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【SEO内部対策解説】実施するべきチェック項目、外部対策との違い、おすすめツールの紹介

【SEO内部対策解説】実施するべきチェック項目、外部対策との違い、ツールの紹介

SEO対策には、内部対策・外部対策・コンテンツ対策の3つの施策があります。被リンク獲得を目指す外部対策やコンテンツ制作は知名度が高いですが、内部対策も等しく重要な施策なのです。

内部対策とは、サイト内の適切な設定を行い、検索エンジンに自社サイトを正しく評価してもらうための取り組みです。内部対策が不十分だと、たとえ優れたコンテンツを作成しても、検索結果の上位に表示されることはありません。

検索エンジンやユーザーに評価してもらうには、まず内部対策からスタートする必要があります。しかし、内部対策には多くの施策項目があり、一体どこから手を付ければよいのか分からない方も多いはずです。

そこで本記事では、内部対策で実施すべきチェック項目や、便利なツールの紹介、外部対策との違いなどを解説します。ぜひ本記事を参考に、自社に必要な内部対策を把握し、検索上位実現に向けた取り組みを始めていただければと思います。

SEO内部対策とは

SEO内部対策とは、ページ構造や読み込み速度などウェブサイト「内」の要素を最適化して、ユーザーと検索エンジンに評価されることを目指す施策です。まずは、SEOの基礎や対策の種類、内部対策の詳細について見ていきましょう。

SEO(検索エンジン最適化)とは

SEO(検索エンジン最適化)とは、自社サイトをGoogleやYahoo!などの検索エンジンの結果画面に自社サイトを上位表示する施策のことです。SEOの目的は、検索ユーザーに自社サイトを選んでもらい、ユーザーの興味関心や購買意欲を高めることです。

たとえば、「SEOツール」で検索したユーザーは、SEOツールの導入を検討していながらも、どのツールを選定するべきか迷っているとの仮説を立てられます。そこでSEOツールの比較記事を提供することで、ユーザーに自社ページをクリックしてもらい、最終的にはそのサイトの目的(購入や問い合わせなど)を達成しやすくします。

SEO対策は複雑である一方、その本質はシンプルで「ユーザーにとって有益なサイトとコンテンツを作成する」ことです。ユーザー視点になり、ユーザーの課題や悩みを解決するコンテンツ制作、ユーザーが使いやすいWebサイトを構築すれば、自然と自社サイトが上位表示されるようになります。

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SEO(検索エンジン最適化)対策の種類

SEO対策には大きく分けて、内部SEO、外部SEO、コンテンツSEOの3種類があります。

【内部SEO】

内部SEOは、ウェブサイトの構造やナビゲーション、読み込み速度などの要素に焦点を当てたSEO対策です。内部対策に取り組むことで、検索エンジンがサイトを理解しやすくなり、ユーザーにとっても使いやすいサイトの構築ができます。

【外部SEO】

外部SEOは、ウェブサイト外の活動によってサイトの評価を高める対策です。最も一般的な方法は、他の信頼できるサイトからのリンク獲得(被リンク)です。良質な被リンクが多ければ、サイトの信頼性と権威性が高まり、ランキングに有利となります。

【コンテンツSEO】 

コンテンツSEOは、ユーザーにとって質の高いコンテンツを制作する施策です。自社と関連性のある検索キーワードを選定し、各キーワードにおけるユーザーニーズを満たすコンテンツを作成することで、検索エンジンから評価されます。

これら3つのSEO対策を組み合わせることで、検索エンジンとユーザーの両方から評価されるようになり、多くの集客を見込めるのです。各種対策は相互に影響し合うため、一つの施策に偏らず、バランスよく推進するようにしましょう。

SEO内部対策とは

SEO内部対策は、ウェブサイトの内部要素を最適化することに焦点を当てた施策です。詳しい施策は後述しますが、主にクローラビリティー対策、インデックス対策、ユーザーエクスペリエンス対策の3種類があります。

簡単に言えば、SEO内部対策は検索エンジンに向けた施策です。内部対策を行うことによって、検索エンジンがウェブページの内容を素早く正確に理解し、検索結果画面に表示される準備ができます。また、サイトの利便性が高まることでユーザーの滞在時間や回遊率などに良い影響を及ぼし、間接的にランキングアップにもつながるのです。

SEO対策を家づくりに例えた場合、内部対策は家の内装や内部構造の設計と言えます。家を建てる際には、外観だけでなく、家の中の機能性や快適さが重要です。同様に、SEO内部対策はウェブサイトの「内部構造」を整える作業であり、訪問者と検索エンジンの両方にとって使いやすく情報が見つけやすい状態を作り出すことに注力をします。

