ホームページ運営において、「サイトマップ」と聞いてピンと来ない方も多いかもしれません。
しかし、実はサイトマップはSEO効果の向上やユーザビリティの改善において欠かせないツールなのです。たとえば、サイトマップを適切に設定することで、検索エンジンがあなたのホームページをより効率的にクロールし、インデックスする確率が格段に上がります。その結果、検索結果に表示されるページ数が増え、訪問者が求める情報に迅速にアクセスできるようになるのです。
この記事では、初心者でも理解しやすいように、サイトマップの基本的な役割とその重要性から、具体的な作成方法、さらにはサイトマップの作成と更新を支える便利ツールまでを徹底的に解説します。
「サイトマップって何?」という基本的な疑問から、「どうやって作ればいいの?」という具体的なステップまで、この記事を読めばすべて解決しますので、最後まで読んでいただければ幸いです。
ホームページ制作において、サイトマップの理解は欠かせません。サイトマップを作成することで、ユーザーの利便性やSEO評価の向上などが見込めるのです。まずは、サイトマップの基礎知識や種類、実際の例を見ていきましょう。
サイトマップとは、ホームページの全体像を視覚的に整理し、各ページ間の関係性を明確に示した「設計図」や「地図」のようなものです。
サイトマップがあることで、ユーザーは求める情報に簡単にアクセスできるようになります。また、サイトマップはホームページの構造を検索エンジンに伝える働きもあるのです。
SEOの仕組みを簡単に述べると、検索エンジンのロボット「クローラー」が、ホームページを巡回し、ページをインデックス(検索エンジンの図書館みたいなもの)に保管します。検索エンジンは、ユーザーの検索語句に合わせて、インデックスから最適なページを選び、検索結果画面に表示するのです。
すなわち、自社ホームページを検索結果画面に表示するためには、クローラーに自社ホームページを巡回してもらい、正確に内容を理解してもらうことが欠かせません。サイトマップを作成することで、クローラーの巡回率が高まるため、迅速にインデックスされるようになります。
このようにサイトマップがしっかりと作成されていると、ユーザーにとって使いやすいホームページを構築するだけでなく、検索エンジンからの評価も向上します。これは特に大規模なホームページや情報量が多いホームページにおいて効果的です。
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サイトマップには、サイト構造図、HTMLサイトマップ、XMLサイトマップの3つの種類があります。それぞれの役割と目的を理解し、適切に使い分けることで、ホームページの効果的な運用が可能となります。
各サイトマップが必要な理由や作成方法は、次の項から詳細に解説いたします。ここでは、サイトマップにはホームページ制作者向け、ユーザー向け、検索エンジン向けの3種類があることを理解いただければ十分です。
サイトマップの特徴は理解できたものの、具体的なイメージができない方は多いのではないでしょうか。そこでここからは、具体的なサイトマップの例を見ていきます。
出典:株式会社ニコン
こちらは株式会社ニコンのサイトマップです。ブラウザでアクセス可能、階層構造が視覚的に表示されており、各カテゴリやサブカテゴリが明確に示されており、ユーザーはホームページ内のページを効率的に見つけられます。
出典:Sansan株式会社
こちらは名刺管理ツールを提供するSansan株式会社のサイトマップです。これら2つの例を見てもわかるように、サイトマップは主に以下の要素で構成されます。
サイトマップは適切に階層化することで、ユーザーと検索エンジンの両方にとってわかりやすくなります。
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>http://www.example.com/</loc>
<lastmod>2023-06-10</lastmod>
<changefreq>daily</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
<!-- 他のURLも同様に記載 -->
</urlset>
これはXMLサイトマップの例です。XMLサイトマップの制作は難しそうですが、ほとんどのCMS(コンテンツ管理システム)は自動作成をします。
それでは、ここからは各サイトマップの詳細を見ていきましょう。
構造サイトマップとは、ホームページの全体像を視覚的に示す図です。
各ページの階層構造や相互の関係性を明確に表現し、サイト設計やナビゲーションの計画を効果的に行うために用いられます。構造サイトマップを作成することで、サイトの骨組みが一目で分かり、効率よくホームページ制作を進められます。
