SEO対策は内部対策と外部対策の2つに大別されますが、外部対策は最も難しい施策と言われています。たとえば、株式会社ニュートラルワークスの調査によれば、Webマーケティング担当者が最も苦手な領域が外部SEO対策と判明しています。
外部SEOでは他のWebサイトやユーザーから自社サイトへのリンクや言及を獲得する必要があり、自社で完全にコントロールできない部分が多いためです。
しかし、この困難な施策こそが検索順位を大きく押し上げる可能性を秘めています。海外の企業は高品質なコンテンツの作成と外部SEO戦略の強化により、多くのキーワードでランキング上位を達成しました。
本記事では、重要かつ難解な「SEO外部対策」について、基本から内部対策との違い、具体的な手法、便利ツールまでをわかりやすくご紹介します。この記事を通じて、外部SEO対策の全貌とその実践方法を理解し、実際に活用できる知識を得ることができます。
SEO外部対策とは、自社サイト「外」の要因を最適化することで、検索エンジンのランキングを向上させるための戦略や活動のことです。主な施策内容は、被リンクの獲得やSNSでのシェアなどであり、外部に評価をしてもらうことで、自社サイトの信頼性を高めることが目的です。
まずは、SEO外部対策の基礎や重要性、内部対策との違いなどについて見ていきましょう。
そもそもSEOとは、自社サイトを検索結果画面の上位に表示させるための施策です。検索エンジンは、ユーザーが特定のキーワードで検索した際、そのキーワードに最も関連性が高く、有益な情報を提供するWebページを上位に表示します。SEOの目的は、この検索エンジンの評価基準に基づいてWebサイトを最適化し、オーガニックトラフィック(自然検索による訪問者)を増加させることです。
Backlinkoの調査によれば、検索ランキング1位のページの平均クリック率は27.6%に達します。具体例として、月間検索ボリュームが1万のキーワードで1位を獲得できれば、月に2,760の流入を見込めます。その中から、5%がメールマガジンに登録した場合、138人のリード獲得につながるのです。
SEOは成果が出るまでに1年以上かかる中長期的な施策ですが、成果が出始めると、低コストで定期的にリードを獲得できる重要な手段となります。
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SEOの外部対策とは、Webサイト外の要因を最適化することを目的とした施策です。主な対策要素は以下の通りです。
このようにさまざまな施策を通して、自社サイトの信頼性や権威性を高めるのが外部対策の目的です。詳しくは後述しますが、信頼性が高まれば、上位表示できる確率が高まります。
SEO外部対策が自社サイト「外」の要因を最適化するのに対し、内部対策は自社サイト「内」の要因の最適化を目指した施策です。簡潔に言えば、SEO内部対策とは検索エンジンとユーザーが使いやすいサイト構築をし、正しく評価してもらうことを目指します。
以下に内部対策と外部対策の違いを表にまとめました。
両対策をバランスよく実施することで、検索ランキングの上位表示を達成できます。
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SEO外部対策が重要な理由は、自社サイトの信頼性を高めることで、検索ランキングの向上が見込めるためです。2016年、GoogleのGary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏は「外部リンクはサイトの人気や指示を示す指標のため、サイト順位を上げるのに役立つ」旨を述べています。
出典:X
Googleは役立つコンテンツを判断するために、専門性、権威性、信頼性(E-A-T)を測定します。そして、これらの要因を測定するために外部リンクを使用しているのです。たとえば、「Googleが掲げる10の事実」においても、外部リンクはコンテンツの質を評価する投票としての役割があると明記されています。
さらにBacklinkoが行った調査によると、検索結果の上位にランクインしているページは、他のページよりも圧倒的に多くの被リンクを持っていることが示されています。この調査では、上位1位にランクインしているページは平均で約3.8倍の被リンクを持っていることが明らかになりました。
これらの事実を踏まえると、被リンクはコンテンツの質を示す指標であり、被リンクの数が多いほど検索ランキング上位に表示される確率が高まるといえます。