SEO外部対策との違い

SEO外部対策とは、信頼性の高いサイトから自社コンテンツを引用してもらい、被リンクの獲得を目的とした施策です。Googleは、「E-E-A-T」と呼ばれる専門性、経験、権威性、信頼性をコンテンツの評価に使用しており、特に信頼性、すなわち情報の正確性や最新性を最重要視しています。

そして、被リンクはウェブサイトやコンテンツの信頼性と権威性を評価する基準です。たとえば、多くのサイトから引用されているコンテンツと、引用数がゼロのコンテンツでは、当然ながら引用数が多いコンテンツの方が信頼性が高いでしょう。

このように外部対策では、良質なコンテンツを作成し、多くのサイトからの被リンク獲得を目指します。

SEO内部対策が家の内装や内部構造に焦点を当てるのに対し、SEO外部対策は家の外観や庭などの外から見える部分を整えることにより、訪れる人々に良い印象を与えるよう努めることに該当します。

外部の人々がその家についてどのように語るか、つまり外部からの評判や評価を高めるための活動と言えます。これはウェブサイトにおいて、他のウェブサイトからのリンクや言及を通じて、そのウェブサイトの信頼性や権威性を検索エンジンに示すことに対応します。

SEOの内部対策を行う目的

SEOの内部対策を行う主な目的は、検索エンジンにウェブサイトを正確に評価してもらうためです。検索エンジンは「クローラー」と呼ばれるロボットを用いて、ウェブサイトを訪問し、各コンテンツをデータベースに保存(インデックス)します。

検索エンジンクローラーの役割

出典:Semrush

このデータベースは図書館のようなもので、クローラーはユーザーの検索語句に応じて、データベースから適切なコンテンツを選定し、検索結果画面に表示するのです。

この検索エンジンの仕組みを踏まえると、まずはクローラーに自社サイトに訪問してもらい、正確にコンテンツを理解し、インデックスしてもらう必要があります。

かつては無条件でインデックスされていましたが、コンテンツの数が膨大になった現代においては、コンテンツがインデックスされない可能性が十分にあります。実際にGoogle検索チームのアナリストであるゲイリー・イリース氏は、一定の基準を満たしていないコンテンツはインデックスされないと述べています。

インデックスのハードルが高まっているからこそ、内部SEO対策の重要性が増しています。内部対策を実施すれば、ウェブサイトの構造やナビゲーションが改善し、クローラーが効率的にサイト内を巡回し、正確に内容を理解できるようになるため、インデックスされる可能性が高まるのです。

また、ウェブサイトの使いやすさや視認性が高まることで、ユーザー体験の向上も見込めます。たとえば、適切な内部対策の実施により、ユーザーは記事を最後まで読んだり、関連ページを閲覧したりするようになり、検索エンジンに良い評価をしてもらえます。

内部対策は、検索エンジンとユーザー双方にとってウェブサイトの価値を最大化するための基礎となるのです。

SEO内部対策の3つの種類

SEO内部対策には主に3つの種類があります。 

  • クローラビリティ対策
  • インデックス対策
  • ユーザーエクスペリエンス対策

ここからは、各対策の詳細を見ていきましょう。

クローラビリティ対策

クローラビリティとは、検索エンジンのクローラーがウェブサイトを効率的に巡回し、コンテンツを収集する行為を指します。検索エンジンがサイトをクロールできない場合、そのサイトはランク付けされないため、検索結果画面に表示されません。

だからこそ、クローラビリティ対策をして、検索エンジンに自社サイトを発見してもらい、効率よくコンテンツを理解してもらう必要があります。それでは、クローラビリティが高いサイトとはどのようなものでしょうか。

クローラーは人間と同じように、ウェブページにアクセスしてそのページのリンクをたどり、サイト全体を理解します。つまりクローラビリティが高いサイトとは、クローラーが円滑にページ内を移動できるよう、ナビゲーションがシンプルで階層構造が明確なサイトと言えます。

たとえば、リンク切れのページやコンテンツ内容を明確に示していないURLはクローラビリティ低下の原因となります。このような基本的なSEO設定にミスがあると、クローラーは適切にサイトの移動や理解ができません。

主なクローラビリティ対策は以下の通りです。

  • XMLサイトマップの設置
  • パンくずリストの設置
  • 内部リンクの最適化

これらの対策を適切に実施することで、ウェブサイトのクローラビリティが向上し、新しいコンテンツや更新されたコンテンツが迅速に検索エンジンに認識され、インデックスされる確率が高まります。

