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ランディングページ(LP)とホームページ(HP)の違いは?それぞれの特徴と目的を解説

ランディングページ(LP)とホームページの違いは?それぞれの特徴と目的を解説

「ランディングページとホームページの違いは何だろう」「自社はどちらを作成すべき?」こんなお悩みはありませんか?

ランディングページとホームページは、どちらもWebページであることには変わりありません。しかし、両者には目的やターゲットなどに明確な違いがあります。作成の際は、それぞれの特徴をしっかりふまえて自社に最適なページを選択することが大切です。

本記事では、ランディングページとホームページの違いを、それぞれの特徴や目的に基づいて詳しく解説しています。実際のページを例にしながら解説を行うため、業績アップに向けてWebページの作成をお考えの方はぜひ参考にしてください。

ランディングページ(LP)とホームページ(HP)とは

ランディングページとホームページの違いを理解するうえで、まずは両者の定義や役割を明確化しておくことが大切です。以下では、ランディンクページとホームページの概要をそれぞれ解説します。

ランディングページ(LP)とは

ランディングページ(LP)という用語には、広義の意味と狭義の意味があります。広義の意味では、検索結果や広告をクリックした訪問者がはじめに着地(landing)するWebページ全般のことを指します。

一方、狭義のLPとは、訪問者を「問い合わせや商品購入などのアクションに誘導すること」に特化したページのことです。WebマーケティングにおけるLPは狭義の意味で用いられることが一般的なため、以降は狭義のLPについて解説していきます。

LPには、「リードジェネレーションLP」と「クリックスルーLP」の2種類があります。

リードジェネレーションLPとクリックスルーLP

リードジェネレーションLPは、ダウンロード資料やウェビナーなど「無料の価値ある情報」を提供することと引き換えに、「フォーム」を設置してユーザーの連絡先情報を求めるLPです。

kyozon LP出典:kyozon

上図のように、資料のメリットや特典をアピールして「資料ダウンロード」ボタンのクリックを促し、個人情報を入力するフォームに遷移させることが特徴です。

それに対してクリックスルーLPとは、売上向上へ直接的につながるアクションを促すための、以下のようなLPを指します。

TBC LP

出典:TBC

実績や期間限定情報など、見込み客を惹きつける訴求力の高い情報を盛り込み、予約や購入を促すCTA(行動喚起)ボタンを多数設置していることが特徴です。

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ホームページ(HP)とは

ホームページ(HP)は、製品や企業にまつわるさまざまな情報を掲載したWebページの集合体です。「ブランドのオンライン本部」とイメージするとわかりやすいでしょう。

HPが果たしている主な役割は以下のとおりです。

ホームページ(HP)が果たしている役割一例として、住宅メーカー「積水ハウス」のHPを見てみましょう。

出典:積水ハウス

「個人」「法人」「オーナー」など、複数のステークホルダーに向けた情報提供の役割を担っていることがわかります。HPは企業のあらゆる情報を包括し、さまざまな目的をもって運用されていることが特徴です。

ランディングページ(LP)とホームページ(HP)の大きな違い

LPとHPの大きな違いは「目的」と「ターゲット」です。この2つが明確に異なることによって、両者にはさまざまな違いが生じています。以下では、LPとHPの相違点を深掘りして解説します。

目的

LPの目的は、訪問者に「資料請求」「問い合わせ」「購入」などのアクションを起こしてもらうことです。最終的な成果であるコンバージョン(CV)を得るために作成・運用されます。

一方、HPの主な目的は情報提供です。企業情報や人材募集、製品・サービス案内など、ユーザーが知りたがっている情報を網羅的に提供し、企業の認知度やブランド力の向上に役立てます。

このように、両者には根本的な目的の違いがあるため、構成される要素にさまざまな違いが生じます。

ターゲット

LPのターゲットは「見込み客」です。製品・サービスの価値を訴求するうえで、見込み客の具体的な人物像(ペルソナ)を描いてターゲットに好まれるデザインやレイアウトを採用します。

HPのターゲットは顧客だけではなく、取引先や求職者、投資家などの「ステークホルダー」です。LPと異なりターゲットが複数になるため、ステークホルダーが求める多様な情報を掲載する必要があります。

ランディングページ(LP)とホームページのそれぞれの特徴

LPとHPには、目的とターゲット以外にも違いがみられます。以下では、それぞれの特徴を「CTA」「ナビゲーション」「構成要素」「ページ数」に焦点を当てて確認していきましょう。