SEO外部対策は、その歴史を通じて多くの変化を遂げてきました。かつては単に被リンクの数が多ければ良いとされていましたが、Googleのアルゴリズムの進化により、質の高いリンクが重要視されるようになったのです。この項では、SEO外部対策の歴史、Googleのアルゴリズムアップデート、そして現在のSEOにおける外部対策の重要性について詳しく解説します。
SEO外部対策の初期には、被リンクの数が直接的に検索エンジンのランキングに影響を与えるとされていました。たとえば、1990年代から2000年代初期にかけて、多くのWebサイトがリンクを購入したり、「リンクファーム」と呼ばれる大量のリンクを生成する手法を用いました。
このような状況では、検索ランキングの上位にはユーザーにとって有益な価値を提供するサイトではなく、単に被リンクの数が多いサイトが並ぶようになりました。その結果、ユーザーは有益な情報を見つけられず、ユーザーエクスペリエンスが大幅に低下したのです。
そこでGoogleは、不正な手法に対抗するために2000年代後半にアルゴリズムの大幅なアップデートを行いました。その一つが「ペンギンアップデート」であり、低品質なリンクやスパムリンクを利用するWebサイトはペナルティを受け、ランキングが大幅に低下するケースが増えました。
リンクの質が重要視されるようになったことで、信頼性の高いサイトからのリンクが評価されるようになりました。具体的には、リンク元のサイトが専門性、権威性、信頼性(E-A-T)を備えているかどうかが評価基準となったのです。
その後もGoogleはアルゴリズムの改良を続けており、リンクの質と関連性をより正確に評価するための技術を導入しています。たとえば、「パンダアップデート」や「ハミングバードアップデート」は、コンテンツの品質やユーザーエクスペリエンスを重視する方向性を強めました。こうしたアップデートにより、SEO外部対策はリンクの質を重視する方向へと進化し続けています。
このように、SEO外部対策の歴史はリンクの量から質へのシフトを象徴しています。今後もアルゴリズムの進化に対応しながら、高品質なリンクを獲得することが重要です。
現在のSEOにおいても、外部対策は極めて重要な要素です。Googleのシニアウェブマスター・トレンドアナリストであり、公式スポークスパーソンであるJohn Mueller(ジョン・ミュラー)氏は、「関連性の高いウェブサイトからの1本の良質なリンクは、何百万もの低品質なリンクよりも有益である」と述べています。これは、被リンクの数よりも被リンクの質が重要であることを示しています。この考え方が、現在のSEO外部対策の基本となっています。
ミュラー氏の発言は、被リンク戦略において、質の高いリンクを優先する必要があることを強調しています。信頼性が高く、関連性のあるWebサイトからのリンクは、検索エンジンに対して信頼性のシグナルを送り、検索ランキングを大幅に向上させる効果があります。これに対して、低品質なリンクは、検索エンジンに対してネガティブな影響を与える可能性があり、ペナルティのリスクを伴うのです。
検索エンジンのアルゴリズムは進化を続けており、ユーザーエクスペリエンスやコンテンツの信頼性をより正確に評価する能力が向上しています。また、AIや機械学習の進化により、検索エンジンはリンクの質や関連性をより正確に判断できるようになると考えられます。これにより、スパムリンクや低品質なリンクの影響がさらに減少し、質の高いリンクがSEOにおいてますます重要な役割を果たすことになるでしょう。
SEO外部対策には、主に被リンク(外部リンク)とサイテーション(引用)の2つがあります。これらは、Webサイトの信頼性や権威を検索エンジンに示すための重要なシグナルとなります。この項では、被リンクとサイテーションの違いとそれぞれの重要性について詳しく解説します。
被リンクとは、他のWebサイトから自社サイトへのリンクを指します。被リンクは、検索エンジンがWebサイトの信頼性や権威を評価する際に重要な役割を果たし、以下の4つの評価要素があります。
【1. リンク元のページランク】
ページランクはGoogleがウェブページの重要性を評価するための指標であり、高いページランクを持つサイトからのリンクは、リンク先のサイトにとって有益となります。これは、信頼性の高いサイトからのリンクが、リンク先サイトの信頼性を高めるためです。
【2. リンク元ページにおける掲載状況】