インデックス対策

インデックス対策は、クローラーがウェブページを迅速かつ正確に理解し、データベースに登録するためのプロセスを最適化することです。インデックス対策の実施により、自社コンテンツが検索結果画面に表示されるまでの時間を短縮できます。

主なインデックス対策は以下の通りです。

  • titleタグの最適化 
  • meta discriptionの最適化
  • 見出しタグの最適化
  • 構造化データの実装
  • 画像のalt属性を適切に設定

インデックス対策においては、高品質のコンテンツ制作が重要です。先にもお伝えした通り、コンテンツの数が無数に増えた現代においては、Googleはインデックスする価値あるコンテンツとそうでないコンテンツを選別するようになっています。

しかし、高品質のコンテンツ制作だけでは不十分です。海外企業Onelyの調査によれば、インターネット上にある価値あるコンテンツの16%がインデックスされていないとのこと。価値あるコンテンツを作成しても、インデックスされなければ検索結果画面に表示されません。

ウェブサイトの各ページにおいてインデックス対策をすることで、検索結果画面に表示される準備ができるのです。

ユーザーエクスペリエンス対策

ユーザーエクスペリエンス対策は、ウェブサイトに訪問したユーザーの体験を向上させることです.

主なユーザーエクスペリエンス対策は以下の通りです。

  • モバイルフレンドリー
  • レスポンシブウェブデザイン
  • サイトの表示スピード
  • HTTPS
  • ファイルの読み込み速度

どれもサイト上におけるユーザー体験の向上に貢献します。ユーザー体験を向上すれば、離脱率の低下や回遊率の向上などにつながり、検索ランキングに良い影響を得られる、購入や問い合わせなどのコンバージョン数が増えるなどの効果も見込めます。

それではここからは、3つの内部対策の詳細について見ていきましょう。

クローラビリティー対策 実施すべきチェック項目

クローラビリティー対策は、検索エンジンに自社サイトを見つけてもらいやすくするための施策です。クローラビリティの主な対策は以下の通りになります。

  • XMLサイトマップの設置
  • パンくずリストの設置
  • 内部リンクの最適化

各対策の詳細を見ていきましょう。

XMLサイトマップの設置

XMLサイトマップは、ウェブサイト上のURLをリスト化したテキストファイルです。これはクローラーにとってのデジタルマップとして機能し、クローラーにインデックスしてほしい重要ページを知らせます。

サイトのリンク構造が適切に配置されていれば、基本的には問題なくクロールされます。しかし、大規模なサイトや複雑なサイト、外部リンクの少ない新しいサイト、サイト内に動画や画像が多数設置されている場合は、XMLサイトマップの設置が効果的です。

XMLサイトマップ

出典:ONELY

たとえば、上記画像の右はウェブサイトの構造を示していますが、少しばかり複雑です。クローラーはホームページからページ2やページ3、さらにはページ5から6・7と細かく移動しなければいけません。

一方、左側のXMLサイトマップを設置すれば、クロールするべきページがリストアップ化されているため、容易にページ内を移動できます。

ここで「でもクローラーはロボットだから、全ページを問題なく訪問してくれるのでは」と思われるかもしれません。実は「クロール・バジェット」という概念があります。これはクローラーがサイトのクロールに割く時間と予算を示す概念です。

バジェット(予算)という単語が使用されている通り、自社サイトのクロールにかけられる予算と時間には上限があるからこそ、クローラーが巡回しやすいサイト構造の制作やXMLサイトマップなどが有効になるのです。

XMLサイトマップの作成方法ですが、手動で作成するのは大変なため、CMS(コンテンツ管理システム)やツールを用いて作成するのがおすすめです。

パンくずリストの設置

パンくずリストは、ユーザーがウェブサイト内のどの位置にいるかを視覚的に示すナビゲーションです。下記画像の、赤枠「」がパンくずリストに該当します。

パンくずリスト

出典:HubSpot

パンくずリストの名前の由来は、童話「ヘンデルとグレーテル」にあります。童話の中で、主人公は森の中で迷子にならないよう、パンくずを置いてきました。これと同じように、ウェブサイトでもパンくずを設置することで、ユーザーとクローラーはどの位置にいるかを理解し、自由に前のページやカテゴリーへと行き来できるようになるのです。

これにより、クローラーが効率よくページを巡回できる、ユーザー体験が向上するなどのメリットが見込めます。また、パンくずリストの理解を深めるうえでは、リッチリザルトとの関連性も忘れてはいけません。リッチリザルトとは、検索結果画面に表示される視覚的な情報のことです。

