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ホームページ(HP)とは?作成ステップやウェブサイトとの違いなど解説

ホームページとは?作成ステップやウェブサイトとの違いなど解説

ホームページの重要性は増しています。かつては企業からのチラシやCM、セールスパーソンなどが顧客にとっての情報源でした。しかし、インターネットとスマートフォンの普及により、顧客は能動的に情報収集できるようになったのです。

実際にアライドアーキテクツが実施した調査「生活者の購買行動におけるUGC影響度調査 2022」によると、商品・サービス購入前の情報探索は「検索エンジン」が46%で1位でした。もし自社のホームページを開設していなければ、ネットで情報収集する顧客に自社を見つけてもらえず、大きな機会損失が生じます。

しかし、ホームページの重要性は理解していながらも、「そもそもホームページとは?Webサイトとは違うの?」「作成手順がわからない」と悩む方は多いです。

そこで本記事では、ホームページ作成を検討している方に向けて、ホームページの基本やメリット、作成手順、おすすめの作成ツールなどをご紹介します。

ぜひ本記事を参考に、魅力的なホームページを作成し、新たな顧客との関係性を構築していただければと思います。

ホームページ(HP)とは

ホームページとは、インターネット上に公開されたサイトのことです。自社製品の販売や情報発信、求職者の募集などさまざまな用途で利用できます。まずは、ホームページの定義、WebページやLP(ランディングページ)などとの違いを見ていきましょう。

ホームページ(HP)の定義

ホームページの定義はどのようなものでしょうか。ポータル辞書の先駆けであるgoo辞書によれば、「ウェブサイトのトップ(最上位)のページ。またはウェブページ自体の総称。本来は、ブラウザーを利用して閲覧する最初のウェブページのこと」と定義されています。

つまり、ホームページには主に以下3つの意味があるのです。

  • 企業や個人などのWebページで最初に閲覧されるページ(トップページ)
  • Webサイト全体
  • ブラウザを開いたときに一番初めに表示されるページ

NHK文化放送研究所によれば、インターネットが普及する過程で、ホームページがWebサイト全般を指すようになり、ニュースや情報番組でも「ホームページ=Webサイト=Webページの集合体」の意味で使用されるようになったとのことです。

本記事でも、Webサイトの意味合いでホームページを解説していきます。

Webページとの違い

前の項で解説した通り、ホームページとはWebページの集合体です。わかりやすく例えるなら、ホームページは図書館、Webページは図書館内にある書籍といえます。図書館が多様な書籍や資料を体系的に整理して提供する場所であるように、ホームページもさまざまなWebページを通じて情報やコンテンツを整理し、訪問者に提供する「情報の宝庫」です。

ホームページのイメージ図(ホームページのイメージ図)

ただし、Web業界においてはホームページはトップページ、いわゆるWebサイト上で一番最初に表示されるページの意味合いで使用されることがあります。ホームページの方が一般的に使用されている現状を踏まえると、Webサイト=ホームページ、Webサイトのトップはトップページと使い分けるとよいでしょう。

コーポレートサイトとの違い

コーポレートサイトとは、企業が自社の広報活動を目的とし、さまざまな情報を網羅的に掲載したWebサイト全体を指します。主な掲載情報は以下の通りです。

  • 企業概要や理念、沿革
  • 事業内容や取り扱い製品・サービスの紹介
  • 最新のニュースやプレスリリース
  • 株主・投資家向けの IR(インベスター・リレーションズ)情報
  • 採用情報や求人案内

このようにコーポレートサイトは、既存顧客や投資家、パートナー企業、求職者をターゲットにしています。

一方、ホームページは自社の広報活動の宣伝だけが目的ではありません。そのため、製品情報やブログ、無料ツール、事例記事などさまざまな情報が網羅的にまとめられています。コーポレートサイトとホームページを別々に作成する企業もありますが、ホームページの中にコーポレートページを含めるのが一般的です。

株式会社100 ホームページ

たとえば、私たち100(ハンドレッド)は1つのホームページに、サービスやブログ、会社情報、採用情報などをまとめています。

Sansan株式会社 ホームページ

出典:Sansan株式会社

一方、クラウド型名刺管理ツールを提供するSansan株式会社は、会社情報やIR情報などをまとめたコーポレートサイトを作成し、別途他のサイトで製品詳細をしています。