リンクがページのどこに配置されているかも重要です。ページの上部や本文中に配置されているリンクは、フッターやサイドバーに配置されているリンクよりも価値が高いとされます。ユーザーがリンクをクリックする可能性が高い場所にあるリンクが、より有益であると判断されるためです。
【3. リンク元とリンク先のコンテンツの関連性】
リンク元のサイトとリンク先のサイトのコンテンツが関連性を持っている場合、そのリンクは高い評価を受けます。ミュラー氏もこの点を強調しており、関連性の高いリンクは、検索エンジンに対してウェブサイトが専門的で信頼できる情報源であることを示します。たとえば、技術ブログから技術関連のサイトへのリンクは、ファッションブログからのリンクよりも価値が高いとされます。
【4. リンクが貼られてからの経過時間】
リンクが長期間にわたって維持される場合、そのリンクの価値は高まります。古いリンクは、新しいリンクよりも信頼性が高いとみなされることが多いためです。継続的に維持されるリンクは、検索エンジンに対してウェブサイトが安定して信頼されていることを示します。
被リンクは通常、HTMLのa要素(アンカータグ)を使用して作成されます。このa要素はリンク先のURLを指定し、ユーザーがクリックすることで他のウェブページに移動するための重要なタグです。a要素にはリンクテキスト(アンカーテキスト)が含まれ、このテキストもSEOにおいて重要です。関連性の高いキーワードを含むアンカーテキストは、リンクの価値をさらに高める効果があります。
サイテーションとは、リンクではなく自社サイトやブランドがオンラインで言及されることを指します。具体的には、ブランド名、住所、電話番号、テキストで記載されたURLなどです。サイテーションは、特にローカルSEOにおいて重要な役割を果たし、検索エンジンがビジネスの信頼性や認知度を評価する際に利用されます。
サイテーションには、次の3つの要素が含まれます。
【1.ブランド名】
オンラインでブランド名が言及されることで、そのブランドの認知度が高まり、検索エンジンに対して信頼性のシグナルとなります。特に権威あるサイトやニュースメディアでの言及は高い評価を受けます。
【2.住所、電話番号】
特にローカルSEOにおいて、ビジネスの住所や電話番号がオンラインで正確に記載されていることは重要です。これにより、検索エンジンはビジネスの所在地を正確に把握し、ローカル検索結果において適切に表示することができます。
【3.テキストで記載されたURL】
テキストで記載されたURLもサイテーションの一部として評価されます。リンクされていなくても、URLが言及されることで、そのサイトの認知度が高まり、検索エンジンに対する信頼性のシグナルとなります。
正確で一貫したサイテーションは、検索エンジンに対してビジネスの信頼性を示す強力なシグナルとなります。これにより、ローカル検索結果でのランキングが向上し、地域の顧客からのアクセスが増加します。
また、サイテーションを通じてオンラインでの存在感を高めることで、検索エンジンだけでなくユーザーにも信頼されるビジネスとして認識されます。これは、ローカルSEOにおいて特に効果的です。
以下に被リンクとサイテーションの違いを表にまとめました。
被リンクは、SEO外部対策の中で最も重要な対策の一つです。おそらくSEO対策で最も難易度の高い施策ですが、検索ランキング上位を獲得するためには、避けては通れません。ここからは、被リンク獲得のための具体的な戦略と方法について詳しく解説します。
被リンクを獲得するための基本は、質の高いコンテンツを継続して発信することです。質の高いコンテンツとは、ユーザーにとって有益で、独自性があり、信頼性が高い情報を提供するものです。
出典:X
たとえば、Web制作会社のbaigieは約1,100の外部リンクを獲得しています。同社のブログを見てみると、ユニークで有益なコンテンツが多数掲載されています。特に、「提案書の書き方、徹底解説~提案書のストーリー・コピー・デザインの基本法則【スライド付】」は82万ビュー以上(2024年5月時点)を獲得しており、SNSでも大きな話題を集めた記事です。
この記事が大きな話題を集めた理由は、同社の代表が23年の知見を集約した魅力的なコンテンツだからです。おそらく多くの被リンクも獲得しているはずです。Googleの公式ブログでも、専門知識を存分に発揮したオリジナルで魅力的なコンテンツであれば、自然と被リンクが集まると記載されています。
自社には知見やノウハウがないと思われるかもしれませんが、営業資料や過去のセミナー、経営陣などへのヒアリングによって独自性のあるコンテンツ案を見つけることができます。たとえば、社内の既存資料を見直し、独自性のある「お宝コンテンツ」を発掘することが有効です。
