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Webサイトやメールマーケティングにおいて、成果を最大化するためにはA/Bテストが効果的です。実はあの元アメリカ大統領であるバラク・オバマ氏も寄付金支援を募るサイトで500以上の異なるABテストを実施し大きな寄付金を集めることに成功したという話があります。
ホームページやマーケティングアセットを改善し続けることでコンバージョン率を大幅に改善する可能性を秘めたABテストは、一度実施して終わりではなくツールを活用し効率的に実施しPDCAを回していく必要があります。
この記事では、ABテストの概要からHubSpotを活用したABテストの実施方法、HubSpotのABテストが実施できる対象について詳しく解説します。
ABテストとは
ABテストは、異なるバージョンの要素を比較して、マーケティングやプロダクト開発の効果を評価する手法です。この章では、ABテストを実際に実施する際のステップについて詳しく解説します。
ABテストとは
ABテストとは、Webマーケティングやプロダクト開発において、コンバージョン率を最適化する手法の一つです。
AパターンとBパターンのWebサイトやメールをランダムにユーザーに表示し、その結果を比較することで、高い成果を得られるパターンを特定します。ABテストでは、2つのパターンを同時に並行して実施できるため、外的要因の影響を排除して正確な評価が可能です。
例えば、ランディングページにおいて文字を強調したAパターンと画像を多く利用したBパターンを用意し、どちらのコンバージョンが高いかを検証します。
なお、ABテストのパターンは2つとは限らず、3パターン以上で検証する場合もあります。
ABテストの実施方法