ブログとの違い

ブログとは、個人や企業が情報を発信するWeb記事の集まりを示します。Web log(ウェブログ:ウェブ上の履歴)が派生して「ブログ」という単語が誕生したといわれています。

元々は個人が自分の考えや生活を日記風につけていましたが、顧客がWeb上で情報収集するようになったため、現在では多くの企業が自社製品やノウハウに関するブログ記事を発信し、潜在顧客との接点を構築しています。

ブログもまたホームページの構成要素です。しかし、製品や企業情報などを載せず、情報発信のみをしているホームページをブログと呼ぶこともあります。

 LP(ランディングページ)との違い

LPとは、EメールのリンクやWeb広告をクリックした後に、訪問者が着地(Landing)するページです。

LP(ランディングページ)の例

出典:HubSpot

LPとホームページの主な違いは目的にあります。上記画像はCRM(顧客関係管理)を提供するHubSpotのLPです。LPの目的は、訪問者に対して特定の行動(コンバージョン)を起こしてもらうことです。

画像のLPでは、CRMツールの無料トライアルへの申し込みを促す内容になっています。キャッチコピー、説明文、CTAボタンなど、全ての要素がコンバージョン向上のために徹底的に設計されています。余計なリンクは排除され、ページ全体が行動喚起に特化しているとわかります。

LPがコンバージョンに特化している理由は、訪問者の大半が顕在層だからです。顕在層とは、製品やサービスへの関心が高く、購入意欲がある層を指します。たとえばCRMツールのLPを訪れた人は、すでにCRMの必要性を認識しており、具体的な製品を検討する準備が整っている状態です。そのため、コンバージョン喚起に特化したLPが最適なのです。

HubSpot(ハブスポット)ホームページ

出典:HubSpot

一方、ホームページの想定訪問者は顕在層だけでなく、潜在層や既存顧客も含まれます。つまり、製品やサービスを認知していない層、関心はあるが検討段階ではない層などが訪れるため、ホームページではサイト全体を包括的に案内し、徐々に興味関心を高めながら適切なコンテンツへと誘導する必要があるのです。

ホームページを作成するメリット

総務省の「令和4年 通信利用動向調査」によれば、91.8%の企業がホームページを開設しています。それでは、なぜ9割以上の企業がホームページで情報発信をしているのでしょうか。ここからは、ホームページを作成する4つのメリットをご紹介します。

見込み顧客自ら見つけてもらえる

インターネットとスマートフォンの普及により、顧客が検索エンジンやSNSなどのWeb上で情報収集するようになりました。実際に博報堂の調査によれば、顧客の60.6%は商品の情報収集に検索エンジンを利用しているとのこと。

多くの方が、SNSやテレビなどで気になった製品サービスの詳細をスマートフォンで検索して調べた経験があるのではないでしょうか。自社のホームページがインターネット上に存在することで、顧客が検索エンジンやSNSを通じて自然と見つけてくれる機会が格段に増えます。

たとえば、ある人がGoogleで検索をした際、自社のホームページが上位に表示されれば、その人は自発的にサイトを訪問し、製品や会社を知ることになります。

SNSでリンクが拡散された場合も同様です。つまり、ホームページがあることで、広告やプロモーションを行わずとも、新たな顧客発掘のきっかけを作ることができるのです。見方を変えれば、ホームページを所有していなければ、大きな機会損失につながるリスクが生じます。

会社に対する信頼を醸成することが可能

会社を知ってもらうためには、インターネット上に会社の情報を載せたホームページが欠かせません。

株式会社プラストの調査によると、ホームページがあるだけで8割近くの人がその会社を信頼できると感じているそうです。ただし、作ったホームページをほったらかしにしていると、かえって信用を失ってしまう可能性があります。半数近くの人が「更新されていないページを見ると、本当に営業しているのか不安になる」と答えているのです。

ホームページには、会社の概要や製品・サービスの詳しい説明、代表からのメッセージ、顧客の声など、会社を知ってもらうための大切な情報がたくさん載せられます。これらの情報をわかりやすく発信することで、会社の考え方や取り組みが伝わり、見る人から信頼してもらえるようになります。

また、最近では会社を知りたいときにまずインターネットで検索する人が多いです。検索して、会社のホームページが見つからないと、「本当にその会社は存在するのか?」と不安に思われてしまう場合もあります。きちんとしたホームページを作ることで、会社の存在感やプレゼンスが高まり、確かな信頼を築くことができるのです。