構造サイトマップは、ホームページの制作で役に立つツールです。構造サイトマップが必要な理由を見ていきましょう。
構造サイトマップは、ホームページ制作を進めるための基盤となります。構造サイトマップがあることで、どのページが必要なのか、どのようなナビゲーションをすればよいのかなどが明確になるのです。
また、外部の制作会社に依頼する際も構造サイトマップが役に立ちます。構造サイトマップを基に制作するページ数や構成を明確にすることで、具体的な見積もりが可能になります。これにより、プロジェクトの範囲が明確になり、予算やスケジュールの管理が容易になります。
さらに、 重要なページと補助的なページを把握することで、リソースの適切な配分が可能です。たとえば、大規模な企業サイトのリニューアルプロジェクトでは、構造サイトマップを基に各チームが担当するページやセクションを明確に分けることで、作業の重複を避け、効率的な進行を実現できるでしょう。
構造サイトマップを共有することで、メンバー全員が共通認識を持って、ホームページ制作に取り組めます。
これにより、誤解やミスが減少し、期待したホームページの完成を見込めるのです。たとえば、新しい機能を追加する際、全員が構造サイトマップを参照することで、同じ方向性で開発を進めることができます。
また構造サイトマップは、プロジェクトの進行状況を可視化するためのツールとして機能します。定期的なミーティングで構造サイトマップを確認しながら進捗を報告することで、全員が同じ情報を共有し、次のステップを明確に理解できるでしょう。
ホームページ制作においては、初期段階で構造サイトマップを作成することで、効率よく要件を定義したり、後々の修正や変更を減らしたりできます。
構造サイトマップを作成することで、ユーザーが情報を探しやすいホームページを作成できます。トップページを起点に、企業情報、製品情報、役立つコンテンツ、事例などセクションを階層化することで、ユーザーは目的の情報に迅速にアクセスできるようになります。
また、構造サイトマップはサイト全体の一貫性を保つのに役立ちます。すべてのページが論理的に配置され、関連性のある情報が適切にグループ化されるため、ユーザーはどこに何があるかを簡単に把握できるのです。これにより、特定の情報を探す際のストレスが軽減され、ユーザーはサイトを離れることなく必要な情報を見つけられます。
ホームページの作成段階で、適切な設計をしなければ、公開後に大幅なリニューアルの必要性に迫られ、さらなる時間やコストなどが発生します。このような事態を防ぐためにも、構造サイトマップを作成してから、ホームページの構築に入ることが大切です。
構造サイトマップを作成する際には、以下のチェックポイントを確認することが重要です。これらのポイントを押さえることで、ユーザーと検索エンジンにとって理解しやすいホームページを構築することができます。
構造サイトマップでは、ホームページのコンテンツを階層化します。
トップページを第一階層として、そこから各種カテゴリーページを第二階層、カテゴリーページの詳細を第三階層とするのが基本です。ここでポイントになるのが、重要なページを上の階層に配置すること。
たとえば、先にご紹介したSansanはトップページを第一階層とし、以下のようなページを第二階層に配置します。
さらに、第二階層の下には詳細ページを設置しています。たとえば、サービスの下には同社が提供する4製品の詳細ページが第三階層として配置されています。
このように重要ページを上位に配置することで、ユーザーは効率よく必要な情報を見つけられるのです。
ホームページの目的や内容に応じて、必要なページが全て含まれているか確認します。そのためにもまずは、ホームページの目的と対象ユーザーに基づいて、必要なすべてのページをリストアップします。
また、古いコンテンツや重複ページなどの不要なページが含まれていないかのチェックをして、ユーザーが混乱することなく、ホームページ内で情報収集することが可能です。
ユーザーがサイト内をどのように移動するか、典型的なユーザーフローを考慮してサイトマップを設計します。
ユーザー視点でフローを設計することで、ユーザーが自然な流れで情報を取得でき、目的を達成しやすくなります。主なユーザーフローは以下の通りです。
たとえば、Amazonでは、トップページに主要なカテゴリ(例:家電、ファッション、食品など)を配置し、それぞれのカテゴリページに商品一覧が表示されるように設計されています。さらに、各商品ページには「関連商品」や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」といった内部リンクが設置されており、ユーザーが興味のある商品を次々と見つけやすくなっています。
構造サイトマップを作成する際の手順は以下の通りです。