かつてはパンくずリストを使用しなければ、リッチリザルトは得られないと考えられてきましたが、現在はGoogleがページのURLを自動で分解し、パンくずリスト形式で表示する使用になっています。

そのため、リッチリザルトを得るためにパンくずリストを使用する必要はありませんが、パンくずリストを使用することで自社が望む形式でリッチリザルトを表示できるようになるのです。

パンくずリストは、階層化された大規模なウェブサイトで有効な一方、全てのサブページが同じレベルに位置する小規模サイトでは必ずしも必要ではありません。なぜなら、ホームページを起点に簡単に各ページへと移動できるためです。

パンくずリストを作成する際は、以下のポイントを守って、ユーザーが直感的に理解できるようにしましょう。

  • ページの上部に設置する
  • ホーム(トップ)ページから始め、現在表示されているページで終わるようにする
  • 左揃えにする
  • 小さく目立たないフォントにする
  • 右向きの記号(>)を使用する

パンくずリストはクローラビリティを高めるだけではなく、ユーザー体験の向上や離脱率の低下も見込めるため、積極的に設置するようにしましょう。

内部リンクの最適化

内部リンク対策とは、サイト内の各ページを関連付け、クローラーとユーザーの両方にサイト構造を重要なページを示す施策です。クローラーは、サイト内のリンクをたどって巡回します。そのため、内部リンクがあることで、クローラーは効率よくサイト内の関連ページを発見できるのです。同様に、ユーザーもサイト内を簡単に移動でき、回遊率の向上が見込めます。

また、内部リンクの効果は単なるクローラビリティの向上にとどまりません。内部リンクには、PageRankの伝搬効果があるのです。PageRankとは、Googleのオリジナルアルゴリズムでページの重要性を数値化する指標です。2016年に公表は廃止されましたが、今でも重要な指標とみなされています。内部リンクでPageRankのあるページから他記事へつなげることで、他記事にもPageRankが行きわたるのです。

内部リンクの最適化 トピッククラスター

出典:HubSpot

この内部リンクの効果を利用したのが、HubSpotが提唱するトピッククラスター。トピッククラスターは、関連するコンテンツをテーマごとにグループ化し、それぞれのトピックに関連した個別のページ(サブページ)を「ピラー」ページと呼ばれる中心的なコンテンツページにリンクすることによって、ウェブサイトの構造を整理する手法です。

ピラーページからサブページを内部リンクすることで、サブページも検索エンジンから重要ページとして認識され、より高い検索ランキングを獲得しやすくなります。

内部リンクは、適切なアンカーテキスト(リンクをクリックする際にユーザーが見る色文字のテキスト)を使用する必要があります。たとえば、リンク先のコンテンツがSEO外部対策についてならば、コンテンツ内の「SEO外部対策」にアンカーテキストを使用するべきです。基本的には、ユーザーが興味を持ちそうな情報や関連コンテンツに内部リンクを設置するとよいでしょう。

また、過度な内部リンクの設置やリンク切れはユーザー体験とクローラビリティの低下を招くため、定期的に内部リンク状況をチェックするようにしましょう。

インデックス対策 実施すべきチェック項目

インデックス対策は、検索エンジンにウェブページを理解してもらい、データベースに登録してもらうための施策です。どれだけクローラビリティが優れていても、ページが理解されなければ、検索結果画面には表示されません。以下はインデックス対策の主なチェック項目です。

titleタグの最適化

titleタグは、ウェブページの最も重要なメタデータの一つで、ページのタイトルを示す役割があります。titleタグで指定した文章は以下の場面で表示されます。

  • 検索結果
  • スニペット
  • ブラウザのタブ
  • SNSのシェア投稿

titleタグは、クローラーと検索ユーザーの両方にページの主題を伝えます。たとえば、本を買うときにタイトルがなければ、その内容を判断するのが難しくなります。同様に、ウェブページにおいてもtitleタグはページ内容の「タイトル」として機能し、ユーザーや検索エンジンがページの内容を理解するのに役立ちます。

たとえば、titleタグが「HubSpotのMA(マーケティングオートメーション)とは?機能、料金プランや導入メリット、他社のMAとの比較などわかりやすく紹介!」を指定していた場合、クローラーとユーザーは「このページはHubSpotのMAツールの機能や料金プランなどについて解説しているんだな」と判断できます。タイトルがあるのとないのでは、理解度が大きく変わるでしょう。