データを取得し活用することができる

ホームページにはユーザーの行動を解析するための「アクセス解析ツール」を導入できます。

Googleアナリティクスなどのツールを利用すれば、ホームページへの訪問者数や滞在時間、よく見られているページ、どこからアクセスされているかなど、詳しいデータを手に入れることが可能です。これらのデータを上手に活用すれば、マーケティング活動を改善できます。

たとえば、ユーザーがよく見ているページの内容を充実させたり、あまり見られていないページの使いやすさを良くしたりといった対策ができます。特定の製品ページが人気なら、その製品の詳細を追加したり関連製品を強化したりして、さらにお客様の関心を引き付けられるかもしれません。

さらに、ユーザーがどのような経路でホームページにたどり着いているかを知ることで、マーケティング施策を見直すヒントが得られます。検索エンジンからの流入が多ければ、検索に強いサイトを作る工夫が大切ですし、SNSからの流入が多ければSNSでのプロモーションに力を入れるべきでしょう。

このようにホームページからのデータを活用すれば、よりユーザー目線のマーケティングができるようになります。

コスト削減につながる

ホームページは費用をかけすぎなくても、24時間365日お客様と接点を持てる有効なツールです。たとえば、全国にテレビCMを流すとなると多額の費用が必要になりますが、ホームページなら比較的リーズナブルな費用で世界中に情報を発信できます。

また、ホームページに顧客を集めるための工夫をすれば、コンテンツを見た人から直接問い合わせが入ってくるようになります。一度作ったコンテンツは長期間に渡って効果を発揮し続けるので、コストパフォーマンスが良いです。この性質上、ホームページのコンテンツは企業資産と呼ばれることが多々あります。

さらに、わかりやすく使いやすいホームページを心がければ、大掛かりなリニューアルをしなくても十分に機能するため、作り直しのコストを抑えられます。

このように、ホームページは比較的低コストで顧客とつながるプロモーションツールとして活用できます。費用対効果が高いため、マーケティングの主力ツールとして重宝されています。

ホームページの種類

ホームページと一口に言っても、その種類は多岐にわたります。以下に主なホームページの種類をまとめましたので、ホームページ制作のご参考にしてください。

HP(ホームページ)の種類

ホームページの種類によって、最適な設計やデザインなどは異なります。まずはホームページの目的を明確にしたうえで、適切な種類を選択するようにしましょう。

ホームページ作成の5ステップ

ホームページを作るとき、適切な手順を踏まないとリスクが高まります。公開後に大がかりな修正が必要になれば、余計な時間とお金がかかってしまいます。そこで、ホームページ作成の正しい手順をご説明します。

ホームページの作成ステップ

ステップ1:企画

ホームページ作成で最も重要なのが企画といっても過言ではありません。適切な企画ができていないと、公開後に大掛かりな修正が必要になり、余計な費用と時間がかかってしまうリスクがあります。

企画においては、ホームページの作成目的やターゲット、コンセプトなどを明確にしましょう。

【目的の設定】

ホームページの主な目的としては、ブランドのプロモーション、製品・サービスの販売拡大、リード獲得、採用、コミュニティ構築などがあげられます。一般的に、Webサイトの目的は1つにとどまりません。

たとえば、新たに投入する製品の売り上げアップが目的ならば、ホームページで製品認知度の拡大をしながら潜在顧客を集めつつ、潜在顧客を顧客に転換する。そのために、SEOや製品紹介ページ、事例記事の作成に取り組むなどの施策が考えられます。

このように、全社目標もしくはマーケティング部門の全体目標を考慮し、その目標達成のためにホームページがどのように貢献できるかを考えます。

【ペルソナの作成】

ホームページのターゲットとなる利用者層を明確にすることも重要です。幅広い層に訴求しようとすると、メッセージが弱まり、期待した効果が望めません。自社に関連したユーザー層を絞り込むようにしましょう。

そのためには、ペルソナ(理想の顧客モデル)の作成が有効な手段となります。ペルソナには、単に年齢や性別、職業などの属性だけでなく、興味関心、価値観、課題などの詳細な情報も設定します。そうすることで、ターゲットユーザーが具体的に可視化され、適切なコンテンツやメッセージの方向性が定まってくるのです。

