新型コロナウイルスをきっかけに営業活動は、これまで当たり前だった訪問営業からオンライン営業になるなど、さまざまな面で大きく変化しました。
2023年現在も多くの企業が訪問を前提とする営業活動ではなく、オンライン商談を活用して顧客にアプローチを行っています。そんな中SFA、CRMの活用が重要視され、多くの企業がITツールを活用した業務生産性の向上、最適な顧客体験の提供に取り組み始めました。労働人口の減少が顕著な日本で企業が生き残っていくためには、SFA、CRMといったツールを最大限に活用し、常に営業の効率化を推進していく必要があるでしょう。
しかし、ある調査によると現状の日本企業の約7割はSFA/CRMを導入していません。また、導入している多くの企業が「使い方・操作が難しい」、「機能を使いこなせていない」と回答する結果となりました。
数多くのSFAツールの中でも、HubSpotが提供しているSales Hubは昨今多くの企業で導入され活用されています。比較的シンプルかつ直感的なUIでスタートアップ、中小企業から大企業まで幅広く活用され、ビジネスの成長に貢献するSFAツールです。営業部門においても定着がしやすいツールのうちの一つとして注目を集めています。
本記事ではSFAの導入を検討している企業に向けて、Sales Hubの機能、料金、活用事例などをわかりやすく解説していきます。SFAツールの検討をする際にぜひお役立てください。
HubSpotはSales Hubだけではなくマーケティング、サービス領域で役立つプロダクト、顧客情報を統合するCRMなど多くの機能を持つプラットフォームになります。
ここからは、HubSpotの製品群概要とSales Hubの詳細について解説します。
画像参照:HubSpot
HubSpotは統合型のCRMとなっており、主に5つのHub(ハブ)と、完全無料のHubSpot CRMで構成されています。
そして、この5つのハブが連携する中心にHubSpot CRMというサービスが存在します。CRMに蓄積された顧客データをそれぞれのHubで活用することで、最適なメッセージ、体験を顧客に届けることが可能です。
このHubSpot CRMは最大5名まで完全無料で利用することができ、顧客情報を一元管理することができます。
Sales HubはHubSpotが提供するHubのひとつで、営業活動の業務効率化が期待できる営業支援プラットフォームです。
Sales Hubは営業チームがリードと効果的にコミュニケーションをとり、より良い結果を達成するために設計されています。Sales Hubを正しく利用することで営業プロセスを合理化し、営業チームの生産性を高め、売上げの増加が期待できます。
リード管理を効率化する機能としては以下の2つがあります。
それぞれについて解説します。
【予測リードスコアリング】
予測リードスコアリングは、AIがリードの属性や行動などの情報から見込み客を評価する機能です。
この予測リードスコアリング機能では、ユーザーの行動、過去のインタラクション、その他の関連データを分析し、それぞれのリードが売上につながる可能性がどの程度あるかを示してくれます。
リードスコアリング機能を利用することで、営業担当者は適切なタイミングで適切なリードにアプローチすることが可能となり、成約件数の増加、営業リソースの効率的な振り分けに役立ちます。
アカウントベースドマーケティング(ABM)は、組織内で売上げが最大化する顧客(取引先)を明確にして、戦略的にアプローチをしていく手法のことです。
Sales Hubには、ABM機能があり、売上げが最大化しそうな顧客に焦点を絞ってアプローチすることができます。また、ABM機能にはマーケティングと営業の連携を強化する効果もあります。
顧客とのコミュニケーションを効率化する機能としては以下の5つがあります。
それぞれについて解説します。
画像参照:HubSpot
メールトラッキングは、送信したメールがいつ開封されたかを通知する機能のことです。
このメールトラッキング機能をうまく活用することで、営業担当者が顧客に対してすぐにフォローアップをすることができます。すぐにフォローアップを行うことで、営業担当者は顧客との関係が構築でき、結果として成約につながります。
HubSpotはGmailやOutlookなどの個人用のメールアカウントと連携することが可能です。連携により下記のようなことが可能となります。
営業担当者は使い慣れた受信トレイを使いながらも、情報の一元管理、HubSpotの機能を利用することができ、より効率的に営業活動ができるようになります。
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・HubSpotメールとは?営業活動を効率化する機能やGmailやOutlookとの連携方法、メール作成方法、メールトラッキング機能などの便利機能を徹底解説!