また、titleタグは検索結果画面やSNSのシェア画面に表示される性質上、クリック率に大きな影響を与えます。ユーザーに記事のクリックをしてもらうためにも、ページの内容を端的に表し、魅力的なタイトルを作成しなければいけません。

titleタグを最適化するポイントは以下の通りです。

  • 28~32文字にする
  • 記事の内容を明確かつ具体的に伝える
  • キーワードは冒頭に設置する

検索結果画面に表示されるのは、titleタグの最初の32文字ほどであり、長すぎるとタイトルの一部が省略されます。そのため、可能な限り重要キーワードはタイトルの冒頭に設置し、32文字以内で記事の内容が伝わるタイトルを作成するとよいでしょう。

SEO Titleタグの最適化

(SEO META in 1 CLICKの使用画面)

まずはウェブサイトの重要ページにtitleタグが設定されているのかを確認し、必要に応じて追加や修正をしてください。titleタグの確認はラッコツールの「TITLE & META情報抽出」やChrome拡張機能の「SEO META in 1 CLICK」で行えます。

メタディスクリプションの最適化

メタディスクリプションは、ウェブページの内容を簡潔に紹介する役割を担うmetaタグです。titleタグが本のタイトルに相当するなら、メタディスクリプションは本の表紙に記載されているあらすじや概要に相当します。

titleタグが本のタイトルとしてその内容を簡潔に伝えるものであるのに対し、メタディスクリプションは少し詳細な情報を提供し、ユーザーにその本を読むべき理由を説得する役割を持っているのです。

SEO対策 メタディスクリプション

最適化されたメタディスクリプションは、クローラーとユーザーにページの内容と主題を明確に伝え、クローラビリティとクリック率を向上させる効果があります。また、メタディスクリプションは間接的にSEOランキングにも影響を与えます。

メタディスクリプションは検索結果画面に表示され、ユーザーにページの内容を伝えます。タイトルで興味をひかれたユーザーは、メタディスクリプションで詳細を確認し、クリックするのかどうか決めるのです。そして、クリック率はSEOランキングに直接的な影響を与える要因です。

メタディスクリプションが記載されているページは、そうでないページと比べて、平均クリック率が5.8%も高まる

出典:Backlinko

 

Backlinkoの調査によれば、メタディスクリプションが記載されているページは、そうでないページと比べて、平均クリック率が5.8%も高まるとのこと。メタディスクリプションには、そのページのキーワードを含めつつ、ページの内容を正確かつ魅力的に表現することが重要です。

メタディスクリプションを最適化するポイントは以下の通りです。

  • 120文字前後で記載する
  • 冒頭にキーワードを入れる
  • コンテンツの内容を要約する
  • ベネフィット(クリックするべき理由)を入れる

最近では、生成AIを活用してメタディスクリプションを作成する方法もあります。記事の内容やターゲット読者などを伝えて、110文字以上でメタディスクリプションを作成するように指示すると、精度の高いメタディスクリプションが瞬時に作成されます。

見出しタグ (h1, h2, h3......)の最適化

見出しタグの最適化は、ウェブページの構造を明確にし、コンテンツの重要な部分を強調するために重要です。見出しタグ(h1、 h2、 h3など)は、ページ内の情報階層とコンテンツの区分を示すために使用されます。

適切に設計された見出しは、クローラーにページの構造を理解させる手助けとなり、各セクションのトピックやサブトピックが何であるかを伝えるために役立ちます。これにより、クローラーはコンテンツをより効率的にクロールし、インデックスすることが可能になります。

見出しタグ (h1, h2, h3)

見出しタグの最適化を行う際には、まずページ内で一貫性のある階層構造を確保することが重要です。通常、h1タグはページの主題を示すために一度だけ使用され、このタグはそのページで最も重要なタイトルと見なされます。

次に、h2タグは主要な見出しとして機能し、ページの主要なセクションを定義します。h3タグはh2タグの下でサブセクションを示し、必要に応じてh4からh6のタグがさらに詳細な階層やポイントを細分化するために使われます。

また、見出しには関連するキーワードを含めることが推奨されますが、自然な言い回しを心掛けることが重要です。キーワードの詰め込みを避け、ユーザーにとって意味のある、読みやすい見出しを作成することが、最終的には検索エンジンによるページの評価向上につながります。

各見出しは、そのセクションのコンテンツが何についてなのかを簡潔に伝えるように設計する必要があり、ユーザーがページ内容を把握する際にも役立つようにするべきです。

構造化データの実装

構造化データとは、ウェブページの情報をクローラーが理解できるように整理されたデータ形式です。これを実装することで、クローラーがウェブページの内容をより正確に理解し、適切な検索結果として表示することができます。