また、経営陣やメンバーへのヒアリング、SNSやチャットツールを活用してノウハウを発信してもらうことで、新たなコンテンツ案を見つけることができます。
継続的に質の高いコンテンツを発信し、それをさまざまなチャネルで広めることで、自然と被リンクを獲得しやすくなります。これがSEO外部対策の基本であり、最も効果的な手法です。
独自性のある魅力的なコンテンツを作成しても、多くの人に知られなければ被リンク獲得は困難です。まずはコンテンツの閲覧者数を増やす必要があります。コンテンツの拡散に役立つのが、X(旧Twitter)やFacebook、LinkedInなどのSNSです。
Googleのミュラー氏は、SNSからのリンクが直接的なSEO効果を持たないことを明言していますが、間接的な効果を無視することはできません。SNSでコンテンツが拡散されれば、多くの人に閲覧してもらえ、結果的に他のサイトで紹介される確率が高まるのです。
コンテンツを作成したら、SNSで拡散するようにしましょう。もしSNSが育っていない場合、継続的にコンテンツを発信し、フォロワー数を増やす施策も必要です。またSNSを活用して被リンクを獲得するためには、以下の戦略が有効です。
これらの戦略を活用することで、SNSを通じて間接的に被リンクを獲得し、SEO効果を高めることができます。
調査結果をまとめたコンテンツなどは、プレスリリースや業界専門メディアへのニュース配信などをするのもよいでしょう。特に、業界専門メディアは自社と関連性の高い読者へコンテンツを届けられるため、外部リンク獲得に効果的です。
出典;Tech+
たとえば、DXサービスを提供するSansan株式会社はTech+で調査データを公開しています。Tech+はビジネスパーソンやITプロフェッショナルを主要な読者層としており、Sansanのサービスと調査データはこれらの読者にとって高い関心を引く内容です。これにより、ターゲットとの一致が見込め、多くの外部リンクを獲得できる可能性があります。
出典;Moz
さらに、Tech+はドメインランク92という高い権威性を持つメディアです。ドメインランクは、Mozが提唱する指標で、サイトの信頼性や影響力を評価するものです。このような高い評価を受けているメディアに調査データを公開することで、信頼性の高い外部リンクを獲得できるだけでなく、多くの読者にリーチすることができます。
このように有料メディアを活用することで、多くのターゲットにアプローチし、高品質な被リンクの獲得を見込めます。特に業界専門メディアは、ターゲットに直接リーチできるため、SEO外部対策において効果的です。
日本ではあまり行われていませんが、自社と関連性のあるメディアにメールを送信し、被リンクの提案をするという方法があります。しかし、単に外部リンク設置の提案をするだけでは、成功確率は低いです。
Backlinkoによれば、被リンク設置の提案をする前に、相手にメリットを伝えつつ興味関心を探る方法が有効です。他メディアにとって有益なコンテンツを作成したら、積極的に被リンクの提案をしてみましょう。
質の悪い被リンクは、SEOに悪影響を与える可能性があるため、注意が必要です。質の悪い被リンクには、以下のような特徴があります。
これらの質の悪いリンクは、検索エンジンのペナルティを受けるリスクが高く、ランキン低下を招く恐れがあります。質の悪いリンクを避けるためにも、リンクの質と関連性を重視し、自然な被リンク獲得を目指しましょう。
自社の被リンク状況を定期的に確認すれば、被リンク獲得に貢献しているコンテンツや被リンクを貼ってくれるメディアのパターン的特徴、質の低いリンク状況などを把握できます。
たとえば、特定の業界ブログやニュースサイトが多くリンクを貼ってくれる場合、その分野での露出を増やすためのターゲティング戦略を強化できます。被リンク状況を確認するには、以下のようなツールが役立ちます。
ツールの詳細は後ほど詳しくご紹介いたします。これらのツールを活用して、自社の被リンク状況を定期的に分析することで、被リンク獲得戦略を最適化できます。
SEO外部対策において、サイテーション(引用)は被リンクと似た概念ですが、リンク自体が存在しない場合でも、その効果が認められる点で異なります。サイテーションとは、リンクされていなくてもネット上で自社サイトやブランドが話題になったり、言及されたりすることを指します。