【コンセプト設計】

目的とターゲットを踏まえ、ホームページ全体のコンセプトを設計します。ペルソナに合わせたトーンやメッセージ、提供する情報、デザインの方針などを検討します。さらに競合サイト調査、予算・スケジュール管理なども行いましょう。

このようにペルソナの設定、明確な目的の定義、全体コンセプト設計を行うことで、次のステップに進む上での確かな基盤が構築できます。徹底した企画こそが、成功するホームページ作りの出発点となる重要なプロセスなのです。

ステップ2:ホームページサイト設計

企画段階で設定したペルソナ、目的、コンセプトに基づき、具体的なホームページの設計を行います。ここでは全体の情報設計が中心となります。主に考慮すべき点は以下の4つです。

【サイトマップの作成】

サイトマップとは、ホームページの全体構造を図式化したものです。各ページの階層関係や、ページ間の移動経路、メニューの構成などがまとめられます。

ホームページのサイトマップ例

出典:User Interviews Inc

サイトマップを作成する際は、ユーザーの行動パターンや検索の流れを想定しながら進めます。目的のページにスムーズに到達できるよう、最短ルートを確保するようにしましょう。同時に、関連する詳細情報への誘導経路も用意するなど、ユーザビリティに優れた構造を心がけます。

【ワイヤーフレーム制作】

ワイヤーフレームとは、各ページのレイアウトと情報の配置を設計する図面のようなものです。サイトマップに基づき、1ページずつワイヤーフレームを作っていきます。

HPのワイヤーフレーム例

出典:htmlBurger

具体的には、ヘッダー・フッターの場所、メインコンテンツとサイドコンテンツの位置、ナビゲーションメニューの形状と配置、購入案内ボタン(CTA)の有無など、細かな部分までデザインします。あらゆる角度からユーザーにとって使いやすい構造を追求します。

【システムの設計】

この段階で、ホームページに実装するシステムを選定しましょう。ホームページに実装する主なシステムは以下の通りです。

  • コンテンツ管理システム(CMS)
  • Eコマースシステム
  • 会員制サイト
  • 決済システム
  • チャットボット/FAQシステム

ホームページの目的や提供するサービス内容に合わせて、必要なシステムを選びましょう。選定する際は、機能面の要件はもちろん、セキュリティ、将来の拡張性、運用コストなども考慮しなければいけません。

要件をしっかり明確にした上で、機能、コストパフォーマンス、保守体制など、さまざまな側面から比較検討することが重要です。導入後のカスタマイズ方法やシステム連携の方法なども、あらかじめ検証が必要でしょう。

システムが決まれば、次はデータベース設計、システム間の連携設計、セキュリティ対策の設計など、システム全体の詳細設計に入ります。この段階で運用体制やスケジュールなども検討しておくと、プロジェクトをスムーズに進められます。

ステップ3:デザイン

デザインはホームページの印象を大きく左右する重要な要素です。サイト設計に従って、ホームページの実際のデザインを制作していきましょう。ここからは、ホームページデザインで意識するべきポイントをご紹介します。

【ブランディングに合わせたビジュアルデザイン】

まずはブランドのイメージに沿ったビジュアルデザインを行う必要があります。ロゴやカラーリング、フォントなどのルールを設け、ホームページやLP、ダイレクトメールなど各チャネルで統一された印象を与えられるデザインにしましょう。

特にトップページのビジュアルは、訪問者の第一印象を決める重要なポイントです。魅力的でインパクトのあるデザインを心がけましょう。

使いやすくわかりやすいUI/UXデザイン】

次に、UIとUXの両面から使いやすくわかりやすいデザインを追求する必要があります。UIとは画面の見た目のことで、UXはユーザーの利用体験全般を指します。

UIではシンプルなレイアウト、読みやすいフォントの選定、十分な余白の確保などを意識します。UXでは、スムーズなスクロール体験、直感的な操作性、読み込み速度の最適化などに注力しましょう。

こうしたUI/UXデザインを徹底することで、ストレスなく快適にホームページを閲覧できる環境を実現できます。

【素材とカンプ準備】

まずは素材の準備から始めます。画像素材(製品写真、スタッフ写真、風景写真など)、動画素材(製品紹介動画、イベント映像など)、コピー(キャッチコピー、説明文など)といった素材をそろえる必要があります。これらの素材は、デザインの方向性を決める上でに重要です。事前に十分な素材を用意し、品質と権利関係(写真の肖像権など)にも注意をしましょう。