Call-to-Action (CTA)

Call-to-Action (CTA)とは、Webサイトへ訪問したユーザーを具体的な行動へ誘導することです。ボタンやテキストを用いて、以下のようなアクションをユーザーへ促します。

  • 製品・サービスの購入
  • 資料請求
  • ホワイトペーパーのダウンロード
  • 問い合わせ
  • SNSのフォロー
  • ウェビナー参加申込み
  • メルマガ購読

LPのCTAは、通常1つであることが特徴です。1ページに数種類のCTAは設置されず、以下の例のように、ただ1つのゴールへとユーザーを導きます。

出典:HubSpot

一方、HPには複数のCTAがあります。さまざまな目的をもつのがHPの特徴なので、CTAもユーザーのニーズにあわせて複数設置されることが一般的です。

HubSpot HP

出典:HubSpot

ナビゲーション

HP ナビゲーションバー

出典:100

どのようなHPにも見られる「ナビゲーションバー」は、ユーザーを別のページに遷移させるリンクのリストです。これにより、ユーザーは求めている情報をWebサイトのなかから見つけ出すことができます。

LPには、基本的にナビゲーションバーを設置しません。配置されるリンクはCVにつながるページに限定されており、「購入」「資料請求」「問い合わせ」など、ユーザーに求めるアクションへの誘導のみが盛り込まれます。

このような構造にする理由は、ユーザーの選択肢を絞り、決断を後押しするためです。人は選択肢が多いほど決断しづらくなる傾向があるため、LPではユーザーの意識を逸らすような要素をできる限り排除しています。

構成要素

HPを構成しているWebページは、主に以下の要素から成り立っています。

HPの構成要素

出典:Apple

 

基本的に、どのページからでも目的とするページへ遷移しやすい構造になっていることが特徴です。

一方で、LPは以下の3つのエリアから構成されています。

LPの構成要素

出典:HubSpot

 

このように、LPは集客からアクション誘導までを単一ページで行える設計になっています。営業トークをWebページで再現した構成になっていると考えればわかりやすいでしょう。

ページ数

HPは複数のページから構成されているのに対し、LPは独立した1ページで成り立っていることが特徴です。

HPは、さまざまな情報を提供することを目的としています。「会社案内」「製品紹介」「採用情報」などをわかりやすく整理するために、複数のページに分けて構成されるのです。

一方、LPは1つのゴールに対してユーザーを誘導する目的があるため、特定の製品・サービスに特化した内容になっています。たとえば「問い合わせ」を促すLP、「製品購入」を促すLPなど、目的の数だけLPは存在します。

上記で述べたとおり、LPには「ファーストビュー」「ボディ」「クロージング」の3つのパートに必要な情報をすべて掲載するため、縦長の1ページで構成されることが一般的です。

ランディングページ(LP)とホームページそれぞれのメリット、デメリット

LPとHPには、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。メリットだけではなく、デメリットも把握することでWebページを効果的に運用する秘訣が見出せるでしょう。

ランディングページ(LP)のメリットとデメリット

LPには、大きく以下のようなメリットがあります。

  • コンバージョン率の向上が見込める
  • ユーザーの離脱を抑制できる
  • 柔軟にテストや改善ができる

LPは、HPと比較して設置されるリンクが少ないため、ページ移動で発生するユーザーの離脱を抑制可能です。リンクが少ないということは、他ページとの関連性が薄くなることを意味します。そのため、HPよりも変更やリニューアルを気軽に行えることもメリットです。

「どのような訴求が効果的なのか」を検証するためのテストも実施しやすく、ユーザーのニーズにマッチしたページを作り上げやすくなります。結果として効率的に製品・サービスを訴求できるようになるため、コンバージョン率(CVR)の向上が見込めるのです。

ただし裏を返すと、リンクを排除していることによってLPの直帰率(全訪問数のうち他のページを見ずにサイトから出る割合)は極めて高くなります。1ページでユーザーの心をがっちり掴まなければ、思うような効果を得られないことがデメリットだといえるでしょう。

ホームページのメリットとデメリット

HPは複数のページで構成されていることから、製品・サービスの詳細や事業内容、会社概要など、多様なステークホルダーへのアピールポイントを余すところなく掲載できます。企業の認知度やブランド力の向上を狙えることが、HPならではのメリットでしょう。

