マッキンゼーの調査では、成長スピードの速い企業は、成長スピードの遅い企業に比べ、パーソナライゼーションによる収益が40%も高いと判明しています。MA(マーケティングオートメーション)は、顧客データを分析し、顧客一人ひとりにとって最適なタイミング・チャネルで、最適なコンテンツを提供できるようにします。
数あるMAの中でも、海外で最も選ばれているのがHubSpot。HubSpotのMAは、CRMデータを活用することで、カスタマージャーニーのすべての段階で顧客に合わせたコンテンツを提供します。本記事では、HubSpotのMAの機能やメリット、活用手順、事例、他社MAとの比較などをご紹介します。
HubSpotのMAは、マーケティングおよび営業活動の効率化、自動化を実現するツールです。マーケティング業務を自動化し、顧客一人ひとりにとって、最適なタイミングで、最適なコンテンツを届けられるようになります。まずは、MAの基本知識とHubSpotのMAの詳細を見ていきましょう。
MAとは、マーケティングに関する単純作業やプロセスを自動化するソフトウェアです。見込み客の管理、マーケティングEメールの配信、ソーシャルメディア管理、リードスコアリング、マーケティング施策分析などの機能を備えています。これらの機能を通して、企業はマーケティングの効果を最大化し、顧客に対して最適な情報を提供できるようになります。
HubSpotのMAとは、「Marketing Hub」というハブが提供するマーケティング活動を自動化する機能であり、ワークフローの自動化によってマーケティングはもちろんのこと、セールスやカスタマーサポートなどのさまざまな業務プロセスを効率化します。
HubSpotのMAツールは、全世界でのシェアは約30%にも上り、海外でのMAシェアは1位です(2023年11月現在)。それでは、なぜHubSpotのMAツールは世界中の企業に選ばれているのでしょうか。次の項で、その理由を探っていきましょう。
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HubSpotのMAを活用することで以下5つを実現できます。
ここからは、各メリットの詳細を見ていきましょう。
HubSpotのMAを活用するメリットの一つとして、リードへのアプローチを効率化できる点が挙げられます。HubSpotは顧客の属性や行動を追跡し、そのデータに基づいてリードをセグメント化します。
また、各リードの行動や興味関心に応じてパーソナライズされたメールやコンテンツを自動で送信することも可能です。たとえば、E-bookをダウンロード済みで次の行動がない顧客をセグメント化し、そのE-bookに関する追加情報や特典を含むパーソナライズされたメールを自動で送信するなどのアプローチを行えます。
HubSpotのMAを使用することで、生産性を高めるために反復的な作業を自動化できるというメリットがあります。例として、一般的なEメールマーケティングのプロセスを自動化するケースを挙げてみましょう。
従来の方法では、マーケティング担当者が顧客リストを手動でセグメントに分け、個別のメールキャンペーンを計画・送信し、その結果を追跡する必要があります。これには膨大な時間と労力がかかり、それが生産性の低下につながることも少なくありません。
しかし、HubSpotのMAを導入すると、このプロセスのほとんどを自動化することが可能です。たとえば、顧客の購買履歴やオンラインでの行動に基づいてセグメントを作成し、それぞれのセグメントに合わせたメールキャンペーンを自動で設定できます。さらに、特定の顧客が、特定のアクションを起こした時点で引き起こされる自動化されたフォローアップメールも設定することが可能です。
この高度な自動化により、マーケティングチームはデータ入力やメール送信といった煩雑な作業から解放され、顧客関係を深める戦略を練るなど、より高度な業務に集中することができます。
HubSpotのMAは、マーケティングの機会損失の減少にも役立ちます。MAの導入により、企業は顧客の行動や反応をリアルタイムで捉え、タイミングを逃すことなく適切なアクションを取ることが可能です。
たとえば、ある顧客がウェブサイトで料金ページを何度も訪れたとします。しかし、その顧客がトライアルへの申し込みや購入などのコンバージョン行動に至らなかった場合、確度の高い顧客を見逃す可能性が高いです。
HubSpotのMAを使えば、顧客の関心が高まっているときに割引コードや追加情報を提供するパーソナライズされたメールの送信、もしくはインサイドセールスへ通知できます。これにより、購入に至る可能性を高め、機会損失の減少へとつなげられます。