Sales Hubのメールテンプレート機能は、その名の通り、用途に応じてメールテンプレートを作成できる機能のことです。
この機能があることで、営業担当者はメールの作成時間を大幅に削減することができます。メールテンプレートは自由にカスタマイズでき、リードや顧客の特定のニーズに合わせて作成することができます。
セールスオートメーションは、リードの割り当てや取引とタスクの作成など、手間暇のかかる作業を自動化できる機能のことです。
手間暇のかかる作業を自動化することで、営業担当者は本質的なタスクに集中することができ、生産性が向上します。
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・HubSpotのシーケンスとは?営業メール自動化機能とワークフローとの違いや作成方法などをわかりやすく解説
コミュニケーションインテリジェンスは、最新の人工知能(AI)による通話の録音、文字起こし、分析といった機能を利用できる機能のことです。
コミュニケーションインテリジェンス機能を利用することで、営業個人のパフォーマンスを評価し、改善点を伝えることができます。営業一人ひとりのパフォーマンスが向上するので、成約率の向上につながります。
ウェブチャットは、ウェブサイトに訪問した人とリアルタイムでチャットすることができる機能のことです。
ウェブチャット機能を利用することで、顧客からの質問に素早く回答することができるので、コンバージョン率の向上が見込めます。また、社内に問い合わせ履歴が蓄積されるので、過去の顧客との接点をすべての部署で確認可能です。無駄なコミュニケーションを取る必要がなくなるので、顧客満足度が向上します。
営業提案を効率化する機能としては以下の3つがあります。
それぞれについて解説します。
前述したセールスオートメーション、リマインダーや通知機能もあるので、提案の状況を適宜確認し、適切なタイミングでフォローアップを行うことが可能になります。
レポート機能では、営業活動のパフォーマンスを可視化することができます。
レポート機能を利用することで、営業担当者は成約率、リードタイム、日々の活動量などの数値を確認することができます。数値を確認し、改善を繰り返すことで成約率の向上やパフォーマンスの向上が見込めます。
営業向けプレイブックは、競合他社の情報、コールスクリプト、自社のポジショニングに役立つガイドなどをHubSpot内で共有する機能のことです。
プレイブックを利用することで、営業担当者の業務品質担保や新入社員の即戦力化につながります。
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・HubSpotのプレイブックとは?特徴、メリット、料金プラン、活用方法までわかりやすく紹介
・HubSpot Sales Hubの使い方を解説!営業を効率化する代表的なSalesHub機能の活用方法をわかりやすく紹介
HubSpot Sales Hubを導入するメリットは以下の通りです。
それぞれについて解説します。
Sales Hubは無料版でも、コンタクト管理、メールのトラッキング、スケジュールの同期といった基本的なCRMの機能を利用することができます。
無料版からスモールスタートすることができるので、コストを抑えて活用できる、操作性を確認してから有料版の購入ができるのでミスマッチが少ない、というメリットがあります。まずは無料版を導入してみてはいかがでしょうか。
ビジネスの成長と共に、プランをアップグレードし徐々に活用の幅を広げていくことができるので、企業規模に合わせてコストを調整することが可能です。
Sales Hubのユーザーインターフェース(UI)は直感的で、初めて使用する人でもすぐに利用できます。また、優れたUIのツールを利用することで、営業担当者の入力負荷の削減や入力時間の削減といった効果も期待できます。
Sales HubのUIは直感的なので、営業部門でも定着しやすいというメリットを感じることができるでしょう。
Sales Hubの機能は営業部門の生産性を高め、顧客との関係強化につながります。
オートメーション機能はルーチン作業を自動化し、営業部門がより本質的な作業に集中することができます。本来営業担当者が集中するべき業務にリソースを割くことができるので、顧客との関係性が強化され、長期的な関係を構築することができるでしょう。
Sales Hubには、無料、Starter、Professional、Enterpriseの4つのプランがあります。下記の表に、各プランの特徴をまとめました。
なおHubSpotはSaaS製品のため、料金プランと機能は定期的に変化します。最新の料金プランは、HubSpot公式サイトを確認するか、株式会社100(ハンドレッド)までお問い合わせください。
項目 |
無料プラン |
Sales Hub Starter |
Sales Hub Professional |
Sales Hub Enterprise |
1対1のEメール
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HubSpotロゴが含まれる
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HubSpotロゴ削除
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HubSpotロゴ削除
|
HubSpotロゴ削除
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レポートダッシュボード
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最大3件のダッシュボード
ダッシュボードあたりそれぞれ10件のレポート |
10件のダッシュボード
ダッシュボードあたり10件のレポート |
25件のダッシュボード
ダッシュボードあたり30件のレポート |
50件のダッシュボード
ダッシュボードあたり30件のレポート |
HubSpotモバイルアプリ
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◎
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◎
|
◎
|
◎