このような言及が増えることで、検索エンジンは信頼性の高いサイトであると判断し、ランキング向上を見込めるのです。サイテーションを意図的に作り出すのは難しいですが、質の高い価値のあるコンテンツを公開し続けることで、自然な形でのサイテーションを増やすことができます。
ここからは、サイテーションについて詳しく見ていきましょう。
サイテーションは、オンライン上で自社ビジネスやブランドに関する情報が言及されることを指します。具体的な要素は以下の通りです。
【ブランド名】
ブランド名の言及は、サイテーションの中でも特に重要な要素です。オンライン上でブランド名が取り上げられることで、検索エンジンに対してそのブランドの認知度と信頼性を示すシグナルを送ります。
たとえば、あるブログ記事で「○○社は最新のツールを提供しています」のように自社ブランド名が紹介されることは、サイテーションの一種です。
【住所や電話番号(NAP情報)】
特にローカルSEOにおいて、ビジネスの名前、住所、電話番号(NAP情報)が正確にオンラインに記載されることは、ビジネスの信頼性と存在感を示す重要な要素です。NAP情報の一貫性は、検索エンジンがビジネスの正確な所在地と連絡先を確認するために用いられます。
【URLの言及】
リンクとして表示されなくても、テキスト形式でURLが記載されることもサイテーションとして評価されます。検索エンジンは、リンクされていないURLでも、言及されることでそのサイトの認知度や信頼性を評価します。
たとえば、記事中で「詳細はこちらをご覧ください:www.example.com」のように記載されるのはサイテーションです。
サイテーションはリンクが貼られる必要がないため、被リンク対策よりも難易度は低いです。特にローカルSEOにおいてビジネスの信頼性を高め、検索エンジンのランキング向上に貢献します。
サイテーション(言及)は、被リンクほど認知度は高くありませんが、本当にSEOに効果があるのか疑問に思う方もいるでしょう。実際には、サイテーションはローカルSEOおよび通常のSEOにおいても重要な役割を果たしています。
Googleの公式見解によると、ローカル検索結果の検索順位とサイテーションの間には密接な関係があるとのこと。具体的には、GoogleはオンラインメディアやSNSでサイトがどのように評価されているのかをチェックしており、ポジティブまたはネガティブな言及が多数ある場合、ブランドの信用性に影響を与えることがあります。
Googleの、Gary Illyes(ゲイリー・イリェーシュ)氏も、GoogleはオンラインメディアやSNSでの評価を重視していると述べています。たとえば、自社について多くのポジティブな言及がある場合、Googleから高い信用を得る可能性があり、逆にネガティブな言及が多い場合は評価が下がる可能性があるのです。
これらのGoogleの公式見解を踏まえると、視認性の高さ(サイテーションの多さ)は、ビジネスの信頼性と認知度を示す重要な指標であり、ローカルSEOは当然ながら、通常のSEOにも効果があるとされています。
実店舗やオフィスがある場合、Google My Business(GMB)への登録は忘れずに行いましょう。GMBは、ビジネス情報をGoogleの検索結果やGoogle Mapsに表示するためのプラットフォームです。
GMBに登録をすれば、ビジネスの名前、住所、電話番号(NAP情報)、営業時間、写真、顧客レビューなどの情報を一元管理できます。NAP情報が正確で一貫していることで、検索エンジンはそのビジネスの信頼性を高く評価するわけです。
また、ユーザーが自社ビジネスに関するレビューを書き込めるようになります。多くのポジティブなレビューは、ブランドに対する信頼を築く一方で、ネガティブなレビューも適切に対応することで、顧客サービスの向上と信頼性の回復に役立ちます。
構造化データは、Webページの内容を詳細に検索エンジンに伝えるための情報形式で、検索エンジンがページの内容を正確に理解するのを手助けします。これにより、検索エンジンはページの内容を適切にインデックス化し、ユーザーに必要な情報を正確に提供できます。
特に、NAP(名前、住所、電話番号)情報を構造化データでマークアップすることは、検索エンジンがサイテーションを適切に認識するのに効果的です。NAP情報は、ローカルSEOにおいてビジネスの信頼性を示す重要な要素であり、正確で一貫した情報提供が求められるためです。
NAP情報をマークアップする際には、表記の一貫性を意識しましょう。たとえば、住所や電話番号の表記が一貫していない場合、検索エンジンは同一の企業として認識できず、サイテーションの評価が分散されてしまう恐れがあります。