また、構造化データを実装すれば、検索結果にリッチ情報が表示されるようになります。たとえば、レストランのウェブサイトでは、住所、営業時間、メニュー、料金など詳細な情報を検索結果に表示できるようになるのです。

構造化データは、HTMLファイルに直接記述することで作成するほか、ウェブの知識が少ない方にはGoogleの「構造化データ マークアップ支援ツール」がおすすめです。

このツールを使えば、サイトもしくはウェブページのジャンルを選択し、URLを入力することで、直観的に理解できる画面で構造化データの作成を行えます。最後に、HTMLファイルをコピーし、サイトに貼り付けることで完了します。

画像のalt属性を適切に設定

alt属性、すなわち代替テキストは、画像が何を表しているのかを説明する短いテキストで、画像そのものが何らかの理由で表示されない場合や、視覚障害を持つユーザーがスクリーンリーダーを使用している場合に、その画像の内容を伝える役割を果たします。

画像のalt属性は、その画像がページ内でどのような役割を果たしているのか、どのような情報を提供しているのかを検索エンジンに示す手がかりとなります。このため、altテキストを適切に設定することで、検索エンジンは画像の内容を理解し、関連する検索クエリに対してその画像をインデックスすることができます。

特に画像検索においては、alt属性が検索結果にどのように表示されるかが直接影響を受けるため、この属性の正確な使用はSEOの観点からも重要です。

適切なaltテキストの設定には、いくつかの重要な要素が含まれます。まず、altテキストは具体的であり、画像を適切に説明する内容である必要があります。

画像が示している具体的な情報、たとえば「夕日に照らされた山の風景」や「手作業で組み立てられる時計の内部機構」など、具体的な描写を提供することが望ましいです。また、ページ内の他のコンテンツと連携して、その画像がテキスト内容とどのように関連しているかを示すことも重要です。

さらに、altテキストは検索エンジンがコンテンツをクロールする際に役立つキーワードを含むことが推奨されますが、この際にキーワードの詰め込み過ぎに注意する必要があります。自然な言語でキーワードを組み込み、読み手にとって意味のある、理解しやすい説明を心がけるべきです。

ユーザーエクスペリエンス対策 実施すべきチェック項目

ユーザーエクスペリエンス対策は、ウェブサイトの訪問者がサイトを快適に利用できるようにするための重要な施策です。ユーザーエクスペリエンスが悪ければ、自社サイトに訪問してもらっても、すぐに離脱されたり、コンバージョン行動につながらなかったりします。

以下は、ウェブサイトのユーザーエクスペリエンスを向上させるためにチェックすべき主な項目です。

モバイルフレンドリー

現代は多くのユーザーが、スマートフォンで検索しています。ドイツのSEO企業が実施した調査によれば、日本では検索の75.1%がスマートフォンで行われているとのこと。

この現状を踏まえると、スマートフォン用に表示を最適化して、モバイル端末でもウェブサイトを見やすくする対策が欠かせません。実際にGoogleは、モバイル版のサイトとコンテンツを優先的にインデックスすると明言しています。

モバイルフレンドリーなサイトを構築するためには、タッチ操作に適した要素を設計することが重要です。たとえば、ボタンやリンクのサイズを大きくして指でタップしやすくするなど。また、画像や動画はモバイルデバイスでのデータ使用量や読み込み速度に影響を与えるため、これらのメディアコンテンツの最適化も必要です。

さらに、モバイルデバイスでは画面スペースが限られていることも考慮すれば、読みやすくするために改行を多くする、文字間隔を広めにとるなどの工夫もしなければいけません。

モバイルフレンドリー

出典:HubSpot

後ほどご紹介するツールを使えば、自社サイトがモバイルフレンドリーかどうかを把握できます。たとえば、HubSpot SEOツールを使えば、サイト状態を数値で可視化でき、上記画像のようにモバイルフレンドリーを向上させるためのポイントが表示されます。

多くのユーザーがモバイル端末を利用している現代において、モバイルフレンドリーのサイト構築は必ず行うべき対策です。フォントやレイアウト、画像、ボタンなど各要素の最適化をし、モバイルフレンドリーなサイトを目指しましょう。

レスポンシブウェブデザイン

モバイルフレンドリーなサイトを構築する簡単かつおすすめの方法が、レスポンシブウェブデザインの採用です。レスポンシブウェブデザインとは、さまざまなデバイスや画面サイズに適応するウェブページを作成するアプローチのこと。Googleもレスポンシブウェブデザインを推奨しています。