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Eメールテンプレート
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5件のテンプレート
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5,000件のテンプレート
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5,000件のテンプレート
|
5,000件のテンプレート
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カスタムプロパティー
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合計10件まで
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オブジェクトあたり1,000件
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オブジェクトあたり1,000件
|
オブジェクトあたり1,000件
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製品ライブラリー
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最大100件まで
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最大100万件まで
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最大1500万件の製品
|
最大1500万件の製品
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ウェブチャット
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HubSpotのロゴが含まれる
|
HubSpotロゴを削除
|
HubSpotロゴを削除
|
HubSpotロゴを削除
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複数通貨対応
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ー
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最大5種類の通貨
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最大30種類の通貨
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最大200種類の通貨
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セールスオートメーション
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ー
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取引ステージの変更に基づくタスクやEメール通知の自動実行に対応
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0件のチームで最大300件のワークフローの高度なカスタマイズが可能
見積もり承認ワークフローを利用可能 |
300件のチームで最大1,000件のワークフローの高度なカスタマイズが可能
行動イベントや予測リードスコアリング、シーケンスの自動実行に対応
見積もり承認ワークフローとワークフローの健全性モニタリングを利用可能
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ABMツールとオートメーション
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ー
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ー
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◎
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◎
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プレイブック
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ー
|
ー
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最大5件のプレイブックを作成し、メモの追加が可能
|
最大5,000件のプレイブックを作成
プレイブックではプロパティーの埋め込みやメモの追加可能 |
自動リードローテーション
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ー
|
ー
|
◎
|
◎
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コミュニケーションインテリジェンス
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ー
|
ー
|
ー
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◎
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カスタムオブジェクト
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ー
|
ー
|
ー
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最大10件のオブジェクト定義と、500,000件のレコード