また、特定のマーケティングコンテンツに対して反応が良い顧客セグメントを自動で識別し、そのセグメントに対して追加のターゲティング広告を展開するなど、マーケティング効率を高めることも可能。
さらに、購入後のフォローアップ、満足度調査、アップセルやクロスセルの機会の提供などを自動化できるため、効率よく顧客と長期的な関係構築も行えます。
HubSpotのMAが高く評価されている理由の1つに、MA初心者でも直感的に利用できる簡単なUI(ユーザーインターフェース)が挙げられます。ユーザーは、複雑な設定やプログラミング知識を必要とせずに、マーケティングキャンペーンを立ち上げたり、顧客データを管理したりできます。
たとえば、メールキャンペーンやランディングページ、フォームなどはドラッグ&ドロップ操作で簡単に作成できます。優れたUIにより、プロフェッショナルで、ブランドに合ったデザインのマーケティングコンテンツを素早く構築できるのです。
さらに、HubSpotのダッシュボードは、リードの行動、各キャンペーンのパフォーマンス、ウェブサイトのトラフィックなどの重要な指標を一目で理解できるように設計されているため、MA初心者でもデータに基づいた意思決定を行いやすくなります。
HubSpotのMAツールならではのメリットは、マーケティング活動に限らず、セールスやカスタマーサービスといったビジネスプロセス全体を一元管理し、一気通貫した施策を実施できるように設計されている点です。
たとえば、Eメールの開封やウェブページの閲覧履歴、SNSでのやり取りなど、あらゆるチャネルでのコミュニケーション内容がHubSpotに記録され、セールスやカスタマーサポートチームと共有されます。セールスは、顧客がどのようなコンテンツに関心を示したか、どのキャンペーンに反応したかといった情報を活用して、よりパーソナライズされたアプローチを取り、成約率を高められるのです。
カスタマーサービスは、顧客の購買履歴や過去のコミュニケーション内容を把握し、その情報を基にサポートの質を高めたり、顧客の問い合わせに迅速かつ的確に対応したりできます。これにより、顧客満足度が高まり、リピート購入や口コミによる新規顧客獲得の機会を増やせるのです。
このようにマーケティング、セールス、カスタマーサービスの各部門間でのデータのシームレスな共有を可能にし、一貫した顧客体験を提供できるのは、統合CRMのHubSpotだからこそ実現できます。
ここでは、HubSpotのMAの機能をご紹介します。
リードナーチャリングは、見込み客(リード)を育成し、購入に至るまでのプロセスを支援する戦略的なコミュニケーションプロセスです。
HubSpotのリードナーチャリング機能は、リードが関心を示した製品やサービスに関連する情報を提供することで、購入プロセスを積極的にサポートします。たとえば、リードがダウンロードしたeブックや参加したウェビナーに基づいて、関連する追加コンテンツや情報を自動的にメール配信するなどです。
また、HubSpotのリードナーチャリングは、リードの行動やプロフィールデータに基づいてパーソナライズを行い、リードが営業担当者との会話に進む準備ができた適切なタイミングで、セールスチームに引き渡すことが可能です。これにより、セールスチームはリードがどのようなコンテンツに興味を持ち、どのような情報を求めているのかを理解した上で、商談やプレゼンを進められます。
リードナーチャリングは、リードが自社製品やサービスに関する知識を深め、信頼を構築する重要なプロセスであり、最終的な購入決定に至るまでの関係を強化するための重要なステップです。HubSpotのツールを用いることで、このナーチャリングプロセスを効率化・自動化することが可能になります。
HubSpotのリードスコアリングは、リードの購買意欲や取引成立の可能性を数値化するプロセスです。リードスコアリングを使用することで、セールスチームは購入可能性の高いリードに優先的にアプローチできるようになります。
リードスコアリング機能では、リードの属性(職種、業界、会社の規模など)や行動(ウェブサイト訪問、ダウンロード、Eメール開封など)に基づいてスコアを割り当てます。。たとえば、製品ページを複数回訪問する行動は高いポイントが与えられ、特定の業界に属するリードには追加のポイントが割り当てられる場合があります。
リードスコアリングにより、リードの優先順位を効率的に決定でき、限られたリソースを最も価値の高いリードに集中させることができます。スコアが高いリードは即座に営業チームに通知され、フォローアップの対象となります。一方で、スコアが低いリードは自動的にナーチャリングプログラムに回され、関心を高める追加のマーケティング活動を行いましょう。
