要素を盛り込む必要があります。
ボディに含まれる主な要素は、以下の通りです。
自社商品・サービスの特徴や競合との差異化ポイントを強調し、ユーザーの興味を引きつけることが大切です。この時、具体的なデータや統計を用いて、提供する価値をより説得力のある形で強調することがポイントです。
また、単にメリットや特徴を並べるのではなく、ユーザーの問題をどのように解決できるか、ユーザーが得られるベネフィット(恩恵)を具体的に示すことが求められます。
情報を視覚的に理解しやすくするために、画像やグラフなどのビジュアル要素を積極的に活用することも効果的です。
クロージングは、ユーザーが最終的な決断を下すための最後の後押しとなる部分です。このセクションでは、商品やサービスの「簡便性・希少性・特典・保証」などを強調し、訪問者に「今すぐ行動しなければならない」という意識を持ってもらうことが重要です。
同時に、訪問者が持つ疑問や不安に先回りして対応することで、安心して次のステップに進んでもらう必要があります。
クロージングには、以下の要素が含まれます。
ファーストビュー、ボディと読み進めてきたユーザーが、最終的に抱く可能性のある不安を払拭するために、FAQや実際の利用者の声を提供し、信頼感を高めることが大切です。
また、効果的なCTA(Call to Action)を再度提示することで、具体的なアクションを促すことが可能です。
LP(ランディングページ)のファーストビューは、ユーザーがページに訪れて最初に目にする画面領域であり、その後のアクションに大きな影響を与える重要なエリアです。
ファーストビューの構成では、ユーザーの興味を引きつけ、信頼感を醸成した上でアクションを促すような設計を目指す必要があります。
ここでは、ファーストビューの各要素が示す意味や必要性、ポイントを解説します。
キャッチコピーは、LPのファーストビューで最初に目に入るテキストであり、ユーザーの注意を引き、ページ全体のメッセージを簡潔に伝える役割を果たします。
魅力的で説得力のあるキャッチコピーを設置することで、ユーザーがページに留まり、読み進めていくモチベーションを高めることができます。
キャッチコピーを考える際には、提供する商品やサービスの価値を瞬時に伝え、ユーザーに「これが自分に必要なものだ」と感じさせることが重要です。例えば、ターゲット層に響くフレーズを含めることで共感を得やすくし、具体的な数値を含めることで印象に残り、ユーザーの行動をより効果的に促進できます。
キャッチコピーの例)LetroStudio|アライドアーキテクツ株式会社
引用:LetroStudio
「権威づけ」は信頼性を高めるための要素であり、LPの信頼感を向上させる役割を果たします。例えば、専門家の推薦やメディア掲載実績、受賞歴などが挙げられます。
LPのファーストビューで権威づけを行うことで、ユーザーは提供される情報やオファーが信頼できるものであると認識しやすくなります。
企業の受賞歴やメディアでの取り上げ、専門家の推薦などがある場合は、ファーストビューで明示すると良いでしょう。さらに、認証マークや統計データなどの具体的な証拠を示すと、視認性も向上します。
この時、「多くの方に愛用されています」「大人気商品です」「○○の効果があります」「たくさんの人に使われています」といった抽象的な表現だけでは、ユーザーの信頼を得ることは難しいでしょう。
一方で、例えばビジネスセミナーのLPの場合、「Forbesに掲載されたビジネスコンサルタントが直接指導」などの権威づけを行うことで、信頼感を醸成できます。
ただし、具体的なデータを提示することは証拠として効果的ですが、データを示す際には、そのデータの根拠も明示する必要があります。
例えば「満足度○%」という情報があった場合、そのデータを収集した対象者・時期・調査方法なども合わせて説明しなければ、信頼性が損なわれる恐れがあります。
特に、医薬品・医薬部外品・化粧品・医療機器・再生医療等製品に含まれる成分の効果を証明する場合には、以下のような薬機法に則った記載をすることが定められています。
ファーストビューで適切な権威づけを行うことで、ユーザーに対してより強力な説得力を持つLPを構築できるでしょう。
権威づけの例)株式会社アルマード
メインビジュアル(アイキャッチ画像)は、ファーストビューの中でもっとも目を引く画像や動画であり、ユーザーに第一印象を与える要素の一つです。
視覚的な要素として、商品やサービスの魅力を伝える重要な役割を担い、ユーザーの目を引き、ページの内容への関心を高められます。
