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HubSpotとShopify連携とは?メリット、具体的な機能、料金から接続方法などに関して幅広く解説!

HubSpotとShopify連携とは?メリット、具体的な機能、料金から接続方法などに関して幅広く解説!テクノロジーが発展した現代においては、BtoCだけではなく、BtoBのECストアも増加しています。経済産業省が発表している「電子取引実態調査」によれば、令和4年のBtoC - EC市場規模は前年比9.91%増の22.7兆円、BtoB - EC市場規模は前年比12.8%増の420.2兆円とのこと。

さらに、国際的な市場に目を向けると製品サービスを製造する企業が小売業者や中間業者を経由せず、直接消費者に販売するビジネスモデル「DtoC」の動きが盛んになっています。このようにECへの変貌・拡大が進むなか、カギを握るのがCRM(顧客管理マネジメント)です。

CRMを導入し、顧客に関する情報を一元管理・分析をすることで、顧客一人ひとりの購買履歴や好みを理解したうえで、最適な体験を提供できるようになります。本記事では、世界最大級のEコマースプラットフォームShopifyとCRMソフトウェアのHubSpotの連携メリットや機能、接続手順などを解説します。

HubSpotとShopify連携とは

HubSpotはCRM(Customer Relatoion Management:顧客管理マネジメント)ソフトウェア、ShopifyはEコマースプラットフォームです。

HubSpotとShopifyを連携することで、Shopifyからの注文情報やコンタクト情報、購買履歴などのデータが自動的にHubSpotに同期されます。これによりマーケティングとセールスチームは、詳細な顧客情報に基づき、インバウンドセールス/マーケティングができるようになるのです。

まずは、HubSpotとShopifyの概要、連携について見ていきましょう。

HubSpotとは

HubSpotとは、社内に集まる顧客情報を一元管理するCRMシステムです。一般的なCRMとは異なり、HubSpotはCRMという大きなプラットフォームの中に、Sales Hub・Marketing Hub・Service Hub・CMS Hub・Operations Hubといった各業務の効率化・自動化するソフトウェアが搭載されています。

HubSpot 製品群

出典:HubSpot

CRMと各ソフトウェアは連携しているため、カスタマージャーニーの各ステージにおける顧客の詳細情報を把握しながら、顧客一人ひとりにとって最適なコミュニケーションを提供できます。

各ソフトウェアを単体で使用できますが、複数ソフトウェアを組み合わせることで、一貫した顧客体験の提供ができるようになるでしょう。

Shopifyとは

Shopifyとは、スタートアップから大企業まであらゆる規模・業種に対応したコマースプラットフォームです。SaaS型のサービスのため、初期費用をかけずにECサイト運営を開始できます。

Shopify

出典:Shopify

オンラインストア構築機能が有名ですが、そのほかにも決済やマーケティング、データ分析などさまざまな機能を搭載しており、スケーラビリティに有効なオプションも豊富に用意されています。Shopifyは、単なるソフトウェアではなく、オールインワンのコマースプラットフォームです。

HubSpotとShopify連携とは

HubSpotとShopifyの連携により、ShopifyデータをHubSpotで管理・分析をし、営業やマーケティング業務の効率化、および優れた顧客体験を提供できるようになります。詳しくは次の項で解説しますが、ワークフローによる業務の自動化やパーソナライズしたコミュニケーションの提供、詳細な分析などの機能を活用できます。

HubSpotとShopify連携でできること

HubSpotとShopifyを連携することで、主に以下4つのことができます。

  • 顧客データの同期
  • ワークフローの活用
  • パーソナライズされたコミュニケーション
  • 分析

ここからは、各機能の詳細を見ていきましょう。

顧客データの同期

HubSpotとShopifyを連携することで、Shopifyの注文情報やカート内容、顧客のプロフィール、購買履歴、連絡先情報などをHubSpotに同期できます。これにより、より詳細な顧客分析をし、効果的な施策展開へとつなげられます。