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予測リードスコアリング
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ー
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ー
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ー
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◎
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月額料金
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無料
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1,800円〜
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12,000円〜
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18,000円〜
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参考:Sales Hub|HubSpot公式
※2024年4月時点での月額でのお支払の値段になります。年次で購入したケースの月額料金になります。
それぞれの料金プランの詳細について解説します。
このプランでは、最大5名のユーザーがコンタクト管理、取引パイプライン、レポート・ダッシュボードの作成など基本的なCRM機能を利用することができるプランです。
新規事業を立ち上げたばかりのスタートアップ企業、HubSpot CRMの利便性、UIをまずは試してみたい企業、限られた予算の中で営業基盤の構築をおこないたい小規模企業に向いているプランです。
また、「表示のみシート」をユーザーに割り当てることでユーザー数に制限なくHubSpot内のデータやレポートの閲覧が可能です。
Starterプランでは、無料プランの全ての機能に加えてシンプルな自動化機能、目標設定機能などが利用できます。
初めてCRMの導入を検討している中小企業、基本的な営業オートメーションを行いたい企業に適したプランとなります。また、Starterプランから複数通貨に対応できるので、自社サービスや商品を海外展開している企業におすすめです。
Professionalプランは中規模企業や急成長中のスタートアップにおすすめのプランになります。
ABM機能、タスクやリード割り当て(ローテーション)の自動化以外にも、最大100件のカスタムレポートの作成が可能となります。営業部門の業務効率化に本格的に取り組みたいなら、Professionalプランを選択しましょう。また、複数のサービス、製品を持つ企業の場合は詳細なレポートや分析が必要になると思いますので、こちらのプランを検討されるのが良いかと思います。
Enterpriseプランは大企業やしっかりカスタマイズを行いたい企業向けのプランです。
カスタムオブジェクトの利用や予測リードスコアリングの利用が可能となります。また、Enterpriseプランでは複数のチームを管理することができ、各チームのパフォーマンスを可視化することもできます。
複数チームの管理や詳細な権限設定が行えるため、他拠点、他部門を持つ大企業や複雑な組織構造の中で最適な営業活動を実施する必要のある企業におすすめです。また、大量のデータ、複雑な営業フローをもつ企業が、より営業の効率化を進めるために適しているでしょう。
Sales Hubに向いている企業の特徴は以下の通りです。
ここからは、それぞれの特徴について解説していきます。
Sales Hubは、営業プロセスの効率化を図りたい企業におすすめです。
営業担当者は顧客との時間だけではなく、顧客・商談情報の入力やアップデート、訪問先のスケジューリング等細かなタスクが多くあります。
Sales Hubでは、セールスオートメーション、メールトラッキング、予測リードスコアリングなど営業の業務効率化が期待できる機能が揃っています。
多くの業務を自動化することにより、営業部門が顧客と向き合う時間を増やし、関係構築に注力してほしいと考えている企業は、Sales Hubを導入しましょう。
Sales Hubは、顧客情報を社内で一元管理することができます。顧客情報を一元管理することで、営業部門に所属している従業員全員が顧客情報にアクセスできるようになります。
顧客の購入履歴、コミュニケーション履歴、要望といった情報に基づいて、それぞれの顧客に寄り添った営業活動を実施することが可能となるでしょう。
また、顧客情報が一元管理できていると、レポートやダッシュボードを簡単に作成することができます。
Sales Hubは、カスタマー・エクスペリエンスを高めたい企業にもおすすめです。
カスタマー・エクスペリエンス(CX)とは、顧客体験、顧客体験価値のことです。商品やサービスを利用した時の体験以外にも、商品やサービスを購入するまでの過程や購入後のアフターフォローなど、自社商品やサービスに関わる全ての体験がカスタマー・エクスペリエンスです。
Sales Hubを導入すると、営業と顧客の接点をすべて管理することができます。そのため、営業担当者が転職や異動で変更になった場合でも、顧客体験を損なわずに営業することができます。
また、HubSpotの他製品であるService Hubと連携することで、顧客からの問い合わせも一元管理が可能となり、さらなるカスタマー・エクスペリエンスの向上が見込めます。
Sales Hubと以下のSFAツールを比較して解説します。
それぞれ解説します。
※最新の状況や機能については各ベンダーのウェブサイトをご確認ください。
Salesforceは、世界でトップシェアを誇るSFAツールであるSales Cloudを提供しています。以下にSales HubとSales Cloudの比較表を作成しました。
HubSpot Sales Hub
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Salesforce Sales Cloud