画像のクオリティは、LP全体の印象を左右します。高品質で関連性の高い画像を使用することで、訪問者の好奇心を刺激し、ページに留まる時間を延ばす効果が期待できます。
また、画像を利用することで、テキストだけでは伝えにくい情報を直感的に理解してもらうことも可能です。ビジュアルを通じて、商品やサービスの使用シーンやメリットを示すことで、ユーザーの想像力を刺激できます。
さらに、動画コンテンツも効果的です。実際に、ファーストビューに動画を組み込むことで、コンバージョン率が向上することが報告されています。niftyの調査によると、上位ランディングページの25%が動画コンテンツを活用しており、関連性の高い動画を埋め込むことでコンバージョン率が向上したというデータもあります。
また、米国のWyzowl社の2023年後半の統計では、動画マーケティングを実施している担当者の90%が良いROI(投資収益率)を得たと回答していることが分かっています。
CTA(Call To Action)ボタンは、ユーザーに具体的なアクションを促すためのボタンであり、ファーストビューの中でも重要な要素の一つです。
広告やファーストビューを見た段階で購入や申し込みを決定するユーザーもいるため、すぐに見つけられるファーストビュー内にCTAボタンを配置することが重要です。
CTAの周辺に表記される10文字程度の短いテキスト文は「マイクロコピー」と呼ばれ、情報を簡潔かつ効果的に伝え、ユーザーの行動を促すために有効です。例えば、「今すぐ購入」や「無料トライアルを始める」など、明確なアクションを示す言葉を使用すると良いでしょう。
さらに、心理的トリガーとして「限定」や「今だけ」といったフレーズを使うことで、ユーザーに緊急性を感じさせ、行動を促進する効果が期待できます。
例えば、オンラインコースのLPの場合、「今すぐ無料体験を開始する」といったCTAボタンを目立つ色で配置し、ユーザーの注意を引くといった活用方法があります。
また、ボタンが視覚的に目立つように、色やサイズにも工夫が必要です。周囲の色と対比するカラーを選定し、クリックやタップをしやすいサイズに調整すると良いでしょう。
CTAボタンによってユーザーに行動を促すためには、視覚的に目立ち、直感的に理解できるデザインと、明確かつ誘導的なメッセージが求められます。CTAボタンの配置やマイクロコピーの工夫を通じて、ユーザーが迷わず次のステップに進めるよう工夫しましょう。
CTAボタンの例)HubSpot
引用元を加工して作成:HubSpotノウハウ無料ダウンロード資料
フォームとは、ユーザーがウェブページ上で情報を入力し、送信できる画面のことを指します。ファーストビューにフォームを組み込むことで、ユーザーはページに訪れてすぐに情報を入力することが可能です。
フォームを設計する際には、できるだけシンプルな設計を心がけ、入力項目を最小限に抑えることがポイントです。長すぎるフォームは、ユーザーの離脱を招く恐れがあります。
実際に、株式会社ニュートラルワークスが実施した「問い合わせ・資料請求フォームに関する実態調査」によると、75.5%の人が「フォーム入力中に離脱した経験がある」と答えています。また、そのうち2人に1人(54%)が「入力必須項目が多すぎること」を離脱の理由として挙げています。
また、入力しやすいよう、フォームの各フィールドに対して入力例や説明を追加し、ユーザーが迷わないようにすることも求められます。不要な情報や複雑なレイアウトを避け、シンプルで使いやすいフォームを設置し、ユーザーがスムーズにアクションを完了できるようサポートすることが重要です。
フォームの例)株式会社100
LP(ランディングページ)のボディは、ファーストビューとクロージングの間の部分を指し、訪問者に対して商品の魅力や価値を伝える重要なセクションです。
ここでは、ボディの「問題提起」「商品やサービスの説明」「顧客の声・事例・ロゴ(Social Proof)」「エビデンスの提示」の4つの要素について詳しく解説します。
LPのボディにおける問題提起は、ユーザーが直面している問題や悩みを明確にする部分です。このセクションは、訪問者が問題に共感し、その問題に対する解決策を求める気持ちを引き出すために欠かせません。
LPのファーストビューから読み進めてきたユーザーに対し、抱えているであろう課題を示すことで、「このページは自分の問題を解決するかもしれない」と感じてもらう効果があります。
広告などからLPへ遷移してきたユーザーの中には、自分の課題や悩みを認識していない「潜在層」も含まれるため、課題を認識してもらい、コンテンツを読む動機を与える役割も担います。