構造化データは、Googleが提供する「構造化データ マークアップ支援ツール」を使えば簡単に実装できます。
SEO外部対策を効果的に実行し、その成果を最大化するためには、適切なツールの活用が不可欠です。この項では、被リンクの質と量を評価し、外部対策戦略を最適化するツールをご紹介します。
出典:Ahrefs
Ahrefsは、世界中の企業が利用するSEO対策ツールです。Ahrefsは、26.9兆もの広範なリンクデータベースを持っているため、正確な被リンク分析を行えます。主に把握できる項目は、リンク元のドメイン、ページランク、アンカーテキスト、リンクが設置された場所などです。
また、競合分析に強みを持っており、競合メディアの被リンク獲得状況を調査することも可能です。この機能を使えば、たとえば競合企業の被リンクを貼っているメディアに、自社リンク設置の提案をするなどの施策が考えられます。
そのほか、キーワード調査機能やランキング調査などのSEO対策に必要な機能が備わっています。
Google Search Consoleは、Webサイトの検索パフォーマンスを測定・改善するための無料ツールです。
本ツールでは、被リンクを受けているページ、被リンクをしているサイト、被リンク元のアンカーテキスト、被リンクの数など基本項目の確認が可能です。
また、質の悪いリンクやスパムリンクを発見した場合、それらを無効にするためのリンク否認機能を利用することで、ペナルティを回避し、Webサイトの評価を維持できます。
さらに、Webサイトの検索パフォーマンスを監視し、インプレッション数やクリック数、検索クエリなどのSEO対策に必要なデータをほぼすべて確認可能です。SEO対策に必須のツールのため、まずはGoogle Search Consoleを使いこなせるようになりましょう。
出典:Moz
Moz Link Explorerは、被リンクの分析と獲得戦略の最適化を支援するツールです。自社または競合サイトのURLを入力することで、リンク元のドメインオーソリティ、リンク数の推移、アンカーテキストなど被リンクの詳細情報を得られます。これにより、リンクの質と関連性を評価し、被リンク獲得戦略の最適化が可能です。
また、スパムスコアという項目を確認することで、効率よく質の悪いリンクを特定し、自社の被リンク状況を健全に保てます。MozもまたAhrefsと同様に、基本的なSEO機能を提供しており、制限こそありますが無料で活用することも可能です。
シンプルで使いやすいツールを求めている場合はMoz、より豊富な機能で詳細分析をしたい場合はAhrefsを選択するとよいでしょう。
出典:Majestic SEO
Majestic SEOは、被リンク/サイテーションの質と量を評価するツールです。その最大の特徴は、広範なリンクデータベースと独自の指標を用いた評価システムでしょう。
まずMajestic SEOは大規模なリンクデータベースを持っており、Webサイトの過去と現在のリンクデータを網羅的に提供します。自身のサイトだけでなく、競合他社のリンク状況も詳しく分析することが可能です。
また、Majestic SEOでは「トラストフロー」と「サイテーションフロー」というサイトの信頼性と影響力を測定する独自指標を利用しています。トラストフローは信頼性の高いサイトからのリンクを重視し、サイテーションフローはリンクの数を評価します。この2つの指標を組み合わせることで、外部SEOの全体像を把握することが可能です。
SEO外部対策は、自社サイトの信頼性や権威性を高め、検索エンジンでの評価を向上させるための重要な施策です。信頼性のあるサイトは、被リンクやサイテーションを多く獲得でき、それが結果として検索エンジンの順位向上につながります。
被リンクやサイテーションを獲得するためには、まず何よりも良質なコンテンツの制作が欠かせません。たとえば、独自の視点やデータを提供する記事、業界の専門知識をわかりやすく解説するガイド、ユーザーの問題を解決するツールやテンプレートなどが挙げられます。これらのコンテンツは自然と他のサイトからリンクされ、SNSでのシェアも期待できます。
有益なコンテンツを作成したら、ブログやSNS、メールマガジンなど、さまざまなチャネルを活用してコンテンツを広めましょう。
SEO外部対策は地道な作業ですが、良質なコンテンツ制作と効果的な拡散を継続することで、確実に成果を上げることができます。
渋谷 真生子
株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。