また、HPはインターネット上での集客にも役立ちます。LPよりもSEO対策を施しやすいため、検索結果で上位表示を狙うことで集客を自動化できるのです。

HPのデメリットには、主にコスト面が挙げられます。複数のページから構成されているHPは、LPと比較して制作費が高額になることが一般的です。加えて、サーバーやドメイン料金などのランニングコストも発生します。

さらに、HP運用にはノウハウが必要になるため、自社で賄えない場合は運用を外注する必要があるでしょう。作成から運用に至るまで、LPよりもコストがかさむことがデメリットだといえます。

ランディングページ(LP)とホームページそれぞれ向いているケース

LPとHPのどちらを作成すべきか迷ったときは、以下を基準として判断しましょう。

LPが向いているケースとHPが向いているケース

どのようなケースなのかを以下で具体的に解説します。

ランディングページ(LP)が向いているケース

LPの作成が向いているのは、以下のようなケースです。

  • 費用をおさえたい場合
  • 特定の目的がある場合
  • 効果測定と改善を繰り返すことができる場合

LPは1ページで構成されている性質上、HPよりも安価に作成できることが一般的です。作成を外注することを検討していて、費用を抑えることが優先事項の場合はLPを選択しましょう。

また、Webサイトの運営目的が「問い合わせ数を増やしたい」「優良な見込み客の情報を集めたい」など、1つに特定されている場合は、訴求力の高いLPが適しています。

ただし、LPは作成して終わりではなく、公開後に効果検証・改善を繰り返していくことで初めて効果を発揮します。はじめからユーザーのニーズにバッチリはまるLPを作成することは難しく、ユーザーの反応を確かめながら徐々に完成度を高めていく必要があるのです。

そのため、効果的なLPを作成するためには、効果検証・改善のPDCAサイクルを絶えず回していくためのリソースを確保する必要があります。

ホームページが向いているケース

以下のいずれかに該当する場合は、HPの作成が適しています。

  • 多様な種類の情報を発信したい場合
  • 企業の認知度やブランド力向上を図りたい場合
  • ユーザーとの関係強化を図りたい場合

「製品・サービスの紹介」「会社案内」「採用情報」など、発信したい情報の種類やターゲットとするユーザー像が複数存在する場合は、HPを選択しましょう。

1ページのLPに複数の情報を詰め込んでしまうと、ユーザーは求めている情報を探し出すのに苦労し、ページから離脱してしまいます。HPは複数のページから成り立っているため、アピールしたい情報を漏らさずに掲載しつつ、ユーザーの利便性も確保できるのです。

さらに、作り込まれたHPには企業の信頼性を高める効果があります。社長メッセージや企業の歴史などをあわせて紹介すれば、ブランディングにも貢献するでしょう。

ブログやSNSへのリンクを設置することで、ユーザーとのコミュニケーション強化も可能です。いずれも効果が出るまでは長期的な目線が必要になりますが、じっくり腰をすえて企業の価値を高める取り組みに注力したい場合は、HPを選択することをおすすめします。

ホームページとランディングページの例

ここからは、企業の実際のWebページを視覚的に確認しながら、HPとLPの特徴を比較していきましょう。ここまで解説した違いや特徴などをふまえて解説していきます。

RIZAP株式会社(ボディメイク事業)

はじめに、「結果にコミットする」のキャッチコピーで有名なパーソナルトレーニングジム、RIZAPのHPとLPを紹介します。

HPの上部ヘッダーにはナビゲーションバー、その下にはメインビジュアルが配置されており、構成要素のパートで解説したとおりの構成となっています。

出典:RIZAP

トップページには複数のリンクが設置されており、「トレーナー」「トレーニングメソッド」「栄養管理」などを紹介するページに遷移できます。アピールポイントに対してそれぞれ専用のページが用意されているため、HPを見るだけでRIZAPが提供するサービスの全体像を十分に把握できることが特徴です。

出典:RIZAP

続いてLPを見てみましょう。RIZAPは、ペルソナによってLPを使い分けています。以下は、「運動が苦手でボディメイクへの意識があまり高くない女性」をペルソナにしたLPです。

出典:RIZAP

 

親しみの湧く色使いやマンガを用いた解説で、筋トレや食事制限に苦手意識のあるターゲットの疑問や不安を解消する構成になっています。

もう1つのLPは、「本気でダイエットをしたい」と考えているペルソナに向けた以下のページです。数あるトレーニングジムのなかからRIZAPを選ぶ理由や、ダイエットを成功に導く秘訣など、ペルソナの納得感を得ることでアクションを促す仕掛けになっています。