この時、問題を具体的に示すことで、訪問者が自分の状況に当てはまると感じやすくなります。一般的な問題提起よりも、よりターゲットに合った具体的な状況を描写することがポイントです。
問題提起の言葉やトーンは、ユーザーの感情に訴えるものにすると良いでしょう。例えば、「こんなことに困っていませんか?」という形で、ユーザーの心に響く言葉を選びましょう。
さらに、視覚的要素も活用し、問題提起を強調するための関連画像やイラストを使用すると、視覚的にユーザーの注意を引くことができます。
問題提起の例)森永乳業
問題提起の次のセクションでは、提供する商品やサービスの特徴や利点についての詳細な説明を掲載します。
商品やサービスの説明は、ユーザーがその商品やサービスを利用することで得られるメリットや解決策を理解するために不可欠です。説明が不十分だと、ユーザーは商品に対する信頼性を感じられず、購入や申し込みに至るまでのプロセスがスムーズに進まなくなってしまいます。
具体的には、商品の機能・特徴・メリット・他社との差異点などを詳しく説明し、ユーザーに価値を伝える必要があります。
機能を説明する際には、単なる機能の列挙ではなく、どのようにユーザーの問題を解決するのか、「ベネフィット」を強調することが重要です。ベネフィットとは、ユーザーがその商品やサービスを利用することで得られる具体的な利益や改善点を指します。
例えば、あるダイエットサプリメントの場合、「成分Xが含まれている」とするのではなく、「成分Xが含まれていることで、体重管理が容易になり、自信を持って健康的な体型を維持できる」といった形で、どのようにユーザーの生活が改善されるかを示すと良いでしょう。
また、専門用語や難しい言葉を避け、分かりやすい言葉で説明することも重要です。誰でも理解できるようにすることで、ユーザーの不安を取り除くことができます。
LPのボディにおける「顧客の声、事例、ロゴ(Social Proof)」は、商品やサービスに対する信頼性を高めるための要素です。
他のユーザーのレビューや成功事例、利用企業のロゴなどを示すことで、新たなユーザーに対して「多くの人が信頼している」という印象を与えることができます。
マイボイスコム株式会社が2023年に実施した「ネット上の口コミ情報」に関する調査によると、商品やサービスを購入・利用する際にインターネット上の口コミを参考にする人は、合わせて55.1%に上りました。
口コミ情報を信頼していると回答した人は約4割であり、一方で信頼していないと回答した人は1割強、どちらともいえないと答えた人は約4割強でした。つまり、口コミを信頼する人が大きく多いという結果です。
引用:マイボイスコム株式会社のプレスリリース|PR TIMES
ユーザーが他の人の意見や経験に基づく社会的証明は、商品やサービスの信頼性を判断するための材料となります。特に、初めて商品やサービスを利用するユーザーに対しては、他の人のレビューや実績が重要な決定要因となるケースも多いです。
顧客の声や実績を掲載する場合、商品やサービスを導入したことで「どう変わったのか」「どんな結果が得られたのか」を詳しく示すことで、信頼性が高まります。
例えば、美容製品のLPであれば、「○○さんが3カ月でこんなに肌が変わった」というビフォー・アフターの事例や、人気美容ブロガーの推薦コメントを掲載することが考えられます。
企業目線での商品アピールよりも、第三者の意見や実績が信頼性を高めるため、読者に信頼されやすくなります。
また、複数の体験談を掲載することで、心理学的な「バンドワゴン効果」により、多くの人に選ばれているという安心感を提供できます。
体験談を掲載する際には、体験談に登場する顧客の属性や背景を詳しく紹介することで、読者が自分と重ね合わせやすくなります。体験談の内容を具体的な数値や結果を用いて示すことで、信憑性を高めることができます。
なお、社会的証明を活用する際には、虚偽の証拠を作成しないことが重要です。もし顧客が情報の虚偽に気付いた場合、信頼を失い、回復には長い時間がかかる可能性があります。
また、大手企業のロゴや受賞歴を掲載することも、信頼性向上に役立ちます。ただし、ロゴを使用する際は、許可を得て正しく表示するよう注意しましょう。
顧客の声や事例は、テキストだけでなく、ビジュアルで表現することでより印象に残ります。レビューのスナップショットや成功事例の写真を活用すると効果的です。
事例や顧客ロゴ掲載の例)AdobeMarketoEngagement
エビデンス(evidence)とは、元々医療や学術の分野で使用される用語であり、「根拠」を意味します。ビジネスシーンでは、「根拠」「証拠」「裏付け」といった意味で用いることが一般的です。