まず、サイトの目的とターゲットユーザーを明確にすることから始めます。
たとえば、企業サイトであれば製品情報の提供や顧客サポートが目的となり、ターゲットユーザーは既存顧客や潜在顧客、投資家などになります。ECサイトであれば、製品の販売が主な目的であり、ターゲットユーザーは購入意欲のある消費者となるでしょう。
目的とターゲットによって、ホームページの規模やコンテンツなどが変わります。
次に、サイトに必要な全てのコンテンツをリストアップし、それぞれの重要度を評価します。
たとえば、企業サイトでは製品ページ、サービスページ、会社概要、ニュースリリース、採用情報、FAQ、顧客サポートページなどが必要となります。
一方、ECサイトでは商品カテゴリページ、商品詳細ページ、カート、チェックアウトページ、ユーザーアカウントページ、ブログ、レビュー、FAQなどです。
リストアップした主要なコンテンツをもとに、ページ間の階層構造を設計します。トップページ、カテゴリーページ、コンテンツページなど、各ページの関係性を明確にし、ユーザーが直感的にサイトを移動できるようにしましょう。
その後、ページ間のリンクを設定し、ユーザーが迷わずに情報にアクセスできるようにします。リンクの設定はユーザーのナビゲーション体験を大きく左右するため、直感的かつ使いやすい設計が求められます。
たとえば、内部リンクの設置やナビゲーションバーの整備により、関連ページや主要コンテンツへのアクセスを容易にします。ブログサイトでは、各記事の終わりに関連する記事へのリンクを設置して、ユーザーの滞在時間を延ばします。ECサイトでは、商品詳細ページに「この商品を見た人はこんな商品も見ています」というセクションを設け、関連製品の購入を促進するとよいでしょう。
設計した階層構造とリンクを図にまとめ、視覚的にわかりやすく表示します。これにより、全体像を一目で把握できます。次の項で、サイトマップの制作に便利なツールを見ていきましょう。
構造サイトマップを作成する際には、以下のツールを活用すると便利です。
出典:Canva
デザイン作成ツールのCanvaは、構造サイトマップのテンプレートを豊富に用意しています。テンプレートを利用すれば、直感的な操作で簡単に構造サイトマップの作成が可能です。デザインに慣れていない方でも、プロフェッショナルなサイトマップを作成できます。
出典:Slickplan
Slickplanは、ホームページの構造を視覚的に設計し、サイトマップを簡単に作成できるツールです。
ドラッグ&ドロップ操作で容易にサイトマップの作成を行えます。作成したサイトマップは、HTML形式の他、PDF形式でもダウンロードできるため、ホームページ制作におけるサイト構造マップとしても活用できます。
(ページの公開には、HTML形式でダウンロード後に、調整が必要です)
また、既存のホームページのURLを入力するだけで、自動でサイトマップを作成することも可能です。
エクセルやGoogleスプレッドシートは、シンプルで使いやすく、基本的な構造サイトマップを作成するのに適しています。どちらのツールを使用する場合でも、組織図機能を利用することでサイト構造マップの作成が可能です。
Googleスプレッドシートで実際に作成してみましょう。
まずは、上記画像のようにページ名、カテゴリ、階層の列を作成し、各項目を埋めていきます。ページの階層構造を設計したら、データ範囲を選択し、メニューにある「グラフを挿入」をクリックし、「組織図」を選択。
すると、上記画像のようなサイト構造マップが完成しました。ページ名と階層、カテゴリを入力するだけなので、比較的簡単に作成できます。
HTMLサイトマップは、ホームページの訪問者向けにサイト全体のページ構成を一覧表示するページです。これにより、ユーザーはサイト内の情報にアクセスしやすくなり、サイト全体の構造を視覚的に理解できます。たとえば、企業サイトのサイトマップページが該当します。
HTMLサイトマップは、大規模なホームページや情報量が多いサイトで特に必要性が高いです。ユーザーはサイト全体のページ一覧を確認することで、目的の情報にスムーズにアクセスできるようになるためです。また、サイト構造が明確に示されるため、新規ユーザーでも直感的にサイトを利用できます。
一方で、ページ数が少ないホームページの場合、HTMLサイトマップの必要性は低いです。その代わりに、フッター部分にすべてのページのメニューを追加して、サイトマップページの代替として機能させるケースもあります。
HTMLサイトマップが必要な理由を見ていきましょう。
HTMLサイトマップを利用することで、ユーザーは求める情報に迅速にアクセスでき、サイト全体の利用効率が向上します。
ニールセン社の調査によれば、ユーザーはウェブページを閲覧する際に平均して約10秒以内に必要な情報を見つけたいと考えています。HTMLサイトマップを提供することで、ユーザーが迅速に目的のページにアクセスできるため、ユーザーの満足度や平均滞在時間が向上するのです。