出典:RIZAP

 

このように、ペルソナによって訴求する内容やデザインを変えることは、LP作成・運用の重要なテクニックです。どちらのページも情報量は比較的多いものの、ターゲットをCV(=無料カウンセリング)へと導くCTAを複数箇所に設置することで、ユーザーを特定の行動喚起に集中させています。

RIZAPのLPは、別ページへつながるリンクを排除していること、特定のペルソナに向けた内容になっていることなど、HPとの違いがわかりやすい事例だといえます。

HubSpot Japan株式会社(SaaS販売)

続いて、世界的なCRMベンダーであるHubSpotのHPとLPを紹介します。

HPはHubSpotのテーマカラーであるオレンジを基調に、シンプルで伝わりやすいデザインを採用。上部のナビゲーションはスクロール時も固定され、ユーザーが目的とするページへ遷移しやすいよう工夫されています。

出典:HubSpot

ページの表示時には、ユーザーの疑問をすばやく解決するためのチャットボットが立ち上がります。たとえば、ソフトウェアのページを表示した際はそのソフトウェアについての疑問を、料金表を表示した際はプランに関する疑問を解決するための質問を投げかけてくれるのです。

出典:HubSpot

 

ユーザーの利便性を第一に考えた構成になっている点が、HubSpotならではといえるでしょう。

続いてLPを見てみましょう。LPも非常にシンプルな構成で、見込み客の連絡先情報を入手するための「フォーム」を設置しています。

出典:HubSpot

 

フォームの入力項目は最小限に絞られており、アクションを起こそうと思っているユーザーの決断を鈍らせません。

HubSpotのLPに訪問するユーザーは、すでに「デモの申込み」や「資料請求」などに前向きです。そのため必要以上に煽ったり、余計な情報を掲載したりせず、ユーザーのアクションを静かに後押しする構成となっています。

サイボウズ株式会社(グループウェア販売)

最後に、業務アプリ作成や社内コミュニケーションに役立つクラウドサービス「kintone」を提供する、サイボウズ株式会社のHPとLPを紹介します。

HPは、図や画像を多く用いることでテキストの分量を抑えており、視認性が良いことが特徴です。トップページをスクロールすると「仕組みを知る」「料金表をみる」などのリンクが、一目でわかりやすいイエローで設置されています。ユーザーがストレスなく目的のページへ遷移できる工夫といえるでしょう。

出典:kintone

 

実際にkintoneの使用感を確認できる画面体験や、わかりやすくサービスを紹介する動画など、プロダクトをアピールするコンテンツが豊富に用意されています。このように、魅せたいコンテンツが複数ある場合でも、情報を整理しながら訴求できる点がHPのメリットです。

kintoneのLPは複数存在しますが、以下で紹介するものは資料のダウンロードをゴールとして設計されています。設置されているCTAは、すべて「事例集ダウンロード」に統一されており、全体をとおした訴求内容もユーザーをゴールへ導くための布石となっています。

出典:kintone

 

kintoneのLPは、上記で紹介した2社のLPと異なり、別ページへのリンクが設置されています。

出典:kintone

 

ユーザーにとって「事例集のダウンロード」以外にも選択肢があるため、CVへ導く訴求力は他2社のLPよりも低いと言えるでしょう。

ただし出口が設けられているぶん、本来であれば直帰する(他のページを見ずにサイトから出る)はずの関心が低いユーザーにも、サイト内を回遊してもらえる可能性が高まります。

LPの種類や内容によっては、kintoneのようにあえて出口を設置する戦略が有効な場合もあるでしょう。しかし、CVRの向上を最優先に考える場合は、「他ページへのリンクを排除する」「訴求するCTAは1つにしぼる」を基本としてLP作成を行うことをおすすめします。

まとめ

LPとHPは、作成する目的やターゲットが大きく異なるため、使いどころをふまえて上手に使い分けることが大切です。本記事で紹介した内容を参考に、どちらのWebページが自社に適しているのかを見極めてみてはいかがでしょうか。

LPとHPの効果を実感するためには、公開後の定期的な更新や効果検証が欠かせません。運用に必要なリソースを加味しつつ、専用ツールの活用も検討しながらWebページの作成を進めていただけますと幸いです。

渋谷 真生子

株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。

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