レスポンシブウェブデザインを採用するメリットは、1つのウェブページでさまざまなデバイスに対応できるようになることでしょう。従来は異なるデバイスごとに個別のサイトを設計する必要がありましたが、レスポンシブウェブデザインを用いることで、一つのコードベースから複数のデバイスに適応するページを効率的に作成できます。これにより開発時間とコストが削減され、ウェブサイトの管理も簡素化されます。

現在のウェブサイト制作においては、レスポンシブデザインが基本となっているため、特別な設定は必要ありません。

サイトの表示スピード

サイトの表示スピードは、ウェブサイトのユーザーエクスペリエンスにおいて極めて重要な要素です。Googleによれば、ページの読み込み速度が1秒から5秒になると、直帰率は90%増加するとのこと。つまり、ページの読み込み速度が遅ければ、ユーザーにクリックされても読まれないのです。

また、Googleなどの検索エンジンはページの速度をランキングの重要な指標として考慮しており、そもそも遅いサイトは検索結果の上位に表示されない可能性が高くあります。

サイトの表示スピードは多くの要素で決まりますが、以下の項目をチェックしてみましょう。

  • 画像ファイルが圧縮化されているか
  • JavaScriptやCSSなどのファイルが圧縮されているか
  • 高性能のサーバーを選択しているか

Google Page Speed Insight

出典:PageSpeed Insights

まずは、Googleが無料で提供するPageSpeed Insightsを使用して、自社サイトの表示スピードを確認しましょう。ウェブページのURLを入力するだけで、ページの表示スピードを測定し、細かな改善ポイントまで把握できます。

サイトの表示スピードを改善するためには、ページの構成要素の最適化からサーバー設定に至るまで、多角的なアプローチが必要です。いきなりサイト全体の表示スピードを最適化するのは骨が折れる作業のため、まずは製品ページやLPなどのコンバージョンに近いページの表示スピードの改善から始めるようにしましょう。

HTTPS

HTTPS(Hyper Text Transfer Protocol Secure)は、インターネット上でデータを安全に送受信するためのプロトコル(手順やルール)です。HTTPSは、従来のHTTPと比較して、通信を暗号化することによりデータの安全性を大幅に向上させます。ユーザーとウェブサーバー間のすべての通信が暗号化され、第三者によるデータの盗聴や改ざんを防ぐことが可能です。

特に、ログイン情報やレジットカード情報などの個人情報が関与する取引において、HTTPSは必須の技術となっています。

また、Googleをはじめとする多くの検索エンジンは、HTTPSをランキング要因としています。これは、セキュリティを重視する検索エンジンの方針によるもので、HTTPSを使用しているサイトは検索結果において優遇される傾向にあるのです。

HTTPS化の主な流れは以下の通りになります。

  1. SSL/TLS証明書の取得
  2. 証明書のインストール
  3. HTTPSへのリダイレクト設定
  4. ウェブサイトのリソースの更新
  5. 最終チェック

HTTPSの導入はテクニカルなプロセスであり、ウェブサーバーの設定を適切に行い、すべてのリソースがHTTPSを通じて正しく読み込まれるようにする必要があります。

また、既存のHTTPサイトからHTTPSへの移行では、URLの変更が伴うため、適切なリダイレクトの設定が求められます。これにより、SEOの観点からも、リンクの価値が新しいHTTPS URLに正しく引き継がれることが保証されます。

ファイルの読み込み速度

ファイルの読み込み速度はウェブサイトのパフォーマンスに大きく影響を及ぼし、ユーザーエクスペリエンスの向上、検索エンジンのランキング向上などにつながります。

ファイル読み込み速度を最適化することで、ページ読み込み速度が速くなり、ユーザーがサイトをスムーズに利用できるようになるのです。特にモバイルデバイスを使用しているユーザーは、高速なページロードを求めており、遅いサイトは離脱率が高まってしまいます。

ファイルの読み込み速度の最適化は、比較的簡単な施策なので、各種ファイル(HTML、CSS、JavaScript、画像など)の読み込み速度の最適化に取り組みましょう。

具体的には、ファイルサイズを圧縮することをおすすめします。高い解像度の画像を用いることは重要ですが、必要以上に高い解像度は読み込み速度の低下につながります。Optimizillaなどの画像圧縮ツールを用いて、画質を保ったまま、ファイルサイズを削減しましょう。

JavaScriptやCSSファイルは、不要な空白やコメントを削除することでファイルサイズを減らし、さらに複数のファイルを一つに結合することでリクエスト数を削減できます。