たとえば、Shopifyストアで顧客が製品Aを購入した場合、購入データがHubSpotにも自動同期されます。製品購入データに基づき、HubSpot上で製品Aの使用方法や関連製品を配信するメールを配信すれば、顧客エンゲージメントの向上やアップセル、クロスセルを見込めるでしょう。

各部門が顧客の詳細情報に基づいて行動することで、顧客にとって最適なタイミングで、最適な情報を届けられます。

ワークフローの活用

出典:HubSpot

HubSpotのワークフローとは、マーケティングや営業などの特定業務を自動化する機能です。HubSpotとShopifyの連携を活用すれば、主にメール配信業務を自動化し、顧客のエンゲージメントを高められます。具体例は以下の通りです。

  • 初回購入をした顧客にメール配信
  • カゴ落ちから24時間経過した顧客にメール配信
  • 特定の期間内に購入をしなかった顧客にメール配信

特に、メールの自動配信は既存顧客のリエンゲージメント向上やカゴ落ち防止に有効です。Rejoinerの調査によれば、カゴ落ちの68%がメールがきっかけで復帰しているとのこと。また、特定の製品を購入した顧客に関連する製品情報を知らせるメールを自動配信して、クロスセル/アップセルを促すなどの活用も可能です。

このようにワークフローを使用すれば、業務の自動化を図れるだけではなく、顧客に有益な情報をタイムリーに届けられるため、顧客体験が向上します。結果的に、新規顧客数やアップセル/クロスセルなどの増加へとつながるのです。

パーソナライズされたコミュニケーション

パーソナライズされたコミュニケーションは、顧客エンゲージメントを高め、ブランドの成長に貢献する重要な要素です。HubSpotとShopifyの連携を活用することで、顧客とのコミュニケーションを個別に調整し、顧客一人ひとりに有益な情報を提供できます。

たとえば、誕生日や記念日の顧客に個別の割引クーポンを自動メールで配信すれば、顧客は特別感を感じ、ブランドへの親近感を強めるでしょう。また、特定の行動に応じてカスタマイズされたプロモーションを送信することも可能です。

テクノロジーや技術の発展により、類似製品サービスの販売が容易になった現代においては、製品だけではなく顧客体験で差別化することが重要です。

分析

Shopifyでもストアのアクティビティや訪問者の行動を分析できますが、HubSpotとの連携により、より詳細な分析が可能になります。具体的には、顧客の購入歴や閲覧ページ、平均注文金額、LTV(顧客生涯価値)などに基づいて顧客セグメントリストを作成し、顧客行動や購買傾向などを把握できます。

たとえば、顧客の購買回数や注文金額などのロイヤルティに基づいたリストを作成・分析をすることで、ロイヤルカスタマーになる顧客の特徴を把握できるかもしれません。また、このリストを対象にクーポンメールの一斉送信もできます。

さらに、HubSpotでは直感的に理解しやすいレポートが生成されるため、売り上げの良い製品や収益に貢献しているマーケティングチャネルの特定も可能です。Eコマース運営で頻繁に使用されるレポートには、以下のものがあります。

  • 流入チャネル別の平均取引額
  • 前月の製品売上の割合
  • 1日当たりの契約件数対前月比
  • 流入チャネル別のLTV

HubSpotとShopifyを連携するメリット

HubSpotとShopifyを連携することで、下記3つのメリットを得られます。

  • セールスとマーケティング業務の効率化
  • 良質な顧客体験の提供
  • オンライン売上げの増加

ここからは、各メリットの詳細を見ていきましょう。

セールスとマーケティング業務の効率化

HubSpotとShopifyを連携することで、Shopifyで生成された顧客情報はシームレスにHubSpotに反映されるため、顧客情報の一元管理ができます。

この連携により、セールスチームは顧客データの手動入力から解放され、情報の抜け漏れを最小限に抑えながら、HubSpot上で顧客属性や行動データなどの詳細情報に迅速にアクセスし、効果的な営業アプローチを実現できます。