HTMLサイトマップは、サイト全体の構造を視覚的に把握できるため、新規ユーザーでも直感的にサイトを利用できます。特に、製造業や金融業界など大量のコンテンツを持つホームページでは、サイトマップがユーザーのナビゲーションをサポートし、迷うことなく目的の情報にアクセスできるようにすることが重要です。
出典:楽天銀行
こちらは楽天銀行のサイトマップです。カテゴリ別にまとめて、ユーザーは気になるカテゴリをクリックすることで、カテゴリの詳細ページを見れる仕組みです。多くの商材を取り扱う場合、ホームページが複雑になる傾向にありますが、サイトマップを作成することでユーザーは直感的に利用できるようになります。
HTMLサイトマップを作成する際には、以下のチェックポイントを確認することが重要です。これらのポイントを押さえることで、ユーザーにとって使いやすいサイトマップを作成することができます。
サイト内の全てのページが網羅されているかを確認します。特に重要なページが漏れていないかをチェックすることが不可欠です。これにより、ユーザーが求める情報に迅速にアクセスでき、サイト全体のナビゲーションが改善されます。ただし、数千ページ以上の規模がある大きなサイトでは、全てのページを含めるのは難しいため、重要なページを厳選し、整理して掲載する方法が一般的です。
各ページへのリンクが正確に設定されているかを確認します。リンクが切れているとユーザーにとって不便になるため、必ずリンクの動作を確認することが重要です。内部リンクはもちろん、必要に応じて外部リンクの確認もしましょう。
サイトマップのレイアウトも重要です。
ユーザーにとって見やすく、直感的に利用できるレイアウトを設計します。具体的には、ページをカテゴリ別に整理して階層構造を明確にする、フォントサイズやカラーを工夫してユーザーが一目で情報を理解できるようにするなどの工夫をしましょう。
サイトが更新された際に、HTMLサイトマップも容易に更新できるように設計されているかを確認します。これは常に最新の情報を提供するために重要です。これにより、常に最新の情報を提供し続けることができます。
CMS(コンテンツ管理システム)を使用している場合、サイトマップが自動的に更新されるプラグインを利用するとよいでしょう。
手動での更新が必要な場合でも、簡単に編集できるように設計します。
HTMLサイトマップを作成する方法はいくつかあります。代表的な方法を以下に紹介します。
WordPressを利用している場合、プラグインを使用してHTMLサイトマップを自動生成することが可能です。これにより、手動での更新作業を減らし、常に最新のサイトマップを提供することができます。
以下は、代表的なプラグインの例です。
HTMLコードを用いて手動でサイトマップを作成する方法もあります。この方法は細かなカスタマイズが可能ですが、サイトの規模が大きい場合は管理が大変になることがあります。以下に、手動で作成する場合の具体的な手順を紹介します。
1.全ページのURLをリストアップする
まず、サイト内の全てのページのURLをリストアップします。これにより、漏れなく全ページをサイトマップに含めることができます。
2・HTMLコードの作成
リストアップしたURLを基に、HTMLコードを作成します。各ページへのリンクを設定し、適切な階層構造を反映させます。
例:
<!DOCTYPE html>
<html>
<head>
<title>HTML Sitemap</title>
</head>
<body>
<h1>HTML Sitemap</h1>
<ul>
<li><a href="https://example.com/">Home</a></li>
<li><a href="https://example.com/about">About Us</a></li>
<li><a href="https://example.com/services">Services</a>
<ul>
<li><a href="https://example.com/services/consulting">Consulting</a></li>
<li><a href="https://example.com/services/development">Development</a></li>
</ul>
</li>
<li><a href="https://example.com/contact">Contact</a></li>
</ul>
</body>
</html>
3.サイトに公開する
作成したHTMLサイトマップをサイトに公開し、適切な場所にリンクを設置します。たとえば、フッターやナビゲーションメニューにリンクを追加することで、ユーザーは容易にサイトマップにアクセスできます。