HubSpotでは、リードスコアリングの設定や調整を直感的なインターフェースで行い、営業とマーケティングの両チーム間での合意に基づいてスコアリング基準を定義できます。
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リードクオリフィケーションでは、リードがセールスチームへの引き渡し対象となるかどうかを判断します。その仕組みは、各リードが設定された特定の条件や閾値を満たしているかどうかを評価することです。
たとえば、業界、職種、企業規模、ウェブサイトでの行動、ダウンロード履歴、Eメールへの反応など、事前に定義された基準に基づいてリードスコアリングをします。このスコアリングにより、リードの購買準備度や営業への引き継ぎのタイミングが決定されます。
リードがクオリフィケーションの基準を満たすと、HubSpotは自動的にセールスチームや他の関連部門に通知を送信。これにより、セールスチームはより成熟度の高いリードに集中し、効率的に取引を進めることが可能になります。
また、HubSpotのMAツールは、リードデータを常に最新の状態に保ちます。リードが新しい行動を取るたびに、その情報はリードのプロフィールにリアルタイムで反映されるため、セールスチームは最新かつ正確な情報に基づいてリードにアプローチできます。
HubSpotのMAは、反復作業を自動化することで、マーケティングプロセスの効率化や人的ミスの削減に貢献します。セミナー申し込みなどのイベント管理はその一例で、参加者が申し込みを完了した瞬間から、フォローアップのコミュニケーションが始まります。
ある参加者がセミナーに申し込んだとき、HubSpotは自動的に申し込み完了のメールを送信します。これは手動で個々のメールを作成し、送信する必要がないため、大幅な時間の節約になります。さらに、セミナー開催日が近づいたら、自動的にリマインドメールが参加者に送られるように設定することが可能。
HubSpotのワークフロー機能を利用し、反復作業を一度設定しておけば、同様のイベントがあるたびに同じステップを踏まずに済みます。こうした反復作業の自動化は、効率性のみならず、顧客体験の向上にも直結します。参加者が一貫した情報とコミュニケーションを受け取ることで、企業のプロフェッショナリズムを感じ、信頼と関係を深めることができるのです。
HubSpotのMAといわれる「ワークフロー機能」は、Operations Hub、 Sales Hub、Service Hub、 Marketing HubのProfessionalまたはEnterpriseプランで活用できます。
無料版の機能でできるMAの例は以下の通りです。
無料のウェブサイト、LP、フォーム作成機能を使用して、リードから情報を収集します。たとえば、製品に関する無料eブックをダウンロードするためのフォームや、ウェビナーへの登録フォームを設置できます。
フォームを介して収集したリード情報は、HubSpotのコンタクト管理機能によって自動的に整理され、リードのプロフィールが作成されます。ここでは、リードがどのページを訪れたか、どの資料をダウンロードしたかなどのアクティビティが追跡されます。
コンタクト情報に基づいて、セグメント別にターゲットされたメールキャンペーンを実施します。たとえば、特定のウェビナーにサインアップしたリードに向けて、イベント前のリマインダーやイベント後のフォローアップEメールを自動的に送信します。
チャットボット機能を活用して、ウェブサイト訪問者とリアルタイムで対話し、疑問や悩みに即座に対応できます。これは顧客エンゲージメントを高め、リードの獲得チャンスにもつながります。
無料のアナリティクスツールを使用して、メールキャンペーンやウェブサイトのトラフィックのパフォーマンスを監視します。どのキャンペーンがうまくいっているか、またどのページが最も訪問されているかなどのインサイトを得ることができます。
前の項でもお伝えしましたが、MA機能である「ワークフロー」は、Sales HubやMarketing HubなどのProfessionalまたはEnterpriseプランでのみ活用できます。ここではMarketig Hubの3つの料金プラン、および各プランでどのようなマーケティングオートメーションを実現できるのかを見ていきましょう。