さらに、Sales Hubにはメールテンプレートや商談管理などの業務効率を向上させる機能が豊富に組み込まれており、ビジネスプロセスの最適化に貢献します。

マーケティングチームにとっても、初回購入、グリーティング(挨拶)、カゴ落ちリマインダーなど、さまざまなメール配信をワークフローで自動化することで、大幅な業務効率向上を実現できるでしょう。

良質な顧客体験の提供

HubSpotは、顧客の詳細情報や過去のコミュニケーション内容を記録します。この詳細な顧客データを活用することで、顧客一人ひとりに適したメッセージを提供できます。パーソナライズされた顧客体験の重要性を裏付ける調査として、マッキンゼーのレポートを紹介します。

出典:Mckinsey

マッキンゼーによれば、消費者の71%が「パーソナライズされたコミュニケーションを期待」、76%の消費者は「パーソナライズされた体験が提供されないと不満を感じる」と回答しています。

HubSpotとShopifyを連携させることで、顧客の行動や購買動機を理解したうえで、パーソナライズしたメッセージを配信できます。たとえば、5回以上購入した顧客に特別クーポンを提供するメールを送信すれば、顧客のエンゲージメント向上やアップセル、クロスセルへとつながるでしょう。

さらに、HubSpotには顧客に関するあらゆるデータが集約されているため、営業、マーケティング、カスタマーサービスなどが円滑に連携し、一貫した顧客体験を提供できます。

オンライン売上げの増加

先ほどご紹介したマッキンゼーの調査によれば、急成長している企業は、その他の企業と比較して、パーソナライゼーションによる収益が40%増加していることが判明しています。この理由は、パーソナライゼーションが顧客体験の向上、既存顧客のエンゲージメントとロイヤリティの向上に寄与しているからです。

出典:Mckinsey

 

上記の図はマッキンゼーの調査レポートからの引用であり、その意味は以下の通りです。

  • 76%の消費者はパーソナライズ体験を提供する企業から購入する
  • 78%の消費者はパーソナライズ体験を提供する企業から再購入する
  • 78%の消費者はパーソナライズ体験を提供する企業を家族や友人に紹介する

このように、パーソナライズ体験を提供することで、LTV(顧客生涯価値)や紹介による新規顧客獲得が促進され、売上げの増加につながるわけです。このマッキンゼーの調査は、HubSpotが提唱する「フライホイール」の有効性を裏付けています。フライホイールは、ビジネスの持続的な成長と成功を実現するために、顧客エンゲージメントを中心に据える考えに基づいています。

出典:HubSpot

HubSpotには、インバウンドマーケティングとフライホイールの実現に必要な機能がすべて備わっています。これにより、営業、マーケティング、カスタマーサポートが顧客情報を一元管理し、顧客一人ひとりに合わせたアプローチが可能になります。

HubSpotとShopifyの料金プラン

この記事を読んでいる方々の中には、HubSpotやShopifyに未加入の方もいるかもしれません。HubSpotとShopifyの連携を利用するには、それぞれのサービスへの加入が必要です。そこで、ここからは各サービスの料金プランをご紹介いたします。

ただし、HubSpotとShopifyはSaaS系のサービスであり、料金プランは変動する可能性があります。最新の料金プランについては、公式ウェブサイトで確認の上、ご加入いただくことをおすすめいたします。

HubSpot料金プラン

HubSpotには最大5ユーザーまで無料で利用可能なCRMがあります。CRMを基盤にそれぞれの製品、機能が提供されています。
今回掲載している料金プランは2024年3月時点の情報となります。

Marketing Hub

HubSpot Marketing Hub 料金プラン

Sales Hub

HubSpot Sales Hub 料金プラン

 

 