出典:HubSpot
ABテストは、以下の4ステップで実施します。
- 仮説を立てる
- ABテストを実行する
- テスト結果を検証し、効果が高いパターンを選択する
- 検証結果からPDCAを回す
それぞれ解説します。
1. 仮説を立てる
最初のステップでは、ABテストで何を検証すべきかの仮説を立てます。
ABテストにおいて仮説は非常に重要な要素です。仮説をしっかりと立てることで、ABテストの方向性が明確となり、その結果を解釈するための基盤となります。
仮説を立てるためにはまず、現状の課題を見つけることが重要です。Google アナリティクスの解析やヒートマップの活用など、現状保持している情報を活用して課題を発見し仮説を立てましょう。
仮説を立てずにABテストを行なってしまった場合、結果の解釈があいまいになってしまったり、テストから効果的なネクストアクションを導けないままになってしまいます。最初のステップとして仮説を立てることは必ずしましょう。
2. ABテストを実行する
次に、明確にした仮説をもとにA/Bテストを実施します。基本的にテストする要素は一つに絞ります。CTAボタンの色の変更、タイトルの文言の変更など、特定の変数が結果にどのように変化をもたらすのかを分かりやすくするためです。
ABテストの実施には、ABテストツールの利用が望ましいでしょう。ABテストは、くり返し行うことでより良い検証結果を得られるようになります。
また、検証結果のリアルタイムデータでの分析ができるようになります。それにより、スピーディにテストを実施できる上、情報配信を自動化できるため効率的なテストの実施が可能です。
3. テスト結果を検証し、効果が高いパターンを選択する
ABテストにより十分なデータが得られた後、結果を検証して効果が最も高かったパターンを選択します。
検証では、仮説が正しかったのか、配信したメールなどの色やデザインはどのような反応だったのかを分析します。ここで重要なのは検証結果を正確に解釈し、その結果をどのように活用するかの戦略立案までをセットで行うことです。
テストの反応や行動パターンの背景にあるユーザー心理を考察し、新たな仮説の立案やその後の改善につなげます。
4. 検証結果からPDCAを回す
一連のABテストが終了した後、その結果につながった理由や、最も効果の高かったパターンの特徴について、その後の施策として横展開します。
例えば、「色を変更したことで良い効果が得られた」「テキスト内容の変更では効果が出なかった」といった結果であれば、「色の変更によりクリック率が上昇する可能性がある」「テキストの内容変更では影響がない」ことを認識できた上で、他の施策を考えられます。重要なのは個人的な感覚ではなく、取得したデータを元に判断することです。
ABテストを繰り返していくことで、より効果のあるクリエティブを選定することができるようになるでしょう。
HubSpot ABテストとは
HubSpotでは、Marketing HubとContent Hubから提供されているABテスト機能を活用することで簡単にABテストを実施することを可能にします。
ABテストに特化したツールは数多く存在していますが、HubSpotの強みはABテスト機能以外にもCRMやMA(マーケティングオートメーション)、フォーム、SEOなどのマーケティング機能も提供している包括的なツールであるという点です。もしCRM機能や他のマーケティング機能の利用もしたい場合はHubSpotの活用がおすすめです。
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HubSpotでABテストできる対象
HubSpotでABテストできる対象は、以下の3つです。
- マーケティングEメール
- LP(ランディングページ)
- Webページ
それぞれについて解説します。
マーケティングEメール
HubSpotにあるマーケティングEメールのABテスト機能を使えば、違いがあるEメールバージョンを作成し、それらをランダムに選ばれた受信ユーザーの一部に送信し、結果を比較できます。
異なる件名、本文、キャッチフレーズ、CTA、送信時刻などの要素をテストしてみましょう。比較できる対象は、オープン率、クリック率、コンバージョン率などです。
Eメールの作成後、バージョンBも作成し、開封やクリックに与える影響をテストしてみましょう。一定期間にわたるそれぞれのバージョン結果を検討し、成功したバージョンを選んで、残りのユーザーに送信します。
ABテストの結果を分析し、最も成功したバージョンを特定した後は、それを本番環境に展開することができます。このプロセスにより、効果的なEメールマーケティング戦略を開発し、成果の最大化が可能です。
LP(ランディングページ)
LPでのABテストでは、同じURLを使用して2つの異なるページのバージョンをテストし、訪問者の50%に1つのバージョンを表示し、残りの50%にもう1つのバージョンを表示します。
異なるデザイン、文章、CTA、フォームなどをテストして、コンバージョン率やクリック率を比較します。それぞれのバージョンのパフォーマンスデータを検討し、より効果的なページを選択しましょう。
Webページ
HubSpotではWebページでのABテストを実施することも可能です。
WebページのABテストでは、ページのヘッダー、フッター、メニュー、コンテンツの配置など、2つのバージョンを用意し、それぞれのパフォーマンスデータを比較しましょう。ページビュー数や滞在した時間、特定リンクのクリック数などのパフォーマンスを測定し、検証します。
HubSpot ABテストが実施できる料金プラン
HubSpot ABテストが実施できる製品は、「Marketing Hub」と「Content Hub」です。
「Marketing Hub」では、ProfessionalとEnterpriseにおいて、LP(ランディングページ)ABテストと、EメールABテストの双方を利用できます。
【Marketing Hub】
「Marketing Hub」では、ProfessionalとEnterpriseにおいて、LP(ランディングページ)A/Bテストと、EメールABテストの双方を利用できます。

【Content Hub】
「Content Hub」では、ProfessionalとEnterpriseにおいて、LP(ランディングページ)やWebページでABテスト(Webページ)のみ利用が可能です。

マーケティングEメールでABテストを行う方法
HubSpotのマーケティングのEメールにおいて、ABテストを行う際は以下のステップで実施します。
- ABテストの目的を明確化する
- ABテストを作成する
- ABテストを設定する
- ABテストを開始する
- ABテストの結果を確認する
それぞれ、画面を用いて分かりやすく解説します。
1. ABテストの目的を明確化する
効果的なABテストを実施するためには、HubSpotでABテストを作成する前に「テストをする目的」を明確にしておくことが重要です。目的が明確でなければ、得られた結果を効果的に活用することができず、無駄な時間を費やしてしまいかねません。
例えば、以下のように目的を整理するとテスト結果を検証しやすく、適切な対応が取れるようになります。
①どのような問題点・課題に対して
②何をどうしたいのか
③そのためのテスト箇所はどこか
④効果測定の指標は何にするか
それでは、以降で実際にHubSpotでEメールのABテストを作成する方法を解説します。
2. ABテストを作成する
HubSpotへログイン後、画面上部の「マーケティング」から「Eメール」へ進みます。