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導入の難易度
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簡単
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難しい
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費用
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予算に合わせて無料〜
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初期導入費用あり
費用は高め
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カスタマイズのしやすさ
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Salesforceと比較して高度なカスタマイズはできない
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企業のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズ可能
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サポート体制
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チャット、電話、メール
|
チャット、電話、メール
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Sales Hubは、初めてCRMを導入する企業、無料または低予算でスタートしたい中小企業、SFAに関する詳しい知識を持つ専任の運用担当者がいない企業におすすめです。
また、HubSpotの操作性は非常にシンプルなため、社内での取り入れやすさが大きなメリットとなっています。SFAの導入に際し、営業部門での受け入れを懸念している場合にHubSpotはおすすめです。
一方、Salesforceは機能が豊富でカスタマイズの自由度も非常に高いことから、特定の業務フローに合わせて機能をカスタマイズしたい大企業や、複雑なビジネスプロセスを持つ企業におすすめツールになります。
出典:Zoho CRM【公式】世界25万社が利用する顧客管理・営業支援ツール
Zoho CRM は、グローバルに展開するZoho Cooporationが提供しているクラウドベースのCRMソフトウェアになります。
以下にSales HubとZoho CRMの比較表を作成しました。
HubSpot Sales Hub
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Zoho CRM
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導入の難易度
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簡単
|
簡単
|
費用
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予算に合わせて無料〜
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予算に合わせて月額1,680円〜
※年間契約の場合 |
カスタマイズのしやすさ
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高度なカスタマイズはできない
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企業のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズ可能
|
サポート体制
|
チャット、電話、メール
|
チャット、電話、メール
|
Sales Hubは、ビジネスニーズに合わせて簡単にカスタマイズできるよう設計されているので、初めてCRMを導入する企業、無料または低予算でスタートしたい中小企業、ビジネスの成長とともに機能を拡張していきたい企業におすすめです。
一方、Zoho CRMは機能が豊富でカスタマイズの自由度も非常に高いことから、中規模企業から大規模企業におすすめです。
Microsoft Dynamics 365は、さまざまな機能があるビジネスアプリケーションです。
Dynamics 365は、ERPソリューションシステムとして有名ですが、SFAツールとして利用することもできます。以下にSales HubとMicrosoft Dynamics 365の比較表を作成しました。
HubSpot Sales Hub
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Microsoft Dynamics 365
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導入の難易度
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簡単
|
難しい
|
費用
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予算に合わせて無料〜
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高め
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カスタマイズのしやすさ
|
高度なカスタマイズはできない
|
企業のニーズに合わせて柔軟にカスタマイズ可能
Microsoftの他の製品との統合も可能
|
サポート体制
|
チャット、電話、メール
|
チャット、電話、メール
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Sales Hubは、初めてCRMを導入する企業、無料または低予算でスタートしたい中小企業、複数部門にまたがる顧客の情報を一元管理したい大企業とさまざまな規模の企業が活用できるツールになります。 事業規模に合わせて機能の拡張を検討している場合にはHubSpotがおすすめです。