Shopify料金プラン

Shopify料金プラン

HubSpotとShopifyを接続する方法

最後に、HubSpotとShopifyを接続するための条件とその手順をご紹介します。主な手順は以下の通りです。

  1. ShopifyストアとHubSpotを接続する
  2. 同期設定のカスタマイズをする
  3. フィールドマッピングを編集する

各手順の詳細を見ていきましょう。

連携時の前提条件

HubSpotとShopifyを連携する際の前提条件として、HubSpotアカウントの所有とShopifyでストアを運営している必要があります。HubSpotはすべてのプランで利用できますが、Shopifyは有料プランのみで外部サービスとの接続が可能です。

また、この連携はアプリを介して行われるため、HubSpotアカウントのスーパー管理者またはアプリマーケットプレイスへのアクセス権が必要です。

1. ShopifyストアとHubSpotを接続する

最初のステップは、ShopifyストアとHubSpotを接続することです。これにより、顧客データや購買情報などが同期され、効果的なマーケティングとセールスが可能になります。以下は具体的な接続手順です。

HubSpotにログイン、画面右上にある [マーケットプレイス] のアイコン > [アプリマーケットプレイス] の順にクリック。

検索欄に「Shopify」を入力して選択。

[アプリをインストール] をクリック。

ShopifyのストアURLを入力し、[アプリをインストール] をクリック。その後、画面の指示に従い認証を進めます。

 2. 同期設定のカスタマイズをする

次に同期設定のカスタマイズをしましょう。デフォルトでは、ShopifyからHubSpotへのコンタクト・商品データが自動的に同期されますが、逆方向への同期はデフォルトでは行われません。データの一貫性を保ち、両プラットフォームで最新の情報を共有するためにも、各手順で双方向同期の設定をしましょう。

マーケットプレイスのアイコン > [接続されたアプリ] の順にクリック。

接続されたアプリの中から [Shopify] を選択。

[コンタクト] タブ > [Contact sync rules」セクション > [Sync limited Hub Spot updates to Shopify (required Shopify login)] の順にクリックして完了。

これにより、HubSpotとShopifyのコンタクトデータが双方向で同期されるようになりました。たとえば、顧客の名前、住所、電話番号、EメールアドレスなどがHubSpotで変更された場合、それらの変更がShopifyにも反映されます。 

3. フィールドマッピングを編集する

フィールドマッピングは、HubSpotとShopifyの連携において、どのデータがどのフィールドに対応するかを指定する設定です。フィールドマッピングを編集することで、データが正確に移動し、両プラットフォーム間で整合性を保てます。フィールドマッピングを編集する方法を解説しましょう。

連携設定画面より、コンタクト・取引・商品タブをクリックすると、顧客情報や注文などのオブジェクト詳細情報が表示されます。各オブジェクトの詳細情報画面には、「オブジェクト同期ルール」セクションがあります。

ここでは、どのShopifyオブジェクトがHubSpotのオブジェクトと同期しているか、オブジェクトレコードの作成や更新、削除のルールなどの確認が可能です。

「フィールドマッピング」をクリックすると、HubSpotのプロパティとShopifyのフィールド間のマッピングが表示されます。つまり、どのデータがどのフィールドに対応しているかがわかります。

新しいフィールドマッピングを追加するには、「新しいマッピングを追加」をクリックし、ドロップダウンメニューから、マッピングするHubSpotプロパティとShopifyフィールドを選択します。

既存のフィールドマッピングを編集するには、マッピングの横にある「Actions」をクリックし、「Edit」を選択します。これにより、既存の設定を変更できます。「削除」を選択すれば、不要なマッピングの削除が可能です。

まとめ

BtoCに限らず、BtoBでもECショップを運営する企業が増加しています。競争が激化するEC業界において、自社の優位性を保つためには、製品だけではなく優れた顧客体験の提供も欠かせません。

HubSpotとShopifyを連携することで、顧客の購買履歴、好み、行動データなどを基に、よりパーソナライズされた顧客体験を提供できます。また、HubSpotにはワークフローやテンプレートなどの機能が豊富にあるため、営業とマーケティング業務の大幅な効率化も可能です。

ぜひ本記事を参考に、HubSpotとShopifyを連携し、顧客に最適な体験を提供していただければと思います。

渋谷 真生子

株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。

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