「Eメールを作成」を選択します。

すると、以下の選択画面がポップアップされるので、作成したいタイプを選択します。今回は「通常送信」について解説します。

テンプレートを使用する場合は、さまざま用意されているので、好きなテンプレートを選択してEメールのテンプレートを作成します。

最初に「バージョンA」を作成します。テンプレートを選択して、必要事項を記載します。画面左上の「保存」をクリックします。

続いて、画面左上の「ABテストを作成」をクリックすると下記ポップアップが出現します。バージョンBの名前を選択し、それぞれ下記設定を行います。「作成」をクリックするとバージョンBのメールが作成されます。

左上のプルダウンから、バージョンA、バージョンBそれぞれの編集画面に切り替えをすることができるので、Aバージョン、Bバージョンそれぞれの文面や画像などをそれぞれ調整し編集していきます。

3. ABテストの設定を行う
2つのバージョンを作成した後は、自由にAとBのバージョンを切り替えられます。バリエーションを繰り返し修正しながら、オファーやコピー、Eメール送信者、画像、件名などのさまざまな要素を試すことが可能です。
「保存」の下にあるバージョンAの名前をクリックすると、プルダウンメニューが現れるので「テストを管理」をクリックします。
すると以下の画面がポップアップされます。

「勝利指標」では、測定指標を「開封率」「クリック率」「クリックスルー率」から選択します。

「A/B分布を選択」では、バージョンAとバージョンBの比率を調整します。「A」「B」と、「勝利バージョン」の間にある白い「区切り」をクリックしながら左右へ動かすことで調整できます。

続いて、「テスト期間」を決定します。こちらも「◯」をクリックしながら左右へ移動することでテスト期間を調節できます。

最後に「変更を保存」をクリックします。
4. ABテストを開始する
「送信またはスケジュール」タブをクリックし、受信者の設定を行います。

受信者を設定したら、画面右上にある「確認と送信」をクリックします。
すると以下の画面が現れます。もし設定が不足している場合は「必須フィールドと警告」に記載されるので、指示に従って設定しましょう。

設定漏れがなければ「プレビュー」にてPC画面およびモバイル画面のプレビューを確認します。
テストを行いたい場合は画面常備の「クライアント」をクリックし、テストメール送信先を設定します。「今すぐEメールをテスト」をクリックすればテストメールを送信できます。
テストメールに問題がなければ「送信」をクリックします。

5. ABテストの結果を確認する
Eメールの送信を実施した後は、結果のアウトプットを待ちます。Eメールの詳細ページで、それぞれのパフォーマンスを分析できます。
HubSpotアカウントにて「マーケティング」「Eメール」の順に進み、ABテストのEメール名を選択し、「テスト結果」タブをクリックします。
それぞれ「Aの結果を表示」「Bの結果を表示」をクリックし、「パフォーマンス」タブを選択します。
開封率、クリック率、返信率だけでなく、HTMLクリックマップ、クリックされたリンクの上位、エンゲージメント率が最も高いコンタクト、Eメール表示の滞在時間、エンゲージメントの推移、Eメールクライアントごとの開封数を確認できます。
このようにして、バージョンAとバージョンBのテストを繰り返し比較し、成績の良いバージョンを確立していきます。
まとめ
ABテストは、異なるバージョンの要素を比較して、マーケティングやプロダクト開発の効果を評価する手法です。Webマーケティングやプロダクト開発において、ABテストはコンバージョン率を最適化させる手法の一つです。
HubSpotのABテスト機能を利用することで、誰もが簡単にテストを実行し、PDCAを回すことが可能となります。
EメールやCTA、ランディングページなどのマーケティング資産を、HubSpotを使用して作成することで、さまざまなチャンネルやコンテンツにおいて効果的なマーケティング戦略を検討できるでしょう。