Starterプランでは、すべての無料プランの機能に加えて、HubSpotのロゴ削除や最大10件のEメールの自動配信などを行えます。Starterプランで行える主なMAの例は以下の通りです。
Starterプランは、より複雑なオートメーションやカスタマイズ機能が限られているため、シンプルで直線的なマーケティング活動に適しています。
Proffesionalプランからは、Starterプランのすべての機能に加え、ワークフローによる複雑なオートメーション、リードのナーチャリング、リードスコアリングによる優先度付けなどを行えます。以下はその主な機能の例です。
たとえば、ユーザーがEeブックをダウンロード後、そのトピックに関連する一連のメールを自動的に送るナーチャリングキャンペーンを設定できます。もしくはリードの行動に基づいスコアリングを行い、スコアが高いリードが現れると、インサイドセールスへ自動通知をする仕組みの構築も可能です。
Professionalプランは、マーケティング活動をより細かくコントロールし、戦略的にリードを育成するための高度な機能を提供します。
最上位のEnterpriseプランでは、予測リードスコアリングやカスタムイベントトリガーによる高度なワークフロー、高度なレポート機能などが活用できます。Enterpriseプランで実現できるMA機能は以下の通りです。
これらの機能を活用することで、下記のようなMAを実現できます。
HubSpotのMAを活用する具体的なシナリオをご紹介します。
まず、コンテンツマーケティングを通じて質の高いリードを集めます。たとえば、専門的なホワイトペーパーを作成し、ダウンロードするためにはメールアドレスの登録を求めます。リードがメールアドレスを登録した時点で、HubSpotはリード情報をデータベースに追加します。
次は、特定のセグメントに対してパーソナライズ化したメールマーケティングを実施するために、リードの属性や行動などに基づいてセグメンテーションを行います。
上記画像のように、ドロップダウンメニューよりフィルターを追加することで、効率よくリストの作成ができます。
リードがウェブサイトでの行動を示すごとにスコアを付与します。たとえば、製品ページの閲覧やデモのリクエストは高スコアを与え、ブログ記事の閲覧は低スコアを与えるなどとします。このスコアリングにより、リードが購入段階に近づいているかを見極めることができます。
しかし、私たちはリードスコアリングの重み付けを適切にする、もしくは検証するのは困難だと考えているため、行動なら行動の回数だけ点数をつける方法を推奨しています。メール開封も1点、ウェビナー参加も1点、eBookダウンロードも1点といった具合です。
スコアが一定以上のリードに対しては、自動化されたワークフローを用いて、関連性の高いフォローアップメールを送信します。たとえば、あるリードが特定の製品についてのページを見た場合、その製品に関連したケーススタディや顧客の証言を含むメールが自動的に送信されるように設定します。
リードのスコアが一定の閾値を超えたら、リードを営業チームに通知します。HubSpotは、該当するリードの全行動履歴と関連データを提供し、営業担当者がより効果的なフォローアップができるようにします。
最後に、HubSpotのレポーティングツールを使用して、キャンペーンの成果を分析します。どのコンテンツが最もリードを生成したか、どのメールが高いクリック率を達成したかなどのデータに基づき、マーケティング戦略を微調整します。
ここからは、実際の企業がHubSpotのMAをどのように活用しているのかを見ていきましょう。
出典:デクセリアルズ株式会社
デクセリアルズ株式会社は、HubSpotのMAを導入することで、営業とマーケティングの業務プロセスを革新しました。従来、展示会などで獲得したリード情報は、各営業担当者が独立して管理しており、チーム全体でのリードの追跡や進捗状況の可視化が難しい状況でした。
また、ウェブサイト経由のリードがマーケティングチームによって手動でセールスチームに配分されるため、タイムリーなフォローアップができていないという課題もあったのです。
HubSpotの導入によって、これらの顧客情報はCRMに集約され、リードの詳細情報、行動履歴、興味関心のデータが一元化されました。また、ワークフロー機能を用いることで、ウェブサイトからの問い合わせに対する対応プロセスが自動化され、以前は手動で行っていた作業時間が大幅に削減されました。
これにより、マーケティングチームは戦略的な業務に集中できるようになり、セールスチームはリードに対する迅速なアプローチが可能になったのです。