次にカンプ(レイアウト案)の作成に入ります。素材が集まったら、トップページ、下層ページ(製品紹介、サービス紹介、会社案内など)、フッターデザイン、スマートフォン用レイアウトなどのカンプを作成します。

ワイヤーフレームからラフ案、カンプへと具体化し、複数パターンのカンプを作ることをおすすめします。この段階でサイト構成、ナビゲーション、UIなどを検討し、最終デザインを確定させます。

カンプ作成では、訴求力があるデザイン、使いやすさ、レスポンシブ対応といったポイントを意識することが重要です。経験豊富なデザイナーやプログラマーと連携し、クオリティの高いデザインにするようにしましょう。

ステップ4:実装

デザイン段階で作成されたデザインをもとに、ホームページの実際の制作を行います。ここではコーディングが中心となります。

【コーディングの実施】

ホームページのコーディングでは、HTMLによるマークアップ作業とCSSによるスタイル作業が基本となります。デザインに忠実に再現しつつ、Webアクセシビリティにも配慮したコーディングが求められます。

また、JavaScriptを用いてインタラクションの実装を行うケースもあります。コーディングではパフォーマンスやセキュリティ面にも注意が必要です。

【CMSの選定と導入】

多くのホームページではCMS(コンテンツ管理システム)が活用されています。CMSとは、ホームページを構成する様々なコンテンツ(テキスト、画像、動画など)を一元的に管理・更新できるシステムのことです。

CMSを利用すれば、HTMLやプログラミングの知識がなくても、管理画面から簡単に新しい記事やページを作成・編集できます。コーディングは一切不要で、デザインの設定なども自在に行えるのが特徴です。

企業のホームページは定期的な更新が求められるため、CMSを導入することをおすすめします。主なCMSについては、後ほど詳しく解説するので、ぜひそちらも参考にしてください。

【ページ構築、コンテンツ実装】

サイトマップに基づいてページの構築を行います。コーディングの完了したページにCMSを適用し、実際のコンテンツを実装していきます。ここでは企画段階で設計した情報設計やSEO対策を念頭に置きながら作業を進めます。

また、画像や動画、PDFなどのメディアファイルのアップロードや最適化、Web分析ツールの設置なども行います。データベースの設計や会員制機能の実装なども必要に応じて行いましょう。

【動作テストとトラブルシューティング】

ページを構築する都度、デスクトップ・モバイル端末の両環境で動作チェックを行い、不具合やバグの確認をします。発見した課題については適切に修正を施しましょう。

特に重要なのが、レスポンシブデザインの確認です。端末やブラウザの種類によって、ホームページの表示がどのように変化するかを徹底的に検証します。デザインがきちんと再現されているか、読み込み速度など性能面での調整も忘れずに行いましょう。

このように、ホームページの実装段階では、コーディングとCMSの選定、コンテンツの実装に加えて、動作テストが大きな作業になります。一つひとつ丁寧にチェックを重ね、必要な修正を怠らなければ、見映えも使いやすさも良いホームページが完成するはずです。

ステップ5:公開

ホームページの制作が完了したら、サーバーに公開しましょう。ホームページは公開後も継続的な更新とブラッシュアップが不可欠です。アクセス解析データを分析し、ユーザー動向を把握します。そこから改善点を洗い出し、プラン・デザイン・実装の各段階を経てコンテンツの改修を重ねていきます。

このようなサイクルを継続的に回すことで、ユーザーニーズに沿ったホームページの作成が可能になります。公開は完成に至るスタートラインであり、そこからさらなる改善が始まるのです。

ホームページ作成時やってはいけないこと、注意点

ここからは、ホームページ作成を失敗へと導く3つのやってはいけないことをご紹介します。

ホームページを持つ目的を明確にせずにただ制作を開始する

ホームページを作る上で最も重要なのは、ホームページを持つ明確な目的の設定です。意外なことに、なんとなくホームページを作成している企業は多いです。しかし、目的が曖昧だと、サイトの方向性を失ったり、将来的に大幅なリニューアルに迫られたりするリスクが高まります。

当然ながら、ホームページの改修には多くの時間とコストがかかってしまいます。このような事態を防ぐためにも、企画段階での徹底した目的の明確化が必要です。明確な目的があって初めて、方向性の定まったホームページ作りが可能になります。