エビデンスの提示は、商品やサービスの効果や信頼性を証明するための部分となります。LPのボディに加えることで、科学的なデータや研究結果、専門家の意見などを用いて、商品やサービスが実際に効果を発揮することを示すことが可能です。
ユーザーは商品やサービスの効果や信頼性に対して疑問を抱くことが多いため、エビデンスを提示することで疑問を解消し、信頼感を高めることができます。
エビデンスを掲載する際には、信頼性の高いデータや研究結果を示すことが重要です。データの出所や調査機関についても明記する必要があります。さらに、医師や研究者など、権威のある専門家の意見や推薦を掲載することで信頼性が増します。
また、データや研究結果をグラフやチャートで視覚的に示すことも、ユーザーが理解しやすくなるためおすすめです。
例えば、ダイエットサプリメントのLPであれば、「○○大学の研究で○○%の減量効果が確認された」や「医師が推奨するサプリメント」といった具体的な証拠を提示することが考えられます。
エビデンスを提示している例)インナーリフティア ザ リキッド|ポーラ
LP(ランディングページ)のクロージング部分は、ユーザーが最終的にアクションを起こすための重要な要素です。ここでは、ユーザーの疑問を解消し、行動を促進するために必要な要素について解説します。
FAQ(Frequently Asked Questions)は、ユーザーが抱える可能性のある疑問や不安を事前に解消するためのセクションです。LPのクロージング部分にFAQを含めることで、ユーザーが最終的な決断を下すための後押しとなる効果が期待できます。
質問には明確で端的に回答することで、製品やサービスへの信頼性を高め、ユーザーが安心してアクションを起こしやすくなります。
質問事項は事前にアンケート調査などを実施してリサーチを行い、ユーザーからよく寄せられる質問や懸念点に基づいたFAQを作成します。これにより、実際のユーザーの不安に応えられるようになります。
FAQの回答は、簡潔かつ必要な情報を十分に含める必要があります。また、専門用語は避け、一般的な言葉で説明することが重要です。
よくある質問のリストは見やすく整理し、必要な情報をすぐに探せるようにしましょう。また、折りたたみ形式やアコーディオンメニューを活用することで、LPが縦長になりすぎないようスペースを節約できます。
引用:Square(スクエア)
クロージング部分に設置するCTAボタンの役割は、ページを訪れたユーザーに対して最終的なアクションを促すことです。「購入」「申込み」「資料請求」といったコンバージョンを完了するための重要な要素といえます。
クロージングのCTAボタンは、視覚的に目立つようにデザインすることが重要です。色やサイズ、形状を工夫し、背景やページのデザインとコントラストをつけてユーザーの目を引くようにしましょう。
また、ボタンに使うコピーは具体的なアクションを促すものにする必要があります。例えば、「今すぐ無料で試す」「詳細を確認する」「申し込みはこちら」といった文言が効果的です。
さらに、CTAボタンがクリックされた後のユーザー体験の説明をすることもおすすめです。ボタンをクリックした後、ユーザーがどのような画面に遷移するのか、どのような手順が待っているのかをあらかじめ説明しておくことで、ユーザーが安心してアクションを起こしやすくなります。
例えば、「カートへ追加する」「支払いページへ移動する」など、CTAボタンがクリックされた後の手順をイメージできるよう説明しておくことで、ユーザーは不安なく次のステップに進みやすくなります。
成功しているLP(ランディングページ)は、ユーザーの興味を引き、信頼を築いた上で、最終的にはコンバージョンを達成しています。
ここでは、Netflix、LinkedIn、Amazon、Spotifyの各サービスがどのようにLPを活用しているのか、それぞれの特徴や工夫について具体的に解説します。参考にできるポイントがあれば、ぜひ取り入れてみてください。
引用:Netflix
映画・ドラマ・アニメ・ドキュメンタリーなどのコンテンツを提供する定額制のストリーミングサービス「Netflix」のLPの構成は、画像を多用したデザインと、シンプルかつ効果的なCTAが特徴的です。
ファーストビューとボディでは、豊富なビジュアルコンテンツを使用して、ユーザーの興味を引いています。大きなメインビジュアルには、人気の作品や新着コンテンツが映し出され、コンテンツの豊富さを印象づけています。