どれだけ魅力的なサイトマップを作成しても、ユーザーに見つけてもらえなければ意味がありません。「自社名 サイトマップ」と検索するユーザーは極めて少ないため、自社ホームページに訪問したユーザーが、簡単にサイトマップを見つけられるようにしましょう。
HTMLサイトマップを作成する際には、以下のツールを活用すると便利です。
出典:Ferret One
Ferret Oneは、BtoBマーケティングに必要な機能がそろったツールです。HTMLサイトマップの自動作成機能の他、ホームページ制作や分析、メール、顧客管理機能などが搭載されています。直感的な操作が可能で、初心者でも簡単に使いこなせるでしょう。
XMLサイトマップは、検索エンジン向けにホームページの全ページをリストアップしたファイルです。
このファイルは、サイト内の全てのURLと、それぞれのURLに関する追加情報(最終更新日、更新頻度、優先度など)を記載します。これにより、検索エンジンのクローラーがホームページの構造を効率的に把握し、全ページを正確にインデックスすることができます。
XMLサイトマップは特に大規模なホームページや頻繁に更新されるサイトにとって重要です。たとえば、数千ページに及ぶオンラインストアや、毎日新しい記事が追加されるニュースサイトでは、クローラーが全てのページを効率よく見つけることが難しくなります。
そこでXMLサイトマップを提供することで、検索エンジンがサイト内の全ページを迅速かつ正確にクロールできるようになるわけです。
XMLサイトマップは、ホームページの全体的なパフォーマンスを向上させ、検索エンジンによる効率的なインデックス作成を支援するために不可欠なツールです。
以下に、具体的な理由を詳しく説明します。
XMLサイトマップは、検索エンジンがサイト内の全ページを効率的にクロールするのを助けます。
特に、大規模ホームページでは、新規ページや下の改装のページがクローラーによって見逃されることがあります。XMLサイトマップを作成することで、これらのページも確実にクロールされるようになります。
新しく公開されたページや更新されたページが速やかにインデックスされるようになります。
Googleのゲイリー・イリース氏によれば、コンテンツが飽和している現代においては、当たり前のようにインデックスされることがなくなったと述べています。
そのため、ページ数の多いホームページにおいては、定期的にXMLサイトマップを更新し、迅速にコンテンツがインデックスされるようにしなければいけません。
XMLサイトマップを作成する際には、以下のチェックポイントを確認することが重要です。これらのポイントを押さえることで、検索エンジンのクローリング効率を向上させ、サイトの全ページが確実にインデックスされるようにします。
サイト内の全ての重要なページが漏れなく含まれているかを確認します。特に、主要な製品ページや重要なブログ記事などが含まれているか確認することが重要です。これにより、サイトの全体像が検索エンジンに正確に伝わり、全てのコンテンツがインデックスされるようになります。
各URLに対して適切な更新頻度が設定されているかを確認します。
たとえば、ニュースサイトでは頻繁に更新されるページの更新頻度を「毎日」に設定、定期更新されるブログ記事においては週1回、会社概要などのあまり変更されないページは年1回に設定するといった具合です。
クロールバジェットという概念をご存知でしょうか。これは1つのサイトに対してGoogleのクローラーが巡回できる上限枠(割り当て枠)のことです。クローラーが巡回できるページ数の上限に達した場合、一部ページが認識されない可能性が生じます。
基本的にクロールバジェットは余裕のある数値が割り当てられていますが、たとえば大規模ホームページのXMLサイトマップで、すべてのページの更新頻度を毎日に設定すると、クロールされないページが出てくるでしょう。そのため、適切な更新頻度を設定する必要があります。
各ページの最終更新日時を正確に記載することで、検索エンジンは最新の情報を優先してインデックスできます。
更新日時を正確に反映することで、検索エンジンはサイトのコンテンツが新鮮であることを認識し、不要なインデックスを避けられます。具体例は以下の通りです。
検索エンジンが最新コンテンツを優先的にインデックスするためにも、最終更新日は記載するようにしましょう。
各ページの重要度を示す優先度(0.0から1.0)を設定することで、検索エンジンは重要なページを優先的にクロールします。たとえば、ホームページや主要なカテゴリーページは高い優先度を設定します。
XMLサイトマップを作成する方法はいくつかあります。代表的な方法を以下に紹介します。
XML形式で手動でコードを書く方法です。この方法は細かいカスタマイズが可能ですが、手間がかかります。以下のようなコードを作成します。