ユーザーのニーズを無視したSEO重視のコンテンツ作成

SEO対策は確かに重要ですが、時として過剰な対策が行われてしまうケースがあります。代表的なものが、被リンクの購入やキーワードを不自然に練りこんだ記事作りです。

被リンクの購入は、検索エンジンからペナルティを受けるリスクがあり、長期的な視点に立てば得策とは言えません。また、キーワードの過剰な使用は、かえって読みづらく不自然なコンテンツになり、ユーザーは読みづらさを感じてしまいます。

一時的な検索ランキング向上を目指すあまり、ユーザーファーストの視点を失ってはいけません。

ホームページ運営において何より大切なのは、ユーザーニーズを起点に置くことです。まずはユーザーに役立つ良質なコンテンツ作りを心がけ、検索エンジンの仕組みを踏まえた上で適切なSEO対策を施します。ユーザーがストレスなく読め、求めている情報が適切に得られるコンテンツこそが何より重要なのです。

スマートフォン対応を意識していないホームページ

近年、スマートフォンの普及が急速に進み、Webサイトへのアクセス端末としてスマートフォンが大きなシェアを占めるようになりました。しかしながら、多くのホームページはパソコン向けのデザインで作られており、スマートフォンで閲覧すると画面が小さくて読みにくい、操作性が悪いなど、ユーザビリティが著しく低下してしまう場合があります。

スマートフォンの小さな画面に合わせてコンテンツをきちんと配置し直さないと、テキストが潰れて読めなかったり、リンクのタップが難しくなったりと、使い勝手が悪化します。さらに、スマートフォンではマウスを使わずタッチ操作になるため、そのUI/UXにも対応していないと不便になってしまいます。

こうした問題を解消するには、レスポンシブWebデザインやスマートフォン向けの別ビューを用意するなど、スマートフォン対応を徹底的に意識したサイト設計が不可欠です。スマートフォンユーザーが快適に閲覧できることで、よりサイトに長く留まってもらえ、コンバージョン率の向上が期待できます。

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)でホームページを作る

CMSを活用すれば、ホームページ作成におけるデザインやコンテンツの更新などを大幅に効率化できます。ここからは、CMSについて詳しく見ていきましょう。

CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)とは?

CMSとは、ホームページの構築や更新をサポートするソフトウェアのことを指します。CMSを利用することで、htmlやCSSなどのWebページを記述する言語の知識がなくても、誰でもWebサイトを簡単に作成・編集できます。

CMSには、テキストエディタ機能やファイルアップロード機能、テンプレート機能などが備わっており、ユーザーフレンドリーな管理画面からサイトの運用が可能です。

CMSが登場する以前のホームページ作成

CMSが登場する以前、ホームページを作成するためにはhtmlやCSS、JavaScriptなどの言語を用いてコーディングする必要がありました。

htmlでコンテンツの構造を記述し、CSSでスタイルを指定、JavaScriptで動的な機能を実装するというように、さまざまな技術を組み合わせる高度なスキルが求められました。つまり、プログラミングの専門的な知識が必須となり、一般の人にとってはホームページ作成はハードルが高い作業だったのです。

また、ページの追加や更新の際にも、毎回コーディングをする手間がかかるため、Webデザイナーやエンジニアにサイト制作を委託するのが一般的でした。

CMSを利用するメリット

CMSを利用することで、htmlやCSSなどの知識がなくても比較的簡単にWebサイトを作成・運用できるようになりました。サーバー上で動作するCMSソフトウェアが提供する管理画面から、テキストや画像の配置、ページの追加・編集ができるため、手軽にホームページの構築を行えます。

また、ページのテンプレートが用意されていることが多く、デザインの統一性を保ちやすいというメリットもあります。さらに、CMSには多くのプラグインが用意されており、フォーム機能やSEO対策機能、Eコマース機能、チャットボットなど、ニーズに応じてさまざまな機能を追加できます。

ホームページ作成におすすめのツール

ホームページ作成ツールは多数あるため、どれを選ぶべきかと悩む方は多いでしょう。そこでここからは、初めてホームページ作成をする方におすすめのツールをご紹介します。

Adobe Experience Manager Sites

Adobe Experience Manager Sites

出典:Adobe

Adobe Experience Manager Sitesは、アドビが提供するエンタープライズ向けのCMSです。従来のCMSに加え、マーケティング機能やデジタル資産管理、モバイル対応など、ウェブサイト運営に必要な機能が統合されています。