これにより、訪問者は直感的にサービスの価値を感じることができます。
NetflixのLPでは、シンプルなメッセージが用いられています。「今すぐ始める」や「無料トライアル」といった簡潔な文言で、ユーザーに具体的なアクションを促していると考えられます。これにより、訪問者は迷うことなく、すぐにアクションを起こすことができます。
また、黒色をバッググラウンドカラーとしたLPの中心に配置された、赤い「今すぐ加入」などのCTAボタンは、視覚的に目立ち、ユーザーの注意を引いています。色やサイズが際立っているため、ユーザーが自然にクリックするよう誘導する効果が期待できます。
NetflixのLPの構成は、特にエンターテイメント業界やメディアコンテンツのプロモーションで参考になるでしょう。ストリーミングサービスのほか、オンライン教育プログラムなど、視覚的に魅力を伝えたい商材に適しています。
引用:LinkedIn
ビジネス特化型SNSの「LinkedIn」のLPの構成では、プロフェッショナルなイメージを強調し、ネットワーキングやキャリア構築に役立つ機能をアピールしていることが特徴的です。
求職者や企業が利用するメリットを具体的に示し、成功事例や信頼性を強調することで、訪問者に対して即時のアクションを促しています。
また、フラットデザインのイラストを採用することで、プロフェッショナルなイメージと具体的なメリットを伝えています。ビジネス向けのイメージを強調するため、クリーンでシンプルな色使いや洗練されたフォントが使用されており、ユーザーに信頼感を与えています。
ファーストビューには簡単なフォームが設置されており、メールアドレスとパスワードを設定するだけで登録できます。
クロージング部分にも「今すぐ開始」という明確なCTAボタンがあり、サービスの主要機能や利点を簡潔に紹介した後に、訪問者が次のステップへと進みやすくなっています。
LinkedInのLPの構成は、BtoB領域やネットワーキング、求人情報など、ビジネス向けの商材に適しています。特に、ユーザーのキャリアアップやビジネス成長に焦点を当てる業界や商材で参考にできるでしょう。
引用:Amazon
ショッピングサイト「Amazon」のLPの構成は、ユーザーの購買意欲を高めるための戦略的なレイアウトが特徴的です。
ファーストビューでは人気のアイテムがスライドショー形式で紹介されており、最新のアイテムを知ることができます。
商品ページでは関連商品や推奨商品が表示され、ユーザーが興味を持ちそうな他の製品を簡単に見つけられるようになっています。これにより、クロスセルやアップセルの機会を生み出し、売上増加の効果が期待できます。
ページの最上部のへの部分には、検索ボックス、ログインオプション、アカウント情報へのアクセスが設置されています。
ボディでは、ページを3つの列に分けた3カラムレイアウトが採用されており、テーマやカテゴリーごとに商品を取り上げて紹介しています。商品の詳細情報や高品質な画像が豊富に提供されており、ユーザーが商品の状態や特徴を把握できるようになっています。
個別の商品ページやプロモーションページには、購入ボタンや「カートに追加」ボタンが目立つ位置に配置されています。ボタンの色やサイズが強調されており、ユーザーがアクションを起こしやすいように設計されています。
AmazonのLPの構成は、Eコマースやオンラインショッピングの領域で参考になるはずです。特に、商品情報を詳細に伝え、ユーザーの購買意欲を高めることが求められる商材に適しています。
引用:Spotify
音楽ストリーミングサービスの「Spotify」の有料プラン「プレミアム」への加入を訴求しているLPとなります。
画像とセクションをうまくを活用しプレミアムプランの利点を一目見て理解できるように整理されています。
設置されたCTAは「プレミアムプランに加入する」という内容ではなく、あえて「3ヶ月無料で試す」とすることによって読み手へのベネフィットの訴求がうまくできているでしょう。
SpotifyのLPのスタイルは、音楽ストリーミングサービスやエンターテイメント関連の商材に最適です。ユーザー体験を強調し、サービスの魅力を視覚的にわかりやすく伝えることが求められる業界で参考になるでしょう。
LP(ランディングページ)の成果を最大化するためには、訪問者の注意を引き、行動を促す要素を適切に配置することが重要です。ここでは、効果的なLP作成のためのポイントを解説します。
LPの目的は、訪問者を特定のアクションへ導くことです。そのため、LPの導線はシンプルで分かりやすいことが求められます。