<urlset xmlns="http://www.sitemaps.org/schemas/sitemap/0.9">
<url>
<loc>http://www.example.com/</loc>
<lastmod>2023-06-10</lastmod>
<changefreq>daily</changefreq>
<priority>1.0</priority>
</url>
<!-- 他のURLも同様に記載 -->
</urlset>
まずは、サイト内の全てのページのURLをリストアップし、漏れがないようにします。リストアップしたURLを基に、XMLコードを作成します。各ページへのリンクを設定し、適切な階層構造を反映させましょう。
作成したXMLサイトマップは、サイトにアップロードし、Google Search Consoleなどのツールで登録します。
各種オンラインツールやソフトウェアを使用してXMLサイトマップを自動生成する方法です。手動で作成・更新する手間が省けるため、基本的には自動作成ツールの利用を推奨します。おすすめのツールは次の項でご紹介します。
XMLサイトマップを作成する際には、以下のツールを活用すると便利です。
出典:WordPress
WordPress用の無料プラグインです。
サイトに新しいページや投稿が追加されるたびに自動的にXMLサイトマップが生成されるのが特徴であり、これにより常に最新のサイトマップが検索エンジンに提供されるため、新規コンテンツが迅速に検索結果画面に表示されるようになります。
また、サイトマップに含めるページや投稿、カテゴリ、タグなどを細かく設定をし、特定のページや投稿をサイトマップから除外することも可能です。そのため、必要なページのみを検索エンジンにインデックスさせることができます。
デスクトップアプリケーションとして提供されているツールで、サイトのクロールとともにXMLサイトマップの生成が可能です。
主な仕組みとして、まずはロボットがホームページ全体を詳細にクロールし、すべてのページ、画像、CSS、スクリプトなどを収集します。クロール結果を基に、自動的にXMLサイトマップを生成するのです。
また、内部リンクが適切に設置されているか、タイトルやメタディスクリプションが正しく設置されているか、重複コンテンツはないかなど、内部SEO全体を最適化できます。
どの企業にもおすすめのツールですが、特に大規模なサイトや複雑なサイト構造を持つサイトに対して有効です。無料プランでも、500URLまではクローリングを実施し、XMLサイトマップの作成を行えます。
出典:Yoast SEO
こちらはWordPress用のプラグインで、SEO対策全般をサポートしながらXMLサイトマップの自動生成も行います。Yoast SEOを導入すれば、コンテンツの追加や削除に応じてXMLサイトマップが自動で更新されるため、作成の手間を大幅に削除することが可能です。
無料でも利用可能ですが、有料版に加入することで、AIによるタイトルとメタディスクリプションの自動生成、リアルタイムでの内部リンクの提案などの機能が解放されます。WordPressを導入していて、本格的なSEO対策を目指す方におすすめのプラグインです。
サイトマップはあまり重要視されない傾向にありますが、ホームページの作成から運営において重要な役割を果たします。適切なサイトマップを作成することで、ホームページ作成の効率化、ユーザー体験の向上、多くのコンテンツが迅速に検索結果画面に表示されるようになるなどの効果を得られるのです。
ホームページの価値を最大化し、ユーザーと検索エンジンの双方にコンテンツを効果的にアピールするためにも、サイトマップの重要性を無視することはできません。
本記事で解説した手順を参考に、ぜひ自身のホームページでも活用を検討してみてはいかがでしょうか。コンテンツの可視性が大幅に向上し、集客力のアップにつながることでしょう。
渋谷 真生子
株式会社100(ハンドレッド)のマーケター。新卒でグローバルヘルスケア企業で営業を経験し、セールスフォースにてBDRとして地方企業の新規開拓に携わる。コロナ渦でインバウンドマーケティングの重要性を実感し、アイルランド ダブリンにあるトリニティカレッジの大学院にてデジタルマーケティングの学位取得し現在に至る。最近はかぎ針編みにハマり中。
ビジネスの成長プラットフォームとしての魅力はもちろん、
HubSpotのインバウンドマーケティングという考え方、
顧客に対する心の寄せ方、ゆるぎなく、そしてやわらかい哲学。
そのすべてに惹かれて、HubSpotのパートナー、
エキスパートとして取り組んでいます。
HubSpotのこと、マーケティング設計・運用、
組織の構築など、どんなことでもお問い合わせください。