一方、Microsoft Dynamics 365はMicrosoftの他の製品との統合が可能となっているので、自社でMicrosoft製品を利用している大企業におすすめです。また、高度かつ複雑なカスタマイズを行うこともできます。
Sales Hubの活用事例について解説します。
出典:ポジウィル株式会社
ポジウィル株式会社は2017年に設立された会社で、オンライン・キャリアコーチングサービス「ゲキサポ!キャリア」を提供しています。
自己分析の支援をするサービスのため、1日で数十件スケジューリングすることもありました。ただ、このスケジューリングは全て手作業で設定していたため、工数がかかり社員への負荷が増加していました。そのため、問い合わせの増加に合わせて面談設定を自動化できるツールを導入することを決定しました。
それだけではなく、マーケティングチームではメールマーケティングの効果測定が十分にできていない、セールスチームでは商談ごとのステータスがブラックボックス化されているなどの多くの課題がありました。
この3つの課題を解決できるCRM、SFAを探し、結果としてHubSpotを導入することが決定しました。
HubSpot CRM、Sales Hub Professional、Marketing Hub Starterを導入し、もっとも業務効率化効果があったのはSales Hubのミーティング設定機能です。これまでメールをやりとりして日程調整していた作業が全てなくなり、導入前の3倍の問い合わせが来ても作業量はゼロです。
また、HubSpotCRMの導入で、流入チャネル別にバラバラに管理していた顧客情報も一元管理できるようになりました。
自動化によって生まれた時間をデータ分析や戦略設計にまわせるようになった導入事例です。
AnyMind Group株式会社はインフルエンサー事業やD2C支援事業などを世界13カ国に展開している企業です。
800人を超える従業員が在籍しており、「営業活動のブラックボックス化」「顧客情報のサイロ化」といった課題を抱えていました。そこで2019年の12月から、CRM導入のプロジェクトが始動しました。数多く存在するCRMシステムの中からHubSpotが選ばれた理由は、情報管理の仕組みがイメージと近かったためです。
HubSpotはコンタクト(CRMに登録した見込み客)や取引パイプラインの管理などのコアな機能は、利用ユーザーの制限なく利用できる仕組みとなっています。そのため、管理者には有料のユーザーアカウント、それ以外のメンバーには無料アカウントを付与することで、実現したい情報管理を実現しました。
「営業活動のブラックボックス化」「顧客情報のサイロ化」を解決するために、以下の5つの施策を行いました。
この5つの施策を徹底したことで、各国で売上げが軒並み上昇しました。HubSpotによってシステム的にコミュニケーションや進捗管理をすることで、生産性が大きく向上し、カンボジア・フィリピン・マレーシアでは400%超えの売上げ増加となりました。
また、メール開封率やクリック率をモニタリングできるようになったことで、新規の売上を年間1,000万円近く創出できるようになりました。
Sales Hubの導入をスムーズかつ効果的に行うためには、いくつかのポイントを考慮することが必要です。Sales Hubを導入する前に必要なことは以下の通りです。
それぞれについて解説します。
Sales Hubを導入する前に、Sales Hubを導入する目的を明確化しましょう。また、導入することで何を実現したいのか、どのような課題を解決したいのかを明確化することが大切です。
例えば、営業プロセスの効率化が目的であれば、リード管理やメールの自動化機能を活用する必要があると考えることができます。このように、目的に合わせて具体的な機能やカスタマイズの要件を設定することができます。
導入してから「思ったように使えない……」「やりたいことができなかった……」「HubSpotが定着しなかった……」とならないように事前の計画と導入目的を明確化しましょう。
Sales Hubの導入を成功させるためには、HubSpot導入を推進する社内体制を構築することが大切です。
誰がプロジェクトリーダーとなるのか、だれが利用するのか、社内トレーニングを誰が推進するのか、データ移行はどのように進めるのか、システム管理はどの部署が行うのかを明確にしましょう。
また、日々の運用では、社内のHubSpot利用に関する要望を受け付ける部門や、その要望を満たす開発を行う部門も必要です。
社内体制の構築は導入のみならず、導入後の運用、活用推進においても非常に大切なので、必ず構築するようにしてください。
Sales Hubを使いこなすためには、導入支援だけではなく導入後の継続的な活用最適化が必要です。どのような支援を受けることができるのか事前に確認しておくと安心です。
導入・活用においてはHubSpotパートナーの支援を受けることも、導入・活用を成功させるために非常に有効です。具体的には、以下のサポートを受けることができます。
既に他のSFAツールを使用している場合は、データ移行の準備も必要です。顧客データや過去の取引履歴など、移行が必要なデータを確認し、Sales Hubに正しく移行できるよう準備しましょう。
データの整合性を保つために、データクレンジングやフォーマットの変更などの作業が必要となる場合もあります。必要であればHubSpotパートナー企業への協力を仰ぎましょう。
本記事では、Sales Hubの概要から主な機能やメリットについて解説しました。
HubSpotが提供するSales Hubは、営業部門がより効率的に生産性高く活動するために必要な機能を備えた非常に使いやすいSFAツールとなります。これからSFAの導入を検討している場合は、ぜひ無料版を活用して操作性、利便性をご確認ください。
SFAの導入はしっかりと社内体制・環境を整えて導入し、機能を活かす運用をすることで、営業部門のみならず会社全体に大きなメリットをもたらすツールになります。しかし、ただ導入するだけで成果が出るのではなく、活用されて初めて売上げの向上に結びついていきます。導入前に目的、ゴールを明確化し、社内でツールの価値をしっかりと伝える体制を築くことが非常に重要なポイントです。