HubSpotの導入によるもう一つの重要な成果は、組織内での情報共有が改善されたこと。顧客の行動履歴が時系列で確認できるため、マーケティングと営業の連携が強化され、より効率的な顧客対応が可能になりました。営業とマーケティングのミーティングでは、顧客データを基にした戦略的な議論が行われるようになりました。
出典:読売新聞
経営戦略の一環として「デジタルへの挑戦」を掲げる読売新聞グループは、デジタルビジネス推進チームを通じて、新しいデータ基盤とマーケティングシステムを活用し、収益向上を目指しました。HubSpotの導入により、顧客情報はデジタル化され、それまで紙媒体で行われていたイベント告知などがデジタルフォームに移行。これにより、データは効率的に収集・管理され、顧客との接点がデジタル化されました。
出典:HubSpot
具体的なHubSpotの活用法をご紹介します。「yomiuri ONE」という顧客データ活用システムを基軸に、BigQuery、BIツール、HubSpotの三つを連携させています。この連携により、蓄積されたデータを分析し、マーケティング活動に生かすことを実現。
たとえば、BigQueryで過去によみうりランドを訪れた顧客を抽出し、BIツールで可視化、HubSpotでマーケティング活動につなげるといった具合です。BigQueryを基盤に、BIツールでデータを可視化することで、過去に類似イベントに参加された方への案内を優先する、新聞広告の効果測定をするためのアンケートを実施するなどのマーケティング活動へとつなげられています。
結果、読売グループはデータビジネスの新たな可能性を開き、顧客情報の統合から読者のニーズに合わせた情報提供が可能となり、読者との新たな関係を築きました。
最後に、他社MA3選とHubSpotの比較をご紹介します。
出典:Salesforce
Marketing Cloud Account Engagementは、Salesforceとのシームレスな連携が可能なMAツールです。リード管理、リード生成、ソーシャルマーケティング、メールマーケティングなどの様々な機能が搭載されています。
しかし、難しい操作性、特に小規模企業にとってはコストが問題になることがあります。実際にHubSpotは無料プランを提供しているのに対して、Marketing Cloud Account Engagementには無料のフリーミアム版は存在せず、15万円からの有料プランのみが提供されています。
大企業や既にSalesforceを使用している企業に適しているMAです。
出典:Adobe
Adobeが提供するMarketoは、特に大企業や購買ファネルが複雑な企業向けのMAツールです。Marketoの主な特徴は、高度なリード管理、リードナーチャリング、レポーティング機能、マーケティングROI(費用対効果)の測定機能でしょう。また、Adobeの広範なデジタルエクスペリエンス製品群との連携が可能です。
対照的に、HubSpotはより広範なユーザーベースを対象とし、使いやすさと直感的なインターフェースに重点を置いています。マーケティングはもちろん、セールス、サービス、コンテンツ管理など幅広い機能を統合しているため、あらゆる部門の業務を効率化できます。
料金面に関しては、Marketoは一般に高機能なハイエンドモデルと見なされ、価格設定もそれに応じて高めです。一方、HubSpotはフリーミアムモデルを採用しており、基本機能は無料で利用可能で、小規模から大規模までの企業に広く導入されています。
出典:SATORI
SATORIは日本産のMAツールで、導入実績1,500社以上と国内の普及に重点を置いています。HubSpotにはない特長として、複数ドメインのトラッキングが追加料金なしで行え、匿名のユーザーも簡単に分析できる点が挙げられます。
しかし、CMS機能は搭載されていないため、ウェブサイトの修正にはコーディング知識が必要です。また、サイトの最適化のためのポップアップ表示やテスト機能を提供していますが、HubSpotと比較すると一部の操作にはコーディングが必要になる可能性があります。
HubSpotのMAは、CRMを統合しているため、マーケティングの先にある営業やカスタマーサービスまで一気通貫した施策展開をします。また、ユーザーインターフェースがわかりやすく、コスト面のハードルも低いため、中小企業でも導入しやすいでしょう。MAの導入を検討している場合、必要な機能がすべてそろっており、容易に使いこなせるHubSpotを検討してみてはいかがでしょうか。
渋谷 真生子
株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。