そのためには、不要なリンクを排除し、訪問者が迷うことなく目的の情報に到達しやすい構成にすることが重要です。
LPに他のウェブサイトやサイト内のページへのリンクが含まれていると、訪問者が目的からそれてしまう恐れがあります。
特にナビゲーションバーなど、通常のウェブサイトに見られるリンクは、訪問者がLP上でのアクションに集中する妨げとなるため、不要なリンクは極力設置しないことがポイントです。
LPの構成設計では、ストーリー性の要素が重要です。ストーリー性のある構成を意識することで、ユーザーが情報を自然に受け入れ、最終的なアクションを起こしやすくなります。
ただし、LPにおいては小説のような「起承転結」ではなく、「結起承転」の構成が推奨されます。
【結(Conclusion)】
LPの冒頭に「結」を配置することで、ユーザーにもっとも重要な情報をすぐに伝えることができます。結論から始めることで、ページを訪れた瞬間に「何が提供されているのか」「どのようなアクションを取るべきか」をすぐに理解できます。
【起(Introduction)】
「結」での興味喚起の後に、「起」部分で関心を引くための情報を提供します。ここでは、訪問者の問題やニーズを認識させる要素を盛り込みます。
【承(Development)】
「承」では、ユーザーが直面している問題やニーズに対して、どのようにオファーが解決策を提供するかを詳しく説明します。この段階で、製品やサービスの詳細な特徴や利点を説明し、具体的な情報を提供します。
【転(Turning Point)】
最後の「転」では、訪問者に具体的なアクションを促す要素を配置します。ここでは、訪問者が次に取るべき行動を明確にした上で、CTAを設置します。
例えば、下記のようなLPの構成が参考になるでしょう。
引用:ピアッザ
ピアッザは、地域イベントや生活情報の交換、不要品の売買を通じて、人と人を「ありがとう」でつなぐ地域SNSアプリです。
サービス紹介動画や利用者の声など、ストーリー性のあるLPの構成により、コロナ禍で対面の地域活動が制限されていた中で、展開エリア拡大の実現したサービス開発の背景が見えてきます。
ストーリー性を持たせることで、訪問者は情報を単なる説明ではなく、感情的な体験として受け入れることができ、結果的にコンバージョンにつながることが期待できます。
LPをウェブ広告の受け皿として利用する場合は、広告で提示された情報やオファーと、LPの内容が一致していることが不可欠です。
ユーザーが広告をクリックしてLPに到達した際に、広告で見た内容とLPで提供される情報が一致しないと、訪問者の信頼を失う恐れがあります。広告が提供する価値やメリットが、LP上でも明確に示されていることが求められます。
また、広告のデザインやビジュアルスタイルとLPのデザインが一致していることも重要です。広告で使われていた色やフォント、イメージがLPにも反映されていると、訪問者はよりスムーズにLPの内容を受け入れやすくなるでしょう。
実際に、Google広告では、広告の関連性やLPの品質が品質スコアに影響するものとされています。広告からLPへのトランジションが一貫していると、Googleの品質スコアが向上し、広告の掲載順位が上がる可能性があります。
さらに、広告からLPへのスムーズなトランジションを確保するためには、広告内で使用した文言や提案されたアクションとLP内の要素を一致させることも重要です。例えば、広告で「今すぐ登録」で提案していた場合、LP上のCTAボタンにも「今すぐ登録」など、同じアクションを示す文言を使用することで、一貫性を保つことができます。
このような一貫性があると、ユーザーは迷わずにアクションを起こしやすくなり、コンバージョン率の向上にもつながります。また、一貫性のあるトランジションは、ユーザーの期待に応え、広告とLPの間に無駄な混乱や不安を生じさせないため、ユーザーエクスペリエンスの向上にも寄与します。
LP(ランディングページ)の主な目的は、訪問者をリード(見込み客)へと転換することですが、単にLPを作成するだけでは成果を得ることは難しいケースが多いです。
LP運用で効果を上げるためには、LPの「ファーストビュー・ボディ・クロージング」の3つの要素を組み合わせた構成が重要です。
成果を出すには、不要なリンクを排除し、ストーリー性を持たせ、一貫性を保つことが大切です。これらのポイントを押さえ、ご紹介した具体的なLPの例も参考にした上で、効果的なLPの構成設計を進めましょう。
渋谷 真生子
株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。