また、キャッシュの利用はファイル読み込み速度を効率的に改善する方法の一つです。ブラウザキャッシュを有効にすれば、ユーザーが一度読み込んだリソースを再利用できるため、同じユーザーに対するサーバーの応答時間が大幅に短縮されるのです。

SEO内部対策チェックツール

SEOの効果を最大化するためには、適切なツールを活用してウェブサイトの状態を定期的にチェックし、必要な最適化を行うことが重要です。以下に、SEO内部対策のために役立つツールをご紹介します。

SEO Pack

SEO Pack

出典:SEO Pack

 

SEO Packは、内部対策、外部対策、コンテンツ対策を一体的に管理し、効率化を図ることができる多機能SEOツールです。このツールは、ウェブページの内部要素に対する綿密な分析を行い、AからEの5段階評価または100点満点で各ページを評価します。

具体的には、タイトルタグ、メタディスクリプション、ページの読み込み速度など、SEOに影響を与える23項目を網羅的にチェックし、各項目に対して具体的な改善策を提案します。これにより、SEOの初心者でも効率的にサイトの内部対策を実施し、SEOの基本を学びながら実際の改善を進めることができます。

内部対策だけではなく、外部対策とコンテンツ対策も行え、月額7,980円と手ごろな価格であることを踏まえると、初めてのSEOツールとして最適な候補の1つです。

HubSpot SEOツール

HubSpot SEOツール

出典:HubSpot

HubSpotのSEOツールは、マーケティング業務を効率化するMarketing Hubに含まれる機能の1つです。SEOツールでは、以下のようなSEOに関する推奨項目の確認を行えます。

  • インデックス登録されてないページ
  • 内部リンクの設定状況
  • 最適なタイトルとメタディスクリプションの作成
  • 画像サイズの最適化
  • HTTPS経由で読み込まれたかを確認
  • セキュリティとパフォーマンスのリスクがある外部リンクの更新
  • 無効となっている内部リンクの修正

HubSpot SEOツール

上記画像の通り、改善が必要な項目や具体的な改善策などがわかりやすく表示されるため、効率よく内部対策に取り組めます。

また、トピッククラスターの作成・管理やSEO分析などの機能もあり、HubSpotのみでSEO対策をすべて完結することが可能です。

さらに、Marketing Hubには広告やメールマーケティングなどデジタルマーケティングに必要な機能がすべてそろっています。たとえば、Marketing Hubを使えば、SEOで効果的にリードを獲得するだけではなく、メールマーケティング機能を使いリードの育成も効率よく行えます。

SEO対策はもちろんのこと、デジタルマーケティング全体を効率化したい方におすすめのツールです。

Screaming Frog

Screaming Frog

出典:Screaming Frog

Screaming Frog は、ウェブサイト全体の構造や技術的な課題を詳細に分析するためのSEOツールです。

このツールの最大の特徴は、サイト内のページ、リンク、画像、CSS、スクリプトなどほとんど全ての要素をクロールし、内部構造を徹底的に解析できる点にあります。具体的には、404エラーページの有無や、重複しているコンテンツの特定、タイトルタグやメタディスクリプションの適正チェックなどが可能です。

分析結果を基に、問題の箇所と改善案が提示されるので、ユーザビリティとSEO対策に役立てられます。特に、XMLサイトマップの自動生成機能は無料版でも利用でき、便利な機能の一つです。

無料版でも500ページまでのクロールができ、中小規模サイトであれば十分な性能を発揮してくれます。ただし、日本語に対応していない点がデメリットとなっています。

まとめ

SEO内部対策は、検索エンジンにウェブサイトを適切に評価してもらい、ユーザーに良いサイト体験を提供するために欠かせない取り組みです。

検索エンジンは、タイトルやメタディスクリプションなどからコンテンツと検索ワードの関連性を判断します。また、ページの読み込み速度やモバイル対応の状況から、ユーザーにとって使いやすいサイトかどうかを評価しています。

優れたコンテンツを作っただけでは検索ランキングの上位に入れません。内部対策が適切に行われていないと、検索エンジンにコンテンツの良さを伝えられず、上位表示は難しくなるのです。

内部対策には、インデックス設定の最適化、内部リンクの適切な設計、ファイルの軽量化などが含まれます。技術的な部分もありますが、自社で対応できる施策が多数あります。

ぜひ本記事を参考に、SEO内部対策に取り組んでいただき、検索エンジンとユーザーの両方に評価してもらえる土台を作っていただければ幸いです。

渋谷 真生子

株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。

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