たとえば、コンポーネント(ページを作成するパーツ)を選択画面から、ドラッグ&ドロップ操作で追加することで、容易にWebページの作成や改善を行えます。マルチチャネル対応、ホームページ分析、パーソナライズ機能などデジタルマーケティングに必要な機能がそろっているのが特徴です。

セキュリティも堅牢ですが、費用が少しばかり高額なため、大企業、大規模なホームページ作成をしたい企業、Adobeの他の製品も活用している企業に向いています。

WordPress(ワードプレス)

WordPress(ワードプレス)

出典:WordPress

WordPressは、世界で最も普及しているオープンソースのCMSです。無料で利用でき、豊富なテーマやプラグインが提供されているため、機能面でもデザイン面でも高品質なホームページを作ることができます。ブログ運営からECサイト構築、会員制サイトの構築など、幅広い用途で活用されています。

カスタマイズ性も高く、プラグインでさまざまな機能拡張ができるのも魅力の一つです。ただし、自由度が高い分、コーディングの知識が求められます。社内にITに精通した人材がいなければ、ホームページ作成に時間がかかる可能性が高いです。

また、WordPressは世界中の企業が利用しているため、サイバー攻撃の標的になりやすい傾向にあります。信頼性の低いプラグインをダウンロードしたり、定期的なアップデートを怠ったりすると、不正アクセスを招くリスクが高いです。

Wix(ウィックス)

Wix(ウィックス)

出典:Wix

Wixは、個人ブログから企業のホームページまで容易に作成できるツール。ドラッグ&ドロップ方式の直感的なUIで、デザインの知識がなくてもプロフェッショナルな見栄えのサイトを作れるのが大きな特徴です。

900種類以上のテンプレートが用意されており、ビジネス、Eコマース、ポートフォリオなど、目的に合わせて選択できます。また、AI機能を使えば、質問に答えるだけでデザインと画像が配置されたホームページが完成します。必要に応じてカスタマイズをすることで、数時間でホームページを作成することも可能です。

Wixで作成したホームページには、ブログやフォーラム、チャットボットなどのアプリを追加し、自社ビジネスに適したホームページに仕上げられます。無料プランは機能が制限されているため、本格的なホームページを構築する場合は、有料プランへの加入を検討しましょう。

HubSpot Content Hub

HubSpot Content Hub

出典:HubSpot

HubSpot Content Hubは、CRM(顧客関係管理)システムと連携したCMSです。業種に合ったテーマやテンプレートを選び、ドラッグ&ドロップ操作で簡単にホームページのカスタマイズを行えます。また、サポートやチュートリアルが充実しているため、入門者の方でも手が止まることはないでしょう。

他のツールと異なる点は、CRMと連携している点です。CRMとは、顧客の属性やコミュニケーション内容など顧客に関するあらゆる情報を一元管理するシステムを指します。HubSpotの場合、ホームページやメール、セールス部門などから収集した顧客情報を一元管理できるため、顧客ひとり一人に適したコミュニケーションを取れるようになるのです。

さらに、ブログやSEO、メールマーケティング、LP、分析などWebマーケティングに必要な機能がすべて備わっているため、HubSpotのみの導入で効果的な施策展開ができます。サーバーの契約や保守は不要であり、セキュリティ体制も世界最高水準です。

まとめ

顧客がインターネット上で情報収集するようになったことで、ホームページの重要性は増しています。ホームページを作成し、自社製品やノウハウなどの情報を発信すれば、顧客に自社の存在を認識してもらえ、徐々に強い関係性の構築が可能です。

ホームページ作成において、最も重要なのが企画です。大幅な修正を避けるためにも、ホームページ運用で達成したい目的とターゲットを定めてから、作成に取り掛かりましょう。また、CMSを導入することで、ホームページ作成から運用・管理まで効率よく行えるため、CMSの導入も検討してはいかがでしょうか。

ホームページは今や企業と顧客を強くつなぐ絆であり、適切な戦略と運用によってビジネスにとって欠かせない重要な役割を果たします。本記事を参考に、魅力的なホームページ作成に取り組んでいただければ幸いです。

渋谷 真生子

株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。

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そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
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